2025年04月22日

北川ミチル「バタフライは笑わない」

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 北川ミチル 著
 「バタフライは笑わない」
 (文芸社文庫)※電子書籍


もう二度と泣かないでも、きっともう笑えない―文芸社文庫NEO小説大賞受賞作。競泳選手として将来を有望視されていた夏子。高校生になったばかりの4月、ある日を境に彼女の生活は一変した。他人の視線に怯え、引きこもる日々。そんなある時、夏子は小学校の同級生・沙耶花と偶然再会する。おとなしくて影が薄かった以前とは違う生き生きとした沙耶花、その独特のペースに夏子は巻き込まれてしまう。実は沙耶花は・・!?少女の心が解き放たれる、真夏の3日間の物語。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

文章自体は読みやすかったのですが、口調が荒いところや急な展開についていけない部分はありました。


ザ・青春小説!という感じで、学生時代に読んだら色々思うところがあったのかもしれないですが、大人も大人、彼女たちの親よりも上の年齢なので読んでも何となく親目線になってしまう状態でした。学生時代に読んだら辛すぎるかもしれないですけど。


高校1年生の夏子は、競泳選手の有望株として注目される存在でした。でもある時から引きこもって外に出られない状態になっていました。その理由については始めは語られません。きっといじめにでもあったのだろうと想像しながら読み進めると、急に小学校時代の同級生・沙耶花と再会し、強烈キャラクターの男性にも会って、どんどん沙耶花のペースに巻き込まれていきます。

小学校の頃は特に仲良くもないし、話したこともほとんどないという関係でしたが、なぜか沙耶花に好かれる夏子。気づけば共に行動するようになっていました。

大人しくて吃音症でもあった沙耶花ですが、高校生になった今はとある活動をしていることを知ります。

まさか彼女が!?という展開で、このあたりから急すぎて驚いているまま話が進んでいく状態になりますが、ネタバレになるので書かないでおきます。あらすじにも書いてありませんしね。

個性的なキャラの人が何人か登場し、夏子にどんどん影響を与えていきます。

そして夏子は復活!となるのがさすが、青春小説!という感じですね。


夏子が経験したことはかなりショッキングですが、現代ではよくあることなのかもしれません。それでもいじめよりも陰湿なその行為は到底許されることではないですし、引きこもってしまうのは仕方がないと思います。

よく立ち直ってくれた、と最後は明るい気持ちで読み終えることが出来たのは良かったですが、学生時代に読んだら重くて辛いでしょうね。


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2025年04月18日

アミの会「キッチンつれづれ」

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 アミの会 編
 「キッチンつれづれ」
 (光文社文庫)※電子書籍


八人の作家が描き出す、家族や大事な人との悲喜こもごも。「対面式」(福田 和代)、「わたしの家には包丁がない」(新津きよみ)、「お姉ちゃんの実験室」(永嶋恵美)、男の料理教室で事件を推理「春巻きとふろふき大根」(大崎梢)、「離れ」(松村比呂美)、「姉のジャム」(近藤史恵)、「限界キッチン」(福澤徹三)、「黄色いワンピース」(矢崎存美)所収。−裏表紙より−


お気に入りの作家さんが多い“アミの会”。短編で好きな作家さんの作品が読めるなんて最高です。

どれも面白かったですが、やはり気に入るのは好きな作家さんの作品ですね。

中でも気に入ったというか印象に残ったのは、近藤史恵さんの「姉のジャム」です。歳の離れた姉妹の話で、身につまされるというか、心に刺さる感じがしました。

姉妹はお互いに相手を大事に思っていて大好きなのに、うまくそれを表すことが出来ず、妹は姉をうっとおしいと思ってしまい、姉は回りくどい方法で妹に愛情を注ぐ・・。

姉妹とか兄弟って一番身近で言い合える関係ではありますが、意外と本音は言えない遠い存在なのかもしれません。色々考えさせられました。

しかも結末が後味悪い・・姉を恨むけどやっぱり好きだった、という妹の複雑な感情が刺さりました。


それと矢崎存美さんの「黄色いワンピース」

一瞬、不思議な話か?と思ったのですが、終始優しい空気の流れる話でした。ネグレクトされていた少女・キラが“おねえさん”に出会ってご飯を食べさせてもらって幸せな時間を過ごしたのを大人になって思い出し、その頃の記憶を頼りに家を訪ねて行きます。

なぜおねえさんはキラに食事をさせてくれたのか? お礼も言わないまま去ったキラをどう思っていたのか?など20年後に再会して話していきます。

ネグレクトやヤングケアラーといった現代の問題点が取り上げられているわけですが、重くなくて柔らかな雰囲気で進んでいき幸せな空気で終わる物語です。


他も面白かったな・・・また次のアミの会を楽しみにしています。


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2024年10月30日

上田健次「銀座「四宝堂」文具店」

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 上田健次 著
 「銀座「四宝堂」文具店」
 (小学館文庫)


銀座のとある路地の先、円筒形のポストのすぐそばに佇む文房具店・四宝堂。創業は天保五年、地下には古い活版印刷機まであるという知る人ぞ知る名店だ。店を一人で切り盛りするのは、どこかミステリアスな青年・宝田硯。硯のもとには今日も様々な悩みを抱えたお客が訪れる――。両親に代わり育ててくれた祖母へ感謝の気持ちを伝えられずにいる青年に、どうしても今日のうちに退職願を書かなければならないという女性など。困りごとを抱えた人々の心が、思い出の文房具と店主の言葉でじんわり解きほぐされていく。いつまでも涙が止まらない、心あたたまる物語−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

読んだのは覚えていますし、何となく内容というか雰囲気も覚えていますが、感想を書くほどは覚えていなくて。

不思議な雰囲気の文具店の話ですが、そんなに涙が止まらないようなことあったかな?

シリーズ化しているようですが、続きは読むかどうか微妙です。


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2024年10月23日

青山美智子「木曜日にはココアを」

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 青山美智子 著
 「木曜日にはココアを」
 (宝島社文庫)※電子書籍


川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。そのカフェで出された一杯のココアから始まる、東京とシドニーをつなぐ12色のストーリー。卵焼きを作る、ココアを頼む、ネイルを落とし忘れる・・。小さな出来事がつながって、最後はひとりの命を救う―。あなたの心も救われるやさしい物語。!−裏表紙より−


実は・・・
読んだことすら忘れていたという・・

何となくぼんやりと覚えているのは、連作短編で別の話のようで繋がっていること、ほんのりした恋愛も絡んでいることくらい。

繋がりがあまりはっきり描かれていないので、多分これはあの人のことだよね?という感じで進んでいて、丁寧に読んで行かないとついて行けなくなる感じでした。

全体的にふんわりとした優しい雰囲気に包まれている話でした。


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2024年10月03日

宇野碧「レペゼン母」

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 宇野碧 著
 「レペゼン母」
 (講談社文庫)※電子書籍


和歌山県の山間の町に住む深見明子。穏やかに暮らす明子の唯一の気がかりは、女手一つで育て上げた息子の雄大のこと。二度の離婚に借金まみれ、あげく妻を置いて家を飛び出すダメ息子に。いったい、私の何がいけなかったのか。そんな時、偶然にも雄大がラップバトルの大会に出場することを知った明子。「きっとこれが、人生最後のチャンスだ」明子はマイクを握り立ち上がる―!読むと母親に会いたくなること間違いなし!笑えて泣けてグッとくる、前代未聞のデビュー作!−出版社HPより−


初めましての作家さんです。

題名を見ても絵を見てもどんな話なのかさっぱりわからず。でもネットでの感想を読んで面白そうだったので読んでみました。


「レペゼン」というのは「〜を代表する、象徴する」という意味だそうです。ヒップホップ用語です。詳しい人なら当然知っている言葉なのかもしれません。英語にもヒップホップにも疎い私は知りませんでした。

つまり「母代表」ってことですね。


確かにそんな内容の物語でした。


和歌山で梅農家を経営している明子は、夫を亡くし、唯一の肉親である息子は家を飛び出して音信不通という状態でした。でも孤独というわけではなく、農家の手伝いとしてアルバイトを何人も使って賑やかな毎日を送っています。

家には息子の妻・沙羅が一緒に住んでいます。嫁姑って不穏な感じですが、この2人はうまくやっているようです。

そんな彼女の影響もありラップバトルに出場することになる明子。

そして、連絡が無かった息子から連絡があったり、ラップバトルをしたり、色々とハプニングが起きていきます。


ラップの場面が多々出てくるのですが、ラップについて全く知識が無いので、字面を読んでいるだけであまり理解できていないのが残念でした。もっと詳しければ頭の中でビートが鳴ったりするのかな?と。そうすればもっと楽しそうです。

字面で読んでもイマイチ頭に入ってこないし響かない感じがしました。

これは実写で見たい気がします。明子くらいの年齢でラップが出来る女優さんいるかな?? それが心配ではありますが。


全体的に面白かったのですが、話の流れがやたらと前後するのが読みにくく感じました。沙羅は明子にとってどんな関係なのか?もなかなか説明されませんし、なぜ息子は音信不通になったのか?もなかなか明かされません。

頭に「?」が浮かんだまま読んでいると、急に説明される感じ。なるほど・・と納得していたらまた新たな疑問が出てくるのにそれは放置される。もっとスムーズに書いてもらえたら読みやすかったかもしれません。そうなると説明文が長々続いて退屈してしまうのか?


ラップバトルで、今まで不仲だった親子がうまくいく、なんてことがあるのか疑問ではありますが、この話だとそうでないと納得できないかもしれません。

それにしても、子育てって本当に大変です。自分の言動で子どもの人生が大きく左右されることもあるわけで、せめて「そんなこと言わないで」と言えるような関係になっていれば良いのでしょうが難しそうです。


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2024年08月09日

朝比奈あすか「いつか、あの博物館で。アンドロイドと不気味の谷」

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 朝比奈あすか 著
 「いつか、あの博物館で。アンドロイドと不気味の谷」
 (東京書籍)


ロボット博物館への校外学習で同じ行動班になった、安藤悠真、長谷川湊、清水陽菜、市川咲希の四人の中学一年生。その博物館には、「美しすぎる」アンドロイドの気象予報士が展示されていた。その日の体験をきっかけに、それぞれがロボットと人間の違いを考える。完璧な美しさや強さを持つロボット、やさしい言葉をかけてくれるロボット、いつまでも死なないロボット……。それでも、ロボットにはない自分だけの心を確かめ、他者と触れ合い、距離感に悩みつつも、気持ちがつながる瞬間を大事に、新しい自分を作っていく――。不思議な縁でつながった、性格や家庭環境の異なる男女四人。彼らの中学一年から三年までの三年間をそれぞれの視点から描いた、現代社会に生きるさまざまな子どもたちの姿を切り取る著者による、中学生たちの日常(いま)の群像劇。−出版社HPより−


たまにはSFっぽい話も良いかな?と思い「本が好き!」で献本申し込みしました。

あらすじをきちんと読んでから申し込めばいいのに、思ったのと内容が違って驚きました。

これは児童書というやつかな?

文字が大きくて行間も広めで、サラッと読み切れました。挿絵は無いですけど。


今現在中学生の方が読むとより深く感じることがありそうです。

むか〜しむかし中学生だった私は懐かしいような、少し苦しいようなそんな読了感になりました。

とはいえ、自分が中学生時代にここまで色々考えていたか?は疑問ですけど。その日その日が過ぎていけばそれで良いという感じだった気がします。


この作品に出てくるのは中学生の男女4人。一年生の彼らが校外学習で偶然同じ班になり、ロボット博物館で一緒に行動している所から始まります。賑やかでクラスでも人気者のグループにいるタイプの湊と陽菜、反対に地味で真面目なタイプの悠真と咲希。

全くバラバラで団結力もなく、一緒に行動するのも難しいグループでしたが、班をまとめることになった悠真が「不気味の谷」について話したことで何となくまとまっていきます。

「不気味の谷」私は聞いたことがなかったので、悠真の説明に他の3人と一緒になって「へえ〜」と感心してしまいました。確かにアンドロイドが人間に似すぎていたら不気味に思うこともあるでしょうね。そういう表現をするのか、勉強になりました。

ここからアンドロイドを研究したり、実は急に進化してアンドロイドが身近な存在になって、日々の暮らしにも深く関わるようになる・・とSFチックな話に天かいしていくのかと思ったら、とにかく青春物語という展開が続きます。


中学生活を送る中で、周りの友達や家族、幼馴染や先生などなど、色んな人と関わって、それぞれがどう考え、どう感じながら行動しているか?が4人の視点で順番に描かれます。

中学生って、まだまだ子どもですけど、自分で考えて行動しないといけないことも増えて、でも出来ないこと(制限されること)も多いですね。小学生の頃は何となく気の合う友だちとふざけ合ってあそんでいたら終了する感じでしたが、中学生になると気の合う友だちとだけ関わるというわけにはいかないです。

例えば部活でもそうですし、他のクラブ活動や塾なんかもそうですが、気が合わない同級生がいても関わらないというわけにもいかず、悩みも増えます。また、次に行く高校は自分で選ばないといけないので、そこでも大きな悩みと不安が。

そして、格差も生まれていきます。成績はもちろん、家庭の事情も関わってきますから、自分が行きたいと思っても行けない場合があり簡単にはいきません。

自分を見つめ直す良いきっかけにはなるでしょうが、この4人のように冷静に考えている子どもはどのくらいいるのでしょう?少なくとも私は何となく進学を決めたなと思い返していました。


もっと色々考えていたら違う人生もあったのかもしれません。・・いや、変わらないか?


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2024年07月19日

原田ひ香「ランチ酒」

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 原田ひ香 著
 「ランチ酒」
 (祥伝社文庫)※電子書籍


犬森祥子の職業は「見守り屋」だ。営業時間は夜から朝まで。ワケありの客から依頼が入ると、人やペットなど、とにかく頼まれたものを寝ずの番で見守る。そんな祥子の唯一の贅沢は、仕事を終えた後の晩酌ならぬ「ランチ酒」。孤独を抱えて生きる客に思いを馳せ、離れて暮らす娘の幸せを願いながら、つかの間、最高のランチと酒に癒される。すれ違いのステーキとサングリア、怒りのから揚げ丼とハイボール、懐かしのオムライスと日本酒、別れの予感のアジフライと生ビール・・今日も昼どき、最高のランチと至福の一杯!心を癒し、胃袋を刺激する絶品小説。−出版社HPより−


この作家さんは面白い職業にスポットを当てますね。

「見守り屋」という職業が実際にあるのかはわかりませんが、あってもおかしくなさそうです。というか、今の時代には必要な職業ともいえるかも。

ベビーシッターだと、子どものみ対象ですけど、「見守り屋」だと子どもはもちろん、大人もお年寄りもオッケーですし、大人も障害があってもなくても大丈夫ですから、色んなニーズがありそうです。

ただ「介護士」でも「ヘルパー」でもないので、お年寄りでもお世話をすることは出来ません。

とにかく夜から朝まで「見守る」のが仕事。

ベビーシッター的に子どもが寝ているのを見守るのもありますし、ペットを見守るのもあり、大人が眠れるように見守るというのもありました。

ただ「見守る」と言っても色々あって、結構相手の人生に踏み込む感じがして、簡単には出来ない仕事だと思いました。時間が昼夜逆転するのはもちろん大変でしょうが、何よりも悩みを聞いたり、その人の事情を思ってこちらが悩んでしまったり、結構疲れそうです。


そんな疲れを癒す意味もあって、仕事終わりの昼間からランチ酒を楽しむわけです。

昼間からお酒なんて飲んで!と言われる筋合いはないわけで、ちょっと遠慮しつつもがっつりとランチのついでにお酒も飲んでいます。


私もお酒は飲みますが、全く詳しくは無いので、作中に出てくるお酒のほとんどは知りませんでした。でも、美味しそうなランチにまずお腹がすき、それに合わせて頼むお酒も何だか美味しそうでたまりませんでした。

お酒を飲みながら、お客さんのことを思い返すわけですが、その部分はサラッと読んでしまい、ランチとお酒の部分はじっくり読んでしまいました。とにかくお腹がすきます!


主人公・祥子は離婚して娘を元旦那に預けてしまっています。いつかは娘と暮らしたいという目標を持っていて、色々と努力中です。まあその辺りも私的にはあまり興味が無く。

でも読み終わって「面白かったな」と思えたのは、とにかく美味しそうなランチとお酒の描写でしょう。


この作品はシリーズ化しているようです。続きも早めに読むことにします。


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タグ:原田ひ香
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2024年07月09日

朱野帰子「対岸の家事」

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 朱野帰子 著
 「対岸の家事」
 (講談社文庫)※電子書籍


家族の為に「家事をすること」を仕事に選んだ詩穂。娘と二人だけの、繰り返される毎日。幸せなはずなのに自分の選択が正しかったのか迷う彼女の街には、性別や立場が違っても様々な現実に苦しむ人たちがいた。誰にも頼れず、限界を迎える彼らに、詩穂は優しく寄り添い、自分にできることを考え始める―。−出版社HPより−


初めましての作家さんです。

文章も読みやすくて面白かったです。・・面白かったのですが、詩穂の考えの一部が理解出来なかったのと、旦那(父親)に対する怒りで、読むのがしんどい部分もありました。


主人公・詩穂は専業主婦として一人娘を育てています。夫はスーパーで働いていて、毎日帰りも遅く、週末もあまり家にいません。詩穂は自分で「家事をする」ということを選択しているので、夫に対して不満は無さそう。

ただ、詩穂は学生時代に母親を亡くし、父親と2人で暮らしている時に、父親の「詩穂が家事をやって当たり前」的な考えに怒りを覚えて家出をしたという過去があるので、なぜ自分で専業主婦”を選んだのかがわかりませんでした。

仕事をしながら家事をするのは無理だと判断したのはわかるのですが、よく結婚して子どもを育てているな、というか。確かに詩穂の父親の描写は読んでいてもイライラしましたし、父親自身がなぜ詩穂がそんな対応をするのか理解できないところも腹が立ちました。

言わないからわからないというのも理解できますけど、もう少し思いやりがあっても良いのに。


この作品を読んで、専業主婦の方たちの孤独さがよくわかりました。大変だということは十分わかっているつもりでしたが「孤独さ」はあまりわかっていなかったかもしれません。

産休育休の方はそれなりに他人と繋がりがあるんですよね。でも専業主婦になると誰もいない。うまくママ友が作れたら良いですけど、昔からの友人というのは時間が合わないですし、女性は夫と共に引越しして実家付近にいないことも多いですから、話し相手がいないというのは想像できます。

ママ友を作りたくても、育休中の人だとすぐに復帰してしまいますし、専業主婦自体が少ないので難しそうです。公園で会っただけの人と親しくなるのは難しいですしね。

母親同士の関係性も繊細で難しいですし。ママカーストという言葉もあるくらいです。


「自分の育て方はあっているだろうか?」という大きな不安だけではなく、日常のちょっとした出来事を話すこともできないのは寂しいと思います。

そんな時に大事になるのが夫の存在。働いて帰って来て疲れているんだから・・というのはわかりますが、ぜひ話を聞いてあげてほしいです。普段、奥さんの話を聞いてあげていない人は、ぜひこの本を読んで欲しい。

家事という仕事がどんなに大変か、知らない人が多すぎて、みんな困っている。一人で抱えこんでしまって悩んでいる。

主婦の孤独さを知ったら無視できないはず! 取り返しのつかないことになる前に、ちょっと家庭に目を向けてみて!

どなたかが言っていた「家族のために働いて稼いできているんだ!というのは立派だけど、その家族がいなくなったら意味がないからね」という言葉には大きくうなずいてしまいました。ほんとそうですね。


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タグ:朱野帰子
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2024年07月04日

吉川トリコ「余命一年、男をかう」

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 吉川トリコ 著
 「余命一年、男をかう」
 (講談社文庫)※電子書籍


幼いころからお金を貯めることが趣味だった片倉唯、40歳。ただで受けられるからと受けたがん検診で、かなり進行した子宮がんを宣告される。医師は早めの手術を勧めるも、唯はどこかほっとしていたーー「これでやっと死ねる」。趣味とはいえ、節約に節約を重ねる生活をもうしなくてもいい。好きなことをやってやるんだ! と。病院の会計まちをしていた唯の目の前にピンク頭(ヘア)の、どこからどうみてもホストである男が現れ、突然話しかけてきた。「あのさ、おねーさん、いきなりで悪いんだけど、お金持ってない?」。この日から、唯とこのピンク頭の男との奇妙な関係が始まる。−出版社HPより−


初めましての作家さんです。

題名が気になり、読んでみることにしました。

余命一年、というだけでも衝撃なのに、続くのが「男をかう」!? どういうこと??

考えも心境もよくわからないのでとりあえず読みました。


話の始めは、主人公に共感する部分もあり読みやすかったです。決してお金を貯めるのが趣味ではありませんが、同じく共に暮らす人がいない身として、共感できる所も多かったです。がんの告知をされて「やっと死ねる」と思う所も何となくわかります。

自分で人生を終えたいとまでは思わないけど、このまま長生きしてもね・・という感じ。わからなくもないな。

でも、途中から全く気持ちがわからなくなりました。


まず彼女が不倫していたことも驚きです。お金を貯めるのが趣味と言っている割には、変にお金がかかることをしているのはなぜだろう?と思ってしまいました。完璧に愛人としてお金をもらっている関係ならまだしも、ただ都合が良いだけの関係だなんて、なんのメリットもないなんて、無駄でしかないのに。


更に、「余命一年」と告げられた病院で出会った男性にお金を貸してあげるのは何となく、そういうこともあるかな?とは思いましたが、その先が。なぜその男性と一緒に暮らすことになるのか。

結局は一人が寂しいということなのでしょうけど、その割には生活の仕方が納得いきませんでした。正しくは「余命一年」ではないですしね。「治療しなければ一年」なので、治療すれば治るわけで、本当の意味での「余命一年」ではないところが、題名に騙された感じがしました。彼女の気持ちとしては「余命一年」で合っているんですけど。

最終的には良い感じで終わるから良かったね、という感じではあるのですが、結局何が言いたかったんだろう?と疑問がわきました。

じゃあどんな展開を期待していたのか?と聞かれても困りますけど。
多分、自分専用の介護をしてくれる男性を雇う、的な感じを想像していたと思います。働く先がないとかやる気がない若い男性を雇ってやる気を出させる的な?この話のように生々しい関係ではなく爽やかな感じ。

で、余命一年と言われていたけど、介護のお陰でしばらく生きることが出来、男性も人生のやりがいを見つけるとか。・・・それはそれで平凡すぎて面白くないのか?


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タグ:吉川トリコ
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2024年06月04日

アミの会「おいしい旅 しあわせ編(3)」

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 アミの会 著
 「おいしい旅 しあわせ編(3)」
 (角川文庫)※電子書籍



祖母と一緒に行くはずだったお伊勢参り。急なトラブルでひとりでお参りすることになった元喜は、ある男の子と出会う(「もしも神様に会えたなら」)。幼い頃に引っ越し、生まれ故郷の記憶はまるでない。両親の思い出話を頼りに故郷をめぐる旅に出るが……(「失われた甘い時を求めて」)。心ときめく景色や極上グルメとの出会い。旅ならではの様々な「幸せ」がたっぷり詰まった7編を収録。読めば旅に出たくなる、実力派作家7名による文庫オリジナルアンソロジー第3弾!−出版社HPより−


大崎梢「もしも神様に会えたなら」新津きよみ「失われた甘い時を求めて」柴田よしき「夕日と奥さんのお話」篠田真由美「夢よりも甘く」松村比呂美「旅の理由」三上延「美味しいということは」近藤史恵「オーロラが見られなくても」


アミの会によるアンソロジーです。

旅行は特に好きでは無いですが、美味しい物は好きなので読んでみました。もちろん、好きな作家さんが多いのも大きな理由です。


もしも神様に会えたなら
大崎梢さんらしいお話ですね。何とも温かい。始めはちょっと不穏な空気もあったりして、少年同士の楽しい会話のはずが、もしかして何かあるのでは?と思わせておいての温かい結末。これはほっこりして良かったな。


失われた甘い時を求めて
大人の話ですね。シュークリームが無性に食べたくなりました。こんな淡い想い出も、懐かしくて会いたい人もいないのであまり共感できず。でも素敵な話ではありました。


夕日と奥さんのお話
柴田よしきさんは大好きな作家さんなので、始まりから一気に引き込まれる感じがしました。主人公は私と同じ年代かな?の女性。お陰で人生は全く違っても気持ちが想像しやすくはありました。子育てから手が離れて、夫と暮らしていくはずが・・。これもほっこりと良いお話でした。


夢よりも甘く
なかなか複雑な話でした。イタリアのきれいな景色を思い浮かべつつ、でも流れが不穏なので景色と反対のハラハラ感があって、最後まで面白かったです。結末も良い感じ。


旅の理由
不穏な始まり方をして、どうなっていくんだろう?と気になって次々読み進めました。よくある家庭の話なのでしょうけど、旅先でのハプニングをきっかけにして変わっていく日常。良い展開でした。くすりと笑える部分もあり読みやすかったです。


美味しいということは
美味しい物がたくさん登場するので、お腹がすく話でした。展開も良かったですし、結末も素敵でした。


オーロラが見られなくても
彼女の人生が苦しくて辛くて、読むのがしんどい部分もありました。なぜ周りは全てを彼女に押し付けたのかと思うと腹が立ちます。やっと全てから解放された彼女が今後、自分らしく生きてくれるのを期待してしまいます。


今回、どの話も読みやすくて良かったです。ほんわかした話から、ずっしりと重い物までありましたけど、どれも結末が素敵だったのが良かったです。

またアミの会の作品は読んでみます。


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2024年01月11日

坂上秋成「モノクロの君に恋をする」

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 坂上秋成 著
 「モノクロの君に恋をする」
 (新潮文庫)※電子書籍


四月、俺の未来は薔薇色に見えた。浪人覚悟で受験した大学に合格、そこには面倒見のいい先輩と、あわよくば恋人がいて、大好きな漫画の話もできる、充実の日々があるはずだった。だが、漫画サークル「パラディーゾ」に入った俺を待っていたのは、奇人・変人の先輩たちとの日々。違う。待ってくれ。それに俺が気になるあの女の子は・・。漫画への熱き想いを描く、切なく甘い青春小説。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

読書メーターで読友さんが絶賛されていたので読んでみました。

面白かったですが、ちょっと読みにくさがありました。一人称で書かれているのも読みにくいですが、それに加えて「俺」というのが読み慣れず、読み流せるようになるまで時間がかかりました。

内容は、ザ・青春!って感じですね。懐かしい気持ちで読みました。実際にはこんな青春も送っていないので懐かしくも無いのですが、何となく懐かしい気分にはなるのが不思議です。


漫画について熱く語る部分がたくさんあるので、漫画に詳しい方はかなり面白く読めるのでは?と思います。私は特に詳しいわけではないので、ほとんどが意味わからない感じでした。

アニメ映画とかも好きですし、アニメも見ますし漫画も読みますが、かなり好みが偏っていますし、浅く広くタイプでもないので知らない漫画がたくさん登場しました。


そんな私でも楽しめたのは、登場人物の面白さのお陰です。

漫画サークルでの話なので、出てくるのはサークルの人たち。少人数ですが、個性がそれぞれあって、口調も面白くてつい笑ってしまうことも。軽い口調ながら意外と深いことを言うこともあり「なるほど」と感心することもありました。


俺と彼女の恋愛模様ははっきり言ってどうでも良かったですし、彼女のウジウジ感や急な行動も理解不能でしたけど、まあ青春ってことで許される範囲かな?とは思います。

場面はほぼ変わらないですが、展開の速さと面白さで、慣れると一気に読めました。

こんな風に同じ思いを持った人たちと切磋琢磨しながら成長し合えたら素敵だろうな、と羨ましくもなりました。


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タグ:坂上秋成
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2023年11月10日

原田ひ香「古本食堂」

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 原田ひ香 著
 「古本食堂」
 (ハルキ文庫)※電子書籍


鷹島珊瑚は両親を看取り、帯広でのんびり暮らしていた。そんな折、東京の神田神保町で小さな古書店を営んでいた兄の滋郎が急逝。珊瑚がそのお店とビルを相続することになり、単身上京した。一方、珊瑚の親戚で国文科の大学院生・美希喜は、生前滋郎の元に通っていたことから、素人の珊瑚の手伝いをすることに・・。カレー、中華など神保町の美味しい食と思いやり溢れる人々、奥深い本の魅力が一杯詰まった幸福な物語、早くも文庫化。(巻末特別対談・片桐はいり×原田ひ香)−出版社HPより−


東京の神田神保町が舞台です。関西にしか住んだことのない私には土地勘が無さ過ぎて、面白さ半減だったかも。

神保町といえば下町のイメージはありますし、古本屋が多いイメージもありますが、それだけ。

下町とはいえ、東京だと田舎とは違う雰囲気でしょうし、読んでいると店もたくさんありそう。


題名から想像していたのは、古本屋でありながら食堂も併設されているような店の日常。って感じでしたが、別にこの店は食堂ではありません。

しかも古本屋とはいえ、兄が経営していた店を素人ながらに引き継いだ妹が店主になっているので、本を買い取ることはしていません。資格も必要ですしね。

今のところ、兄が仕入れた古本の在庫をさばいていこうという感じのゆるい営業の仕方をしています。

元店主が経営していた頃によくあそびに来ていた親戚の大学生が、手伝いに来てくれているのですが、彼女が近くの店で色々な食べ物をテイクアウトして持ってくるため、何となく食堂のようになっているから「古本食堂」という題名なのかな?と。

お客さんにも勧めたりしますから。でも食堂感は皆無です。

面白そうな本と美味しそうな食べ物が出てくる、というだけです。


読んでいる時は面白そうな本について語る様子や、物知りな大学生とおばさんのやりとりも面白いと思えたのですが、読み終わってみるとあまり印象に残らなかったです。

これは絶対に土地勘があった方が楽しめると思います。町の雰囲気を感じながら読めたら面白かったのかもしれません。

ちょっと残念でした。


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タグ:原田ひ香
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2023年10月26日

編乃肌「緑の箱庭レストラン〜初恋の蕾と再会のペペロンチーノ〜」

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 編乃肌 著
 「緑の箱庭レストラン〜初恋の蕾と再会のペペロンチーノ〜」
 (マイナビ出版)


緑あふれるお店で最高のおもてなしを。重度な植物オタクのみどりは、地元で初恋の人『実咲くん』と再会する。久しぶりに会った実咲は植物であふれるお屋敷で『箱庭レストラン』を営んでいた。そのお店は、『完全紹介制&予約制』かつ『料理は基本シェフにおまかせ』と一風変わったレストランだった。彼の誘いでみどりはレストランで働くことに―!?−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

サラッと読めて、後にも何も残らない感じ・・・

美味しい料理がたくさん出て来たことと、植物がたくさん植えてあるレストランで・・ということしか思い出せないくらいです。

イケメンがちょっとくどかったかな?

周りから「かわいい」とか「美人」とか評されない一般的な容姿の女の子が、イケメンを好きになって、でも自信が無くて。だけど本当はイケメンからも好かれている。というありがちな展開ですし、恋愛要素がとにかく邪魔だなと。

植物と美味しい料理と、お客さんの悩みを解決していくのは面白かったんですけどね。

続きはもう良いかな?


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タグ:編乃肌
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2023年10月06日

石田祥「猫を処方いたします」

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 石田祥 著
 「猫を処方いたします」
 (PHP文庫)※電子書籍


京都市中京区の薄暗い路地にある「中京こころの病院」。心の不調を抱えて病院を訪れた患者に、妙にノリの軽い医者が処方するのは、薬ではなく、本物の猫!?戸惑いながらも、猫を「服薬」する患者たち。気紛れで繊細、手がかかるけど愛くるしい猫と暮らすことで、彼らの心も変化していく。そして医者が猫を処方するのには、ある理由があって―。猫と人が紡ぐ、ハートフルストーリー!
−出版社HPより−


初めましての作家さんです。ネットでの感想を読んで面白そうだったので読んでみました。

文章は私的には合わない感じで、ちょっと読みにくかったです。

内容は、不思議で不気味でゾクッとさせられるような感じでした。猫が出てくるから癒されるのかと思ったら、逆に怖い感じ。

ホラーというわけではないですが、ノリの軽い医者の存在が怖かったです。

私の中で、千と千尋の神隠しに出てくる「カオナシ」のイメージが出来てしまい、カオナシが白衣を着ているのを想像して余計に怖くなりました。

あらすじにあるように「ハートフル」な部分もあるのですが、私は好みではありませんでした。


猫は好きなんですけどね。残念でした。


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タグ:石田祥
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2023年10月05日

ほしおさなえ「紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード」

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 ほしおさなえ 著
 「紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード」
 (角川文庫)※電子書籍


百花は叔母に誘われて行った「紙こもの市」で紙の世界に魅了される。会場で紹介されたイケメンだが仏頂面の一成が、大手企業「藤崎産業」の一族でその記念館の館長と知るが、全くそりが合わない。しかし百花の作ったカードや紙小箱を一成の叔母薫子が気に入り、誘われて記念館のバイトをすることに。初めは素っ気なかった一成との関係も、ある出来事で変わっていく。かわいくて優しい「紙小物」に、心もいやされる物語。−出版社HPより−


初めましての作家さんです。

「紙」に色んな種類があるのは何となく知っていましたが、そこまで興味はなかったので、この作品に出てくる人たちの情熱はちょっと理解出来ず。

素敵な紙を手に入れて、素敵な作品を作っている場面が出てくるのですが、私の乏しい想像力ではうまく思い浮かべられずで残念でした。これは映像化してほしいと思ってしまいます。

実際に「紙こもの市」なんてものはあるんだろうか?と調べてみたら、名前は違いますが、「紙好き」が集まるイベントがあるようです。イベントが行われるということは、それだけたくさんの人が紙が好きってことなんでしょうね。

紙を見て「かわいい」とか「素敵」とかあまり思わないのですが、今度からちゃんと目を向けてみようかな?と思います。


紙の世界にはまっている百花は、紙の記念館の館長に紹介されて、そのまま記念館でアルバイトをすることに。イケメンだという館長ですが、性格に難があり、アルバイトするのも気を使う状態。

でも一話毎に関係性はよくなっていき、人がほとんど来ないサビれた記念館も少しずつ変化が出て来そうです。

紙については詳しくても、それだけで良いのか?と心配になる館長でしたが、最後には一気に良い人に! この急展開にはびっくりでしたが、シリーズとして続くようなので、気が向いたらまた追いかけてみようかな?


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2023年09月22日

宮木 あや子「校閲ガール」

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 宮木 あや子 著
 「校閲ガール」
 (角川文庫)※電子書籍


憧れのファッション誌の編集者を夢見て出版社に就職した河野悦子。しかし「名前がそれっぽい」という理由で(!?)、配属されたのは校閲部だった。校閲の仕事とは、原稿に誤りがないか確かめること。入社して2年目、苦手な文芸書の仕事に向かい合う日々だ。そして悦子が担当の原稿や周囲ではたびたび、ちょっとしたトラブルが巻き起こり・・!?読んでスッキリ元気になる!最強のワーキングガールズエンタメ。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。
「校閲」という仕事に興味があったので読んでみました。

主人公の河野悦子は、ファッションが大好きでいつも素敵におしゃれをしている女性。出版社に就職した彼女の希望する配属先はもちろんファッション誌の編集でした。

でも、名前が「こうのえつこ」→略して「こうえつ」という安易な理由で校閲部に配属されてしまいます。

まさかそんな部署に配属されると思っていない彼女は、日々やる気なく過ごしています。・・が、意外とちゃんと仕事はしているので好感もてました。口が悪いのが読みづらかったですけどね。

校閲って、勝手に誤字脱字が無いかの確認をして修正するだけの仕事だと思っていたのですが、実は文章全体の流れや物語の流れがおかしくないか?も確認するそうです。例えば、ミステリで、死んだはずの人が再登場していないか?とか、登場人物の名前が変わっていないか?的なことですね・・ってそんな簡単な間違いはないでしょうけど。

時代背景の間違いも指摘しますし、実在の人物であれば名前の間違いも指摘します。

そんなことを指摘するためには、担当する作品をきちんと読まないといけませんし、時代背景など調べ物もたくさん出てきます。


ファッションばかりに気を取られ、口も悪い彼女がそんなこと出来るのか?と心配になりますが、文句を言いながらも仕事はきっちりこなしていますし、何なら頼りにされるくらいの存在。

周りの人に助けられることもありますが、日常に巻き起こる色々な事件というか問題をテキパキと片づけていく悦子の姿は読んでいてスッキリしました。


なかなか憧れのファッション誌を担当できそうにありませんが、シリーズ化されているので、彼女の成長を読んでみるつもりです。


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2023年08月09日

アミの会「おいしい旅 想い出編(1)」

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 アミの会 編
 「おいしい旅 想い出編(1)」
 (角川文庫)


15年ぶりに再会した友人と訪れた京都。昔話に花を咲かせるが、みなそれぞれに事情を抱えていた・・(「あの日の味は」)。亡くした夫との思い出を胸にひとり旅をしていた故郷・神戸で偶然出会った青年。一緒にスイーツ巡りをすることになるが(「幸福のレシピ」)。住んでいた街、懐かしい友人、大切な料理。温かな記憶をめぐる「想い出」の旅を描いた7作品を収録。優しい気持ちに満たされる、文庫オリジナルアンソロジー。−裏表紙より−


柴田よしき「あの日の味は」
福田和代「幸福のレシピ」
矢崎存美「下戸の街・赤羽」
光原百合「旅の始まりの天ぷらそば」
新津きよみ「ゲストハウス」
秋川滝美「からくり時計のある町で」
大崎梢「横浜アラモード」

7話収録されています。お気に入りの作家さんが3名。全員読んだことがある作家さんたちですが、ほとんどはアンソロジー、しかもアミの会で読んだだけです。

旅行にかかせない「食」がテーマとなって描かれている作品が収録されているので、美味しい物を食べるのが好きな私にはぴったりな作品集です。

「幸福のレシピ」が一番印象に残りました。それはたぶん、地元のことが細かく描かれていて、土地が思い浮かべやすかったからでしょう。実在のスイーツ店もたくさん出てきて、その度に「あの店、美味しいよね」なんて思えたのも良かったです。ちょっぴり切ない話でしたが、最後が本当に「幸福」で、読んでいても幸せになれました。

「あの日の味は」は、昔の同級生たちのちょっとした同窓会のような内容なのですが、このままいったら誰かの悪口を言いだしたり、実は彼女はこんな感じで・・と不幸話になったりするのか?と心配でしたが、最後までふんわりと温かい雰囲気だったので読みやすくて安心しました。

「からくり時計のある町で」は、女性だったら少しは思い当たることがあるんじゃないか?と思う内容でした。親友と思っていた人とちょっとしたことですれ違ってしまう・・。そして素直に結婚する友を祝福できない複雑な心境。大抵の女性が、わかる気がする、と思えるのでは? 


全体的に、コロナ禍の話が多くて、もちろん避けられない事態ではあるのですが、現実の話ではないのでここまで描かなくても良い気がしました。コロナの話が出る度に現実に引き戻される感じがあってその辺りは残念ではありました。

それでも旅が好きな人、食べることが好きな人、美味しい物が好き!な人は楽しめる作品集ですので、ぜひ読んでみてください。

アンソロジーでしか読んだことのない作家さんたちもいつかちゃんと長編を読んでみようと思います。


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2023年07月25日

浜田悦子「発達障害&グレーゾーンの子どもを「急かさず」「怒らず」成長を引き出す言葉かけ」

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 浜田悦子 著
 「発達障害&グレーゾーンの子どもを「急かさず」「怒らず」成長を引き出す言葉かけ」
 (実務教育出版)


2300人以上の親子、支援者をサポートしてきた、おうち療育アドバイザーによる、発達障害&グレーゾーンの子どもが自分をうまくコントロールできるよう導くコツ。−帯より−


初めましての作家さんです。子どもに携わる仕事をしているので興味があって「本が好き」で献本申し込みしました。

第1章 なぜ「今の言葉かけ」ではうまくいかないのか?
第2章 子どもの問題行動を止めるための3つのポイント
第3章 自分の言葉かけのクセに気づくコツ
第4章 「共感された!」と子どもが感じる言葉かけのコツ
第5章 子どもの問題行動に反応しないコツ

以上5項目で書かれています。

子どもに携わる仕事をしていて、今までにグレーゾーンと思われる子どもにもたくさん会いました。まだ年齢的に小さいので、はっきり診断がされたわけではないですが、指示が通りにくかったり、1人だけ別の行動を始めたり、こだわりが強すぎて他の子どもとケンカが多発したり、集団で生活していると困ってしまう子どもがいました。

そういう子どもに対して、大人は困ったな、やりにくいなと思ってしまいますが、実際には子どもの側も生活しにくいのだろうと思います。わがままに見られてしまうことも多いので、注意されることも多くなり、毎日楽しくないだろうと心配になることもありました。

親御さんを含め、みんなで話し合って対応を考えることが出来ると良いのですが、診断が出ていないと親御さんにはなかなか言えないもので、そうなると保育園内だけでの話し合いになり、対応も一時的な物となってしまうのが残念でした。


この本を書かれたのは「発達障害・グレーゾーン専門家庭療育アドバイザー」の浜田悦子さん。そんな職業あるんだ、とまずそこに感心。「家庭療育」というのは、専門家が行う療育を家庭でもやりましょうということです。

専門家ではないので、そこまできちんとは出来なくても、家庭でも出来ることはありますし、やった方が親も子どもも生活しやすくなります。でもどうやれば良いのか? そこでこの本が必要になります。はっきりとした診断を受けていなくても、ちょっと育てにくいなと思うお子さんの場合は、この本を読んで少しずつでも実践できたら良いですね。


ここに書かれているのは、少し大きめの子どもについてなので、私には参考にならない部分もありましたが、ほとんどの部分は読みやすく、「そうすれば良いのか」と納得できました。集団の中ではなかなか対応も難しいですが、おうちでは出来ることも多そうです。

浜田さんも何度も書かれていますが、全てをやろうとしないで「スモールステップ」でやると実践できそう。子どもに対しても、例えば、朝の支度をさせる時、顔を洗って歯を磨いて服を着替えて荷物を用意して・・・と一気にやらせようとせず、顔を洗うだけでも出来たら褒める。まずは子どもが出来ていることをさせて、出来たら褒める。この繰り返しをすると良いそうです。

これだったら、親も「まだ出来てないのか!」とイライラしなくてすみそうです。顔を洗うのは出来ないという子どもだったら、パジャマを脱ぐ。でも良いですし、朝食のために椅子に座る。でも良いと思います。いきなり子どもが出来ないことをさせようとせず、出来ていることをさせて、出来たら褒める。それに慣れたら、次の日はまた少し増やす。

そうやって、ほんの少しずつ増やしていくと良いそうです。朝の忙しい時にぼんやりとしている子どもを見たらイライラとしてしまうでしょうが、ほんの少しのことをさせることで、お互いにイライラは減っていきそうです。


私が一番印象に残ったのは「無反応」という言葉です。子どもが問題行動を起こした時に注意したり怒ったりしないということ。以前見た子どもで、何でもすぐに泣いてしまうことがあったのですが、それに対して「〇〇だから今はダメよ」とか必死で諭してわからせようとしたり、とにかく泣き止ませようと「泣かないよ」と声をかけたりすると余計に泣いてしまったり、だんだん泣き方が大げさになったり、何か不快なことがあったらとにかく泣いてみよう、と思うようになったりすることがありました。

そういう時に一度あえて放置したことがあるのですが、その方があっさり泣き止んであそび始めたり、みんなの所に戻って来たりしたのです。意外とその方が良いのか?と思いながらも、何だか泣いている子どもを放置することに罪悪感というか違和感があって、その後も声をかけてしまっていました。

浜田さんは声をかけること、視線を送ることさえも子どもにとっては刺激となり、「泣いたら見てくれる」「泣いたら声をかけてくれる」と感じてしまうからよくない。と書かれています。全く別の部屋に行ってしまうのは難しくても、背を向けたりあえて別のこと(例として、洗濯物を畳むなどと書かれていました)をすることで、子どもは落ち着くのだそうです。

落ち着いた後は、気持ちを受け止め、「〇〇だから泣いたのね」と声をかけると良いそうです。なるほど、私が気にしていたことは逆効果だったんです。放置、無反応の後、落ち着いてから声掛けした方が子どもも落ち着いて言葉が聞けますね。今後、実践したいと思います。


イラストも多く、文章も簡単に書かれていますし、具体例も多くてわかりやすかったですし、サッと読み切ることができました。

ちょっとうちの子気になる、育てにくいなど、もし周りで悩んでいる方がおられたら、この本はお勧めです。グレーゾーンでなくても子育て本としても参考になることは多そうです。


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2023年07月21日

標野凪「今宵も喫茶ドードーのキッチンで。」

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 標野凪 著
 「今宵も喫茶ドードーのキッチンで。」
 (双葉文庫)※電子書籍


住宅地の奥でひっそりと営業している、おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」。この喫茶店には、がんばっている毎日からちょっとばかり逃げ出したくなったお客さんが、ふらりと訪れる。SNSで発進されるていねいな暮らし”に振り回されたり、仕事をひとりで抱え込み体調を崩したり・・。目まぐるしく変わる世の中で疲れた体と強ばった心を、店主そろりの美味しい料理が優しくほぐします。今宵も「あなたの悩みに効くメニュー」をご用意してお待ちしております。心がくつろぐ連作短編集、開店。−出版社HPより−


初めましての作家さんです。ネットで感想を読んで面白そうだったので読んでみました。

読み始めから不思議な雰囲気の話で、もしかしてファンタジー?と思いつつ読み進めると、別にファンタジーでもなく。不思議な世界観のある、でもしっかりと日常が描かれた作品でした。

コロナ禍で疲れてしまった人たちが、おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」で癒される、という内容なのですが、良い意味でも悪い意味でも印象に残りませんでした。

今、あらすじを読んでもそんな話だったっけ?って感じです。

私自身、コロナ禍でも、マスクをすることと消毒が強化されたこと以外には変化が無かったせいかもしれませんが、特に疲れていなかったんですよね。自宅待機も、在宅ワークも出来ない仕事ですから普通に出勤していましたし、元々出不精なので旅行に行けないことも外食出来ないことも何のストレスにもならないですし。

コロナのせいで疲れて・・というのがあまり理解できていないせいで、ここに出てくる人たちに何も共感出来なかったんですよね。

色々影響を受けて大変な思いをされた方が読んだら、感動したり、何か心に刺さったりするのかもしれません。


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タグ:標野凪
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2023年07月11日

ポール・ギャリコ「ミセス・ハリス、パリへ行く」

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 ポール・ギャリコ 著
  亀山龍樹 訳
 「ミセス・ハリス、パリへ行く」
 (角川文庫)※電子書籍


1950年のロンドン。ハリスおばさんはもうすぐ60歳の通いの家政婦。夫を亡くし、質素な生活を送っている。ある日、勤め先の衣装戸棚でふるえるほど美しいクリスチャン・ディオールのドレスに出会う。今まで身なりなど気にしてこなかったが、自分もパリでドレスを仕立てようと決意し、必死でお金をためることに。やがて訪れたパリで、新しい出会い、冒険、そして恋?何歳になっても夢をあきらめない勇気と奇跡の物語。―出版社HPより―


初めましての作家さんです。ネットの感想を読んで面白そうだったので読みました。

確かに面白いんですけど、勝手に想像していた雰囲気と違ったのでなかなか馴染めず。おばさんがパリに行くということは、旅先で何かしら事件が起こって、おばさんが巻き込まれて、類まれなる推理力で華麗に解決する!的な話かと。

ところがいつになっても事件は起きない。まあ小さな事件はたくさん起きますが、事件というより障害とか問題とかそんな感じ。警察が絡んでくるようなことは一切起きません。「ややこしいことになったな〜」というくらいのことなので、盛り上がりに欠ける気がしました。

ではハリスおばさんが可愛らしいおばさんだから魅力的なのか?というとそうでもなく。誰にでも言いたいことを言いますし、口調もなかなかキツイですし(これは訳のせいかもしれませんが)、結構なわがままぶりですし、全く可愛らしさはありません。でもなぜか憎めない・・。

あらすじを改めて読んで驚いたのですが、おばさんはもうすぐ60歳だそうで、ということはまだ59歳ってこと!?70代かと思っていました。それくらいパワフルでどっしりした感じがしました。


通いの家政婦としては大ベテランで、仕事もテキパキと完璧なので、ハリスおばさんから認められないと仕事に来てもらえないという存在。カリスマ家政婦って感じですね。でも金銭的には余裕が無く、朝から晩まで必死で働いても食べて行くのがやっとという状態です。ところが、とある家で見たディオールのドレスに心を奪われてしまい、自分もパリでディオールのドレスを買いたい!と思うようになります。

服にそこまでの思い入れを持ったことがないので、ある意味羨ましくもあります。

ドレスを買うために、パリに行かないといけなくて、その旅費も必要になります。安い給料での生活を更に切り詰め、他にもいろいろな方法でお金を貯めます。よく無事に行けたもんだと感心する状況でしたが、何とかパリに向かうことになりました。

パッと行って、サッと買って帰るつもりが、そうはいかなくなります。そこからが盛り上りなので書きませんが、読みながら苦笑する場面が続きます。

おばさんは無事にドレスが買えるでしょうか?? 

おばさんが巻き起こす色んな問題の数々。本人も自覚しないことがほとんどなだけに笑えます。近くにはいてほしくないですけど、ちょっと離れてなら見たいかも。


ハリスおばさんの話は何冊か出ているようです。読むかどうかは微妙かな? 気が向いたら読んでみるかもしれません。


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