2016年10月11日

西條奈加「千年鬼」

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 西條奈加 著
 「千年鬼」
 (徳間文庫)


友だちになった小鬼から、過去世を見せられた少女は、心に<鬼の芽>を生じさせてしまった。小鬼は彼女を宿業から解き放つため、様々な時代に現れる<鬼の芽>―酒浸りで寝たきりの父のために奉公先で耐える少年、好きな人を殺した男を側仕えにして苛めぬく姫君、行商をしながら長屋で一人暮らす老婆、凶作が続く村で愛娘を捨てろと言われ憤る農夫、田舎から出て姉とともに色街で暮らす少女―を集める千年の旅を始めた。 精緻な筆致で紡がれる人と鬼の物語。−裏表紙より−


連作短編になっていて、4話までは小鬼が人の心に芽生える「鬼の芽」を吐き出させていく物語が続き、小鬼は天上の誰かに言われて、世の中を良くしようとしているのだと思っていました。

ところが、5話目になって時代が遡り、小鬼が民という少女と出会う場面が描かれたことで、これまでの話も実は全て一人の生まれ変わりなんだと気づかされます。

民が鬼の芽を芽生えさせる原因となった出来事が、本当に昔の日本で行われていたことなのかはわかりませんが、思わず顔をしかめたくなるようなことで、これは狂っても仕方ないと思えました。

そこからの小鬼と民の友情関係は痛々しいですが、心温まる物語で、最後は気づけば涙が流れているような、何とも言えない終わり方をしました。

ハッピーエンドとも言えるし、かわいそうでもあるし、でもこれで良かったのかもしれないとも思えます。これは、読んだ人それぞれ、感じ方が違うと思います。

私は心穏やかに読み終えることができました。「めでたし、めでたし」とは言いませんが、それに近い気持ちです。

苦しまなくて良くなっただけでもうれしくなりました。


鬼が出てくる時点でファンタジーなわけですが、普段ファンタジーを読まない人にも読んでもらいたいと思えるような素敵な作品でした。

この作家さんの作品はなかなか見つけられないのですが、早く探して読みたいと思います。


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2016年10月05日

伊坂幸太郎「残り全部バケーション」

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 伊坂幸太郎 著
 「残り全部バケーション」
 (集英社文庫)


当たり屋、強請りはお手のもの。あくどい仕事で生計を立てる岡田と溝口。ある日、岡田が先輩の溝口に足を洗いたいと打ち明けたところ、条件として適当な携帯番号の相手と友達になること”を提示される。デタラメな番号で繋がった相手は離婚寸前の男。かくして岡田は解散間際の一家と共にドライブすることに―。その出会いは偶然か、必然か。裏切りと友情で結ばれる裏家業コンビの物語。−裏表紙より−


物語は、ある一家が最後の日を迎えている場面から始まります。父親の浮気が原因で離婚することになった夫婦と、寮に入るため家を出る娘の3人家族。この家族、特にお母さんが面白い人で、何かにつけてどっしり構えている感じが浮世離れしていてなかなか笑えました。

一家が最後に3人で出かけようとしているとき、場面が変わって今度は何やら怪しげな商売をしているらしい2人組の話に。当たり屋をやった2人ですが、後輩の岡田が先輩の溝口に対して、突然「足を洗いたい」と言い出します。

こんな商売をしていると、抜け出すのは大変だという印象ですが、意外とあっさりと「わかった」と了承される岡田。でも条件として「適当な携帯番号にメールしてその相手と友達になること」と言われます。よくわからない理由ですが、溝口にしてみれば、こういう条件を出せば失敗して離れられないだろうと思ったようです。

そこまで読むと、もしかして・・と思える展開です。この作家さんお得意の、一見関係なさそうな人物が実はつながっていくというあれですね!?と、ワクワクし始めます。

そう、予想通り始めに出てきた一家と、岡田は連絡を取り合うことに。怪しい商売をしている割にはスムーズに足を洗えたね〜と安心していると、まあそうもいかず一波乱。

2話目以降になると、また全然違う話に。でも違う話に思えてもつながっていくので、注意深く読み進めました。

そして最後の話で一気につながる爽快感!

登場人物たちのキャラクターが面白くて、悪いことをしているはずなのに憎めなくて、どこか抜けている所もあって、最後まで飽きずに読み切ることができました。

やっぱりこの作家さんの話は良いな〜。改めて感じる作品でした。


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2016年10月01日

9月のまとめ

ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)
すぐに読み切れますが、心に刺さる内容でした。仕事に疲れている人にはグサグサ刺さると思います。これを読んで少しでも気持ちが軽くなれば良いですね。
読了日:9月2日 著者:北川恵海


なくし物をお探しの方は二番線へ 鉄道員・夏目壮太の奮闘 (幻冬舎文庫)なくし物をお探しの方は二番線へ 鉄道員・夏目壮太の奮闘 (幻冬舎文庫)
表紙の雰囲気よりは重い内容で、でも軽く読めて面白かったです。駅員や運転士などの仕事がどんなものかわかりますし、乗客たちの色々な人生も絡んで飽きずに読めます。どうやらシリーズ物らしいので、1作目も手に入れて読もうと思います。
読了日:9月4日 著者:二宮敦人


孤高のメス 死の淵よりの声 (幻冬舎文庫)孤高のメス 死の淵よりの声 (幻冬舎文庫)
シリーズなのにいきなりこの巻から読んだので、わからない登場人物が山のようにいました・・。それ以外にも次々人が出てきてはその人とのエピソードなんかも書かれていて、本筋を見失いそうになったり、誰が誰だか混乱したりして大変でした。でも主人公・当麻ドクターの人柄や手術シーンの臨場感に引き込まれていくように、気づけば読み終わっていました。1作目から読もうかな?でも巻数多いな・・と迷い中。
読了日:9月6日 著者:大鐘稔彦


時をかける眼鏡 新王と謎の暗殺者 (集英社オレンジ文庫)時をかける眼鏡 新王と謎の暗殺者 (集英社オレンジ文庫)
2作目も軽く読めるのですが、意外と深い内容でした。ミステリーとしては簡単というか、謎解きするまでもなく犯人が出てきてしまい、そこまで重要視されていませんが、それ以外の部分で充分楽しめます。
読了日:9月9日 著者:椹野道流


晴れた日は図書館へいこう (ポプラ文庫ピュアフル)晴れた日は図書館へいこう (ポプラ文庫ピュアフル)
ほのぼのと暖かくて優しいお話。殺伐としたミステリーが続いた後に読むとほっこり出来て良いかも。
読了日:9月13日 著者:緑川聖司


廉恥 警視庁強行犯係・樋口顕 (幻冬舎文庫)廉恥 警視庁強行犯係・樋口顕 (幻冬舎文庫)
やっと出たシリーズの新作!嬉しくてでも一気読みするのは勿体無いからゆっくり読みました。相変わらず樋口は気遣いの人です。周りからの評価に戸惑いつつも、信念を曲げない格好良さが好きです。
読了日:9月18日 著者:今野敏


ランドリー (双葉文庫)ランドリー (双葉文庫)
何とも切ない物語でした。泣くことは無かったですが、2人がどうなるのか気になって一気読みでした。
読了日:9月19日 著者:森淳一


残り全部バケーション (集英社文庫)残り全部バケーション (集英社文庫)
新しい話になる度に「誰の話?」と戸惑って、最後まで読むとスキッと全てが繋がってまとまる感じは、この作家さんの得意な手法ですけど、何度読んでもはまってしまいます。裏稼業の部分は決して褒められることではないですけど、憎めない人たちばかりで、読み終わるとなぜかほっこりしてしまいます。
読了日:9月23日 著者:伊坂幸太郎


千年鬼 (徳間文庫)千年鬼 (徳間文庫)
人って簡単に鬼にもなれるし優しくもなれるんだと改めて教えられた気がしました。最後の話では涙涙でボロボロになってしまいましたが、小鬼と民の関わりが暖かくて素敵で、読んで良かったと思えました。
読了日:9月30日 著者:西條奈加




全部で9冊でした。最近にしては読んだ方ですが、あっさり読める作品が多かった割には少ないかな?

特に印象に残ったのは「廉恥」「千年鬼」です。

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2016年09月28日

森淳一「ランドリー」

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 森淳一 著
 「ランドリー」
 (双葉文庫)


僕の名前はテル。コインランドリーで洗濯物を見張る仕事をしてる。小さい頃の頭のケガのせいで、周りの人とうまく付き合えないみたいだ。ある日、忘れ物を届けたことがきっかけで水絵さんと知り合った。水絵さんは綺麗だけど、笑った顔を見たことがない。数日後、水絵さんは「私は変わる」と言って故郷に帰った。乾燥機にワンピースを忘れて。忘れ物は届けなくちゃ。僕は水絵さんの故郷に向かった―痛々しいほどピュアな男女の、切なすぎる物語。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

読み始めから、何が言いたいのかな?と思っていました。だんだん、テルと水絵の関係性がどうなっていくのかが気になって、気づけば読み終わっていました。

1時間もかからず読み終えてしまえる、軽い文章の作品です。

読み終わって、帯に「泣ける」と何度も書いてあるのを見てびっくり。どこで泣けるんだろう?・・と感じる私って、無感動な人なんだろうか?と不安になってしまいました。

どうやら、テルの無垢な優しさに感動するらしいのですが、う〜〜ん。まあ確かに優しいといえば優しいのですが、やさしさよりも純粋さが魅力な人で、それを周りの人がうまくカバーしてこその魅力だと思います。

そこがうまくカバーできていない感じがして、残念でした。特に、水絵には共感もできなければ、魅力も申し訳ないですが感じられず。テルの純粋さに惹かれて、彼女も心を入れ替えるのかと思えばそうでもなく・・。

最後は何とか反省してまっすぐに生きて行きそうにはなりましたけど、また何かきっかけがあったら戻ってしまいそうで心配な人です。


この作品は映画化されたそうです。ラストシーンは映像だと綺麗で感動しそうだと思いました。もしかしたら、映像でのどかな風景なんかを織り交ぜながら話が進む方が楽しめるのかもしれません。


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タグ:森淳一
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2016年09月27日

買った本

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 西條奈加 著
 「千年鬼」
 (徳間文庫)


お気に入りの作家さん。見付けたので購入。


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 池井戸潤 著
 「七つの会議」
 (集英社文庫)


こちらもお気に入りの作家さん。前から出ているのは知っていましたが、分厚さになかなか手が伸びず。やっと買いました。

2016年09月23日

今野敏「廉恥」

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 今野敏 著
 「廉恥 警視庁強行犯係・樋口顕」
 (幻冬舎文庫)


警視庁強行犯係・樋口顕のもとに殺人事件の一報が入る。被害者は、キャバクラ嬢の南田麻里。彼女は、警察にストーカー被害の相談をしていた。ストーカーによる犯行だとしたら、警察の責任は免れない。被疑者の身柄確保に奔走する中、樋口の娘・照美にある事件の疑惑が・・。警察組織と家庭の間で揺れ動く刑事の奮闘をリアルに描く、傑作警察小説。−裏表紙より−


もう続きは書かないのかとあきらめかけていたシリーズに新作が出ました! 調べたら前作を読んだのは2010年3月でした。もう6年半経ちます・・。

シリーズ4作目となる今作ですが、登場人物のほとんどを忘れていても十分楽しめる作品になっています。まあ、樋口については知っておいた方がより楽しめるでしょうが。


前作では思春期の真っただ中にありながらも、普通に父親とも会話できていた娘が、大学生となった今回になって反抗期が出てきています。ほとんど父親と口を利かなくなった彼女。それなのに、樋口の元に娘が事件にかかわっているかもしれないという情報がもたらされます。

樋口が担当する事件ではないので、気がかりではありながらもどうしようもなくて地味に悩んでしまいます。・・が、持ち前のまじめさと頑固さでうまく乗り越えていくわけです。


樋口が担当する事件は、ストーカー殺人と思われる事件。ストーカー被害にあっていると警察に相談もしていたので、また警察が非難されると上層部は焦っています。ストーカーを止めるのはなかなか難しいとは思いますが、殺される前に何とか出来なかったのか?と思ってしまいますよね。

マスコミ対策も兼ねてやって来たのは、女性キャリアの小泉。彼女のお世話係として樋口が指名され、戸惑いながらも彼女と捜査本部の間を取り持とうとします。

キャリアとか官僚とかって、嫌なイメージしかないですけど、この小泉はなかなか鋭い指摘もしてくれて、役に立っていました。特に、女性全般の意見を求められたときに、返した答えが的確で、読みながら思わずうなずいてしまいました。

彼女はまた登場しそうで楽しみです。


この樋口顕シリーズは、隠蔽捜査シリーズと似ているとよく言われています。結局、この作家さんが描く刑事像が似ているからでしょうね。確かに似ていますが、頑固さと真面目さでは、竜崎に勝てるものはいません。樋口はかなりマイルドですし、竜崎ほどの自信はもっていないので、おどおどした感じが多いです。そこが好感持てるんですよね。

新作が出たからには、また続きも書いてくれるのかな?楽しみに待つことにします。


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2016年09月20日

緑川聖司「晴れた日は図書館へいこう」

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 緑川聖司 著
 「晴れた日は図書館へいこう」
 (ポプラ文庫)


茅野しおりの日課は、憧れのいとこ、美弥子さんが司書をしている雲峰市立図書館へ通うこと。そこでは、日々、本にまつわるちょっと変わった事件が起きている。六十年前に貸し出された本を返しにきた少年、次々と行方不明になる本に隠された秘密・・本と図書館を愛するすべての人に贈る、とっておきの日常の謎”。 知る人ぞ知るミステリーの名作が、書き下ろし短編を加えて待望の文庫化。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

何ともあっさりと1時間くらいで読んでしまえる作品でした。

主人公のしおりは小学5年生。お気に入りのいとこが司書をしていることもあって、図書館が大好きな女の子。毎日のように図書館へ行っては本を読んだり借りたりしています。

そして図書館で起きるちょっとした事件も、いとこと共に解決していきます。殺人などの血なまぐさい事件ではなく、本が関係したちょっとした事件。腹立たしいものもありましたが、ほとんどはほのぼのと終わっていく話になっていて、固いミステリーが続いたときに読むとほっこりして良さそうです。


図書館ってほとんど行かないですが、図書館という空間は好きです。図書館の本が苦手なので触れないのですが、本に囲まれた場所はテンションが上がります。自分の本を持って行って読んだら良いようなものですが、結局は家で読んでいます・・。

図書館の司書って大変そうだとぼんやりとは思っていましたが、これを読むとその大変さが更によくわかります。重い本を抱えて移動することは重労働ですし、本を整理したり、イベントを企画したり運営したり、本が紛失したり汚されたりするたびに対応しないといけませんし。なかなかハードです。

本が好きだったら、やりがいはありそうですけど、その分、悲しい気持ちになることも多そうです。

シリーズ化されているようです。また血なまぐさいミステリーが続いて心がやさぐれたら、読んでみようかな?


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タグ:緑川聖司

2016年09月14日

椹野道流「時をかける眼鏡 新王と謎の暗殺者」

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 椹野道流 著
 「時をかける眼鏡 新王と謎の暗殺者」
 (集英社文庫)


過去の世界のマーキス島に呼び寄せられた、医学生の西條遊馬。元の世界に戻るその日まで、王室に仕える鷹匠クリストファーの弟子として過ごすことになった。しかし、新王ロデリックの即位式の夜、事件は起きた。接待客である外国の要人が不審な死を遂げたのだ。早急に犯人を見つけ出さなければ王室の信用にかかわる。遊馬は現代法医学の知識で真相究明に臨むが―!?−裏表紙より−


前作で活躍して犯人を見つけた(?)遊馬ですが、結局簡単には元の時代へは戻せないと言われてしまい、過去でしばらく過ごすことになりました。

勝手に呼び寄せた上に「簡単には戻せない」と言われるなんて、腹が立って仕方ない展開ですが、遊馬はあっさり受け入れて、過去の世界を楽しんでいるようです。

王室に仕える鷹匠・クリストファーの弟子として生活しています。過去の世界なので、ガスや水道、電気などが当たり前ですけどありません。よくそんな環境で生活できるな〜と感心してしまいますが、彼はそれなりに充実した生活を送っています。

いよいよ新王の即位式ということで、遊馬も裏方に駆り出されて色々なアイディアを出して活躍していきます。料理にまでアイディアを出して喜ばれていました。

そんな中、即位式に出席していた外国の要人が死体となって発見されます。当然、遊馬が調べることになるのですが、ここでもこの世界のしきたりによって様々な規制が。

遊馬は便利な道具もない世界で死因をつきとめ、犯人を見つけられるのか?・・・と盛り上がりたい所ですが、ここのミステリ部分はあっさりしたものになっています。

犯人は自ら出てきますし、全て自白してくれますし、よく考えたら遊馬っている?くらいの展開で終了。


それよりも、王室の兄弟たちの関係が深まっていく所や、遊馬が不自由な世界で成長していく姿などの方が気になりますし、楽しく読める部分です。

彼らの物語を追っていきたいので、また続きも読むことにします。


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2016年09月13日

買った本

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 今野敏 著
 「廉恥 警視庁強行犯係・樋口顕」
 (幻冬舎文庫)


新潮文庫から出ていたシリーズ。もう続きは書かないのかな?と残念に思っていたところ、別の出版社から発売されました! 新作が読めてうれしいです。


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 伊坂幸太郎 著
 「残り全部バケーション」
 (集英社文庫)


お気に入りの作家さん。面白そうなので買いました。どんな話かな?

2016年09月12日

大鐘稔彦「孤高のメス 死の淵よりの声」

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 大鐘稔彦 著
 「孤高のメス 死の淵よりの声」
 (幻冬舎文庫)


練達の外科医・当麻鉄彦のもとに末期癌の患者が訪れる。苦慮の末、選択した抗癌剤が劇的に効き、患者はめざましい回復を見せるが、折しもその頃、日本癌治療学会では、癌と戦うなと唱えて一躍時の人となった菅元樹の発言をめぐり、シンポジウムが紛糾するのだった―。患者の為の真の医療とは何かを問う、シリーズ最新刊。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。シリーズ物とはいえ、12巻も出ているとは知らずに、面白そうだったので「本が好き」で献本申し込みしました。

私にとって初といっても良いほど珍しい医療物です。ドラマとかで見るのは好きなんですけど、小説は読まないです。理由は自分でも謎ですが。たぶん、難しいだろうと思うからでしょうけど。


話はいきなり誰か知らない人の遺骨を散骨する場面から始まります。シリーズを読んでいる人にとっては馴染みの人たちなのでしょうが、初めての私には知らない人ばかり。当麻というのが主人公だということはわかっていますけど。

そこから病院へ場面が移ります。当麻ドクターが勤務している琵琶湖湖畔の病院。やって来たのはおなかが張ってどうしようもなくなった女性。様々な検査を緊急に行った結果、癌であることが判明しました。珍しい癌だとわかり、しかもすでに末期の状態で、あまり長くはもたないだろうと推測されました。

今のままでは手術も難しいということで、効果のありそうな抗癌剤を投与。少しでも癌細胞が小さくなってくれれば手術もできるかもしれない、と少しの望みをかけることに。

その抗癌剤が彼女には劇的に効き目があり、あっという間に数値が安定していき、予想よりも早く回復して退院できることになりました。「奇跡だ」と病院のスタッフたちでさえも驚くような回復をみせたのでした。


彼女の治療をしている合間にも、病院なので次々と患者が訪れます。当麻ドクターはどうやら外科医の中で名医として有名な人なので、遠方からも患者がやってきます。しかも他の病院では断られたような難しいケースが次々と。

当麻ドクターは部下の医者たちをうまく教育しながら、次々と手術を成功させていきます。その手並は素人の私から見てもなかなかのもの。

手術のシーンも臨場感たっぷりで、ハラハラドキドキしながら読みました。


ただ、登場人物が多すぎて誰が誰だかわからなくなっていくのには困りました・・。シリーズを読まずにこの巻から読み始めた私が悪いのでしょうが、新たに登場したであろう人物のことも細かく説明されるため、いちいち過去に戻ったり回想したりして、ちょっと混乱する所がありました。本筋を見失いそうになる部分も。

でも当麻ドクターの人柄や手術シーンのかっこよさに感動している間に一気に読み進めることができましたし、気づけば終わっていたという感じがありました。

医療関係者ではないので、細かい医療用語はほとんど理解できませんが、それでも楽しむことができたのは良かったです。

シリーズを始めから読もうかな?と思う反面、12巻もあるのか・・と気後れしてしまっています。みなさんの感想を読んで考えようかな?


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タグ:大鐘稔彦
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