伊坂幸太郎著 「オーデュボンの祈り」
(新潮文庫)
コンビニ強盗未遂で逃亡していた伊藤が気づいたら知らない島に来ていた。この島(萩島)は江戸時代から外界との関わりを絶っているという。住人は謎めいた人ばかりで、しかも喋るカカシが居る!「未来が見える」というそのカカシが次の日に殺されてしまう。自分が殺されることがわかっていたはずのカカシはなぜ黙って殺されてしまったのか。
この人の作品は、考えさせられることが多いなーと。しかも、普段考えないようなこと。でも本当は身近にある問題なのに普段は気づいていないようなこと。
今回も「人が生きていくためにどれだけの犠牲を強いているのか?」という大きな、でも忘れてしまいがちな問題が語られています。
思わず目を背けたくなるような話も・・。
外界との関わりを絶っている島。しかも150年も前から。住人はかなり変わっていて謎めいていて、普通では考えられないようなルールもあります。そんな住人たちの物語にはみんな悲しみがあり、じんわりと沁みてくる感じです。
カカシが殺された謎だけではなく、萩島の世界にも引き込まれてしまう作品でした。カカシがしゃべったりするような不思議な世界観なのに、違和感無く読めてしまいました

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