2012年10月17日

佐々木譲「北帰行」

北帰行

 佐々木譲 著
 「北帰行」
 (角川文庫)


旅行代理業を営む卓也は、モスクワから来たターニャと名乗る女性をアテンドする。日本語を巧みに操るターニャは、乃木坂で卓也の車を降りるなり、拳銃を発砲し舞い戻ってきた。彼女は家族の復讐のために来日した暗殺者だったのだ−。暴力団、ロシアン・マフィア、警視庁、三つの組織に追われ、二人は東京、新潟、稚内と逃避行を重ねることに。五日間の脱出行の果て二人が見た風景は−。緊迫のクライム・サスペンス!−裏表紙より−


日本人の父親を持つターニャは、旅行代理業の卓也に日本に滞在中の世話を頼みます。ホテルからある場所へ送ってもらった彼女は、建物の中に入ったとたんに拳銃を撃って車へと戻ってきました。

そこから卓也は彼女と共に、日本の暴力団に狙われてしまいます。組長を撃たれた暴力団は、襲ったのが女性だとは言えないまま、部下の1人が密かにターニャと卓也を追いかけます。

殺人事件ですから、当然、警察も捜査に乗り出しますし、ターニャが属しているというロシアン・マフィアも暴力団との駆け引きを始めたため、2人は3つの組織から追われることになりました。

「妹の仇を討ちにきた」と説明したターニャを見捨てることもできず、ずるずると巻き込まれていく卓也。彼の家族にまで被害が及びそうになり・・・。


始まりから一気に話に引き込まれ、その後もどんどん読むスピードが上がるような、ハラハラドキドキの展開で面白かったです。

ただ、卓也の気持ちと行動は最後まで理解できなかったんですよね。

確かにターニャは冷酷な暗殺者とは言えないかもしれません。でも、あっさりと拳銃を撃つわけですし、卓也の家族のことも彼を従わせる材料として持ち出すような人ですから、情けをかける必要は無いはず。

なのに、いつまでも行動を共にしますし、最後には・・・ネタばれになるので書きませんが、最後が特に理解不能でした。


途中までは、追われる側と追う側の駆け引きが面白かったのですが、最後の方では頭に「?」がいっぱい浮かんでしまい、そのまま終わってしまいました。

ちょっと残念な作品でした。


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2012年01月26日

佐々木譲「廃墟に乞う」

廃墟に乞う 

 佐々木譲 著
 「廃墟に乞う」
 (文春文庫)


十三年前に札幌で起きた殺人事件と、同じ手口で風俗嬢が殺害された。道警の敏腕刑事だった仙道が、犯人から連絡を受けて、故郷である旧炭鉱町へ向かう表題作をはじめ北海道の各地を舞台に、任務がもとで心身を耗弱し休職した刑事が、事件に新たな光と闇を見出す連作短編警察小説。第百四十二回直木賞受賞作。−裏表紙より−



直木賞受賞か・・。そういえば、この本を買った時に店員さんが帯を指しながら「この本は、今回の直木賞の受賞作ではありませんがよろしいですか?」と大きな声で聞いてきました。別に受賞しているかどうかを気にして買おうとしたわけではなかったので、一瞬ぽっか〜んとしてしまいました。「・・はい、別に良いですけど」と返事して買うことができたのですが、初めてのことだったので驚きましたあせあせ(飛び散る汗) きっと文句を言ってきた人がいたんでしょうね〜。店員さんも大変です。ただ、もう少し声は小さくしてほしかったけど。

直木賞ってどういう基準で選ばれるんでしょう??・・と書こうとして思いだしてしまいましたふらふら この作家さんには他に良い作品があるのにな〜と思ってしまったんですよね。なんか物足りない感じがして。短編よりも長編の方が良いのかもしれません。一つの話の後半になると面白くなるのに、また次の話が始まると読むスピードが落ちる・・ということの繰り返しでした。


休職中の刑事を使うことで、北海道の広範囲での捜査が可能になっています。だから、北海道の色んな土地のことが書いてあり、その土地ならではの風習だったり、雰囲気なんかがわかる人にはきっと楽しめる作品だったんでしょう。残念ながら私は札幌や小樽くらいしか行ったことがないので、位置関係はもちろん、その土地の雰囲気も全くわからず楽しさ半減でした。

主人公の仙道警部補は“敏腕刑事”とあらすじに書かれています。確かにその通りの敏腕ぶりで、さっさと復帰したらいいのに・・というくらいの活躍を見せます。捜査権は無いのに、捜査陣の先を行く・・。別の角度から客観的に見ることでわかってくることも確かにありますけどね〜。

ずっと彼がなぜ休職しているのか?という原因が書かれず、ずっと気になりながら読み進める状態が続き、それが何だか目の前の事件に集中できなくさせていた気がします。最後の方でやっと原因が語られるわけですが、そんな事件に遭遇したなら仕方ないな・・と思う反面、そんなヘマを“敏腕刑事”がやるか?とも思い、納得できない気持ちも残りました。

ただ、彼のことは気に入ったんですよね。冷静な判断をするし、でも情の深いところもあるし、周りから嫌われるタイプではないでしょう。彼の魅力で読み切ることができたんだと思います。



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2011年12月17日

佐々木譲「暴雪圏」

暴雪圏

 佐々木譲 著
 「暴雪圏」
 (新潮文庫)



北海道東部を襲った猛烈な吹雪は、ほとんどの道路を封鎖するほどの勢いをもっていた。町で起きた強盗事件の犯人を始め、会社から大金を持ち逃げしようとした男性や、不倫を清算しようとしている主婦、家出した女子高生など、多くの人たちの運命を狂わせていく・・。孤立した町で唯一の警察官である川久保巡査部長は、様々な対応に追われ、やがて彼は大きな決断を迫られることになる。


川久保巡査部長シリーズ第2弾です。1作目では、川久保のキャラクターというか人物像がよくわからなかったのですが、今回は30代後半がっちり系のイメージで固まりました。これが正解かどうかはわからないですけど・・。表紙の絵の影響もあるかも??あせあせ(飛び散る汗)


今回の話は、猛吹雪に見舞われている北海道が舞台です。“彼岸荒れ”と呼ばれるこの吹雪は、雪が解け始めた3月末頃に発生し、暴風と暴雪が合わさっていて、湿たく重たい雪が積もるそうです。

冬に読んで正解だったかどうか・・。読みながら寒さが身に沁みて困りました。でも、夏に読んだらイメージが湧きにくい気もしますすね。

私はこんな吹雪なんかに遭ったことがないので、雪って本当に怖い物なんだと改めて感じました。逃亡犯が大雪の中、車を運転する様子は、すごく臨場感があって、思わず力が入ってしまうくらい。


普段は静かな町なのですが、猛吹雪の影響か、町に次々と怪しい動きが起こります。川の近くで見つかった白骨死体に始まり、強盗殺人事件、そして様々な思いを抱えて動き始めた人たち。

それぞれの視点で話は進みます。次々と視点が変わっていくので、一瞬誰の話かわからないくらい。でもこの手法のお陰で、それぞれの続きが気になって、一気に読み進めることになりました。


町で唯一の警察官とは言っても、大雪の前では彼も無力です。結局、本部に連絡を入れて待機するしかない。今回は川久保もほとんど活躍せずに終わるのか?と思っていたら、まあさすがにそのままでは終わりませんでしたが。

思惑を抱えた人たちのハッキリした結末は書かれていません。それでも想像はできるようになっていて、私はこの終わり方で良かったと思いました。あまり明確になってしまうと、面白くなかったような気がします。


この作家さんの作品は、読み始めても必ず引っかかりがあって、面白いのに読むスピードが上がらないのですが、この作品はそういうこともなく(たまにはありましたけど、気にならなかった)、一気読みでした。とても面白かったです。

この2作目から読んでも、たぶん話はわかるでしょうが、町の雰囲気や川久保の人柄などを知るためには1作目を先に読んだ方が楽しめるかもしれません。


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2011年05月20日

佐々木譲「巡査の休日」

巡査の休日

 佐々木譲 著
 「巡査の休日」北海道警シリーズ4 
 (ハルキ文庫)



村瀬香里という女性をストーカーしていた兼田はアパートに侵入した所を小島百合巡査に撃たれ逮捕された。ところが、入院先の病院から逃走し、行方がわからなかったが一年後に神奈川で起きた現金輸送車の強盗事件の容疑者として名前があがったのだった。捜査を始めたちょうどその頃、よさこいソーラン祭りで賑わう札幌で、香里の元へ兼田からと思われる不審なメールが届いた・・。


始まり方が唐突というか、時系列がわからなくなる感じがしました。兼田はいつ逃走したのか・・。どうやら一年経っているらしいけど、その辺りが曖昧な感じ。私の理解力の問題かもしれませんけどあせあせ(飛び散る汗)


ストーカー被害者に再び不審なメールが来て、小島百合巡査は香里の警護につくことになりました。メールは本当に兼田からなのか?時々、何かが引っかかりながらも警護にあたります。

よさこいソーランの踊り子としてがんばる香里は、本番も絶対にステージに上がりたいと強く希望したため、小島も一緒にステージに立つことに・・。

その後も次々と届くメール。兼田が起こした現金輸送車強盗事件の捜査を邪魔しないようにしながらも居場所を特定しようとする捜査員たち。


今回は小島百合が中心となって話が進む感じになっています。でも、今までのメンバーたち(佐伯、津久井、新宮)ももちろん捜査をしています。ただ、同じ事件を追っているのは津久井だけですけど、ストーカーとしての兼田を追うというよりも、逃走犯を追う感じなので、小島との接点はほとんどありません。

佐伯と新宮はひったくり事件を捜査。ついでに、過去の警察内部が関係する事件を佐伯はこっそり調べていたり、他にも白骨死体が発見されたりもするので、気付けば事件がたくさんありました。

話は、月曜日から順番に書かれているので、色々ある事件がちょこちょこっと出てきて混乱してしまいました。・・というか、集中できない気がしました。

最終的には全てが絡んでくるんだろう・・と想像は付くのですが、それでも何だか乗り切れない感じがしてがく〜(落胆した顔)

おなじみのメンバーたちを活躍させようと思ったら、事件の数が増えるのも仕方ないかな?とは思うんですけど、もっと的を絞って欲しかった気もします。

終わり方は、今までで一番好きかも・・と思うくらいさわやかだったから、良しとしますか!


<北海道警シリーズ>
「笑う警官」
「警察庁から来た男」
「警官の紋章」


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2011年01月21日

佐々木譲「ユニット」

ユニット

 佐々木譲 著
 「ユニット」
 (文春文庫)



17歳の少年に妻と幼い娘を無残に殺害され、生きる気力を無くした真鍋。警察官である夫からの暴力に悩み、幼い息子を連れて家を飛び出した祐子。二人は偶然、同じ職場で働くことになった。犯人の少年が出所したことを知り、復讐を決意した真鍋は、生きる気力を取り戻した。一方、祐子には夫の影が忍び寄ってきていた・・。


妻子を殺害された真鍋は、犯人が少年だということで無期懲役の判決が出され、模範囚だった場合は7年で出所できると知り、自暴自棄になって酒におぼれる生活を続けていました。

門脇祐子は、警察官である夫からの執拗な暴力に心身共に疲れ果て、息子を連れて家を出る決心をしました。

工務店社長・波多野は、妻に離婚を要求され家を出て行かれて傷心していました。でも会社は続けなければ従業員が路頭に迷う・・と必死で気持ちを奮い立たせていました。

そんな3人が偶然出会います。そしてある出来事をきっかけに口をきくことになり、波多野は二人を自分の会社で雇うのでした。

・・と、前半は3人の出会いから、職場で働き少しずつ慣れて行く様子が書かれています。

初めはやる気のない堕落した生活を送っていた真鍋がある日突然、人が変わったように明るく元気になりやる気を見せ始めます。

そこから祐子や波多野とも更に親しくなり、3人は自分の人生をやり直していくのです。


真鍋の妻子を殺害した川尻という少年(出所後は24歳ですからもう大人ですね)は、就職先を探すために面接を受けまくるのですが、経歴に前科が書かれているためなかなか雇ってもらえません。「前科があっても良い」という職場で「あの親子を殺害した犯人だったらダメ」と断られたとき、川尻は「7年も前の事件のことを覚えているわけがない。きっと誰かが妨害しているんだ」と疑います。

「自分はそれだけのことをしたんだ」と反省する様子が全くない川尻に怒りがわきました。真鍋の気持ちがよくわかる・・とは言えませんが、全く関係なくてもこれだけ腹がたつなら身内だったらどんなにやりきれない気持ちになるだろう・・と思うと辛かったです。


祐子の夫は自分が暴力をふるっていたことを必死で隠し、でも妻に出て行かれたことも知られたくないし腹が立つし・・で、権力を使って祐子の居所を調べます。そして捜すうちに怒りがエスカレートして壊れて行く門脇の様子は読んでいてかなり怖かったです。

少年犯罪と家庭内暴力というテーマだけに全体的に重たい雰囲気の話でした。それでも支え合う真鍋、祐子(息子も)、波多野の3人の姿は何だかホッとできて、優しい気持ちになれました。

結末は何とも無残というかまあこれしか終わらせる方法は無いんだろうけど・・という終わり方でしたけど、3人の未来に希望がもてる良い終わり方だったと思います。


一気に話に引き込まれ、あっという間に読み終わる話でした。


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2010年11月24日

佐々木譲「警官の血 下巻」

佐々木譲著 「警官の血 下巻

(新潮文庫)


安城民雄は父の跡を継ぐように谷中の駐在所へ異動することになった。心の傷はまだ完全には癒えていないが、落ち着いて勤務にあたり、住民からも信頼を得られるようになってきていた。勤務の合間に父の死の原因も探り始め、解決の糸口が見えかけた。そんなとき、近くで発生した立てこもり事件の現場へ駆けつけたが・・・。民雄の息子・和也も祖父と父と同じ道を選び、警察官となった。警視庁捜査四課に配属された彼は、ある警察官の調査をすることになった。


確かに警察小説でありながら、大河小説って感じのすごいスケールの作品でしたぴかぴか(新しい)

大きな事件が起きて、それをどうやって解決していくか?をメインに書かれているのが警察小説だと思うのですが、この作品は事件そのものはそれほど起きないのに、上下巻飽きずに読みきることができました。

三世代警察官というのは珍しいですし、それぞれ違う部署で、違う任務に就く所も楽しめます。性格も微妙に違っている所があり、その違いも楽しめました。


下巻に入り、少しずつ落ち着きを取り戻してきた民雄。息子・和也との関係も少しずつ改善されてきました。そのお陰で同じ道を選ぶことになったわけです。

三代警察官とはいえ、祖父のことは知らない和也が、祖父の死についても調べる気持ちになり、解決させていきます。和也が一番気が強いというか、世間慣れしている感じがして、真相を知って少しショックを受けたようですが、すぐに立ち直ることができ、更にはそれをきっかけに(うまく利用して)難を逃れ、前へと進んでいくのです。

ある意味、現代人らしいと言えるのかもしれません。

文章も少しずつカタカナが増えてきて、起きる事件の性質も変化しますし、世の中の考え方や行動パターンなどもどんどん変化し、現代に近づく感じがリアルに表現されていました。

ふと、自分の祖父の代っていうと、こんなに違いがあるんだ・・と思い、感動というか、不思議な気持ちになることもありました。

上下巻、一気に読むことをおすすめします。


「警官の血 上巻」


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2010年11月16日

佐々木譲「警官の血 上巻」

佐々木譲著 「警官の血 上巻

(新潮文庫)


終戦から2年半経ったがまだまだ復興したとはいえない世の中で、犯罪も後をたたず、警視庁は新たに巡査の募集を大々的に行った。定職がなかった安城清二は応募し、晴れて警察官になった。交番勤務を経て谷中の天王寺駐在所に配属され、周りの住人からも慕われ、信頼される駐在となった。ところが駐在所のそばの塔が火災になった夜、謎の死を遂げた。その長男・民雄も父の跡を継ぐように警察官になったが、その血を見込まれ潜入捜査に携わり、精神的に病んでしまう・・。


久々の佐々木譲さん。私はいつになったらこの作家さんの書き方に慣れるんだろう・・??あせあせ(飛び散る汗) 話が面白いから読みたいのに、読み始めると会話文が妙に気になるんですよねがく〜(落胆した顔)

・・まあ、それはともかく。


清二から民雄、そしてその息子へと続く三代の警官の話で、上巻は清二と民雄の二人の話が書かれています。

戦後の混乱が続く世の中で、力強く、でも人情も溢れ、家族も大事にした清二。その背中を文字通り見ながら成長した民雄。

清二は真面目なのですが、堅すぎるというほどでもなく、適度に(法を犯すほどじゃなく)目をつぶったりする部分もあります。多少のことは目をつぶらないと生きていけないような世の中ではあったんですけど・・。

駐在所勤務で父親の仕事ぶりを見ていた民雄は、父親が亡くなった頃から何となく警官に、父のような駐在所の警官になりたいと思うようになっていました。

ですが、成績が良かったことや、警察官の息子ということで目をつけられ、潜入捜査をすることになります。

自分のなりたかった駐在所勤務からどんどん離れて行ってしまいます。

そしてもちろん、父の死の本当の原因も探ろうとするわけですが・・。


下巻では三代目の話も書かれるはずなのですが、今はまだ名前しか出てきません。しかも、警官になるにはちょっと心配な家庭環境ふらふら

民雄の精神的な弱さがその息子にどのような影響を及ぼすのか?清二の死の原因は?私の予想する犯人はあっているのか?たらーっ(汗)

色々気になる部分を残しつつ、下巻へ・・。ってまだ買ってないんですけどねがく〜(落胆した顔)

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今読んでいるのは・・
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2010年05月31日

佐々木譲「警官の紋章」

佐々木譲著 「警官の紋章

(ハルキ文庫)


洞爺湖サミットの結団式を一週間後に控え、北海道警察では警備を完璧にするために特別体制がとられていた。そんな中、勤務中の警官が拳銃を携帯したまま失踪した。津久井はその警官の追跡を命じられた。佐伯は過去に扱った事件に疑問を抱き、単独での再捜査に乗り出し、小島は結団式に出席する大臣のSPに任命された。それぞれが任務のために結団式に向かう・・。北海道警察シリーズ第三弾


「笑う警官」で津久井に射殺命令が出る原因となった郡司事件の裁判から2年経った北海道警察での話です。

郡司の不祥事から立ち直るには2年では足りないようで、未だに次々と事件が起きてきますバッド(下向き矢印) というか、明らかにされていない不祥事や隠蔽工作が表に出てきたわけですあせあせ(飛び散る汗)

いきなり、裁判で証言する予定の警官が自殺するシーンから話は始まります。なんで過去の話から?と気になっている間に一気に話に引き込まれました。

北海道警察のいつものメンバーたちも一緒に活動はしませんが、それぞれが良い働きを見せながら、最終的には自然と集まる・・流れもとても良い感じでしたぴかぴか(新しい)

佐伯の部下・新宮が少し活躍の場面が少なく、残念ではありましたが、最後には・・・・まあ言わないでおきます。

佐伯がどんどんクールになっていくことや、小島が意外と惚れっぽいことなんかが妙に気になったりしますけど、楽しく読むことができました。


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今読んでいるのは・・
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2010年02月16日

佐々木譲「制服捜査」

佐々木譲著 「制服捜査

(新潮文庫)


川久保篤巡査部長は、志茂別駐在所に単身赴任してきた。十勝平野にある農村は、重大事件など起きないようなのんびりした所のはずだったが・・。赴任して間もないある日、一人の女性から「高校3年生の息子が行方不明になった」と通報があった。さっそく探し始めるが、少年は遺体で発見された。交通事故として処理されたが、疑問を感じた川久保は独自に捜査を始める。−「逸脱」他「遺恨」「割れガラス」「感知器」「仮装祭」計5話収録

逸脱」は、以前読んだ「決断」という警察小説競作の中に収録された話でしたあせあせ(飛び散る汗) 見覚えのある題名だと思ったんですよ。さすがにすぐ思い出しましたけど。

駐在さんというと、何となく定年の近いようなおじさんをイメージするのですが、この川久保はもう少し若そう。でもしゃべっているときによって年齢層やイメージが変わるんですよね・・。私の中でイメージが固まらない感じです。

自分のことを「おれ」と言うのも気になります。仲間同士で話すときならともかく、町の人に対しても言うので・・。そういうもんですかね?

遺恨」は、犬が鉈で殺されるという事件を解決する話。犬だけではなく、酪農家が殺害される事件が起き、更には受け入れていた中国人研修生が脱走したことで、捜査担当者たちは研修生が犯人だと決めつけて捜査をすすめていました。でも川久保は違和感を感じ、独自に捜査をし、見事解決させます。

割れガラス」は、ネグレクト(育児放棄)問題を取り上げた話。ネグレクトの被害にあっている少年が、万引きをしたことで川久保と深い関わりができます。ログハウスを作る作業を手伝わせることで自立する自信をつけさせようとするのですが・・。小さな町ではうまくいかないことも多いですたらーっ(汗)

感知器」は、町で次々起きる連続放火事件の話。事件が起きる度に不安を募らせ、川久保に文句を言う人たち。やがて捕まった犯人はなぜか1件だけ容疑を認めず、川久保は犯人を思いつきます。

仮装祭」は、年に一度の夏祭りで子どもが行方不明になった話。13年前にも同じ事件があり、その母親も久しぶりに祭りに姿を見せます。その当時、駐在だった元警官も現れ、捜査に協力します。犯罪の少ない平和な所と思われていた町の裏の顔が見えてくる話です。「犯罪者を出さない」ではなく「犯罪者を居ないことにする」という考えにゾッとしましたがく〜(落胆した顔)

この川久保巡査部長の話は、もう1冊あるそうなので、また読んでみようと思います。読めばイメージが固まるかも??


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2010年01月12日

佐々木譲「警察庁から来た男」

佐々木譲著 「警察庁から来た男

(ハルキ文庫)


北海道警察本部に突然、特別監察が入った。監察官は警察庁の藤川警視正。藤川は、津久井刑事に協力を要請した。
札幌大通署の佐伯刑事は、すすき野の風俗営業店で死んだ男の父親から依頼され、その事件の再捜査を行うことになった。部下の新宮と事故現場に行き、聞き込みを開始するが・・。



北海道警シリーズの2冊目です。

前回の「笑う警官」よりもスムーズに読めた気がしました。ストーリーは前回の方が面白かったと思うのですが、書き方は今回の方が読みやすかったです。

覚えのある名前が出てきて親しみを感じたのも読みやすかった要因かもしれません。

津久井刑事が「うたった」にも関わらず、やはり完璧に正すことができていないようで、保護を求めて来たタイ人の少女を暴力団に引渡したり、薄野の一斉摘発をしたのに情報が流れていて検挙率が悪かったり、更には裏金問題まで・・。「どうなってんのexclamation&question」って思います。

監察に来た男・藤川警視正は、キャリアということで一般の刑事たちとは考えも行動も違いますし、時々「イラッ」とさせられることがありましたふらふら でも最後には少し人間らしい一面も見えたのですが。

しかし、最後の一文は何??・・って思ったのは私だけでしょうか?佐伯らしくない一言あせあせ(飛び散る汗)

確かに悪者は捕らえられたわけですが、何だかすっきりしない終わり方のような・・。裏社会の人たちが野放しだから?・・自分でもよくわからないですが、モヤモヤが残ってしまいましたもうやだ〜(悲しい顔)


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2009年12月08日

佐々木譲「笑う警官」

佐々木譲著 「笑う警官

(ハルキ文庫)


ずっと気になっていたのですが、なぜか手に取らなかった本です。数日前になぜか手にとっていたので買って読みました。

アパートの一室で女性の変死体が発見された。女性は北海道警察本部生活安全部の巡査と判明し、交際相手の津久井巡査部長が容疑者にあがる。その後、津久井に射殺命令が出され、彼の無実を信じた佐伯警部補が仲間と共に秘密裡に捜査を始める。


何だか読みにくいな〜と思いながら読み進めていて気づいたのですが、誰かが話した言葉を書くときに、○○は言った「〜〜」・・という書き方をされているんですよね。これがどうも気になったようです。「〜〜」と○○は言った。・・という書き方をしている方が多いと思うのですが。私が読んでいるのがたまたまそうなのかもしれませんけど。

だから誰がどの言葉を言っているのか慣れるまでに時間がかかったようです。結局、読み終わるまで慣れませんでしたけど・・あせあせ(飛び散る汗)

話の内容としては面白かったと思うのですが、捜査経験がほぼ無い人が捜査を指揮しているせいか、かなり素人っぽい捜査を進めていくのが気になりました。

でも、佐伯警部のチームをまとめる力はかなりの物で、常に先を見据え、メンバーの使い方もうまく、感心させられましたぴかぴか(新しい) 「そんなにあっさり人を信じて良いの??」とハラハラする部分もありましたけど・・たらーっ(汗)

チーム内に内通者が居るのでは?と常に疑われていたのですが、その内通者が誰か?というのは、消去法で大体わかりました。もし違う人が内通者だったとしたら納得のいかない展開だったと思います。それくらい「あ〜やっぱり」って感じでした。そうじゃないとすっきりしなかったかも。

この話が実際にあった北海道警察の事件をヒントに書かれていることに驚かされました。警察も本当に色々ありますね・・。警察官も人間ってことですかね(それで済ませられても困りますが)ふらふら

始めは「うたう警官」という題だったのを、文庫化・映画化するときに「笑う警官」に変えたとか・・。「うたう警官」だと意味がわかりにくいという理由だそうですが、私には「笑う警官」だと逆にわかりにくいと思えました。「うたう」の方が射殺命令の意味が引き立つと思うんですけどね〜。

このシリーズは何冊か出ていますね。また読もうと思います。

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