池波正太郎著 「剣客商売 春の嵐」
(新潮文庫)
幕府の中枢で対立している田沼意次と松平定信。二人の家臣が次々と辻斬りに斬り殺されるという事件が起きた。辻斬りをする頭巾の侍は「あきやまだいじろう」とはっきり名乗っていて、更に背格好も似ているということで秋山大治郎が疑われてしまう。意次の娘・三冬と結婚していることもあり、窮地に追い込まれてしまった大治郎は、身の証を立てるため家から一歩も出ない生活を続けることに・・。辻斬りの狙いは何なのか?
大治郎もずいぶん有名な剣客になったんだね〜・・なんて喜んでいられない事件が起きました。
有名だから名前を使われたのか、それとも個人的に恨みをかっているのか?剣客だけに自分では気づかない恨みをかうこともあるのです。
大治郎の人柄を知っている人には、大治郎が犯人ではないことがわかるのですが、証拠が無い限り身の潔白を証明できず、ずっと家にこもることになってしまいます。
しかも、対立する松平定信の家臣まで殺されたとなると、当然黙っているわけもなく、何度も「身柄を引き渡せ」と強く言われてしまいます。
証人を作るため、弟子に家に泊まりこんでもらい、大治郎が1人きりにならないように工夫もしました。
だからといってずっと家にいるわけにもいかないので、小兵衛は必死で辻斬り犯を探します。十手持ちの弥七とその子分・徳次郎にも協力を頼み(というか、二人に協力する形で)捜査を続ける小兵衛。
手裏剣が得意な秀や、大治郎の弟子たちも巻き込んで大捜査が行われます。
シリーズで初めての長編。読み応えも充分で、楽しめる作品です。
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