2026年03月03日

高田郁「志記(一)遠い夜明け」

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 高田郁 著
 「志記(一)遠い夜明け」
 (ハルキ文庫)


文化元年(一八〇四年)、如月。清明の日にふたりの女児が産声を上げる。ひとりは蔵源美津。蔵源家は黒兼藩で代々藩医を勤める家系で、祖父の教随は秘密裡に腑分けを行い、父の恵明は藩医学校「青雲館」を担う立場であった。今ひとりは高越暁。備前刀を手掛ける刀鍛冶の一族で、祖母の高越剡は「女忠光」の異名を取っていた。長じて、美津は医学、暁は鍛刀を志すことになる。猪突猛進で焔にも似た美津、常に冷静で氷に喩えられる暁、女には困難とされる道を選んだふたりの人生が、十九の初夏、思いがけず江戸で交錯する。志を胸に人生を切り拓いていく者たちの群像劇、いよいよ開幕。−裏表紙より−


お気に入りの作家さんの新シリーズです。


始まり(前半)が男性の話だったので、珍しく男性が主役の話なのかと思いました。後半になると女性(少女)が出てきて、やはりそうか、となりました。


医者が初めて「腑分け」をする所から話は始まります。現代では不審死の場合は解剖して調べるのが普通(ともいえませんが)ですが、この時代はまだまだ死体を切り開くなんて罰当たりだとか、神仏を恐れぬ所業だという考えが根深くあって行われることはありませんでした。

でも医療の発展には人体の構造をしっかり知っておくことが重要で、そのためには亡くなった人の身体を開いて見るのが一番ですから、医者としては見てみたい気持ちが強くありました。


黒兼藩の藩主は腑分けの必要性をよく理解してくれていたため、秘密裡ではありましたが腑分けを行うことに許可を出します。普段は獲物を切り開いている猟師に頼んで開いてもらい、絵師にスケッチしてもらいます。それを本にして医者を目指す人たちが学ぶ学校に置くことにします。


一旦、その話は終わり、次は急に刀鍛冶の話が始まります。女性は就くことが無いとされていた刀鍛冶。1人だけいた女鍛冶の孫ということで女ながらに修行をしている高越暁。

彼女が怪我した際に治療したのが藩医学校の恵明でした。そこでやっと前半と後半が繋がります。

恵明には娘がいますが、妻が出産の際に死んでしまったため父娘での生活をしています。

その娘・美津は、恵明と同じ医療の道を進もうとしていますが、まだまだ女医がほぼいない時代なので苦労が絶えません。


2人共、女性には厳しい世界を進んでいるので、今後の人生が大変そうです。1作目ではやっと2人が出会ったところで終わります。今後はどのように関わっていくのか、どんな人生が待っているのか楽しみです。


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2026年03月02日

2月のまとめ

雫の街:家裁調査官・庵原かのん (新潮文庫 の 9-72)雫の街:家裁調査官・庵原かのん (新潮文庫)
前作では少年を相手にしていましたが、今作では大人を相手にするようになりました。本人も結婚して生活は落ち着いてきましたが、コロナ渦で違う意味での苦労が増えています。それにしてもよくもまあこんなに揉め事があるものです。役所を巻き込まないといけないほどの揉め事がこんなにあるとは。仕事が尽きなくて精神的にも削られそうな職業です。
読了日:02月09日 著者:乃南 アサ


集結 (P分署捜査班) (創元推理文庫)集結 (P分署捜査班) (創元推理文庫)
イタリアを舞台にした警察小説。イタリアの名前が覚えにくくて誰が誰やら、どこのことやら・・で混乱が続きました。なかなか個性的なメンバーは面白いですが、そこまで興味がもてずに終了。事件自体も何とも悲しい気持ちで終了。続きは読まないかな。
読了日:02月19日 著者:マウリツィオ・デ・ジョバンニ


神様の子守はじめました。16 (コスミック文庫α し 1-18)神様の子守はじめました。16 (コスミック文庫)
前作の雪山の思い出から始まり、卒業出来なかった数年前の小学生の話まで、冬から春にかけての話でした。今回も神様がたくさん登場し、誰が誰やら・・でしたが盛りだくさんで楽しめました。
読了日:02月25日 著者:霜月 りつ



日にちが少ないとはいえ、3冊とは・・・。

1冊に時間がかかり過ぎました。

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2026年02月27日

城山真一「看守の流儀」

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 城山真一 著
 「看守の流儀」
 (宝島文庫) ※電子書籍


刑務所、そこはシャバ以上に濃厚な人間関係が渦巻く、更生の最後の砦――。
石川県の加賀刑務所を舞台に、刑務官と受刑者たちの織り成す五つの事件。仮出所した模範囚の失踪(「ヨンピン」)、暴力団から足を洗う“Gとれ”中に起きた入試問題流出事件(「Gとれ」)、受刑者の健康診断記録とレントゲンフィルムの消失(「レッドゾーン」)など、刑務官たちの矜持と葛藤がぶつかり合う連作ミステリー。
−出版社HPより−


初めましての作家さんです。


「ヨンピン」「Gとれ」「レッドゾーン」「ガラ受け」「お礼参り」の5編収録の連作短編集。

刑務所手記「プリズン・ダイアリー」(三上順太郎著)という文章が平均2ページずつ各話の前に付いています。読者は誰のなんの話かわからないまま読むことになります。

三上順太郎は歌手で、懲役刑を受けて2年刑務所に入所していて、その間のことを手記にしているらしいというのはわかります。彼には何か事情があるのか「私のような人間の服役はなかった」という記述があります。

このまま彼の視点で話が進むと思っていたら、彼はほぼ出てきません。前半は特に。

1話毎に視点となる刑務官が違います。1話目の主人公が次も出てくると思っていたのに出なくなります。

話の中で1人、重要だと思われる火石司という看守長が出てくるので、読み進めるとこの人が主人公だとわかります。

それぞれの刑務官がどんな気持ちで仕事をしているのか?題名通り「看守の流儀」が描かれています。それぞれの刑務官が何か悩んだり問題を起こしたりする度に火石がちょっと手助けをして心を軽くしてくれたり、良い解決法を教えてくれたりします。


なかなか知ることのない世界の話なので、興味深く読めました。


最終話で驚く展開が待っていました。
なるほど、そういうことだったのか・・。
注意深く読んでいたら気づいたのかもしれませんが、私は全く気付かずただただ驚きました。

その展開を含め、最後まで面白かったです。全体的に暗いですが・・・


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タグ:城山真一

2026年02月26日

霜月りつ「神様の子守はじめました。16」

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 霜月りつ 著
 「神様の子守はじめました。16」
 (コスミック文庫α)


かまくらや雪合戦、スケートに雪だるま―雪山の楽しい思い出に浸る羽鳥梓とと神子たち。けれど外は早くも春めいて、子供たちは生まれてから二度目の季節を迎えようとしていた。毎日楽しいことがいっぱいで、日々子供たちの成長を感じる羽鳥梓だったが今日も今日とて大騒動が!ホワイトデーのために、翡翠と伴羽、そして玄輝と蒼矢は満を持してクッキーを作ろうとする。ハラハラしながら見守る梓だったが……。−裏表紙より−


「神子の雪山こぼれ話」「神子たち、ひな祭りを楽しむ」「神子とホワイトデー」「神子たち、春の公園で遊ぶ」「神子と真夜中の卒業式」の5編収録。


前作の雪山の話の思い出から始まり、ホワイトデー、卒業式と冬から春にかけての話です。

これでやっと神子たちも生まれて1年です。びっくりですよね。


今回、5話収録されていますが、特に印象に残ったのは、ひな祭りの話と卒業式の話でした。

ひな祭りは、梓がうっかり用意し忘れていたので家にはひな飾りがありませんでした。「ごめんね・・来年は」と言う梓に対し、当然のように神様たちが手を貸します。まあここはおなじみの展開ですけど、さっと神様の所に連れて行かれて、神様たちによるひな飾りを見せられるわけです。

この展開はあるあるなので特に感慨もありませんが、友だちのマドナちゃんの家で見せてもらったひな飾りの話が素敵だったんです。1体足りない人形の昔話が素敵で、最後の展開も玄輝の活躍で良い終わり方でした。

寂しい結果ではありますが、素敵な最後だったな、という感じです。



卒業式の話は。小学校に霊が出るという相談が持ち掛けられるところから始まります。卒業式の練習をしていると、生徒たちの後ろから歌声がするとか。よくある怪談話だと思われたのですが、調査に行くとやはり実在することがわかり、何とか成仏させてあげようとがんばります。


神様たちの力を借りて卒業式を再現するところが笑えました。ボランティアだそうな。とりあえず神様って暇なんだねと呆れてしまいました。

でも最終的にはしんみりする話で、学校にずっと残っていた霊が旅立つことが出来て良かったです。


まだシリーズは続きます。どこまで続けるのか?神子たちが巣立ったら梓はどうなるのか?色々心配ではあります。


<神様の子守シリーズ>
「神様の子守はじめました。1」
「神様の子守はじめました。2」
「神様の子守はじめました。3」
「神様の子守はじめました。4」
「神様の子守はじめました。5」
「神様の子守はじめました。6」
「神様の子守はじめました。7」
「神様の子守はじめました。8」
「神様の子守はじめました。9」
「神様の子守はじめました。10」
「神様の子守はじめました。11」
「神様の子守はじめました。12」
「神様の子守はじめました。13」
「神様の子守はじめました。14」
「スピンオフ」
「神様の子守はじめました。15」


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タグ:霜月りつ

2026年02月25日

古内一絵「マカン・マラン」

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 古内一絵 著
 「マカン・マラン」
 (中公文庫)※電子書籍


「苦しかったり、つらかったりするのは、あなたがちゃんと自分の心と頭で考えて、前へ進もうとしている証拠よ」元エリートサラリーマンにして、今はドラァグクイーンのシャール。そんな彼女が夜だけ開店するお店がある。ここで提供される料理には、優しさが溶け込んでいて――。仕事一筋の40代キャリア女性へ「春のキャセロール」。手料理を食べない中学生男子に「金のお米パン」など、心と身体があたたまる四つの物語。10年愛され続ける名作が、ついに文庫化!〈解説〉ドリアン・ロロブリジーダ−出版社HPより−


「春のキャセロール」「金のお米パン」「世界で一番女王なサラダ」「大晦日のアドベントスープ」の4編からなる連作短編集。


ずっと文庫化を待っていた作品です。


小さな中庭のある古民家で、わかりにくい場所にある隠れ家的カフェ・マカンマラン。ドレスや小物を作っている店で、本来はお針子たちの賄いを作っていたのですが、それがカフェも始めました。



春のキャセロール
会社に10年以上いる中堅社員の40代女性の話。会社では早期退職者を募っていました。仕事の忙しさと辞めなければならないのか?との不安もあり貧血になり、倒れていたら、マカンマランの店主・シャールに助けられます。

金のお米パン
急に母親が作る物を食べなくなった中一男子の話。買った物やカレーは食べるが、他は食べない。理由も言わないので母親が心配して中学の担任に相談してきます。
シャールと同級生だった中学教師が、マカンマランにやって来て相談します。

子どもらしい浅はかさと間違った必死さが判明し、その痛々しさにやられました。


世界で一番女王なサラダ
フリーライターの女性の話。本当にやりたい仕事が出来ていないことに悩んでいます。そんな時に出会ったマカンマラン。癒された彼女は常連になります。


「大晦日のアドベントスープ」
お針子であるジャダがメインとなる話。シャールの病気も判明し、立ち退きの話も出て、不動産屋ともやりあうジャダ。
病気のシャールを癒すために、今まで救われた人たちで、毎年正月に食べていたスープを作ります。


かなり心配な終わり方をしている今作。シリーズ化しているということは大丈夫だったのでしょうが、心配です・・
続きも早く文庫化してくれないかな?


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タグ:古内一絵
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2026年02月19日

風野真知雄「初秋の剣」

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 風野真知雄 著
 「初秋の剣」
 (二見文庫)※電子書籍


三人の男は職を退いた。町方同心の藤村慎三郎、三千五百石の旗本夏木忠継、町方の七福仁左衛門。旧友の三人はまだまだ気力体力ともに充分で、さてこらからどう生きるかと思案。三人の願いは、いい景色の中で暮らすこと。手頃な隠れ家〈初秋亭〉を根城に、江戸市中の厄介事解決に乗り出した。手前の女房がさらわれまして──初めての事件は、豪商からの突飛な話で始まった。−出版社HPより−


「隠れ家の女」「獄門島」「げむげむ坊主」「雨の花」「昔の絵」の5編収録。


昔からの水連仲間の幼馴染3人組、同心・藤村、旗本・夏木、商人・仁左衛門。彼らは職を退いた隠居組です。

でもまだ気力も体力も十分なので、隠居生活に収まるつもりはありません。

家にずっといるのも暇なので、3人であそべるような景色の良い家を借りようと動き始めます。


隠れ家の女」知り合いの油問屋から「女房がさらわれた」と相談を持ち掛けられます。元同心でもある藤村は調べ始めるわけですが、実はさらわれたわけではなく・・・。この出来事をきっかけに、良い家が見つかりました。


獄門島」暇だからという理由で俳句を始めた3人。近くに植えてあった2本の柳が切られたことを気にするところから始まります。
隠れ家の隣りに番屋が出来ることになり、仕事を辞めたはずなのに色々巻き込まれてしまいます。
藤村は息子に跡を継がせたため、余計に番屋の仕事が気になってしまいます。
気づけば現役の頃のように捜査に走り回っていました。

げむげむ坊主」刺青の入った人が次々殺される事件が発生。
岡っ引きの鮫蔵という嫌われ者に協力する形で調べることになります。


雨の花」珍しい紫色の傘を差した男が町人を斬り殺すのを目撃してしまった仁左衛門。当然のように事件に巻き込まれていきます。
藤村の剣がさえわたる展開にわくわくしました。夏木も弓の名手で、こちらも大活躍でした。

昔の絵」少女が殺される事件が発生。いたたまれない事件に同心たちが総力をあげて捜査を始めます。もちろん、3人も協力します。
人気の絵師が絡んでいることがわかりますが、これは後味の悪い話でした。


3人共、隠居したとは思えないほどの活躍ぶりですし、世の中のために今後も動いて行こうとしています。

今後も楽しみなので、続きも読むつもりです。


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タグ:風野真知雄

2026年02月12日

買った本

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 城山真一 著
 「看守の流儀」
 (宝島文庫) ※電子書籍


面白そうなので購入しました。読みごたえはありました。


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 高田郁 著
 「志記(一)遠い夜明け」
 (ハルキ文庫)


大好きな作家さんの新シリーズ。面白くなりそうです。


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 古内一絵 著
 「マカン・マラン」
 (中公文庫)※電子書籍


ずっと文庫化を待っていたシリーズ。面白かったです。


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 風野真知雄 著
 「初秋の剣」
 (二見文庫)※電子書籍


読みやすくて楽しめる作品でした。

2026年02月10日

乃南アサ「殺意はないけど」

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 乃南アサ 著
 「殺意はないけど」
 (新潮文庫)


高校の仲良し女子4人組。10年後―阿季子はアイドルとして活躍したあと玉の輿に乗って主婦に、由記はタウン誌編集長に、はるなは地方局のアナウンサーに、玲子はぬいぐるみ劇団の団員になっていた。そして阿季子の芸能界復帰が決まると差出人不明の「贈り物」が次々と送られてくる。穴だらけの写真、ガラス片・・その先に待っていたのは!?心の闇を描く傑作サスペンス。『微笑みがえし』改題。−裏表紙より−


高校時代に仲良し4人組だった女性たち(阿季子、由記、はるな、玲子)の物語。サスペンスですが、殺人事件が起こるわけではありません。でも女性なら特にゾクッとすることでしょう。


阿季子以外の視点で話は進みます。

始めに誰かが怪しげで危険な贈り物を誰かに送ろうとしている様子が描かれます。


そして、まずは由記の章からスタート。

阿季子の家を訪ねています。何やら彼女に対して思うところがありそうだとわかります。
表面上は仲良さそうで彼女のことを好きという態度ですが、心の中は・・。

こんな感じで、次は玲子の章、その次ははるなの章、と続き、3人共阿季子に対して恨みがあり、それぞれがちょっとした、いや、大きめの仕返しをします。

例えば、肌が荒れるクリームを勧めたり、整形を勧めたり、夫を寝取ったり、違法なビジネスに誘導したり。


でも阿季子は、それなりにダメージを受けながらも、驚くべき速さで立ち直り、見事な復活を遂げます。


女同士って、ここまで酷いことは少ないでしょうが、ある程度思うことがあっても黙ってニコニコ付き合うことがよくあります。

懐かしい気持ちになる場面もあったりして、共感できる部分が多々ありました。決して良い気持ちではなく、ひたすら苦しくなるだけですが。

とはいえ、私だったらここまで嫌な人とはサッサと縁を切るけどな・・と思いました。こうやって復讐することを考えたり、実行したりする方が疲れます。


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2026年02月09日

香月美夜「本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第三部「領主の養女 X」」

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 香月美夜 著
 「本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第三部「領主の養女 X」」
 (TOブックス)※電子書籍


一年ぶりにリュエルの実を採集することに成功したローゼマインは、神官長と共に薬(ユレーヴェ)作りに励む。これで健康な普通の女の子になれる!……はず。 その喜びから、活動は今まで以上に精力的なものに。本を読める環境作りのために製紙業や口伝集めに力を入れるばかりか、神殿長としては収穫祭の直轄地を回る。おまけに初めての妹までできて――。 だが、冬支度の準備が着々と進む中、貴族の派閥争いが加速していく。彼等の陰謀は神殿内に混乱を招くばかりか、ローゼマインの未来をも大きく揺るがすことになる……。 驚愕の新展開へ! 心高まる第三部クライマックス! 第四部への2年間を描く短編集に、書き下ろしSS×2本、お馴染み椎名優描き下ろし「四コマ漫画」収録!−出版社HPより−


Vの感想の時に材料全て手に入れたと書いたが、今回やっと手に入れたのでした。勘違い・・


薬づくりが始まり、マインが元気になれるかも?という状態になってきました。


罰を与えるため、去年は祝福を与えなかった地域に一年経って様子を見に行くことになります。実り少ない中何とか乗り越えていました、が貴族に対する礼儀がわかっていないのが心配になりました。前神殿長の影響が大きすぎたようです。

そこで、この地域の人たちを教育するために、灰色神官を派遣することになりました。今の状態では彼らが住むのは無理な環境だったのでそれを整えないといけませんし、新しい紙づくりもそろそろ終わりになる時期になり、ローゼマインは忙しい日々を送っています。


マインの兄・ヴィルフリートがヴェローニカという幽閉されている祖母の仲間にそそのかされて会いに行くという大罪をおかしてしまい、その処分がなされました。そのため彼は次期領主の候補から外れます。一度白紙に戻して、改めて誰を次期領主にするかを選ぶことになりました。

これって、ローゼマインを領主にするつもりか?という流れですが、本人は全くやる気なしなのでどうなるやら。


後半には義理の妹・シャルロッテが登場します。表紙に描かれている可愛らしい少女がシャルロッテです。
ローゼマインは可愛い彼女を気に入って、色々気遣います。何とか姉として慕ってもらいたいと頑張っている矢先、シャルロッテが何者かに襲われる事態に。


可愛い妹を助けようとした結果、逆に誘拐されかけ、毒を飲まされてしまいます。

祖父によって助け出されますが、瀕死の状態になってしまったので、作ったくすりでの治療を前倒しで行うことになりました。一年くらい薬に浸かった状態で眠ることになると予想されていましたが、毒の状態のせいか彼女の魔力のせいか、結局長くなってしまい、2年眠ることになりました。


エピローグではマインが眠っている2年のことが描かれます。珍しく(初めて?)フランの視点で描かれるので興味深く読めました。ローゼマインに対しての思いがよくわかりました。

そのほか、護衛騎士たちの恋の行方や、新しいカップル誕生!?という話もあり、最後まで楽しめました。

第三部完結です。第四部ではいよいよ貴族院に行くことになります。


<本好きの下剋上>
「第一部〜兵士の娘T」
「第一部〜兵士の娘U」
「第一部〜兵士の娘V」
「第二部〜神殿の巫女見習いT」
「第二部〜神殿の巫女見習いU」
「第二部〜神殿の巫女見習いV」
「第二部〜神殿の巫女見習いW」
「第三部「領主の養女T」
「第三部「領主の養女U」
「第三部「領主の養女V」
「第三部「領主の養女W」


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2026年02月05日

今村翔吾「双風神 羽州ぼろ鳶組」

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 今村翔吾 著
 「双風神 羽州ぼろ鳶組」
 (祥伝社文庫)※電子書籍



京の淀藩常火消・野条弾馬は、己が目を疑った。大火の折に生まれ激甚な災禍をもたらす炎の旋風”緋鼬”が大坂の町を蹂躙していた。続発する緋鼬に、それを操る何者かの影を見た弾馬は、新庄藩火消頭取・松永源吾に協力を頼む。源吾は、天文学者でもある風読みの加持星十郎らを連れ大坂へ。しかし、ぼろ鳶組は、炎の怪物を眼前にすると大きな挫折を味わうことに…。−出版社HPより−


星十郎がメインの巻。風読みという火消にはとても重要な役目を担う人です。

江戸時代の火消しは消すことも大事ですが、燃え広がらせないことはもっと大事。そのために隣家を壊す必要があり、どちらから壊すべきかを風の向きや流れによって決めます。

うまく風を読まないと燃え広がってしまうのでその時々で完璧に流れを読む必要があるわけです。

ぼろ鳶組の誇りでもある星十郎には、因縁の相手がいました。その人たちと対決するために京へ行く予定でしたが、大坂での不審火の調査にも向かうことになります。


緋鼬(あかいたち)という炎と風が巻き上がる現象が発生する火事が多発していました。その原因と消火の仕方を調べるべく星十郎が駆り出されたのです。

特異な火事ということで、お頭である源吾も共に大坂へ。大坂で消火活動に協力するつもりが、なかなかうまくいかない源吾は、大坂と江戸の火消しの違いを目の当たりにします。

江戸は武士が火消しをしていますが、大坂は町人。ですから、それぞれの組がそれぞれの考えと方法で動いている上に、誇りもあるためなかなか協力できません。上からの調達なんてありませんし、武士から命令しても軽く無視されてしまいます。

大坂の火消したちも江戸に負けないくらい個性的な人ばかり。たくさん登場して名前がわからなくなりましたが、読みごたえはありました。


個人的に気に入り始めた人が亡くなってしまったのが本当に残念でしたが、星十郎の成長ぶりは嬉しくなりました。


ただ、最後まで犯人たちのことがすっきり解決しなくて、今後も何か起こしそうなのが心配です。

まだ続くので読んでいきます。


<羽州ぼろ鳶組シリーズ>
「火喰鳥」
「夜哭鳥」
「九紋龍」
「鬼煙管」
「菩薩花」
「夢胡蝶」
「狐花火」
「玉麒麟」


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