2018年09月10日

近藤史恵「ねむりねずみ」

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 近藤史恵 著
 「ねむりねずみ」
 (創元推理文庫)


しがない中二階なれど魅入られた世界から足は洗えず、今日も腰元役を務める瀬川小菊は、成行きで劇場の怪事件を調べ始める。二か月前、上演中に花形役者の婚約者が謎の死を遂げた。人目を避けることは至難であったにも拘らず、目撃証言すら満足に得られない。事件の焦点が梨園の住人に絞られるにつれ、歌舞伎界の光と闇を知りながら、客観視できない小菊は劇場に身を焼かれる。−裏表紙より−


若手歌舞伎役者・中村銀弥の家庭での様子から話は始まります。「ことばがあたまから消えていく」という謎の症状に悩まされる銀弥を、その妻が支えています。こう書くと、献身的な良い妻という感じですが、実は彼女には後ろ暗い出来事が・・。

ここから彼らが事件に巻き込まれていくのか?と思いつつ読み進めていると、突然全く違う場面に。

同じ歌舞伎の世界の話ではあるのですが、突然置いて行かれた気分になります。

その場面から現れるのは、主役をはれないけど、この世界が好きで離れられない役者・小菊。彼を訪ねてきたのが学生時代の同級生・今泉文吾。二人は、劇場で起きた殺人事件を調査することになります。


話があちこちに飛んでしまって、誰の話?といちいち悩まないといけない所があって、話に入り込みにくい展開でしたが、どうやって事件を解いていくのかが気になってほぼ一気読みでした。

第一幕で出てきた銀弥とその妻はどう関わっているのかもなかなか判明せず、まさかこのまま終わらないよね?と心配になる頃、やっと関連が。

事件の真相はかなり後味の悪いものでしたし、その殺害方法はどうも納得いきませんでした。

そんなに都合よくいくかな??と。

しかも動機が・・。

結局、すっきり解決したわけでもないですし、読み終わってもモヤモヤしました。

銀弥とその妻の後日談も納得できず。まあ彼らの場合はそういう選択肢もあるかな?とは思うのですが。


・・と、さんざん面白くないかのようなことを書いてきましたが、小菊や文吾のキャラクターは好ましかったですし、歌舞伎界の裏側を少し覗くことが出来たのは面白かったです。読んで良かったと思いました。

歌舞伎役者の全身全霊を掛けて役に入り込む様子は、読んでいて苦しくなりましたし、こうやって命懸けで芝居をしていたら、ストレスも多いだろうなと。

そこまでして歌舞伎に掛ける想い、そこまで掛けることができる歌舞伎の魅力にはまりそうです。

小菊と文吾のシリーズは他にもあるようなので、ぜひ探して読んでみようと思います。


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2018年09月03日

8月のまとめ

ガイコツは眠らず捜査する (創元推理文庫)ガイコツは眠らず捜査する (創元推理文庫)
シリーズ2作目になり、更に面白くなりました。娘にシドの存在がばれてないときの方がハラハラ感があって良かったですが、ばれたらシドの行動範囲も広まってそれはそれで面白いです。コージーの割には美味しそうな料理も出てきませんし、恋愛がらみも少ないですし、意外とガッツリ調査する方かもしれません。お陰で読み応えがあります。
読了日:08月03日 著者:レイ・ペリー


聖母(マドンナ)の深き淵聖母(マドンナ)の深き淵
前作から間が空きすぎて、人間関係がよくわからない状態に。とりあえず、緑子の性格も態度も好きじゃないな〜と思いつつ読みました。絶対に友だちになれないタイプの女性です。男女関係の話がメインになっているのが時々うっとおしく思いつつ何とか読み終わりました・・とりあえず時間かかった・・。
読了日:08月15日 著者:柴田 よしき


お弁当代行屋さんの届けもの (富士見L文庫)お弁当代行屋さんの届けもの (富士見L文庫)
ページ数が少ないからすぐに読み終えるだろうと思っていたのに、意外と時間がかかりました。始めの2話があまり好きではなくて、入り込めなかったのが原因でしょうが。最後の話は面白くて泣きそうにもなりました。手作りのお弁当って良いですね。誰にでも色んな思い出がありそう。好きなおかず、嫌いなおかず、おにぎりの具は何が好きかとか、お弁当をテーマに話すと止まらなくなりそうです。
読了日:08月21日 著者:妃川 螢


大川契り: 善人長屋 (新潮文庫)大川契り: 善人長屋 (新潮文庫)
3作目。やっぱり短編の方が読みやすいです。一話ずつが濃い気がして良いです。久しぶりの長屋の人たちですが、読み始めたらあっという間に引き込まれ、彼らの魅力にやられました。毎度、問題を持ち込む加助と問題に巻き込まれて文句を言いつつも助けずにはいられないお人好しな人たち。ニヤッと笑いつつ、感動させられつつ読みました。最後の話が一番好きです。
読了日:08月25日 著者:西條 奈加


NNNからの使者 猫だけが知っている (ハルキ文庫)NNNからの使者 猫だけが知っている (ハルキ文庫)
猫好きとしては楽しめました。猫好きではありますが、ここに出てくる人たちほど好きじゃない・・という中途半端さが、猫を飼わない理由なんだろうな。いつかミケさんから猫を授かったら良いな。
読了日:08月29日 著者:矢崎存美


最後の晩ごはん 海の花火とかき氷 (角川文庫)最後の晩ごはん 海の花火とかき氷 (角川文庫)
怖い!じっくりと情景を思い浮かべながら読んだら眠れなくなりそうだったから、サラッと読んだ。こんな死に方したくないから、あまり人のことを恨みに思わないよう生きようと思わされました。ひどい迷惑をかけてくる霊だったな・・。
読了日:08月30日 著者:椹野 道流



全部で6冊。休みもあったのでもう少し読んだ気がしたんですけど・・一冊に時間がかかってしまいました。

印象に残ったのは、「大川契り」です。

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2018年08月31日

坂井希久子「ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや」

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 坂井希久子 著
 「ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや」
 (ハルキ文庫)


家禄を継げない武家の次男坊・林只次郎は、鶯が美声を放つよう飼育するのが得意で、それを生業とし家計を大きく支えている。ある日、上客の鶯がいなくなり途方に暮れていたときに暖簾をくぐった居酒屋で、美人女将・お妙の笑顔と素朴な絶品料理に一目惚れ。青菜のおひたし、里芋の煮ころばし、鯖の一夜干し・・只次郎はお妙と料理に癒されながらも、一方で鶯を失くした罪責の念に悶々とするばかり。もはや、明日をも知れぬ身と嘆く只次郎が瀕した大厄災の意外な真相とは。美味しい料理と癒しに満ちた連作時代小説、新シリーズ開幕。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

そのせいか文章に慣れるまでちょっと時間がかかってしまいました。同じ行を何度が読んでしまったりして・・。1話目の後半に差し掛かる頃にはすっかりはまっていて、登場人物たちも魅力的で次々読み進めました。

1話目が、只次郎という武士(とはいえ、町人のような気さくさをもつ男性)の視点で描かれていて、女将・お妙はちょっと謎めいた存在だったので、このまま私生活は明かされずに進むのか?と思っていたら、次からはお妙の視点でも描かれていました。

素朴な料理を出す「ぜんや」。町人はもちろん、只次郎のような武士にも贔屓にされてなかなか繁盛しています。名物は美人女将・お妙。そして、その義理の姉・お勝。

お妙は顔と料理の腕が魅力なのですが、穏やかな性格も人気の理由です。一方、お勝はお妙の亡き夫の姉なのですが、年齢もいっていますし、はっきり言って美人とは言い難いのですが、サバサバした性格が魅力。

誰が相手でも言いたいことをはっきり言ってしまうのが、逆に心地良いと思われているようです。

そんな2人の魅力と美味しい料理でもてなしてくれるので、常連がたくさんいるのも納得です。

「ぜんや」には、只次郎が持ち込む問題や、他のお客が絡んだ問題などが持ち込まれ、それをみんなで解決していくわけですが、そこにはこの時代の人たちの苦労や生き方などが描かれています。

只次郎も気楽な次男坊となってはいますが、次男坊ならではの苦労もあるようです。

この只次郎を始め、出てくる人たちがそれぞれ良いキャラクターで、すっかり魅了されてしまいました。

シリーズは続いているようなので、忘れないうちに続きも手に入れたいです。


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タグ:坂井希久子

2018年08月27日

買った本

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 妃川螢 著
 「お弁当代行屋さんの届けもの」
 (富士見L文庫)


ネットでの感想を見て面白そうだったので買って読んでみました。


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 柴田よしき 著
 「聖母の深き淵」
 (角川文庫)


RIKOシリーズ第2弾。どうしても本屋さんで見つからず、ネットで購入しました。1作目をすっかり忘れていたので読むのに苦戦・・。


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 西條奈加 著
 「大川契り―善人長屋―」
 (新潮文庫)


お気に入りのシリーズ3作目。やっぱり面白かったです。

2018年08月24日

西條奈加「秋葉原先留交番 ゆうれい付き」

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 西條奈加 著
 「秋葉原先留交番 ゆうれい付き」
 (角川文庫)


電気とオタクの街―秋葉原。その交番に勤める権田は、筋金入りのオタク警官。対してコンビを組む長身イケメン警官・向谷は頭はからっぽだが、類い稀なコミュニケーション能力の持ち主。ひいては美脚の「足だけの幽霊」を連れてきてしまった。2人は「足子さん」と呼び、彼女の死の理由を探し始める。フィギュア盗難、抱きつき魔、迷子、メイド喫茶のいさかい・・ご当地ならではの「謎」に凸凹警官が挑む、新境地人情ミステリ!−裏表紙より−


東京とは縁のない人生を送っていますし、秋葉原は名前は知っていますしどんな街かは何となく知っていますが一度も行ったことが無い身としては、この話の舞台は想像するしかないわけですが、とりあえずオタクさんとメイドさんがいっぱいいるんだね〜ということはわかりました。日本っぽくない感じ??

そんな秋葉原の交番に勤める権田は、いわゆるオタクさん。交番の控室にはフィギュアやポスターなどを置いているくらいの筋金入り。その手の知識も豊富なので、オタクさんからは頼られる存在です。そして、とても頭が切れる人。事件をスマートに解決していきます。ただ、見た目はぽっちゃり系。

もう一人いる警官は、長身のイケメンで人付き合いもうまくて女性を惹きつけてしまう魅力の持ち主なのに、頭の回転がすこぶる鈍い向谷。

向谷が、女性をエスコートしながら交番に戻って来るところから話は始まります。その女性・季穂の視点で話は進められます。読み始めは普通の女性だと思うのですが、途中から何だかおかしな展開に。

どうやら彼女は幽霊らしい・・。向谷は、霊感が強くて、幽霊になった季穂のことがしっかり見えるのです。でも季穂はどうやら足だけの幽霊みたいです。

足だけなのに周りは見えるし、感情もあるという謎の現象が起きるのですが、まあそこは幽霊なので・・。

でも、さすがに口が無いからしゃべることが出来ず、足だけで何とかコミュニケーションを取らないといけなくて、ガニ股にしたり内股にしたりして、「はい」「いいえ」を伝えることになりました。

名前はわからないから「足子さん」と名付けられてしまいます・・何て安易な!


季穂がなぜ幽霊になったのか、なぜ足だけなのか、この世に未練があるであろう彼女の人生と死の原因を突き止めるために動き始めます。

前半はほぼ季穂とは関係のない事件を解決していくのですが、最後には悲しい事件が明らかにされていきます。結構コミカルに描かれているのについ涙してしまいました。

これで季穂も成仏する・・と思ったら・・・・。


どうやら続きそうな展開。警官二人のことも、足子さんこと季穂のことも気に入ったので、続編が出たらぜひ読みたいです。

足だけでやれることって限られているでしょうが、限界に挑戦してもらいたいものです。


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2018年08月22日

藤崎翔「神様の裏の顔」

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 藤崎翔 著
 「神様の裏の顔」
 (角川文庫)


神様のような清廉潔白な教師、坪井誠造が逝去した。その通夜は悲しみに包まれ、誰もが涙した。・・のだが、参列者たちが「神様」を偲ぶ中、とんでもない疑惑が。実は坪井は、凶悪な犯罪者だったのではないか・・。坪井の美しい娘、後輩教師、教え子のアラフォー男性と今時ギャル、ご近所の主婦とお笑い芸人。二転三転する彼らの推理は!?どんでん返しの結末に話題騒然!!第34回横溝正史ミステリ大賞≪大賞≫受賞の衝撃ミステリ!−裏表紙より−


「こんにちは刑事ちゃん」が面白かったので、作家さん買いをしてみました。「こんにちは〜」の時も思いましたが、面白い発想をする作家さんです。


神様のようだと評されていた教師・坪井が亡くなり、その通夜が話の舞台になっています。いきなり通夜の場面からスタート。亡くなった坪井は一切自分では語ることは出来ませんが、通夜に参列した人たちから坪井の人物像について様々語られていき、それによって読者は故人がどんな人物だったかを知っていきます。

こういう話の進め方をすることで、どんどんミスリードされていくわけですが。

それぞれの場面で、参列者たちの視点で話は進みます。そして、どんな知り合いだったのか、故人をどういう風に思っていたのか、エピソードも交えて語られていきます。

参列者の思い出話に浸っているうちに、通夜も進んでいきます。

気づけば、参列者たちはふとした疑問を感じるようになり、何となく流れて参列者たちが集まって話し合うことに。そこで話し合われるのは、故人の意外な一面・・。


ここからどんどん話は意外な方向へ転がっていきます。その転がり方が面白い! 一人が言い出したら「そういえば私も」的に話が膨らんでいく様子が面白いです。こういうことってあるな〜と感心。

あっという間に故人のイメージが覆ってしまいます。

発言が強い人によって自分の考えも変化していくのを目の当たりにすると、ニヤニヤが止まらなくなります。

なるほど、これがどんでん返しか〜と思っていたら・・・・ここからはぜひ読んでみて下さい。

とはいえ、最後の場面はちょっと納得しにくいんですけどね・・。まあよくある展開ともいえるかも?


次は「こんにちは刑事ちゃん」の第2弾に期待したいです。




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タグ:藤崎翔

2018年08月20日

吉永南央「まひるまの星 紅雲町珈琲屋こよみ」

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 吉永南央 著
 「まひるまの星 紅雲町珈琲屋こよみ」
 (文春文庫)


紅雲町では山車蔵の移転問題が持ち上がり、お草が営む小蔵屋の敷地が第一候補に。話し合いが必要だが、お草は母の言いつけで「うなぎの小川」とは絶縁状態で、話し合いができない。かつては親友だった女将と亡母の間に、なにがあったのか。紅雲町を歩き回るうち、お草は町全体に関わる重い事実にたどり着く。シリーズ第5弾。−裏表紙より−


5作目になるこのシリーズ。今作が今までで一番展開が激しくて面白かったかも。お草さんも行動的でしたし。ただ、お年寄りですから、無理しすぎてハラハラするところもあったのですが。もっと久実ちゃんに任せても良いのかな?とも思いました。

ちょっと気弱になる場面もあったので、もっと元気なお草さんが読みたかったです。でも話の内容としては面白かったです。


紅雲町の山車蔵を移転しなければならないことになり、古い契約のせいで小蔵屋の敷地が第一候補にされてしまいます。さすがに敷地内に山車蔵が出来てしまったら営業は続けられないので、閉店することになるかも!?という事態に。

お草としては「まあそれも仕方ないか」と諦めの気持ちにもなっていたのですが、久実を始め常連たちからの強い要望もあって、他に候補地はないか?と一通り探ることになりました。

そこで候補に挙がったのが、「うなぎの小川」の向かい側にある工場跡地。そこに移動させたら便利なことも多いと思われたのですが、実は小川の女将と絶縁状態になっているお草が関わっているせいでなかなか移転させられそうにもありません。

誰とでも大抵仲良くやっていけるはずのお草がどうして小川の女将と絶縁状態なのか? そこには亡き母の言いつけがありました。昔は親友だったはずの女将と亡母との間には何があったのか? 亡き母が遺していった女将に渡すはずの着物も引き出しにあるのを見つけて複雑な心境になってしまいます。


普段は慎重なお草さんですが、お母さんのことが絡むと冷静ではいられないようです。心のどこかでは「亡くなった人のことをいつまでも気にしたって仕方ない」と思っているのですが、その相手が母親となると無下にも出来ず・・。

その気持ちはわかりますが、何せ亡くなっているので詳しい事情を聞けなくて大変な苦労を強いられることに。


最後には、一個人ではなく町全体に関わる大きな出来事になってしまいますが、それぞれが反省すべき点は反省して進んでいきそうなので丸く収まって良かったです。

お草さんの元気な姿にもまた会えそうなので、続きを楽しみにしておきます。

<紅雲町珈琲屋こよみ>
「萩を揺らす雨」
「その日まで」
「名もなき花の」
「糸切り」


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タグ:吉永南央

2018年08月16日

シャンナ・スウェンドソン「魔法使いの陰謀」

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 シャンナ・スウェンドソン 著
  今泉敦子 訳
 「魔法使いの陰謀」
 (創元推理文庫)


妖精界の女王の座を祖母に譲ったソフィーは、バレエダンサーとしてのキャリアを再開する。一方刑事マイケルは、妖精の関与が疑われる奇妙な事件の数々に振り回されていた。そんな彼らの前の現れた魔法使いのジョセフィーンはそれらの事件を妖精の仕業と決めつけ、魔法使いと妖精の対立を煽る。危機感を覚えたソフィーは戦いを阻止すべく動きはじめるが・・。好評シリーズ第3弾。−裏表紙より−


前作から面白くなってきたシリーズ。今作は更にパワーアップして面白さも増していました。3作の中で一番好きかも。


前作で女王の座を祖母に任せて人間界に戻ったソフィー。祖母も強力なパワーの持ち主ですから安心していたのですが、なかなかすべてが丸く収まるわけにはいかないようです。

またまた人間界で謎の事件が発生し、刑事としてのマイケルが出動。でも明らかに妖精がらみとわかる事件をどうやって解決していくか難しい立場に立たされます。

そして、新たなキャラクターも登場。なかなか厄介な相手となったジョセフィーヌ。彼女は魔法使いです。妖精を人間界に入れないために戦う立場の人。ソフィーの味方となってくれている姉妹と同じ立場ですが、どうも敵対心が強そう。

しかも何やら画策しているようで、ソフィーが女王の座に就いて落ち着いたはずの人間界と妖精界の関係がまた危うくなっていきました。

題名の通りの展開ですね。

ソフィーや祖母、そしてマイケルがどうやって事態を収束させていくのか、続きが気になって次々読み進めました。


ソフィーとマイケルも良い感じになってきましたし、祖母の女王ぶりもかっこいいですし、妖精、人間、魔法使いという3つの立場の争いもハラハラさせられて、面白かったです。

どんな世界でも権力を握りたい人、目立ちたい人っているんですね〜。その必死さが面白いです。


良い感じでまとまってきたこのシリーズ。後1作あるようです。楽しみに待つことにします。そして「魔法製作所」シリーズの新作も待っています!


<フェアリーテイルシリーズ>
「ニューヨーク妖精物語」
「女王のジレンマ」


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2018年08月15日

柴田よしき「風のベーコンサンド」

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 柴田よしき 著
 「風のベーコンサンド 高原カフェ日誌season1」
 (文春文庫)


東京の出版社をやめ、寂れた高原にカフェを開業した奈穂。離婚を承諾しないモラハラ夫から逃れ、背水の陣で始めたカフェには、離れた娘を思う父や農家の嫁に疲れた女性らが訪れる・・。滋味溢れる地元の食材で作られた美味しいご飯は悩みや痛みに立ち向かう力をくれる。奈穂のご飯が奇跡を起こす六つの物語。−裏表紙より−


年齢は奈穂の方がかなり若そうですが、共通することが多くて、いちいち「そうだよね〜」なんて思いながら読み進めました。そんな入り込み方をすると読むのが辛い部分も多くてしんどくなることもありました。

でも基本的に一話ずつハッピーエンドになっている(なっていないのもある)ので最後には癒されていました。


東京という都会で暮らしていた奈穂ですが、夫との離婚を考える上で、今の生活を変えようと高原でカフェを開くことに。カフェって儲からないイメージがあるのに、よく思い切ったな〜と感心。こういう思い切りの良さは似ていません・・。

田舎に住んでいたので、田舎への憧れもありませんし、狭いコミュニティーでの煩わしさも嫌でしかありませんが、奈穂はうまく田舎に溶け込んでいるようです。

近所の農家や牧場から食材を買い付けて、うまく地元の食材で美味しそうな料理を作っています。料理の説明がいちいち美味しそうで、読んでいるとおなかが空きます。

特にベーコンの細かい描写! 基本、サンドイッチって好きじゃないですし、カリカリのベーコンも好きではないのですが、文章を読んでいるとベーコンを買いに走りたくなりました。

そして、カリカリに焼いてみようかな??なんて思ってしまいます。


離婚したい妻と、妻がなぜ離婚を考えたのかわからない夫。こういう夫婦って多そうですね。奈穂の夫もなかなかの曲者。ちょっとだけ同情したくなる部分はありましたけど、イライラさせられました。男性の「やったってるやろ」感、大嫌いです。

夫のことはともかく、奈穂の今の生活は羨ましいものですから、今後はどんどん幸せに向かっていくでしょう。シリーズは続いているようなので、文庫化を待って読む予定です。


カフェごはんのレシピも付いていてお得ですよ〜。


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2018年08月09日

西條奈加「ごんたくれ」

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 西條奈加 著
 「ごんたくれ」
 (光文社文庫)


安永四年、京都。当代一の絵師を目指す豊蔵と彦太郎は、ひょんなことで奇跡の出会いを果たす。喧嘩しながら才能を認め合い、切磋琢磨し腕を磨く若きふたり。鼻つまみ者の「ごんたくれ」と呼ばれた彼らは、求めた道の先に何を見たか?京画壇の華やかなりし時代、実在した二人の奇想の絵師をモデルに、芸術を探求する人間の性と運命を描き出した、傑作時代小説。−裏表紙より−


実在した絵師をモデルにした物語です。

大きな絵師に弟子入りすることもなく自立した絵師の筝白と、円山応挙という大勢の弟子を抱える一門に所属している胡雪。2人はあるきっかけで出会います。


筝白は、円山応挙の絵を認めておらず、大した腕もないのに有名になってもてはやされていることに腹を立てていました。でも弟子の胡雪の絵の才能は認めていて、早く独立するように勧めることもありました。

2人は似ている所が多く、周りから「ごんたくれ」だと言われています。性格には難のある2人ですが、絵の才能は素晴らしく、名は売れていませんでしたが、熱烈なファンはいるため、それなりに仕事を受けて絵を描き続けていました。

この時代は、商家や武家や寺社からの注文を受けて、襖や屏風などに絵を描いていました。大きな屋敷だと、何枚もに渡って大作を仕上げることも。

失敗は許されない仕事ですね。頼まれる方も勇気がいりますが、頼む方も勇気が要りそう・・。実際、思った雰囲気と違うものが出来ることもあったようです。

でもまあ、一緒に暮らしているうちに何となく慣れるというか、愛着が湧いてくるようです。

大作の場合は、描きあがるまで時間がかかるため、寝食の世話も注文主が行い、泊まり込んで製作してもらっていたそうです。かなりの贅沢ですね!


話の中には実在していた有名な絵師も出てきます。日本画に詳しくない私でも名前だけは知っている、池大雅、伊藤若冲など。本当にこの中に描かれているような性格だったのかはわかりませんが、そういう部分でも楽しめました。

始めは未熟だった2人の若い絵師がどんな想いで作品を仕上げ、どんな人生を歩んでいくのか、どんな絵師になっていくのかが気になって次々読み進めました。

ページ数も多く、2人の人生をたっぷり読むことが出来て、面白い読書時間になりました。


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posted by DONA at 15:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:西條奈加