
堂場瞬一 著
「讐雨」
(中公文庫)
連続少女誘拐殺人事件の犯人・間島を逮捕して、残った裏付け捜査をしに行った鳴沢は、署に戻る途中で爆破事件に巻き込まれた。治療後に署に戻った鳴沢は犯行声明が書かれた手紙を見つける。更に高橋と名乗る男性から「間島を釈放しなければ爆発は続く」という電話がかかってくる。
今回の鳴沢は東多摩署で働いています。そこで冷酷な殺人者・間島と出会うのです。
間島は幼い少女を誘拐し、首を絞めて殺害した上、その首を切り落とすという残虐な手口で犯行を重ねていました。しかも少女の髪を切って家族の元へ郵送するという非道ぶり。
逮捕された間島はあらゆる感情が抜け落ちたような、ベテランの刑事でさえ背筋がぞっとするような異常者と呼べるタイプの人間でした。
殺害した様子を自慢げに語る間島に対しての怒りと、被害者遺族たちに対する悲しさや申し訳なさで疲れ切った捜査員たちの前に、今度は爆破事件が・・。
犯人は間島の釈放を要求するのですが、その動機がわからず捜査は難航します。
爆破事件の犯人はきっとこの人だろう・・とか、動機は多分これだろう・・というのは結構早い段階でわかってしまいます。でも、それだけではない深さがあるように感じました。
なぜ爆破なんて大きなことを起こしたのか?その動機が少しわかるだけに辛かったです。簡単に「気持ちがわかる」なんて言えないですけど。
心のどこかで共感してしまう自分がいました。頭ではだめなことだとわかっていても、どうしようもない・・・。
鳴沢もいつもにも増して苦悩していました。相変わらず真っすぐで、うっとおしい感じですけどね

恋の行方は微妙な感じです。何かサプライズを考えているようですけど、その男性目線の感じがイラッとしてしまいます。優美ならきっと「サプライズよりもマメに声を聞かせてほしい」と言うはず。心配しながら待つ身にもなれよ!
次は少しは進展するのかな?楽しみなような、歯がゆいような微妙な気持ちですけど。
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