2024年09月10日

買った本

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 近藤史恵 著
 「たまごの旅人」
 (実業之日本社文庫)


お気に入りの作家さんなので文庫化されたらすぐ購入。


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 宇野碧 著
 「レペゼン母」
 (講談社文庫)※電子書籍


これもサイトでセールしていて、感想を読んだら面白そうだったので購入。


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 今野敏 著
 「秋麗 東京湾臨海署安積班」
 (ハルキ文庫)


大好きなシリーズ。文庫化を待っていました!

2024年09月06日

池井戸潤「シベリアの陰謀」

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 池井戸潤 著
 「民王 シベリアの陰謀」
 (角川文庫)


「新種のウイルスだそうです」第二次内閣を発足させた総理大臣・武藤泰山のもとに驚愕の報せが飛び込んだ。人を狂暴化させる謎のウイルスに、内閣最大の目玉であるマドンナこと高西麗子環境大臣が感染したというのだ。しかも感染源はシベリアとの情報が。急速な感染拡大、陰謀論者の台頭で混乱に陥った日本を救うべく、泰山はバカ息子の翔、秘書の貝原と共に見えない敵に立ち向かう!笑撃の政治エンタテインメント、待望の続編。−裏表紙より−


数年前に猛威を振るった(今も続いていますが)新型コロナウィルスを思い浮かべてしまう題材です。


初めて国内で確認された時、現実の政治家もこんな風に考えていたのか?と思うと、情けなくなります。

その中では、総理大臣はしっかり考えてくれているなと思えましたが、現実ではどうだったのか? そこはわかりませんが、この作品ではいち早く専門家を呼んで話を聞いて精査して、自分の責任の下で国民に自粛を要請していました。

ここまで考えてくれるのであれば、着いて行こうか?と思えます。


ただ、総理大臣がしっかり考えて行動していても、周りの政治家が止めに来るんですよね。派閥や後援者たちの思惑があるので、気持ちはわからなくもないですが、国民の健康の心配よりも保身ばかり考える人が政治家で良いのか?と腹が立ってきます。

現実の日本もこんな感じだったんだろうと思うと情けなくなります。よく乗り切ったものです。


しっかりした総理大臣の息子なのに、何とも考えの浅い息子・翔も一応活躍しますし、彼なりに正義感が強くて面白いです。言動がどうにも軽くて好きになれないキャラですけど、意外とこういう人が国を動かすと良いのかもしれないとも思います。

結構、何を言っても許されるかも??


秘書たちも良いキャラですし、彼らの活躍がまた読んでみたいです。続編出るかな?



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2024年09月04日

今村翔吾「蹴れ、彦五郎」

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 今村翔吾 著
 「蹴れ、彦五郎」
 (祥伝社文庫)※電子書籍


駿河今川氏の家督を継いだものの、彦五郎氏真は隣国の圧迫に抗し切れず没落の一途を辿る。苦難の日々の中、氏真は近江の地で子どもたちの師となり、その未来に明るい光を見る。しかし、天下人・織田信長は、氏真が心通わせた子らを殺害。蹴鞠の名手である氏真が信長に見せた、最後の意地とは・・(「蹴れ、彦五郎」)小田原征伐で奮戦した北条氏規を描いた「狐の城」、信玄が廃嫡した武田義信の苦悩の物語「晴れのち月」、江戸を築いた太田道潅を綴る「瞬きの城」など、珠玉の八編を収録。−出版社HPより−


短編集とは知らずに読み始め、1話目の彦五郎のことが気に入ってしまったので、話が短くて残念でした。

題名から想像できるように、彦五郎は蹴鞠の名手です。普段は温和で争いごとが苦手な優しい人物で、鞠を蹴るのが唯一の楽しみという感じなのですが、実は県農でもすごい、という映像化したら面白そうな人物です。

戦国時代の只中、武士として生まれたら武士として生きる以外に道がない時代。そんな時代に生まれなければもっと違う人生があったのかもしれないとしみじみ思わされました。

彼のような人物が世の中を動かしていたら、今の日本も違っていたのかもしれないとも思います。権力を握ったら変わるのかもしれませんが。


他に印象に残っているのは「晴れのち月」という話。武田信玄を父に持つ義信の苦悩が描かれています。親が大人物だと子どもは苦労します。それは今の世の中でも同じですが。

この時代では一つの国を動かすことになるので、より比べられてしまうのは仕方がないですが読んでいて辛い部分がたくさんありました。

義信がどこか抜けているような人物だったら良かったのですが、父親に負けず劣らずの優秀ぶりだったので余計に辛い。

しかも父親からも怖れられる優秀さとくれば大変なのもわかりますよね。

この時代、肉親が肉親を殺害することも普通にあることで、大人物である父親からすれば、その身分を脅かす存在は消してしまいたいもの。

少し意見を言っただけで睨まれてしまうので生きづらいと思います。

彼も違う時代に生まれていれば、武田信玄という偉大な人物の元に生まれなければ、もっと力を発揮して天下をとっていたかもしれません。


どの話も短いながら読み応えはありました。

ただ、読み終わってから時間が経ちすぎて、すでに忘れ気味・・
また機会があれば読み直してみたいです。


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2024年09月02日

8月のまとめ

いのちがけ 加賀百万石の礎 (講談社文庫 す 49-1)いのちがけ 加賀百万石の礎 (講談社文庫)
長すぎて時間がかかりました。かなり壮大な話に感じましたが、実は狭い場所の短い期間の話なんですよね。戦国時代の天下人の移り変わりの激しさは知っていましたが、それに振り回される周りの人たちのことはあまり知らず、その辺りの大変さが読めて良かったです。前田利家は名前くらいしか知らなかったので、こんなに魅力的な人だったとは。今度から注目しようと思います。
読了日:08月08日 著者:砂原 浩太朗


いつか、あの博物館で。: アンドロイドと不気味の谷いつか、あの博物館で。: アンドロイドと不気味の谷
題名から想像すると、もっとアンドロイドが全面的に出てきてアンドロイドが活躍する時代の話かと思ったら、がっつり青春小説でした。文体が軽く、文字も大きくサラッと読み切ることが出来ますが、内容は重め。中学時代の葛藤をそういえばそうだったな・・と思い出して少しですが苦しくなりました。
読了日:08月08日 著者:朝比奈 あすか


彼方の友へ (実業之日本社文庫)彼方の友へ (実業之日本社文庫)
読み終わるのに時間がかかってしまいました。面白くないわけではないのですが、時間が行ったり来たりするのと、時代背景が辛いのと、誰が誰やら・・という感じにもなってなかなか読み進められずでした。1度しか大きな被害には合っていないとはいえ、周りの人がいなくなることや質素倹約に努めないといけないことなど苦労が多く、その様子を読むのもしんどかったです。
読了日:08月23日 著者:伊吹 有喜


シャルロットのアルバイト (光文社文庫 こ 34-9)シャルロットのアルバイト (光文社文庫)
シャルロットのことをついラブラドールレトリバーのような犬だと思ってしまうのですが、どんな犬種であってもとにかく可愛いです。実物に会うと犬嫌いなので逃げるでしょうけど。ちょっとした謎解きもあってサラッと読めてしまえます。
読了日:08月28日 著者:近藤史恵



全部で4冊。長い時間かかってしまう作品が2つあったので余計に少ないです。他2作品は2日くらいで読み切っているんですけど。

先月は妙に気忙しくて感想も何も書けずでした。

今月からは少しずつ書かないと、そろそろ忘れそうです。
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2024年08月09日

朝比奈あすか「いつか、あの博物館で。アンドロイドと不気味の谷」

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 朝比奈あすか 著
 「いつか、あの博物館で。アンドロイドと不気味の谷」
 (東京書籍)


ロボット博物館への校外学習で同じ行動班になった、安藤悠真、長谷川湊、清水陽菜、市川咲希の四人の中学一年生。その博物館には、「美しすぎる」アンドロイドの気象予報士が展示されていた。その日の体験をきっかけに、それぞれがロボットと人間の違いを考える。完璧な美しさや強さを持つロボット、やさしい言葉をかけてくれるロボット、いつまでも死なないロボット……。それでも、ロボットにはない自分だけの心を確かめ、他者と触れ合い、距離感に悩みつつも、気持ちがつながる瞬間を大事に、新しい自分を作っていく――。不思議な縁でつながった、性格や家庭環境の異なる男女四人。彼らの中学一年から三年までの三年間をそれぞれの視点から描いた、現代社会に生きるさまざまな子どもたちの姿を切り取る著者による、中学生たちの日常(いま)の群像劇。−出版社HPより−


たまにはSFっぽい話も良いかな?と思い「本が好き!」で献本申し込みしました。

あらすじをきちんと読んでから申し込めばいいのに、思ったのと内容が違って驚きました。

これは児童書というやつかな?

文字が大きくて行間も広めで、サラッと読み切れました。挿絵は無いですけど。


今現在中学生の方が読むとより深く感じることがありそうです。

むか〜しむかし中学生だった私は懐かしいような、少し苦しいようなそんな読了感になりました。

とはいえ、自分が中学生時代にここまで色々考えていたか?は疑問ですけど。その日その日が過ぎていけばそれで良いという感じだった気がします。


この作品に出てくるのは中学生の男女4人。一年生の彼らが校外学習で偶然同じ班になり、ロボット博物館で一緒に行動している所から始まります。賑やかでクラスでも人気者のグループにいるタイプの湊と陽菜、反対に地味で真面目なタイプの悠真と咲希。

全くバラバラで団結力もなく、一緒に行動するのも難しいグループでしたが、班をまとめることになった悠真が「不気味の谷」について話したことで何となくまとまっていきます。

「不気味の谷」私は聞いたことがなかったので、悠真の説明に他の3人と一緒になって「へえ〜」と感心してしまいました。確かにアンドロイドが人間に似すぎていたら不気味に思うこともあるでしょうね。そういう表現をするのか、勉強になりました。

ここからアンドロイドを研究したり、実は急に進化してアンドロイドが身近な存在になって、日々の暮らしにも深く関わるようになる・・とSFチックな話に天かいしていくのかと思ったら、とにかく青春物語という展開が続きます。


中学生活を送る中で、周りの友達や家族、幼馴染や先生などなど、色んな人と関わって、それぞれがどう考え、どう感じながら行動しているか?が4人の視点で順番に描かれます。

中学生って、まだまだ子どもですけど、自分で考えて行動しないといけないことも増えて、でも出来ないこと(制限されること)も多いですね。小学生の頃は何となく気の合う友だちとふざけ合ってあそんでいたら終了する感じでしたが、中学生になると気の合う友だちとだけ関わるというわけにはいかないです。

例えば部活でもそうですし、他のクラブ活動や塾なんかもそうですが、気が合わない同級生がいても関わらないというわけにもいかず、悩みも増えます。また、次に行く高校は自分で選ばないといけないので、そこでも大きな悩みと不安が。

そして、格差も生まれていきます。成績はもちろん、家庭の事情も関わってきますから、自分が行きたいと思っても行けない場合があり簡単にはいきません。

自分を見つめ直す良いきっかけにはなるでしょうが、この4人のように冷静に考えている子どもはどのくらいいるのでしょう?少なくとも私は何となく進学を決めたなと思い返していました。


もっと色々考えていたら違う人生もあったのかもしれません。・・いや、変わらないか?


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2024年08月02日

木内一裕「小麦の法廷」

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 木内一裕 著
 「小麦の法廷」
 (講談社文庫)※電子書籍


杉浦小麦、二十五歳の女性弁護士。初めての担当は、仲間内で起きた傷害事件。罪を認める被疑者との面会を終え拘置所を出た小麦は、大勢のマスコミに囲まれてしまう。「あなたは、殺人犯のアリバイ作りに協力しているんですか!?」彼女が偶然引き受けた国選弁護の仕事が世間を震撼させる大事件へと変貌する。−裏表紙より−


初めましての作家さんでした。似た名前の作家さんがいるので読んだことがあると思い込んでいました。


主人公は新人弁護士の小麦。彼女は、ほとんどの人がやっているイソ弁をすることなく、いきなり1人で仕事を始めていました。1人だと自由に動けますし、自分で仕事を選べるので便利ではありますが、イソ弁と違って自分で仕事を取ってきて収入を得ないといけないので苦労も多いようです。

また新人なので、弁護の仕方などわからないことがあっても相談する相手に困ります。小麦には相談相手がいるのでそこは良かったのですが、後々の展開ではそれも良くないことがわかるので、なんだか・・。


国選弁護人として初めて担当することになった事件がこの話のメインになります。被疑者は罪を認めている傷害事件。一見簡単そうに思える裁判です。罪を認めているので量刑のみを争えばいいはずでした。

ところがその被疑者が実は他の殺人事件の容疑者でもあり、思わぬ展開になっていきます。

読者はこの話の始まりで、彼が殺人事件を起こしたことを知っているので、どうやって決着させるのか気になって次々読み進めてしまいます。


殺人事件が起きたのと同じ時に、別の場所で傷害事件を起こし、罪を認めて逮捕された被疑者。でも本当は殺人事件を起こしています。

一度逮捕送検した被疑者を「誤認逮捕でした」と認めて釈放するのは実はとても難しいです。

殺人事件の方の証拠が、目撃者しかいないというのも問題で、もっとしっかりした証拠があれば良いのでしょうが、目撃証言だけでは被疑者が見た目を変えてしまえば確証がもてませんから。


被疑者は当然、傷害事件で裁かれたいですし、逮捕した警察も送検した検察もそのまま裁判をしていきたい。でも殺人事件を捜査している警察としては彼を無罪にして殺人事件で逮捕送検したい。

小麦は色んな圧力に悩まされることに。


新人弁護士、しかもイソ弁でもない独立した弁護士にはなかなか荷の重い裁判です。

彼女がどうやって決着させていくか?は書きませんが、うまくやったと爽快になりました。


どうやらシリーズ化されそうな雰囲気で終わったので、もし続きが描かれたら読もうと思います。


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タグ:木内一裕

2024年08月01日

7月のまとめ

たまごの旅人 (実業之日本社文庫)たまごの旅人 (実業之日本社文庫)
旅行は好きでは無いですし、海外には特に行きたくないですけど面白く読めました。添乗員さんって想像するだけで大変な仕事です。大人の我が儘ほどややこしい物はないですね。理不尽なことを言ってくる大人に対して笑顔で対応するなんて尊敬します。好きなことを仕事にするというのが良いことばかりではないのは痛いほどわかります。好きなことだからこそ嫌になることもあります。
読了日:07月02日 著者:近藤 史恵


レペゼン母レペゼン母
明子の気持ちもわかりますが、イライラしてしまう息子の気持ちもわかります。義理の娘くらいの距離感がちょうどいいんでしょうね。ラップ上とはいえ言いたいことが言えて良かった。色々と都合よくいきすぎ感はありますが、面白かったとは思います。ラップがよくわからないですけど。
読了日:07月05日 著者:宇野 碧


時をかける眼鏡 魔術師の金言と眼鏡の決意 (集英社オレンジ文庫)時をかける眼鏡 魔術師の金言と眼鏡の決意 (集英社オレンジ文庫)
アスマの迷いと決心は素晴らしい展開だとは思いますが、事件が起きるまでが長くてちょっと流し読みしてしまいます。残りわずかになってやっと事件が発生し、検視するからこの先の展開があっさりなんだろうと想像が出来るのが残念。もう少しここの部分が盛り上がっても良さそうです。
読了日:07月11日 著者:椹野 道流


木曜日にはココアを (宝島社文庫)木曜日にはココアを (宝島社文庫)
連作短編で、登場人物が次々繋がっているので、しっかり人物を把握しておかないと次の話についていけません。私、名前を覚えるのが苦手なのでだんだん「誰?」となってしまいました。特に大きな山場もなく穏やかに流れる話たちでした。
読了日:07月15日 著者:青山 美智子


神様の子守はじめました。11 (コスミック文庫α)神様の子守はじめました。11 (コスミック文庫α)
相変わらずのドタバタで、子どもたちはひたすら可愛くて、ハラハラしながらもほのぼの。最近は梓の人柄の良さが際立っています。
読了日:07月16日 著者:霜月りつ


銀座「四宝堂」文房具店 (小学館文庫 う 15-2)銀座「四宝堂」文房具店 (小学館文庫)
銀座にある老舗の文房具店の物語。そこにやって来るお客さんたちの人生と文房具の結びつきが面白くて素敵でした。感動的な話もあり、素敵な読書時間になりました。シリーズになっているようなのでまた読みます。
読了日:07月23日 著者:上田 健次


婿どの相逢席 (幻冬舎時代小説文庫 さ 40-2)婿どの相逢席 (幻冬舎時代小説文庫)
仕出屋に婿入りした鈴之助の話。何もしないで暮らせるのが嬉しい人もいるでしょうが、やはり人間って役に立たないと生き甲斐がないんですよね。彼は彼なりに店の役に立ち、読者にも感動を届けてくれました。双子の運命の話は涙無しでは読めませんでした。
読了日:07月29日 著者:西條奈加



全部で7冊。一日で読んでしまった本もあった割には少ないですけど、最近では多い方かな?

特に印象に残ったのは「婿どの相逢席」です。

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2024年07月19日

原田ひ香「ランチ酒」

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 原田ひ香 著
 「ランチ酒」
 (祥伝社文庫)※電子書籍


犬森祥子の職業は「見守り屋」だ。営業時間は夜から朝まで。ワケありの客から依頼が入ると、人やペットなど、とにかく頼まれたものを寝ずの番で見守る。そんな祥子の唯一の贅沢は、仕事を終えた後の晩酌ならぬ「ランチ酒」。孤独を抱えて生きる客に思いを馳せ、離れて暮らす娘の幸せを願いながら、つかの間、最高のランチと酒に癒される。すれ違いのステーキとサングリア、怒りのから揚げ丼とハイボール、懐かしのオムライスと日本酒、別れの予感のアジフライと生ビール・・今日も昼どき、最高のランチと至福の一杯!心を癒し、胃袋を刺激する絶品小説。−出版社HPより−


この作家さんは面白い職業にスポットを当てますね。

「見守り屋」という職業が実際にあるのかはわかりませんが、あってもおかしくなさそうです。というか、今の時代には必要な職業ともいえるかも。

ベビーシッターだと、子どものみ対象ですけど、「見守り屋」だと子どもはもちろん、大人もお年寄りもオッケーですし、大人も障害があってもなくても大丈夫ですから、色んなニーズがありそうです。

ただ「介護士」でも「ヘルパー」でもないので、お年寄りでもお世話をすることは出来ません。

とにかく夜から朝まで「見守る」のが仕事。

ベビーシッター的に子どもが寝ているのを見守るのもありますし、ペットを見守るのもあり、大人が眠れるように見守るというのもありました。

ただ「見守る」と言っても色々あって、結構相手の人生に踏み込む感じがして、簡単には出来ない仕事だと思いました。時間が昼夜逆転するのはもちろん大変でしょうが、何よりも悩みを聞いたり、その人の事情を思ってこちらが悩んでしまったり、結構疲れそうです。


そんな疲れを癒す意味もあって、仕事終わりの昼間からランチ酒を楽しむわけです。

昼間からお酒なんて飲んで!と言われる筋合いはないわけで、ちょっと遠慮しつつもがっつりとランチのついでにお酒も飲んでいます。


私もお酒は飲みますが、全く詳しくは無いので、作中に出てくるお酒のほとんどは知りませんでした。でも、美味しそうなランチにまずお腹がすき、それに合わせて頼むお酒も何だか美味しそうでたまりませんでした。

お酒を飲みながら、お客さんのことを思い返すわけですが、その部分はサラッと読んでしまい、ランチとお酒の部分はじっくり読んでしまいました。とにかくお腹がすきます!


主人公・祥子は離婚して娘を元旦那に預けてしまっています。いつかは娘と暮らしたいという目標を持っていて、色々と努力中です。まあその辺りも私的にはあまり興味が無く。

でも読み終わって「面白かったな」と思えたのは、とにかく美味しそうなランチとお酒の描写でしょう。


この作品はシリーズ化しているようです。続きも早めに読むことにします。


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タグ:原田ひ香
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2024年07月17日

買った本

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 原田ひ香 著
 「ランチ酒」
 (祥伝社文庫)※電子書籍


時々読む作家さんです。これはネットでの感想を読んでずっと読んでみたいと思っていた作品。


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 今村翔吾 著
 「蹴れ、彦五郎」
 (祥伝社文庫)※電子書籍


お気に入りの作家さん。短編で読みやすい作品でした。


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 池井戸潤 著
 「民王 シベリアの陰謀」
 (角川文庫)


シリーズ2作目。サラッと読めます。


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 木内一裕 著
 「小麦の法廷」
 (講談社文庫)※電子書籍


セールで安く買えたので、読んでみました。

2024年07月16日

歌野晶午「密室殺人ゲーム・マニアックス」

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 歌野晶午 著
 「密室殺人ゲーム・マニアックス」
 (講談社文庫)※電子書籍


頭狂人″004APD″AXE″ザンギャ君″伴道全教授″。奇妙なハンドルネームを持つ5人がネット上で仕掛ける推理バトル。出題者は実際に密室殺人を行い、トリックを解いてみろ。とチャットで挑発を繰り返す。謎解きゲームに勝つため、それだけのために人を殺す非情な連中の命運は、いつ尽きる!?−裏表紙より−


以前、読書メーターの読友さんにお勧めしていただいた作家さん。でもこの作品は・・・。


こういうミステリって好きなんですけど、口調が汚い人がいたり、変に賢いことを鼻にかけるような人がいたりすると読むのが嫌になります。



ミステリは好きですけど、全く詳しくはないので、多分彼らの使っているハンドルネームは何かしらのミステリと関係があるのでしょうが、それもわからず、ほとんどの場面で頭の中に「?」が浮かんでいました。

何となくページ数も少なくサラッと読めるので、挫折することなく読んでしまいましたが、内容をしっかり把握できたのか?と聞かれると「いいえ」でしょう。


あらすじにもあるように、ネット上のチャットを公開して、実際に行われた密室殺人事件のトリックを解いていきます。そのチャット風景を文字にしてある内容を読む状態です。

パソコン上の画面が4分割しているのを想像しながら読みましたがそれで合っているのかはわかりません。ネットにも詳しくないので。


5人の中の1人が実際に殺人事件を起こし、その状況を説明していきます。写真や図解なども交えながら説明し、まだ未解決のその殺人事件のトリックを明かしていくわけです。

公開チャットなので当然、全員顔にはマスクなどして隠しています。そしてお互いに会話しながらトリックを明かしていきます。

そのトリック自体は面白かったのですが、会話の中で何度も相手をバカにしたり見下したり、悪態をついたりするのがいちいち読みにくかったです。


いくつかの殺人事件のトリックを解いていたら、警察もこのチャットに気づいて捜査が進められます。ここまで警察がバカにされて黙っているわけないので当然です。


結局チャットは閉じられるのですが、ネットの世界はいくらでも抜け道はあるのでまた新たにチャットが行われます。だんだん外の世界にも出たりして、行動範囲も広がっていきます。


で、結末が「へえ、そうだったんだ」となったわけです。私は、「そうか、だからこそここまで大胆に色々明かせたわけだね」という程度の感想しか出なかったのですが、他の方の感想を読むとものすごく感心されていたのでびっくり。

そんなに感心するか?と思ったら、実はこの本はシリーズの3作目だということでした。そこにかなりびっくり。これをシリーズにしていたとは!

過去の2冊もこんな風にチャットをしていたと思うと、確かに結末には驚かされるかも。

色んな方の感想を読むと「これは1作目から読むべき」と書かれています。そうだよね・・・失敗しました。


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タグ:歌野晶午