乃南アサ 著
「今夜もベルが鳴る」
(新潮文庫)
それが恋の始まりだった──デザイン事務所に勤めるゆかりは、パーティーで岩谷という不思議な男性に出会う。岩谷から電話がかかってくるようになり、ゆかりは彼に心惹かれていく。その声を聞くたびに一喜一憂するゆかりだったが、ある出来事をきっかけに一つの疑念が生まれた。彼はいったい何者なのか!? 照明、ウイスキー、集合写真……一気に恐怖にのみこまれるノンストップサスペンス!−裏表紙より−
大好きな作家さんの作品なので迷わず読みました。
題名からしてちょっと古そう・・と思っていましたが、予想通り古めで、家に固定電話がある時代の話です。題名の「ベル」は固定電話の呼び出し音のことです。
よくある社会人の女性、この時代でいうところのOLさんが普通に仕事をしている場面から始まるので、何となく日常が描かれていくのか?と思っていたら、少しずつ恋愛話が絡んできて、苦手なジャンルの話か・・と読み飛ばすように軽く読むことになりました。
ゆかりは長年付き合っていた男性にどうやら捨てられた様子。捨てられたというか、浮気をされすぎて離れた感じです。同僚だったからとかなんとか、ごちゃごちゃする展開があってまずここで挫折しそうになりました。
更に、親友の男性がいて、ゆかりはその人のことを「親友」だとしか思っていませんが、相手はどうやら時々好きになることがある様子・・ここでもまた挫折しそうになりました。
過去の恋愛を少し引きずるゆかりが出会ったのが岩谷という男性。少し気になる程度だった相手ですが、彼から電話がかかってくるようになりどんどん惹かれるようになります。
毎晩かかるわけではないですが、良いタイミングでかかってくる電話にゆかりは振り回されていきます。
時々、実際に会うと雰囲気が違う彼に対し、疑問を感じつつも逆に惹かれていくゆかり。
・・・あ〜、こんな話がずっと続くならもうやめようかな?と思った頃、急展開が待っていました。
え!? それってゆかりの勘違いじゃないの??
え!? 過去にそんなことがあったの??
と驚いている間に、気づけばサスペンスな状態になっていました。
そのまま一気に物語が終わってしまいます。
サスペンスな展開が終わればもうエピローグはどうでも良いと思ってしまったわけですが、後半の怒涛の展開はなかなか面白かったです。
面白いというかゾクッと怖くなりました。
前半が退屈過ぎたので、もう一度読みたいかと言われると微妙ではありますが、恋愛ものが苦手じゃなければ楽しめるかもしれません。
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