2015年06月12日

奥田英朗「ガール」

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 奥田英朗 著
 「ガール」
 (講談社文庫)


わたし、まだオッケーかな。ガールでいることを、そろそろやめたほうがいいのかな。滝川由紀子、32歳。仕事も順調、おしゃれも楽しい。でも、ふとした時に、ブルーになっちゃう(表題作)。ほか、働く女子の気持ちをありえないほど描き込み、話題騒然となった短編集。あなたと彼女のことが、よくわかります。−裏表紙より−


ヒロくん」「マンション」「ガール」「ワーキング・マザー」「ひと回り」の5編収録されています。


どれも面白かったですが、特に「ヒロくん」と「ワーキング・マザー」は女性がバリバリ働くことの大変さがよくわかって、痛いくらい共感しました。・・とはいえ、自分は女性だけの職場なので、男性との確執は無いのですが、同じ女性としてよくわかるんですよね。

子どもを産んだこともありませんが、子育てしながら働く大変さは想像できます。たぶん、想像以上に大変なのでしょう。女性に社会に出て働け!と言うのであれば、もっとサポート体制をしっかりしないと難しいでしょうし、女性の側もいろいろと気遣いが必要になるでしょうね。

「子育てしているから」を前面に押し出して、仕事から逃れようとするのは違う気がします。でも、言わなければわかってもらえないのもわかるんですよね。本当に難しい問題です。


他の話も、少し前(いや、もうかなり前か?)の自分を思い出すようで、その頃に戻ったような感覚になりました。30代前半から半ば頃って、仕事では中堅になって上下に挟まれて辛い思いをして、でも仕事はしっかり覚えているからやりがいも出来て楽しくなって、とても複雑な心境になるんですよね。

プライベートでは、周りが結婚&出産ラッシュで、焦りが出始めますし・・。

私も職場に男性がいないだけで、上下に挟まれたり、周りの結婚ラッシュもありましたし、自分に結婚願望がなくても何となく焦ったものでした。


30代の女性だけではなく、以前30代だった女性、そしてこれから迎える女性、更には女性と共に働く男性や奥さんや娘さんが働いている男性など、幅広い人たちに読んで勉強してもらいたい物語です。


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2015年04月30日

平松類/菊地琢也/蒲山順吉「目が良くなる!!10の眼トレ」

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  平松類/菊地琢也/蒲山順吉 著
 「目が良くなる!!10の眼トレ」
 (ぴあ出版)


眼科医が教えるから効くトレーニング!!
いくつになってもハッキリ見えます
目が良くなれば「頭痛」「更年期障害」「睡眠障害」なども改善!
−出版社HPより−

視力はかなり悪くて、本当はメガネかコンタクトをしないといけないのに、日常はできるだけ使いたくない!と思っている私にとって、“目が良くなる”という文句には食いつかずにはいられませんでした。しかもびっくりマークが2個も!これは読まずにいられないでしょう!!

ということで、「本が好き」で献本いただきました。

そろそろ老眼のことも気にかかってくる年齢・・・。“いくつになっても”ハッキリ見えるトレーニングならぜひやらなければと思い、さっそく読み始めました。

読み始めました・・というほど、文章らしい物が前半はほとんどないので、気づけば読み終えているくらいあっさり読み切れました。後は、実際にトレーニングをやりながら詳しく見ていけば大丈夫。

10個挙げられているトレーニングはこんな物。

1.ホットアイパック
2.視力UPストレッチ
3.目の油出しマッサージ
4.疲れ取りツボ刺激
5.寄り目ストレッチ
6.ぼやっと見
7.ぎょろぎょろストレッチ
8.ビーズの穴通し
9.のぞき見トレーニング
10.黒目真っ直ぐカード


眼科専門医3人が考えた方法なので、信頼も出来そうですね。

項目を読んだだけではわからないトレーニングもありますが、ここには詳しく書きませんので、ぜひ本を読んでみて下さい。

今の所、1〜7までは日々やっています。ホットアイパックはそろそろ暑くて無理かも・・と思うのですが、他は続けられそうです。8〜10は、ビーズとか、紙とか用意する物があるので、まだやっていません(・・本当に面倒くさがりなんですよね)。

効果はまだ現れていないような気がしますが、効果が出てくるまでしばらくやってみようと思います。物がくっきり見えたら最高でしょうね! 更に、視力があがれば頭痛も良くなるなんて最高です! さ、がんばろう!


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2015年03月25日

越谷オサム「いとみち 二の糸」

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 越谷オサム 著
 「いとみち 二の糸」
 (新潮文庫)


小柄で、泣き虫で、人見知り。濃厚津軽弁話者の相馬いと。高校2年生になり、メイドカフェのバイトも変わらず大奮闘。親友早苗を始めた写真同好会に大きな男子後輩登場! 早苗との初ケンカ、男の子への微妙な感情。先輩智美の夢に向かう姿、シングルマザー幸子と娘のやりとり。大好きな人たちに囲まれて、いとも確実に成長中。智美主役の短編「ジャンピングニー」も収録の第2弾。−裏表紙より−


1作目では、津軽弁が抜けなくて「おかえりなさい、ご主人様」もまともに言えなくて落ち込んでいたのですが、2作目でもまだまだ難しいようで、前半は言えても後半が言えなかったり、何度も転びそうになってしまう状態・・。

どこが成長したのか?と楽しみに読み進めたのですが、なかなか成長しませんね〜。唯一、三味線が更に上達して、色んなジャンルの曲が弾けるようになっていることくらいでしょうか。

でもまあ、いとがテキパキとできるようになっていたら、この物語は終わってしまうわけですから、これで良いのかも。



いとは高校2年生になりました。後輩も出来て、新たな恋の予感!?という展開も待っていましたが、いとが相手だけに、大きな展開にはならず。でも、いとにとっては大きな出会いとなりました。

また、親友となった早苗とも初めてのケンカをしてしまいます。この辺は青春だな〜という感じで、微笑ましい気持ちで読みました。高校生何て狭い世界で生きているわけですから、ちょっとしたケンカも大きな出来事になりますね。このケンカをきっかけにして、2人の関係は更に深く親しくなりました。

今回はいとだけではなく、メイドカフェの仲間たちにも大きな変化がありました。幸子も智美も幸せになるために、大きな一歩を踏み出しました。

こうなると、次からはいとがメインとなってがんばらないといけなくなるわけですが、なかなか・・・。彼女なりに少しずつ成長していくのを見守るしかないですね。


次も楽しみです。


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2015年03月12日

柚木麻子「ランチのアッコちゃん」

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 柚木麻子 著
 「ランチのアッコちゃん」
 (双葉文庫) 


地味な派遣社員の三智子は彼氏にフラれて落ち込み、食欲もなかった。そこへ雲の上の存在である黒川敦子部長、通称“アッコさん”から声がかかる。「一週間、ランチを取り替えっこしましょう」。気乗りがしない三智子だったが、アッコさんの不思議なランチコースを巡るうち、少しずつ変わっていく自分に気づく(表題作)。読むほどに心が弾んでくる魔法の四編。大人気の“ビタミン小説”をぜひご賞味ください。−裏表紙より−


この作家さんの作品は3作目。どれも何かしら共感できたり、心にぐさりと刺さったりする話で、これもずっと気になっていました。やっと文庫化されたので読んでみました。

今回はそこまで共感も刺さるものもありませんでしたが、ずっと温かい空気が流れていて、優しい気持ちで読み終えることができました。


ランチのアッコちゃん」「夜食のアッコちゃん」「夜の大捜査先生」「ゆとりのビアガーデン」の4編収録されています。

ランチのアッコちゃん」は、表題作だけあって、ドキドキわくわくさせられました。三智子と一緒に「次はどこでランチだろう?」と楽しみにするようになったりして、最後にアッコちゃんの思惑も明らかにされて、嬉しい気持ちで読み終わりました。


でも、表題作はきちんと終了していたので、残りの3作はどうするのか?と心配になりました。

で、「夜食のアッコちゃん」が始まるわけですが、冒頭から三智子が1人で公園でランチしている様子が描かれています。会社でうまく働けるようになったのでは?と不思議に思っていると、“会社がつぶれた!”という記述が。“アッコちゃん”はどうなったんだ!?と思っていると、何と移動販売のスープ屋さんをやっていることが判明。そこまで来てやっと、残り3作の方向性がわかり、安心してまた読み進められました。

ところが、「夜の大捜査先生」で、見知らぬ女性の話が始まり、いつまで経っても三智子とアッコちゃんが登場しません・・。結局次の「ゆとりのビアガーデン」でもちらりと出てくるだけになったのですが、それはそれで面白い話になっていたので良かったです。

まあ、最後までアッコちゃんの話が読みたかった気はしますけど。彼女は謎が多いですから深く描いても楽しそうなので。


アッコちゃんの話はまだあるようなので、そちらの文庫化も楽しみに待つことにします。


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2014年10月06日

「大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー」

本屋さんのアンソロジー

 飛鳥井千砂/有栖川有栖/乾ルカ/大崎梢/門井慶喜
 坂木司/似鳥鶏/誉田哲也/宮下奈都/吉野万里子 著
 「大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー」
 (光文社文庫)


「本屋さんをモチーフに、短編を一作書いていただけませんか? 書店をこよなく愛する作家・大崎梢が、同じくらい書店が好きにちがいない人気作家たちに執筆を依頼。商店街、空港、駅近、雑居ビル。場所は違えど、多種多様な人が集まる書店には、宝石のようなドラマが生まれる。読めば笑えて、泣けて、心がふっと軽くなる、そんな素敵な物語が十編、集まりました。−裏表紙より−


アンソロジーだと、大抵何作か気に入らない、合わない作品があるものですが、今回は全て気に入りました。

読んだことのなかった作家さんも何人かいましたが、他の作品も読んでみようかな?と思える方がほとんどでした。

特に面白かったものを挙げると、有栖川有栖さん、宮下奈都さん、飛鳥井千砂さんの3作になります。他のも面白かったので全部紹介したいところですが・・。


有栖川有栖「本と謎の日々」は、書店のアルバイト店員が遭遇した日常の謎を店長が鋭く解決していく話です。本当に日常の謎という感じなので、次々と謎が起きては解決する・・という展開で面白かったです。


宮下奈都「なつかしいひと」は、母親を亡くしたばかりの家族の物語です。母親を失った悲しみを紛らわせるために、母親の田舎へ引っ越してきた家族。学校に馴染めるか、環境に馴染めるか、不安に思っている息子が偶然書店で見かけたのは、どこか懐かしい気持ちにさせられる女の子でした・・。しみじみとする物語です。


飛鳥井千砂「空の上、空の下」は、空港にある書店の話です。空港では、とりあえずの暇つぶしに、と本を買っていく人が多く、やりがいを感じられなくなっていく店員の悩みが描かれています。最後は前向きな気持ちで進んでいけそうな、明るい終わり方をしていて良かったです。


全ての作品で、書店の裏側や、書店員の悩み、やって来る客の様子などが描かれていて、本屋さんが好きな私にとっては、興味深く読めるアンソロジーでした。

お客さんも色々いるんですね〜。私なんて特徴のない平凡な客なんだろうな・・とちょっと安心する所もありました。本の向きをちょこっと直すくらいあまり目立たない行為なんですね!良かった、良かった。


本屋さんに興味のある方は、楽しく読めると思いますよ。新規開拓のためにもぜひどうそ。


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2014年08月29日

「近藤史恵リクエスト! ペットのアンソロジー」

ペットのアンソロジー

 我孫子武丸,井上夢人,大倉崇裕,大崎梢,太田忠司,
 近藤史恵,柄刀一,汀こるもの,皆川博子,森奈津子 著
 「近藤史恵リクエスト! ペットのアンソロジー」
 (光文社文庫)


最近お気に入りの近藤史恵さんがリクエストした作品集ということで、動物はあまり得意じゃありませんが読んでみました。新規開拓したかったのですが、気に入ったのは大抵、もともと好きな作家さんの作品でした。


大倉崇裕「最も賢い鳥」は、ヨウムという鳥が出てきます。以前読んだ「小鳥を愛した容疑者」という小説の続編みたいな物で、今回も動物に詳しい女性巡査が、スッキリと事件を解決してくれます。それにしても、ヨウムなんて初めて聞きました。でもこんなに賢い鳥だと、飼うのは大変そうです。



大崎梢「灰色のエルミー」は、ちょっとミステリー調でした。友人の猫を預かっていたことで、事件に巻き込まれる・・。でもそこまで重い話ではなく、軽く読めて面白かったです。



柄刀一「ネコの時間」は、ペット小説らしく感動的な話でした。ペットセラピーなんてものもあるくらいですし、ペットは飼い主にとっては最高の癒しで、ある意味お医者さんでもあるんですよね。別れは悲しいけれど、一緒に過ごせる時間は最高なんだろうな・・。


近藤史恵「シャルロットの憂鬱」は、元警察犬の話なんですが、この犬・シャルロットがかわいかった!好きではない犬がかわいいと思えました。姿や行動が目に浮かぶ話でした。もしかしたらまたシャルロットの話を書くかも?ということだったので、楽しみに待ちます。


以上の4編が特に面白かったのですが、他も楽しめました。動物を絡めると感動話が増えそうですが、ミステリーもあって、様々なテイストの話が読めて良かったです。


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2014年06月18日

遠藤彩見「給食のおにいさん」

給食のおにいさん

 遠藤彩見 著
 「給食のおにいさん」
 (幻冬舎文庫)


コンクールで優勝するほどの腕をもちながら、給食調理員として働くことになった宗。子ども嫌いな彼を待っていたのは、保健室登校生や太ってしまった人気子役など問題を抱える生徒ばかり。さらにモンスターペアレントまで現れて。大人になりきれない料理人は給食で子供達を救えるか?笑いと感動そしてスパイスも効いた食育&青春小説。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

読み終わってあらすじを読んで、「宗って誰?」と思ってしまいました。子どもたちが「ささめ〜」と呼ぶので、下の名前なんてすっかり忘れていました・・。

小学校の時の給食なんて、ほとんど記憶に残っていないくらい印象が薄いです。この中に出てくるような給食だったり、栄養士さんがいればもっと違う印象だったのでしょうが。給食のおばちゃんのことも全く覚えていません。“おにいさん”はいなかった気はしますけど。

給食当番のとき以外、給食室に行くこと無かったですしね。調理している場面を見ることも無かったかも。


この物語の主人公は「ささめ〜」と呼ばれている調理員。一流レストランで働いていて、コンクールでも優勝するほどの腕を持つシェフなのですが、自分の店の経営に失敗したことで、仕方なく募集されていた給食の世界へ。

子どもも好きではないし、今まで全く関わることも無かった存在なので、初めのうちは戸惑うことばかりでした。何百人の分量を作ることも初めてで、味付けや盛りつけなど、今までにない経験を積むことになりました。

でも、シェフのプライドが邪魔をしてしまい、新たな経験を喜ぶ余裕もなく「何で給食なんか作らないといけないんだ」という思いが捨てられずにいます。

そんな彼の心をほぐしてくれたのは、子どもたち。毎日美味しく悩みも無く給食を食べている子どもばかりではないことを知り、何とかして料理の力で解決できないか?と奮闘します。

熱血栄養士や熱血教師もいて、素敵な学校だと思いました。子どもの問題にもきちんと向き合ってくれますし、こんな学校ばかりなら子どもも幸せだろうに・・と思いますね。


毎日プライドと闘いながら仕事を続けたささめの今後が楽しみな話になりました。続編も発売されているので、早く手に入れようと思います。


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タグ:遠藤彩見
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2014年05月23日

越谷オサム「いとみち」

いとみち

 越谷オサム 著
 「いとみち」
 (新潮文庫)


相馬いと。青森の高校に通う16歳。人見知りを直すため、思い切ってはじめたアルバイトは、なんとメイドカフェ。津軽訛りのせいで挨拶も上手に言えず、ドジばかりのいとだったが、シングルマザーの幸子やお調子者の智美ら先輩に鍛えられ、少しずつ前進していく。なのに! メイドカフェに閉店の危機が~。初々しさ炸裂、誰もが応援したくなる最高にキュ-トなヒロインの登場です。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

主人公のいとが、自分と重なる部分も多くて、共感しながら読みました。高校生ではないのに、今でもいとに共感するなんて何とも情けないことですが・・。


人見知りを直したくて接客業でバイトしようと決意したいとが選んだ店はメイドカフェ。私だったら選ばないな・・と思うのですが、メイド服にも憧れがあって、いとは決心したわけですが、当然のように接客に苦労します。

しかも、いとは津軽弁がキツくて、同級生には伝わらないくらいの濃い津軽弁をしゃべるため、メイドカフェでは絶対に必要な「おかえりなさいませ、ご主人様」という決め台詞がどうしてもスムーズに言えません。「ごすズんさま」になってしまうのです。それはそれでかわいいですけど、地元の人からすれば洗練された標準語で聞きたいですよね。

こんな簡単なセリフが言えないことにも落ち込み、緊張しすぎてドジをしてしまう度に落ち込み、初日から「辞めよう」「辞めたい」ばかり考えてしまいます。

更に、父親と祖母にメイドカフェでバイトしていることを言えずにいます。問題は山積み状態。せっかく少し慣れてきたカフェが閉店になるかもしれない・・という問題まで出てきて、ほぼずっとバタバタしている感じの展開でした。


ドジで引っ込み思案のいとが、少しずつメイド仲間たちに打ち解け、バイトに慣れていく様子は微笑ましかったですし、読んでいて思わず応援したくなる感じがしました。最後にいとが得意の三味線を演奏する場面では思わずウルウルしてしまうくらい、感情移入しながら読んでいました。


この話には続編があるようです。ぜひ続きも読もうと思います。


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タグ:越谷オサム
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2014年02月10日

角野栄子「ラストラン」

ラストラン

 角野栄子 著
 「ラストラン」
 (角川文庫)


やっちゃおうかな、そうよ、私のラストラン! 74歳のイコさんは、真っ黒なライダースーツに身を包み、真っ赤なオートバイを走らせる。目指すは、幼い頃に死に別れてしまった母親の生家がある岡山。東京から約640kmの快適な旅。古い写真を頼りに、当時の姿で残っている家をようやく探し出す。そこで出会ったのは、12歳の姿をした母親の幽霊!?なぜか気が合った2人の旅が始まる―。『魔女の宅急便』の著者が贈る自伝的小説!−裏表紙より−


初めましての作家さんです。「魔女の宅急便」でお馴染の方ですね。ページ数も少なく、あっという間に読めてしまいました。

主人公のイコさんが、74歳にして大型バイクをかっ飛ばして旅行に行こうとするような、スーパーおばあちゃん(74歳をおばあちゃんと呼ぶのは違うかも?)で、その言動や考え方に、読みながらニヤニヤしてしまいました。


ある日突然、“ラストラン”をしようと思いついたイコさんは、幼い頃に死に別れた母親の生家を訪ねてみることにします。東京から岡山に行くのに「よし、バイクで行こう!」と思うイコさんの行動力にまず感動します。

見つけ出した生家で出会ったのは、亡き母親の少女時代によく似た女の子。「ふーちゃん」と名乗った彼女は、幽霊でした。


まずこの設定に驚かされます。母親の幽霊と出会ってしまうなんて!しかも、なぜ12歳の幽霊。自分の母親の12歳の頃と出会うなんて変な気分でしょうね・・。

イコさんも戸惑いつつ、彼女と共にツーリングに出かけることに。ふーちゃんがなぜ幽霊のままでいるのか?その理由を聞くと、どうやら何か心残りがある様子。その心残りが何なのか、本人も忘れてしまったというから何とも情けない幽霊です。

イコさんとしては、「子どもの成長が見たかった」という答えを聞きたかったのでしょうが、全く思い出せそうもない母親。ちょっとイライラするような、でも思い出さなければ母親とずっと一緒にいられるから良いという思いの間で揺れ動きます。


・・と、何だか小難しそうに書いていますが、実際の物語はずっとほのぼのして、温かくて、微笑みながら読める感じで進んで行きます。

2人旅の途中で様々な出会いと別れを繰り返しながら、母親と娘の不思議な関係を続けていきます。

最後は唐突に話が終わってしまった気がしました。そんなに急ぎ足で終わらせなくても、まだまだ読んでいたかったのに・・と残念に思いました。

それくらい楽しく読める物語でした。


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タグ:角野栄子
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2014年02月05日

谷瑞恵「思い出のとき修理します2 明日を動かす歯車」

思い出のとき修理します2

 谷瑞恵 著
 「思い出のとき修理します2 明日を動かす歯車」
 (集英社文庫)


寂れた商店街の片隅に佇む、「おもいでの時 修理します」という不思議なプレートを飾った飯田時計店。店主の時計師・秀司と、彼の恋人で美容師の明里のもとを、傷ついた記憶を抱えた人たちが訪れる。あの日言えなかった言葉や、すれ違ってしまった思い―家族や恋人、大切な人との悲しい過去を修復できるとしたら?切なく温かく、心を癒す連作短編集、シリーズ第2弾。文庫書き下ろし。−裏表紙より−


前作の後半がやたらと駆け足で話が進んで置いて行かれた感じがしたのに、続編が出るなんて。シリーズ化するなら、もっとゆっくり進めても良かったんじゃないか?と思います。

あっという間に、時計師の秀司と美容師の明里が恋人同士になっていて、思った以上にラブラブで、驚かされました。2人のラブラブ場面を読む度に、秀司ってこんな人だったっけ?と疑問がわきました。これは、前作を再読しないといけないかも・・。


きみのために鐘は鳴る」「赤いベリーの約束」「夢の化石」「未来を開く鍵」の4話収録されています。今回も「おもいでの時 修理します」という看板に惹かれるようにして、時計修理の依頼が舞い込みます。

時計を修理することで、依頼人の人生が好転したり、止まっていた時間が進み始めたり、新たな人生を始めたりできました。相変わらずほろりとさせられる話もあって(特に「未来を開く鍵」は良かった)、謎解き部分は面白かったです。


更に、神社の掃除など世話をしている太一という青年が絡む場面では、妙にファンタジーっぽくなって、今回も不思議な雰囲気が漂っていました。太一の存在が謎めいています。前回もこんなに謎多き青年だったかな?・・これも再読して確認しないとわかりません。


秀司と明里の恋愛はこんな感じでふわっと進んでくれると読みやすくて良いかな?今回は置いて行かれた感じもありませんでしたし、謎解きは面白かったので、続編が出たらまた読もうと思います。


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タグ:谷瑞恵
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2014年02月03日

西加奈子「円卓」

円卓

 西加奈子 著
 「円卓」
 (文春文庫)


公団住宅で三つ子の姉と、両親、祖父母に愛されて暮らす「こっこ」こと渦原琴子は、口が悪く、偏屈で硬派な、孤独に憧れる小学三年生。こっこの日常は、不満と問題と驚きと発見に満ちている。世間の価値観に立ち止まり、悩み考え成長する姿を、生きのいい言葉でユーモラスに温かく描く。光溢れる感動傑作。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。


ネットでの評判がすごく良くて、楽しみに読み始めたのですが、どうも私には合わず。

主人公のこっこちゃんの考え方だったり気持ちはとてもかわいくて、「孤独」に憧れるところとか笑ってしまったのですが、とにかく口の悪さが辛かった・・。

心の中だけではなく、先生に向ってもすぐに「うるさいぼけ」と言うのがどうしても我慢できませんでした。大阪弁の中でも嫌いな言葉です。

それを注意することなく聞き流す先生のことをこの作者は“人格者”と言っているんですよね。自分も子どもに関わる仕事をしているせいなのか、そんな細かい部分が引っかかってしまって、話に入り込めませんでした。


こっこの姉の三つ子たちや、親友のぽっさんや、クラスメートたちが個性的で面白い部分もあったのですが、それ以上の感想は何も沸きませんでした。


でも他の方の感想を読んでいると「面白かった」「最高」など絶賛されているので、「うるさいぼけ」をかわいいと思えるなら楽しめるのかもしれません。


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タグ:西加奈子
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2014年01月31日

森沢明夫「虹の岬の喫茶店」

虹の岬の喫茶店

 森沢明夫 著
 「虹の岬の喫茶店」
 (幻冬舎文庫)


小さな岬の先端にある喫茶店。そこでは美味しいコーヒーとともに、お客さんの人生に寄り添う音楽を選曲してくれる。その店に引き寄せられるように集まる、心に傷を抱えた人人―彼らの人生は、その店との出逢いと女主人の言葉で、大きく変化し始める。疲れた心にやさしさが染み入り、温かな感動で満たされる。癒しの傑作感涙小説。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

軟らかい文章と、温かい雰囲気が読みやすくて良かったです。


長いトンネルと抜けてすぐに立っている小さな看板を見逃すとたどり着けないような、小さな岬にぽつんと建っている喫茶店がこの物語の舞台になっています。

ある年の春から始まり、数年後の夏までの出来事を、6編で描いています。

季節だけではなく、年数も経っているので、前の短編に出てきた人たちのその後の様子が、次の話でチラッと垣間見えたりするようになっていて、その部分でも楽しめました。・・楽しめたというか、悩み疲れた人たちが立ち直ろうとする物語なので、その後がわかるとホッと出来て良かったです。


この小さな喫茶店には、悦子さんという女主人と、三本足の犬・コタローがいます。悦子さんが淹れるコーヒーは抜群に美味しくて、お客さんに合わせて選んでくれるBGMは、悩んだり落ち込んだりしていても元気になれる物ばかりです。

悦子さんとの会話、そして、この喫茶店にある綺麗で不思議な虹の絵が、更にお客さんの気持ちを落ち着かせてくれるのです。


悦子さんと話した人たちは、みんな前を向いて生きていけるようになりました。中にはちょっと悲しい最期を迎えてしまった人もいましたが、その人も人生に悔いは無かったと思います。

また、悦子さん自身もお客さんや家族に囲まれて、幸せに暮らせたのではないか?と思えました。最後の悦子さんの話は涙があふれる良い物語でした。目の前に大きな虹が見えるようでした。


本の中に何度も美味しそうなコーヒーが登場するので、コーヒー好きにはたまりません。私も悦子さんみたいに魔法の呪文を唱えたら、美味しいコーヒーが淹れられるのかな?一度試してみようと思います。


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2014年01月27日

柚木麻子「あまからカルテット」

あまからカルテット

 柚木麻子 著
 「あまからカルテット」
 (文春文庫)


女子中学校の頃から仲良し四人組の友情は、アラサーの現在も進行中。ピアノ講師の咲子、編集者の薫子、美容部員の満里子、料理上手な由香子は、それぞれ容姿も性格も違うけれど、恋に仕事に悩みは尽きず・・・稲荷寿司、甘食、ハイボール、ラー油、おせちなど美味しいものを手がかりに、無事に難題解決なるか!?−裏表紙より−


この作家さん、前回読んだ「終点のあの子」が意外と自分に刺さってしまう部分が多かったので、面白くてもなかなか次を読む気になれなかったのですが、表紙になっている稲荷寿司に惹かれるようにして買ってしまいました。

この作品は、「終点のあの子」ほど刺さることはなく、終始「あ〜、あるある」と共感するか、4人の関係をうらやましく思うかでした。


登場する4人は、中学生の頃からの親友。とりあえず、女性で15年以上も親友として関係を続けられるのは本当に珍しいことです。全員が独身ならまだしも、1人は結婚していますし。

女性ってどうしても、結婚すると家庭が中心になってしまうので、友達との付き合いは後回しになりがちです。そうこうしているうちに、お誘いもなくなって気づけば年賀状だけの仲になってしまうんですよね・・。

だから、彼女たちのようにお互いに「親友」と認め合って付き合っている関係がうらやましくてたまりませんでした。

困ったときにはそばにいて、時には叱りながらも支えていってくれる、悲しいときにはギュッと包み込んでくれる、そういう人がいるって本当に幸せです。


短編になっていて、1〜4話は、それぞれの悩みを残りの3人が知恵を出し合って解決していく、という形で描かれています。あらすじにもあるように、稲荷寿司、甘食など食べ物に関連した謎があって、それをそれぞれの得意分野と人脈を生かして解決していきます。

最後の1編はそれぞれが同じ夜に苦難に合い、お互いに心の中で助けを求めながらも、何とか自力で乗り越える様子が描かれています。


最後まで楽しく読み切ることができました。こんな内容だったら、他も読んでみようかな??


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2014年01月14日

原田ひ香「東京ロンダリング」

東京ロンダリング

 原田ひ香 著
 「東京ロンダリング」
 (集英社文庫)


内田りさ子、32歳。訳あって夫と離婚し、戻る家をなくした彼女は、都内の事故物件を一ヶ月ごとに転々とするという、一風変わった仕事を始める。人付き合いを煩わしく思い、孤独で無気力な日々を過ごすりさ子だったが、身一つで移り住んだ先々で出会う人人とのやりとりが、次第に彼女の心を溶かしてゆく−。東京の賃貸物件をロンダリング<浄化>する女性の、心温まる人生再生の物語。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。ネットでの評判が良かったので読んでみたのですが、何かとてもあっさりした内容に感じました。

裏表紙の作品紹介を読めば全てわかってしまうような、ここに全て集約されている状態です。


主人公のりさ子は、賃貸物件のロンダリングをするという珍しい仕事についています。ロンダリングというのは、「浄化する」という意味で、亡くなった人が住んでいた賃貸物件に住む仕事です。

賃貸物件で亡くなった人が出た場合、次に借りる人にはその事情を説明する必要があり、どうしても借り手がいなくなります。誰かが亡くなった部屋にすぐ住むのは嫌ですもんね・・。

自殺に限らず、事故でも、とにかく亡くなった人が出ると、その部屋に住んで浄化させるわけです。

浄化といっても、別にお祓いとかをするわけではなく、ただその部屋に住むだけ。一度でも誰かが住めば、その部屋で誰かが亡くなったことを説明する必要が無くなり、借り手も見つかりやすいそうです。


りさ子はこの仕事を淡々とこなしています。それは、彼女の過去に事情がありそうで、それが明らかになるのが楽しみでもあったのですが、意外な過去で、何か自業自得というか、そこまでの間は「悲しい人」という目で見ながら読んでいたのに、そこで見る目が変わってしまいました。

ある意味被害者でもあるんですが、私には同情する気持ちもわきませんでした。


主人公がこんな感じで好きになれず、他の登場人物たちも、ページ数が少ないせいか、あまり人物像がつかめないまま終わってしまう感じがしたんですよね。

話自体の盛り上がりももう少し欲しかった気がします。


・・と、さんざん書いてきましたが、ネットでの評価は高いです。「感動した」とか「元気になれた」とか書かれています。たぶん、私の受け取り方がひねくれていたんでしょう。

素直な方なら面白いのかもしれません。


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タグ:原田ひ香
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2013年12月29日

三浦しをん「まほろ駅前番外地」

まほろ駅前番外地

 三浦しをん 著
 「まほろ駅前番外地」
 (文春文庫)


東京都南西部最大の町・まほろ市の駅前で便利屋を営む多田と、高校時代の同級生・行天。汚部屋清掃、老人の見舞い、庭掃除に遺品整理、子守も料理も承ります−。多田・行天の物語とともに、前作でお馴染みの星、曾根田のおばあちゃん、由良、岡老人の細君が主人公となるスピンアウトストーリー七編を収録。−裏表紙より−


もう読めないと諦めかけていたこの続編。表紙が戻ってくれてよかったです。

諦めかけていたので、実は1作目の内容をほとんど忘れていたんですよね・・。でも、読み始めるとどんどん思い出してきました。それだけ、個性的な人物が多かったということなんでしょうね。


便利屋を営む多田と同級生で居候で従業員の行天は、相変わらず付かず離れずという関係です。

無口で真面目で、不器用で、でもある意味ちゃんと社会人している多田。儲かってはいないけど、人の役には立っているような??

行天は、かなり天然というか、不真面目で、周りにいる人をイライラさせます。でも、どこか憎めない奴なんですよね。私は絶対一緒に働くのは無理ですけど。ちょっと離れて見ていると面白いかもしれません。


この続編では、そんな彼らの活躍が、周りの人たちの目から見た形で描かれています。

前作で登場した一癖もふた癖もある依頼人たちが、新たな依頼を多田便利軒に頼んだり、依頼はしなくてもなぜか2人の騒動に巻き込まれたりしながら、自分たちの現状と2人のことを観察し、語ります。

依頼人たち自体が個性的で癖がありますから、彼らの現状を読むだけでも楽しめました。


最後には、行天の秘密というか、謎が出てきました。前から謎多き男でしたが、更に謎が深まりました。もう1作シリーズがあるそうなので、そこで明らかにされていくのでしょう。

続編も楽しみに待つことにします。



「まほろ駅前多田便利軒」


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タグ:三浦しをん
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2013年12月16日

益田ミリ「銀座缶詰」

銀座缶詰

 益田ミリ 著
 「銀座缶詰」
 (幻冬舎文庫)


街中で若い女性に配られるポケットティッシュを差し出されなくなった。自分より若い人とご飯を食べる時、お開きの時間を気にするようになった。それでも、まだたくさんしたいことがあって、夜遊びだってする・・・。40を過ぎて気づく、既に失われたかけがえのない「若者」だった時間と、尊い「今この瞬間」を掬いとる、心揺さぶられるエッセイ集。−裏表紙より−


この作家さん、「すーちゃん」という漫画は先日読んでみたのですが、エッセイは初めてです。「すーちゃん」のときも共感できる部分が多かったのですが、このエッセイは更に共感部分が増えました。

作家さんと年齢が近いので、日々の暮らしの中で感じることって似てくるんでしょうね。40代の女性ならどこかで必ず「そうそう」と思えるはず。


共感した文章をいくつか挙げてみます。

「なまいき」は、わたしから過ぎ去って行った。もう、二度と「なまいき」には戻れない。かといって、今のわたしは、若者の「なまいき」を全面的に応援できるほどには歳を重ねておらず、ちゅうぶらりんなお年頃なのである。

特に後半部分が共感しました。これって、私だけかと思っていたのですが、他にもいた!とうれしくなりました。もっと大人になって大きな心で若者を包み込んであげられるようになりたいものです。


若者ではなくなった「新型の自分」を語りっこしてあそんでいるのではないか。

これは、ある程度年齢を重ねた人同士が集まると必ずしてしまう加齢話について書かれています。どうして加齢話ばかりしてしまうんだろう?と考えた結果、こういう答えが出たそうです。なるほど、と感心してしまいました。「新型の自分」という言い方良いですね、気に入りました。


さみしくないと言えば嘘になる。しかし、さみしいと言うと嘘になる。ふつうの気持ち。

これは、独身で子どものいない作家さん今の正直な気持ちを表現した文章です。これも激しく共感しました。ホント、「ふつうの気持ち」なんですよね。周りが思うほどはさみしいと思っていませんが、さみしくないわけでもないんです。作家さんや私と同じように独身で子どももいない人にはわかってもらえると思います。


一冊読み終えたあとなんとなく、表紙をながめます

これは、本文ではなく帯に書かれていました。まさしく、この本を読み終えてから表紙を眺めていて見つけた文章。何となく余韻に浸りたい本のときは特にじっくり眺めてしまいます。


他にも色々、共感したり感心したりした文章があったのですが、あげるときりがないのでこれくらいにしておきます。

同じような年齢で境遇の方にはぜひお勧めの作品です。


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タグ:益田ミリ
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2013年12月09日

村上早紀「花咲家の人々」

花咲家の人々

 村上早紀 著
 「花咲家の人々」
 (徳間文庫)


風早の街で戦前から続く老舗の花屋「千草苑」。経営者一族の花咲家は、先祖代々植物と会話できる魔法のような力を持っている。併設されたカフェで働く美人の長姉、茉莉亜。能力の存在は認めるも現実主義な次姉、りら子。魔法は使えないけれども読書好きで夢見がちな末弟、桂。三人はそれぞれに悩みつつも周囲の優しさに包まれ成長していく。心にぬくもりが芽生える新シリーズの開幕!−裏表紙より−


初めましての作家さんです。


どれもとても優しい物語でした。心がほんわかするような・・。

でも、文章が読みにくかったんですよね。ずっと「です・ます調」で書かれていることと、誰か一人が語り手になっているわけではなく、コロコロと心情を語る人物が変わっていくのがわかりにくかったです。

話の内容が良かったのに、読み終わるのに時間がかかってしまいました。


花咲家の人々は、植物と会話し、その力を借りることもできる不思議な能力を持っています。そんな花咲家の物語が4編で描かれています。

一話ずつ、主人公が変わっています。

黄昏時に花束を」は、長姉・茉莉亜の物語。ラジオのDJもやっている彼女が、過去の自分を語り、亡き母親への想いを語ります。軟らかい雰囲気を持つ彼女ですが、過去には色々あったようで、心の中を語っていく場面では、感動させられました。

夏の怪盗」は、次姉・りら子の物語。高校生のりら子は、自分の持つ不思議な力をうまく使っていて、理解もしているのですが、どこか現実主義な所があり、天国や霊などの存在を信じていません。理由は亡き母親のことなのですが。


草のたてがみ」は、末弟・桂の物語。彼だけはなぜか不思議な力を持っていません。一番似合いそうなタイプに思えたのですが。彼の真っすぐな性格はかわいいと思う反面、近くにいたらイライラもさせられそうな気がします。


十年めのクリスマスローズ」は、父親の物語。亡き妻との出会いや結婚生活などが描かれ、感動的な結末も用意してあります。ちょっとウルッとしてしまう素敵な物語でした。


途中で挟まれている祖父の話も素敵で、これだけ良い人たちだったら、植物と会話ができても不思議じゃない気がしました。植物と相性の悪い私には、うらやましくて仕方がない能力です。ホント、どうすれば花はきれいに咲くんでしょうか・・。

クリスマス前のこの時期に読むのにピッタリなお話です。


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タグ:村上早紀
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2013年11月25日

西多昌規「疲れる相手の話をきちんと聞く49のコツ」

疲れる相手の話を〜

 西多昌規 著
 「疲れる相手の話をきちんと聞く49のコツ」
 (実務教育出版)


いまの時代、「ネチネチと揚げ足を取るように細部を確認してくる人」「一方的に喋って話が切れない人」など、話を聞くのに疲れる人がたくさん存在します。それが上司や顧客だったら、無視するわけにもいきません。
そんな面倒な相手への対策法を、著者が職業柄遭遇した経験と知識からまとめました。
前半では「聞く」基本について解説し、後半では様々なケース別の実践的な対策を講じています。
本書で話を上手に聞くことができるようになれば、仕事も私生活も必ずうまくいきます!
−出版社HPより−


人見知りが激しくて、人と話すのが苦手な私。人と会話するためには、まず「聞く」ことも大事なのではないか?と思い、「本が好き」で献本申し込みしました。


読みやすい文章で書かれていて、説明もわかりやすく、具体的なシチュエーションも挙げてあって読みやすかったのですが、読み終わるまでにかなり時間がかかってしまいました。

きっと、一度に読んでしまうと色んな方法が一気に流れ込んできてしまい、パンクしそうになるからだと思います。

特定の誰かを思い浮かべながら読むと頭に入りやすいかもしれません。そうやって、苦手としている相手とうまく会話するためにはどうすればいいか?をきちんと理解して実践すれば、コミュニケーションもスムーズになりそうです。


すごく心に残ったのは「沈黙恐怖症」という言葉。これって、私のことです。気心の知れた相手であれば、多少の沈黙も耐えられるのですが、初対面の相手だと、一瞬の沈黙も怖いんです。

でもこの本に「沈黙は大事」と書かれていたので、考えを改めないといけないと思いました。沈黙を破ることで、相手は言いたいことが言えていないかもしれない・・だなんて。

そうなのか・・。

沈黙を我慢して「しばらく黙っていましたが、何か話したいことは見つかりましたか?」なんて話題にできるようになりたいものです。今は想像するだけで怖いですが、少しずつ慣れていきたいです。


他にも知らない人が多い場所での会話への入り方など、勉強になりました。

いきなり会話上手にはなれないでしょうけど、一歩でも前進できるように何度か読み返しておきたいと思います。


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2013年10月29日

大沼紀子「真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫」

真夜中のパン屋さん

 大沼紀子 著
 「真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫」
 (ポプラ文庫)


真夜中にオープンする不思議なパン屋さんに現れたのは、ワケアリ男女の二人組。居候女子高生の希実は、彼らが抱える不穏な秘密によって、不本意ながらも、またまた事件に巻き込まれていく。降り止まない雨の中、希実の過去に隠された謎が明らかに・・。人気シリーズ第4弾!!−裏表紙より−


あらすじにある“ワケアリ男女”のうち、女子の方は希実の従姉妹である沙耶でした。希実は母親以外親戚はいないのかと思っていたのですが、幼い頃、沙耶の家に預けられていたことがあったそうです。

いつもなら言いたいことを言って強気な希実ですが、沙耶の前ではどうも調子が出ないようで、かなり勝手なことを言ってくる沙耶に対して心の中でしか文句が言えずに、何でも言うことを聞いてしまっています。そんな希実の態度は、読んでいてイライラするくらい。

沙耶は、パン屋さんに居候させてもらう上に、希実の母親を探してくれと要求してきました。沙耶自身は命を狙われていて動けないから・・と、希実と一緒に逃げてきた彼氏だと名乗る男性の2人で探すように指示してきたのでした。

希実は探すつもりがないのに、逆らえない・・。沙耶の彼氏もパッとしない風貌で、何か秘密を抱えていそうな人なので、一緒に探すのも抵抗を感じつつ、結局は何となく母親探しをすることに。

話が進むにつれて、沙耶の大きな秘密、彼氏だという男性の秘密がどんどん明らかになっていって、あまりの展開に思わず「はぁ?」と言いたくなるくらいでした。


今回は暮林が夏休みだと言って、店にいない状況のまま書かれていて、癒しが少ないのも読みにくかったです。まあ彼の行動が今後の展開には重要な役割を果たしそうなのですが。

それと、今までもそうでしたが、文章の軽さからは想像が出来ない、重いテーマになっているので、あまり明るい気分で読める話ではありませんでした。


母親と子どもって、本当に難しいです。無償の愛で包んでくれる存在ではあっても、一度衝突すると傷が大きくなってしまうんですよね。近すぎて見えない・・。少し離れて客観的に見ることができればもっと楽な関係になれるのかもしれませんが。

そんなことを考えながら読み終わりました。


最後に希実は重大な決心をします。これでまた少し前に進めるのでは?と次作の展開を期待してしまいました。続きも楽しみです。



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タグ:大沼紀子
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2013年10月25日

伊坂幸太郎・原田マハ他「エール!3」

エール!3

 伊坂幸太郎・原田マハほか 著
 「エール!3 お仕事小説アンソロジー」
 (実業日本之社文庫)


仕事への誇り、憧れ、情熱!! 働くあなたの心に響く六篇
小学生の娘と暮らしながら、新幹線清掃の仕事をするシングルマザーが出会う奇跡とは!?(伊坂幸太郎「彗星さんたち」)ほか全六編。運送会社の美術輸送班、東京消防庁災害救急情報センター、ベビーシッター、農業、イベント企画会社など、多彩な職場で働くヒロインたちの奮闘を描くお仕事小説アンソロジー第三弾。それぞれの仕事の裏側やマメ知識も満載。オール書き下ろし!
責任編集/大矢博子
−裏表紙より−


このシリーズも3作目となりました。今回は、お気に入りの作家さんが3人もいて楽しみでした。

読んでみると、やはり好きな作家さんは面白かったです。初めましての作家さんは、私にはあまり合わず、新規開拓とはなりませんでした。


原田マハ「ヴィーナスの誕生」は、美術品の輸送という仕事をしている女性の話です。学生時代から憧れ続けていた美術品の輸送を担当することになった主人公が、どんな風に感動して成長していくのか? この作家さんらしい、爽やかな物語で、悪い人は出てこなくて最後もハッピーエンド。とても読みやすかったですし、あまり馴染みのない仕事に少し触れることが出来て面白かったです。


日明恩「心晴日和」は、救急情報センターで働く女性の話です。消防士に憧れて消防庁に就職した女性が、突然現場の仕事から外され、救急情報センターに配属になり、落ち込んで悩んで腹を立てていたのですが、ある出来事をきっかけに仕事にやりがいを感じられるようになります。 この作家さんの作品は以前一度だけ読んだことがあります。結構面白くて気に入ったのに、なぜかそれ以降読んでいません。これをきっかけにまた読んでみようかな?と思いました。


森谷明子「ラブ・ミー・テンダー」は、ベビーシッターの話です。似た職業をしている私にはあまりにも説明臭くて読みにくかったです。とりあえず、この主人公、働き出して2年なのにここまで色々わかって、こんなに細かく仕事ができる人いないと思います。そんな簡単な仕事じゃないですから・・。

山本幸久「クール」は、農業をしている女性の話です。・・・が、私はどうも合わず。途中で読むのをやめてしまいました、すみません。


吉永南央「シンプル・マインド」は、イベント企画会社で働く女性の話です。地元のイベントに、昔馴染みが出演してくれることになっていたのに、急に理由も告げずにキャンセルされてしまい、その理由を探ろうと久しぶりに彼に会いに行きます。理由を知った彼女は、自分の人生も振り返りながら、彼の想いも汲んで説得しようとします。 あらすじが難しい内容でした。軽く書いてありますけど、結構深い内容でかみ締めるようにして読みました。


伊坂幸太郎「彗星さんたち」は、新幹線の清掃をしている女性の話です。自分の意見が言えない引っ込み思案な性格の主人公が、清掃チームで働きながら自分を見つめなおしていきます。 内容も良かったですが、題名が素敵です。読んでみたら良さがわかると思うのでここには書きませんが。短くてもこの作家さんらしい不思議な雰囲気は充分楽しめるようになっています。面白かったです。


このシリーズはこれで終わりだそうです。ちょっと残念・・。また別のテーマで出して欲しいと思います。期待して待ちます。


<エール!>
「エール!」
「エール!2」

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posted by DONA at 20:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書:その他