2017年07月11日

今野敏「潮流 東京湾臨海署安積班」

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  今野敏 著
 「潮流」東京湾臨海署安積班
 (講談社文庫)



東京湾臨海署管内で救急搬送の報せが三件立て続けに入り、同じ毒物で全員が死亡した。彼らにつながりはなく、共通点も見つからない。テロの可能性も考えられるなか、犯人らしい人物から臨海署宛に犯行を重ねることを示唆するメールが届く―。強行犯第一係長・安積警部補は過去に臨海署で扱った事件を調べることになり、四年半前に起きた宮間事件に注目する。拘留中の宮間は、いまだ無罪を主張しているという。安積は再捜査を始めようとするが・・。
−裏表紙より−


1年ぶりの安積班です。そして、久しぶりの長編。読み応え十分でした。

最近、あまり安積班のメンバーが活躍しないと思っていたので、久しぶりに頑張ってくれて嬉しかったです。

特に黒木!彼のあんなに熱い面を見ることが出来たのは嬉しかった。何だか感動してしまいました。普段は冷静だけど、やるときはやるぞ!って感じなので、彼がメンバーから信頼されるのがよくわかりました。須田との関係も良い感じです。


今回の係長は、上からの圧力に負けず、過去の事件を再捜査するために奔走することに。上からの圧力がかかるのはいつものことですが、今回は特に警察が嫌がる、冤罪かもしれない事件の洗い直しというパターン。

孤立無援だと思っている係長に、意外と仲間はたくさんいてくれて、的確なアドバイスと全面的な協力体制、強力なバックアップもあって思う存分捜査することが出来ました。

これだけ協力してもらえるのは、係長の人柄と実績があるからなわけで、そういう意味でも係長のかっこよさが際立った作品でした。

相変わらず周りの目を気にしすぎる感じのある係長ですが、最後はビシッと解決してくれました。メンバーたちもそれぞれ活躍してくれて、大満足の作品になりました。

次も1年後かな?長いですが楽しみに待つことにします。


<安積班シリーズ>
「二重標的」
「虚構の殺人者」
「硝子の殺人者」
「警視庁神南署」
「神南署安積班」
「残照」
「陽炎」
「最前線」
「半夏生」
「花水木」
「夕暴雨」
「烈日」
「晩夏」
「捜査組曲」


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2017年06月12日

今野敏「自覚 隠蔽捜査5.5」

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 今野敏 著
 「自覚 隠蔽捜査5.5」
 (新潮文庫)


畠山警視は実技を伴うスカイマーシャルの訓練中、壁に直面する。彼女は共に難事件を乗り越えた竜崎に助言を求めた(「訓練」)。関本刑事課長は部下戸高の発砲をめぐり苦悩した。そこで竜崎の発した一言とは(表題作)。貝沼副署長、久米地域課長、伊丹刑事部長。彼らが危機の際に頼りにするのは、信念の警察官僚、大森署署長竜崎伸也だった―。七人の警察官の視点で描く最強スピン・オフ短篇集。−裏表紙より−


「.5」ということで、竜崎の視点ではなく、周りの人から見た竜崎の姿が描かれます。今回は彼の身近にいる警察官たちと3作目で竜崎が恋した畠山警視から見た竜崎の姿。

うん、やっぱり変な人だ、竜崎は。でも本当は彼が正解なんですけど。彼が普通の人に思えるような世界になったら平和かもしれませんね。

でも今の世の中としてはやっぱり変人。どんだけ真っすぐなんだ! 原理原則を重んじる、自分の信念も曲げない男。曲げないはずの信念も他人の意見の方が正しいと思ったらすぐ曲げるし。

「お前がそう思うなら、それで良いんじゃないか」って、部下に言える上司ってかっこいいですよね。とっつきにくくて怖いけど、彼になら怒られても納得できそうです。

上司から信頼してもらっている中で仕事が出来たら最高ですよね。みんなこんな感じなら仕事が楽しくなりそうです。


シリーズ内でよく登場する、反抗的だけど仕事の出来る刑事・戸高もなかなかの活躍を見せてくれました。意外と人望あるんだとわかってちょっとうれしくなりました。

愛読者の中には「戸高の視点での話が読みたい」という意見もありますが、私はあまり読みたくないかも。彼は私生活が謎な方が面白い気がします。たまには主役でも良いですけど、彼が心の中でどう思っているか?は知りたくないかな。


短編ですが、読み応えがあってとても楽しめました。

ただ残念なのは、家庭のことが出てこなかったこと。冴子さんファンとしてはさみしい限りです。

まだ続きもあります。早く文庫化してくれないかな〜。


<隠蔽捜査>
「隠蔽捜査」
「果断」
「疑心」
「初陣」
「転迷」
「宰領」


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2017年04月18日

今野敏「触発 警視庁捜査一課・碓氷弘一」

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 今野敏 著
 「触発 警視庁捜査一課・碓氷弘一」
 (中公文庫)


朝のラッシュで混雑する地下鉄駅構内で爆弾テロが発生、死傷者三百名を超える大惨事となった。威信にかけ、捜査を開始する警視庁。そんな中、政府上層部から一人の男が捜査本部に送り込まれてきた。岸辺和也陸上自衛隊三等陸曹―自衛隊随一の爆弾処理のスペシャリストだ。特殊な過去を持つ彼の前に、第二の犯行予告が届く!!犯人の目的は、いったい何なのか!?−裏表紙より−


今野敏作品は9月以来なので、約半年ぶり?でもやっぱり私に合うな〜と再認識しました。読みやすいんですよね。


これはかなり以前から発売されていた「碓氷弘一シリーズ」です。新たなシリーズに手を出すのをためらっていた間にもう何冊も発売されています・・。シリーズの多い作家さんですからね〜。

読んだらまたはまってしまいました。・・ということで、これもまた追いかけることになりそうです。


地下鉄の駅構内で爆弾が爆発する事件が発生し、多くの犠牲者が出ました。地下鉄の構造って規模の小さい爆発でも被害がかなり大きくなるそうで、描かれている内容が詳細すぎて読むのが辛いくらいでした。

目撃者もいない中、捜査は難航します。そんなとき、政府の上の方の人が密かに動いて、自衛隊の爆弾処理のスペシャリストが捜査本部に送り込まれてきます。

独特な雰囲気を持つ人ですが、さすがにプロだけあって、犯人のミスリードに騙されることなく淡々と捜査を進めていきます。

何とも言えない動機で起こされた事件で、やりきれない気分になりました。まあ殺人事件なんて、納得いく動機があるわけないんですけど・・。


「碓氷弘一」シリーズというわりには、碓氷はあまり活躍しなかったな・・。結局このシリーズは彼がどんなスペシャリストと組んで事件を解決していくか?という内容のようで、彼はある意味脇役的な存在みたいです。

捜査一課に所属しながらも、外から来た人間をうまく立てて事件を解決していくのは珍しいかもしれませんね。

2作目以降になったらもう少し彼の人格もわかってきそうですし、これはやはり読み進めるしかなさそうです。


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2016年09月23日

今野敏「廉恥」

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 今野敏 著
 「廉恥 警視庁強行犯係・樋口顕」
 (幻冬舎文庫)


警視庁強行犯係・樋口顕のもとに殺人事件の一報が入る。被害者は、キャバクラ嬢の南田麻里。彼女は、警察にストーカー被害の相談をしていた。ストーカーによる犯行だとしたら、警察の責任は免れない。被疑者の身柄確保に奔走する中、樋口の娘・照美にある事件の疑惑が・・。警察組織と家庭の間で揺れ動く刑事の奮闘をリアルに描く、傑作警察小説。−裏表紙より−


もう続きは書かないのかとあきらめかけていたシリーズに新作が出ました! 調べたら前作を読んだのは2010年3月でした。もう6年半経ちます・・。

シリーズ4作目となる今作ですが、登場人物のほとんどを忘れていても十分楽しめる作品になっています。まあ、樋口については知っておいた方がより楽しめるでしょうが。


前作では思春期の真っただ中にありながらも、普通に父親とも会話できていた娘が、大学生となった今回になって反抗期が出てきています。ほとんど父親と口を利かなくなった彼女。それなのに、樋口の元に娘が事件にかかわっているかもしれないという情報がもたらされます。

樋口が担当する事件ではないので、気がかりではありながらもどうしようもなくて地味に悩んでしまいます。・・が、持ち前のまじめさと頑固さでうまく乗り越えていくわけです。


樋口が担当する事件は、ストーカー殺人と思われる事件。ストーカー被害にあっていると警察に相談もしていたので、また警察が非難されると上層部は焦っています。ストーカーを止めるのはなかなか難しいとは思いますが、殺される前に何とか出来なかったのか?と思ってしまいますよね。

マスコミ対策も兼ねてやって来たのは、女性キャリアの小泉。彼女のお世話係として樋口が指名され、戸惑いながらも彼女と捜査本部の間を取り持とうとします。

キャリアとか官僚とかって、嫌なイメージしかないですけど、この小泉はなかなか鋭い指摘もしてくれて、役に立っていました。特に、女性全般の意見を求められたときに、返した答えが的確で、読みながら思わずうなずいてしまいました。

彼女はまた登場しそうで楽しみです。


この樋口顕シリーズは、隠蔽捜査シリーズと似ているとよく言われています。結局、この作家さんが描く刑事像が似ているからでしょうね。確かに似ていますが、頑固さと真面目さでは、竜崎に勝てるものはいません。樋口はかなりマイルドですし、竜崎ほどの自信はもっていないので、おどおどした感じが多いです。そこが好感持てるんですよね。

新作が出たからには、また続きも書いてくれるのかな?楽しみに待つことにします。


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2016年07月27日

今野敏「捜査組曲 東京湾臨海署安積班」

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  今野敏 著
 「捜査組曲」東京湾臨海署安積班
 (講談社文庫)


お台場の公共施設で放火との通報が入った。安積班のメンバーが臨場すると、警備員がいち早く消火活動を始めており一大事にならずに済んだ。警備員から聞き込みをした須田は、何か考え込んでいて・・。三日後、またしても同じ施設内で強盗事件が起きる。珍しく須田がこの事件を担当したいと安積に頼むが―(「カデンツァ」より)。安積班をはじめ、強行犯第二係長・相楽、鑑識係・石倉、安積の直属の上司・榊原、それぞれの物語を音楽用語になぞらえて描く、安積班シリーズ待望の文庫化。−裏表紙より−


大好きな安積班シリーズ。1年半ぶりの文庫です。

今回は短編です。音楽用語が題名になっていて、それにちなんだ内容の話が書かれています。音楽用語でまとめることで、安積班や捜査のチームワークの大切さみたいなものを描きたかったのかな?と思います。

短編の1話ずつの視点がそれぞれ違っていて、今回は安積班のメンバーに加えて、隣の係長で安積をライバル視している相楽警部補や鑑識の重鎮・石倉や安積の上司・榊原も主役となって活躍しています。

お陰で彼らから見た安積の姿がよくわかるようになっていて、更に班長がかっこよく見えました。

特にお気に入りなのは、村雨の話。彼はメンバーたちの特徴をしっかりつかんでいて、冷静にどうすれば各々が動きやすいかを考えて行動しています。特に気にかけているのが班長のこと。須田の能力は認めているものの、彼には安積は助けられないと思っていて、いかに安積がストレスなく活躍できるかを考えて、防波堤になれるのは自分だけだときちんと理解しています。

普段はあまり多くを語りませんし、須田の陰に隠れてしまっている村雨の安積を思う気持ちに感動する内容でした。


それと、石倉の話もよかったです。鑑識は職人って感じが強くて、中でも特に偏屈なイメージの石倉ですが、部下からはかなり慕われていることがわかりましたし、彼も安積班長に一目置いていることがわかりました。

石倉が安積から諭されて、急におとなしくなるのは面白かったです。


そして、登場以来気になっている女刑事・水野ですが、どうやら安積も彼女のことを認めたようですので、私も仲間として見ていくようにしようかな?と。今回は女性として活躍してくれましたし、今後に期待することにします。


さ、次はいつ文庫になるのかな?楽しみです。


<安積班シリーズ>
「二重標的」
「虚構の殺人者」
「硝子の殺人者」
「警視庁神南署」
「神南署安積班」
「残照」
「陽炎」
「最前線」
「半夏生」
「花水木」
「夕暴雨」
「烈日」
「晩夏」

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2016年04月08日

今野敏「宰領 隠蔽捜査5」

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 今野敏 著
 「宰領 隠蔽捜査5」
 (新潮文庫)


衆議院議員が行方不明になっている。伊丹刑事部長にそう告げられた。牛丸真造は与党の実力者である。やがて、大森署管内で運転手の他殺体が発見され、牛丸を誘拐したと警察に入電が。発信地が神奈川県内という理由で、警視庁・神奈川県警の合同捜査が決定。指揮を命じられたのは一介の署長に過ぎぬ竜崎伸也だった。反目する二組織、難航する筋読み。解決の成否は竜崎に委ねられた!−裏表紙より−


新刊が発売されたらすぐに買いに走るシリーズです。そして、読んでいる途中の本があっても、放置して先に読んでしまいます。

5作目も面白かった〜! 相変わらず竜崎は変な人です。でもまっすぐでまじめな所が好感もてます。まあ同僚や後輩にはなってほしくないですけど。上司なら良さそう。竜崎がこんな人なんだ、と理解するまでは大変そうですが。でももし自分が失敗しても絶対に責任をとってくれそうですし、一度許可したら最大の味方になってくれると思うので、理想の上司なのかもしれません。


今回は、政治家の誘拐事件が発生し、色々な流れで竜崎が指揮をすることに。伊丹の判断、間違ってないけどどうなんだ!? あらすじにもあるように“一介の”所轄の署長が指揮をとるような事件じゃないでしょう!どれだけ重い責任をとらされるのか・・と思うとドキドキしてしまいますが、竜崎は「仕方ないな」という感じであっさり引き受け、揚句の果てには捜査本部に入り浸るわけでもなく、署長室に戻ってハンコ押しをし始める始末。

それだけ部下を信じているわけですけど。普通なら「責任が!」と思うと離れられないし、全ての情報を知っておきたいと思う状況なんですが・・。

さすが竜崎!ですね。刑事部長である伊丹のこともアゴで使ってみせます。普段は上下関係にも厳しいですし、周りから「伊丹刑事部長とは同期ですから」なんて言われようものなら「それは関係ない!」なんてちょっと怒るくらいなのに、自分は良いんだ(笑)


事件はいったん解決したように見せかけて、更にもう一つの謎、という感じで最後まで読み応えがある展開でした。竜崎らしくスマートとは言えないけどある意味サラッと解決してみせました。上層部からするとかなり問題ある解決法だったようですが、彼らしく一蹴してみせて、スッキリしました。

私生活では、息子の受験がありました。父親らしい一面をのぞかせる竜崎の姿は更に好感度アップでした。今回は奥さんがあまり出てこなかったのが残念です。

次はいつ文庫化されるかな??かなり楽しみです。


<隠蔽捜査>
「隠蔽捜査」
「果断」
「疑心」
「初陣」
「転迷」


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2015年10月15日

今野敏「任侠病院」

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 今野敏 著
 「任侠病院」
 (中公文庫)


日村誠司が代貸を務める安岐本組は、所帯は小さいが、世の中からはみ出た若者を抱えて、天下に恥じない任侠道を貫いてきた。ところが最近一部の地元民から暴力団追放の動きが起こり、めっきり肩身が狭くなった。そんな中、今回、組長が持ち込んだのは病院の再建話。日村は、個性豊かな子分たちと、潰れかけた病院の立て直しに奔走するが・・。笑いあり涙ありのおなじみ「任侠」シリーズ第三弾!−裏表紙より−


「とせい」から続くシリーズ第三弾。今回、表紙の雰囲気が急に変わって驚いています。それに合わせて、今までの一作目の「とせい」は「任侠書房」として再出版されました。「任侠学園」も表紙が変わって再出版。シリーズの人気が出るのはうれしいことです。


出版社、高校と立て直してきた彼らですが、今回はとうとう病院に手を出してしまいます。組長はのんきな感じですが、日村は相変わらず振り回されて、板挟みになって大変そうです。ニヤニヤしながら読み進めました。

今回、病院不振の裏には別の組織の存在があって、更に日村は胃が痛い状況になっています。しかも、組がある地域で追放運動まで起こり、マル暴刑事からは「外出禁止」とまで言われてしまい、ますます動きにくい状況に。

でも組長は何も変わりがありません。どっしりと構えていて、日村に「誠司、考え過ぎだ」と言います。頼りがいのある良い親分なんですけど、頭の中で考えていることを全て出してくれるわけではないので、不安が募ってしまうんですよね。

読んでる者としては、この後親分がどうやってスカッと解決させてくれるのか、楽しみでしかないのですが。


病院経営というのは、なかなか複雑で、素人では踏み込めない部分もたくさんありました。このシリーズらしく、最終的には自分たちでがんばって行こう!と前向きな気持ちにさせて、手を引くわけですが、今回も鮮やかな手腕でした。

若干、何でもうまくいきすぎな感じはありますが、このシリーズはこれでオッケー!

最後までスッキリ楽しく読めました。


次はどんな仕事に手を出すのかな? 今から楽しみです。


<とせいシリーズ>
「とせい」
「任侠学園」


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2015年09月04日

今野敏「ヘッドライン」

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 今野敏 著
 「ヘッドライン」
 (集英社文庫)


報道番組「ニュースイレブン」の記者、布施。素行の悪さに目をつけられながらも、独自の取材で多くのスクープをものにしてきた彼が興味を示した女子学生猟奇殺人事件は、警視庁捜査一課第二係、黒田の担当だった。警察も知らない事実を布施が握っているらしいと感づいた黒田は、彼に張り付くことを決める。記者と刑事、異色のタッグを組んだ二人は、やがて事件に潜む大きな闇の核心に迫って―。−裏表紙より−


1作目を読んだのは2009年なので、もう6年前になります。でも最近、ドラマになったのを見たので、雰囲気は思い出すことができました。


相変わらず飄々として会議にも出ないこともあるようないい加減に仕事をしているように見える布施。今回はそんな布施がテレビ局で過去のある事件を調べていました。他の記者が調べていても誰も興味をもたないでしょうが、布施の場合は周りが興味を持ち始めます。彼が調べ直すなら何か出てきたんだろう、となるわけです。

その事件とは女子学生が殺された事件。しかも遺体がバラバラにされて遺棄されるという猟奇的な事件です。迷宮入りになりそうなその事件を捜査しているのは捜査一課第二係。捜査員がどんどん減らされる中、黒田刑事は地道に資料を読み返して何か見落としていないか日々調べています。

そんなとき、布施が興味を持っているらしいと知ったため、刑事でありながら記者に張り付くことを決めます。かなり異例のことではありますが、布施のお陰で裏社会の重要人物とも顔を合わせることができ、事件は意外な展開を見せます。

事件が起きたとき、テレビや新聞では、こぞって報道したわけですが、被害者が女子学生でしかも猟奇的な事件だったので「被害者がかわいそう」という流れで終わってしまいました。その傾向を布施は間違っている!と訴えます。

「俺たちの仕事は、視聴者の耳や眼の代わりになることです」というのが彼の持論。

テレビでは殺人や誘拐、強盗など誰かがけがをしたり殺されたりする話になると、神妙な顔つきになり真面目に静かに報道しています。でも本当はどのニュースも淡々と事実だけを並べるべきなんですよね。

それを聞いて「ひどい!」とか「かわいそうに!」と思うのは視聴者なんです。先に「ひどい事件だ」と言われる必要はないんですよね。今まであまりそんなことを考えたことがなかったので、これを読んで考えるいいきっかけになりました。

視聴者もすぐに苦情を言って、報道に対して色々と注文をつけすぎているのも原因の一つだと思うので、見る側、受け取る側にも責任はあると思います。

難しいことですが。


話の展開的には、布施がスーパーマンすぎではありますが、深い内容でしたし、最後まで楽しめました。次も発売されているので、今度は早めに読みます。


<スクープシリーズ>
「スクープ」


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2015年08月03日

今野敏「確証」

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 今野敏 著
 「確証」
 (双葉文庫)


都内で起きた強盗事件と窃盗事件。警視庁捜査3課で盗犯捜査ひと筋の萩尾秀一は、ふたつの事件には繋がりがあるとして、部下の武田秋穂とともに捜査を始める。捜査1課との軋轢や駆け引きの中で、ベテランの萩尾は何を見て、若い秋穂は何を考えるのか。「継続」と「ひらめき」が融合した円熟の警察小説、待望の文庫化。連続テレビドラマ原作。−裏表紙より−


この作家さんの作品を読むのは約半年ぶり。作品が多いですし、色んな作風の物があって、たぶん私には合わないだろうと思う作品も多いので、選んでいるうちに間が空いてしまいました。

でもやっぱりこの作家さんの警察小説は読みやすいし面白いな〜と再認識しました。

主人公は同じようなタイプの刑事が多いんですけどね。部下をうまく使いつつ、上司にも堂々と意見を言って、でも「言い過ぎたかな?」とか「あいつは自分のことをどう思っているんだろう?」とか後で悩むタイプ。そして、刑事という仕事に誇りを持っていて、この仕事を守るためなら何でもやるという気持ちが溢れているような人。

この「確証」では萩尾がその人物です。萩尾の部下は若い女性なので、他の人たち以上に「こんなとき相手が男ならこうやれば収まるけど、女性だとどうしたらいいかわからない・・」という悩みまで増えていて、なかなか大変そうです。女性からすると、女性だからって色々考えなくても良いのに、と思うんですけどね。集団になるとややこしいのですが。


この作品は捜査3課の話で、盗犯係と呼ばれるように窃盗事件の捜査をする部署なので、事件も窃盗事件です。ただ今回は3課が扱う窃盗事件と、1課が扱う強盗殺人事件との関連性が考えられたので、捜査1課も絡んできます。

そうなると、1課の妬みとか嫌味っぽい言動とかが増えてきて“捜査1課は嫌な部署”という図式になってくるわけです。それぞれの仕事に対するプライドが変に出てきてしまって、衝突もくり返されます。たまたま理解ある上司がいてくれたおかげで、捜査は円滑に進むのですが、それでも細かい問題は山ほど出てきて、もっとスムーズに捜査出来ないものかと呆れる所もありました。

萩尾がいなかったら解決できなかったであろう事件。萩尾のような職人という刑事がもっといないとダメなんじゃないの?と変なことを心配してしまいました・・。



萩尾と武田秋穂のコンビもどんどん息が合ってきて、良い感じになってきました。これはシリーズ化するでしょうから、続編を楽しみに待つことにします。


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2015年02月14日

今野敏「晩夏」

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  今野敏 著
 「晩夏」東京湾臨海署安積班
 (講談社文庫)


台風一過の東京湾で、漂流中のクルーザーから他殺体が発見された。遺体が発見された船室には鍵が掛かっていて・・。東京湾臨海署・強行犯第一係の安積警部補らは、被害者の身元確認を始める。一方、第二係の相楽たちは、前日に開かれた新木場でのパーティーで発見された、変死体の事件を追っていた。どちらも捜査が滞る中、重要参考人として身柄を確保されたのは、安積の同期で親友の速水直樹警部補だった―。安積は速水の無罪を晴らすことができるのか!? 大ベストセラー安積班シリーズ、待望の文庫化。−裏表紙より−


1年半ぶりに文庫化されたシリーズ。やっと出たか〜!と大喜びで読み始め、勿体無いですが一気読み状態でした。

大体いつも、事件が起きて安積班が捜査を始め、安積には必ず妨害したがる上司や同僚が現れ・・というパターンなのですが、いくら読んでも飽きないんですよね。お気に入りのシリーズです。


あらすじにあるように、安積の同期でもある速水警部補が重要参考人として取り調べを受けることになるのですが、その事件の捜査をしていたのは、安積の班ではありませんでした。でも、速水が犯人であるはずがないと確信している安積は、自分の捜査をしながらも、気になって仕方がありません。

まあ、冷静に考えたら、彼が犯人だなんて変だと思う証拠ばかりだったわけですが、捜査一課が彼をかなり重要視したため、安積も怒りを爆発させてしまいます。

友のためなら、上司にも意見を言うぞ!という安積の姿勢はとてもかっこいいです。でも、後でウジウジと「言い過ぎたかな」なんて悩むところもあるのですが。そこがまた人間臭くて良いんですよね。


今回は、安積班のメンバーはほとんど脇役にまわり、活躍を見せてくれず寂しい状態でした。その代わりに、捜査一課から来た若手刑事が、安積と組んだことで面白い展開がありました。その刑事のお陰で速水のかっこよさもまた際立った感じです。

前作で、女性刑事が参加することになり、私は彼女の存在が不安だったのですが、今回その女性刑事もほとんど登場せず。やっぱりいらなかったんじゃないの?と疑ってしまいました。今回は、安積班たちも活躍する場面が少なかったので、次の作品で安積班が活躍したときに彼女がどう活躍するのかを見てから判断することにします。

次はどんな話かな?楽しみです!


<安積班シリーズ>
「二重標的」
「虚構の殺人者」
「硝子の殺人者」
「警視庁神南署」
「神南署安積班」
「残照」
「陽炎」
「最前線」
「半夏生」
「花水木」
「夕暴雨」
「烈日」


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2014年07月19日

今野敏「STエピソード0 化合」

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 今野敏 著
 「ST警視庁科学捜査班エピソード0 化合」
 (講談社文庫)


現場は検察の暴走を止められるのか? エリート検事は殺人事件を異例の陣頭指揮と鑑識結果の強引な解釈で早期解決を強行する。疑念を抱く捜査一課の若手・菊川と所轄のベテラン・滝下は独断で動き始める。拘束された被疑者が“落ちる”までに二人は証拠を捜し出せるのか!? 「ST警視庁科学特捜班」シリーズ、序章。

STが結成される十年くらい前の、ある意味STが結成されるきっかけとなった出来事の話です。なので、当然ですがSTメンバーは出て来ません。

STと捜査一課の橋渡しというか連絡係をしている菊川が若い頃に担当した事件が描かれています。


公園で刺殺された男性。「逃げていく黒っぽい服を着た男を見た」と第一発見者が証言したことで、他に有力な証拠も無いのにある男性が容疑者として取り調べを受ける事になってしまいました。

慎重に捜査するべきだと主張する捜査員と、早期解決を強く望むエリート検事が、捜査方針を巡って対立していきます。表立って対立することはあまりないのですが、お互いに駆け引きしていく様子がとても面白かったです。

裁判に持ち込んだら90%以上の確率で有罪になるとか。それだけ検事の力が大きいということで、検事が決めた捜査方針に逆らうことはかなり難しいです。

まだまだ青臭さの残る、真面目で正直な若手刑事である菊川が、ベテランの滝下と組んで、検事の方針に疑問を持って何とかして暴走を止めようと画策します。

滝下という刑事は、勤務中パチンコに行ったり食事やお茶までのんびりしてしまう、一見怠け癖のあるような刑事なのですが、実は色々と考えて行動している優秀な刑事だということが少しずつわかってきます。


STシリーズでは、すっかりベテランになり、世慣れた雰囲気の漂う菊川ですが、この作品ではベテラン刑事に振り回される様子が見られてニヤニヤしてしまいました。

「STが結成されるきっかけの話でした」という雰囲気のある結末は強引だと思ったのですが、それ以外は面白かったですし、警察小説が好きな方ならSTシリーズを読んだことが無くても楽しめる作品だと思います。


STはドラマ化されることになって、どんどん新装版が発売されていますね。これをきっかけに人気が出て、どんどん書いてほしいものです。


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2014年05月07日

今野敏「転迷 隠蔽捜査4」

転迷

 今野敏 著
 「転迷 隠蔽捜査4」
 (新潮文庫)


大森署署長・竜崎伸也の身辺は、にわかに慌しくなった。外務省職員の他殺体が近隣署管内で見つかり、担当区域では悪質なひき逃げ事件が発生したのだ。さらには海外で娘の恋人の安否が気遣われる航空事故が起き、覚醒剤捜査をめぐって、厚労省の麻薬取締官が怒鳴り込んでくる。次々と襲いかかる難題と試練―闘う警察官僚(キャリア)竜崎は持ち前の頭脳と決断力を武器に、敢然と立ち向かう。−裏表紙より−


手に入れてすぐ読み始めてしまいました。途中まで読んでいる本を放っておいてまで読みたいくらい気に入っているシリーズです。

今回の竜崎も、相変わらず融通がきかず、自分の信念を曲げず、自分の信じた道を突き進んでいきます。

うまく世渡りをしようと思っている者からすれば、本当にイライラさせられる存在だと思いますが、彼と関わった人たちは、みんな何か考えを変えさせられたり、何かに気づかされたりして、今までと違う動きをしようとします。

特に伊丹は影響をたくさん受けています。影響を受けて、今までと違って竜崎をうまく使う方法を見つけた彼は、竜崎に普通では考えられない立場に立たせます。

ある意味適材適所ではあるのですが。

今回は警察関係だけではなく、外務省や厚労省まで絡んできて、更にはややこしい存在である公安も・・。お陰であちこちの縄張り争いに巻き込まれて、板ばさみにされ、さすがの竜崎もかなり苦労させられました。

娘の恋人が乗った飛行機が墜落したのでは?という心配まで浮上し、父親としても悩まされます。

でもそこは、揺るがない竜崎らしく、全てをサクッと捌いていきます。周りを戸惑わせながら。

惑わされる人たちの様子と、なぜ惑わされるのかわからない竜崎のつぶやきにニヤニヤしながら読みました。


今回も奥さんの冴子がかっこよかったです。夫を立てながらも、皮肉や嫌味を忘れない所が素敵です。すっかりファンになりました。


どうやらしばらくは所轄にいそうな竜崎ですが、そろそろ警察庁に戻ってもっと大きな舞台での活躍も見たいと思います。所轄でも面白いんですけどね。

どちらにしても、早く次の作品が読みたいです!



<隠蔽捜査>
「隠蔽捜査」
「果断」
「疑心」
「初陣」

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2014年04月21日

今野敏「軌跡」

軌跡

 今野敏 著
 「軌跡」
 (角川文庫)


目黒の商店街付近で、若い男性が血を流して倒れているのが発見された。現場に到着した大島刑事と湯島刑事の前に現れたのは、刑事調査官の谷と心理調査官の島崎優子だった。若者同士のトラブルかと思われたが、捜査は思いのほか難航する。島崎と組んで聞き込みを行うことになった大島たちは、彼女の言葉に事件解決の糸口を見出すが・・(「老婆心」より)。幻の「刑事調査官」シリーズの他、五編を収録した文庫オリジナル短編集。−裏表紙より−


老婆心」「飛鳥の拳」「オフ・ショア」「生還者」「タマシダ」「チャンナン」の6編が収録されています。

老婆心」は、私の好きな作風の警察小説で、“幻の”刑事調査官シリーズ2作目です。なぜ“幻”なのかというと、「鼓動―警察小説競作―」に1作目が収録されているだけで、このシリーズだけでの本は無いからなんです。1作目を読んでいなくても全く問題なく読めるようになっています。

この話は面白かったので、ぜひ彼らだけでの本を出してもらいたいと思います。


飛鳥の拳」は、古代から伝わるという拳法の話で、「オフ・ショア」は、ダイビングの話です。

生還者」「タマシダ」はそれぞれ内容は違いますが、どちらもSFです。「生還者」はしんみりするような話ですが、「タマシダ」はゾッとする終わり方をします。

チャンナン」はSFっぽくもありますが、作者の自伝か?という感じもしました。


・・ということで、警察小説は1作だけで、後はこの作家さんとは思えないような内容の作品ばかりでした。これだけ色々な話が書けるのはすごいと思いますが、個人的にはやはり警察小説が合ってると思ってしまいます。

それはそれで面白くないわけではないのですが、この作家さんには警察小説を期待してしまうんですよね。

つまり、今後もよく内容を見てから読まないと、合わない場合もあるということです。


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2013年09月13日

今野敏「臨界 潜入捜査」

臨界

 今野敏 著
 「臨界 潜入捜査」
 (実業之日本社文庫)


元マル暴刑事の最大の敵は原発の裏を仕切るヤクザどもだ!
元マル暴刑事・佐伯涼が環境犯罪に立ち向かう、『潜入捜査』シリーズ第5弾。三重県の原子力発電所で事故が発生し、外国人不法就労者が死亡。だが所管省庁や電力会社も、労働力を不法供給する暴力団を使って隠蔽工作に走る。佐伯が迎えうつのは、いままでにない最大の敵、国家と原発だった。さらに彼の前に、中国拳法を自在に操る無敵のヤクザが立ちはだかる・・!
−裏表紙より−


このシリーズも5作目になりました。相変わらず捜査をしない「潜入捜査」ですが、つい読んでしまう作品です。

今回は原発で働く外国人(しかも不法就労者)が死亡したことを調べに行った佐伯。ただ、ほとんどの内容は内村所長が説明してくれたことで理解できたような気がします。

まあ一応、問題となる暴力団に潜入はします。・・・が、あまりにもあっさりと佐伯のことを信用して、ぽろぽろと内部情報をしゃべってしまうヤクザたちには呆れました。

腕っぷしが強いだけの男にそこまで説明する!?

そう思っていたら、意外とあっさりと寝返る佐伯。しばらくは黙って様子を見ておくのかと思えば、反対派の住人達に暴力をふるうのを見ていきなりヤクザに背を向けました。

早っ! 確かに知りたいことは全部知った感じはしましたけど、こんなに短時間で良いなら、別に潜入しなくてもいいのでは?と思ってしまいました。潜入したせいで「裏切られた!」とヤクザは怒るわけですから。

何だかいたずらに敵を作っただけのような気がしました。


と、さんざん書いていますが、今回は原発についていろいろ考えるきっかけにもしてもらえたので、読んで良かったです。

特に内村所長の言った「核燃料による発電など。本来必要ないのです。原発を作ろうというのは純粋に政治的問題です。つまり、利権の構造でしかありません。政府が作るといったものは、国民を殺してでも、国土を破壊してでも作るものです」という言葉にハッとさせられました。

そんなこと考えたことも無かったというか、考えたくなかったのですが、確かにそうですね。

私は佐伯と同じでした。これまで特に反原発論者というわけではなかった。
必要なものならしかたがないという程度に考えていたに過ぎない。専門家が安全だというのなら安全なのだろうと思っていた。


2年前の災害で全てが神話だということがわかったわけですが、もっと早く考えないといけなかったんですよね。1994年という早い時期にこの話を書き上げていた作家さんに感動しました。



<潜入捜査シリーズ>
「潜入捜査」
「排除」
「処断」
「罪責」


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2013年07月18日

今野敏「烈日 東京湾臨海署安積班」

烈日

 今野敏 著
 「烈日 東京湾臨海署安積班」
 (ハルキ文庫)


新しく庁舎が建てられた東京湾臨海署の刑事課に新たな刑事が配属された。安積班にやって来たのは水野真帆という鑑識課出身の女性だった。歪に膨張した水死体を前にしても、怯む事なく捜査を進める水野。しかし、初任課で同期だった須田は彼女に対して何か思う所があるらしい。新顔の女性刑事は、安積班の一員として活躍する事が出来るのか―(「新顔」より)。安積、村雨、桜井、そして東報新聞社会部の女性記者・山口、それぞれの物語を四季を通じて描く、安積班シリーズ、待望の文庫化。−裏表紙より−


今回は短編集でした。あらすじにある「新顔」表題作「烈日」以外に「海南風」「開花予想」「逃げ水」「白露」「(こがらし)」「厳冬」全部で8編収録されています。

一気に読みたくなるところを、短編なので一話ずつ少しずつ読み進められました。


男所帯の安積班にとうとう、女性刑事が配属されました。別に女性が入っても良いんですけど、そのせいでフワフワするのはどうなんだろう?と思います。美人設定は必要か!?とか思っていたら、ドラマで登場した刑事だそうです。ドラマ化したときに登場させた女性刑事のキャラクターをそのまま、原作にも取り入れたようです。ドラマは見ていないのでどこまで似ているのか知りませんが、ドラマに影響を受けなくても良いのに・・。

まあ彼女が配属されて、男性陣がフワフワしているお陰で、彼らの新たな一面が見えた部分もあったので良いですが、今後、どんな活躍をさせられるのか、すっかり出来上がっている安積班のチームワークにどんな風を吹かせられるのか、楽しみ半分、不安半分・・って感じでしょうか。どんなキャラクターになるのか?で彼女の存在意義が問われる気がします。


今回は珍しく村雨の視点で進む話がありました。それが表題作の「烈日」です。若手の2人、桜井と黒木が体調不良で欠勤することになり、須田と捜査に出かけることになった村雨。普段は寡黙な彼の心の声がたくさん聞けて、チームに対する思いも聞けて、面白かったです。安積に対しても強い信頼をもっていることが再確認できて、やはりいいチームだと思えました。


他にも桜井の視点や、女性記者・山口の視点の話が収録されています。

安積以外の視点で描かれる、安積の印象を読めるのは楽しいですし、新たな魅力を発見できてもっと安積のことが好きになれます。

安積が自己分析するよりも、周りはもっと彼のことを高く評価していますし、実際にそれにこたえる活躍をみせてくれるところが良いんですよね。

安積の「厳冬も、一人でなければ、耐えられる。ここにいる仲間たちがいれば、どんな季節も耐えていけるはずだ」という言葉に感動ぴかぴか(新しい)


長編も良いですが、周りからの視点で描かれる話も収録される短編も面白いです。また読みたいと思います。文庫化されるのが楽しみです。


<安積班シリーズ>
「二重標的」
「虚構の殺人者」
「硝子の殺人者」
「警視庁神南署」
「神南署安積班」
「残照」
「陽炎」
「最前線」
「半夏生」
「花水木」
「夕暴雨」


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2013年06月29日

今野敏「ST沖ノ島伝説殺人ファイル」

ST沖ノ島伝説殺人ファイル

 今野敏 著
 「ST警視庁科学特捜班 沖ノ島伝説殺人ファイル」
 (講談社文庫)


玄界灘に浮かぶ沖ノ島。港湾工事現場での不可解な水死事件。現地へ向かった“ST”だが、そこは古代からの社、宗像大社の神域で、島での出来事を語れない“御言わず様”の因習、警察といえども現場への上陸すら許さない厳粛な掟が赤城、青山たちチームを阻む。捜査続行不可能か?“伝説”シリーズ、待望の第三弾!―裏表紙より―


この伝説シリーズの中で一番読みやすかった気がします。今までの2作は伝説自体が難しくて、作者が調べたことをたくさん書いてあって、説明臭い部分が多かったのですが、今回は意外とあっさりした感じ。

島自体が神域ということで、上陸することが難しいようになっています。警察であっても、そこが殺人事件の現場であっても、簡単に上陸できません。更には草1本すら持ち帰ってはいけないという掟もあるため、もし現場へ行っても証拠を持ち帰ることすらできません。

こういう場所にありがちな、女人禁制ですし・・。STの結城翠は上陸できないわけです。

まあ、そもそも上陸許可というものが宗像大社から出ないと誰も上陸できないので、STメンバーは現地に行ったものの、島へ行けずに関係者から事情聴取するしか捜査方法が無い状態。

事情聴取しようにも「島での出来事は語ってはならない」という「御言わず様」の掟まであり、話を聞くことさえ難しくなります。

結城と黒崎の“人間嘘発見器”コンビと、心理学者の青山の助言、そして宗教に詳しい山吹のお陰で、何とか事件は解決へ。


活躍とは言っても、それほど大したことではなく、ベテラン捜査員なら思いつきそうなことですし、事件の真相も読んでいて想像できる感じでした。

東京のSTをわざわざ出張させる意味はあったのかな?と思いました。それくらい、あっさりと解決しました。


百合根キャップの影がどんどん薄くなっているのも気になります。以前はたまに鋭い発言をしたりして「さすが!」って所もあったのですが、今はただの傍観者のようです。

次回はもう少しキャップも活躍してほしいです。


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2013年02月12日

今野敏「罪責 潜入捜査」

罪責

 今野敏 著
 「罪責 潜入捜査」
 (実業之日本社文庫)


平凡な一家を蹂躙するヤクザに佐伯の怒りが爆発する!
元マル暴刑事・佐伯涼が環境犯罪に立ち向かう、『潜入捜査』シリーズ第4弾。小学校に不法投棄された使い捨て注射器で、子供がB型肝炎に感染した。廃棄物回収業者の責任を追及する教師の家族に、ヤクザの暴力が襲いかかる。教師は命を奪われ、長男は自動車事故、高校生の長女は監禁、強姦−激しい怒りに駆られた佐伯は、古代拳法を武器にヤクザに闘いを挑む!
−裏表紙より−


内容に深みが無くて、あっさり終わるので、なんでこんなに読みたくなるのかよくわからないシリーズなのですが、新刊が次々出ているのを見ると、つい追いかけてしまいます。

登場人物たちの魅力だけで楽しめるシリーズです。


今回のヤクザたちの、女子高生に対する仕打ちはかなりひどくて、出来るだけ想像しないように、被害者の気持ちにならないように気を付けないと読み進められないくらいでした。

被害者の高校生だけではなく、その母親の気持ちも想像すると辛かったです。

彼女と母親の今後の人生が心配でたまりません。すごくあっさりと心を開いたような場面がありましたが、絶対にそんなことはあり得ないと思います。

本当に今回は読みにくかったです。


ただ、アクションの場面では相変わらず佐伯がかっこよくて無敵で、かなり強いはずの奴を相手にしても怯むことなく、冷静に戦える強さが素敵でした。

まあ、組長に対する暴力はどうか?と思いますが。目には目を的な考えと行動にちょっと呆れました。

良いのか?これで。


また新刊が平積みされているのを見かけたので、早く次も読もうと思います。



<潜入捜査シリーズ>
「潜入捜査」
「排除」
「処断」


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2013年02月08日

今野敏「初陣 隠蔽捜査3.5」

初陣

 今野敏 著
 「初陣 隠蔽捜査3.5」
 (新潮文庫)


警視庁刑事部長を務めるキャリア、伊丹俊太郎。彼が壁にぶつかったとき頼りにするのは、幼なじみで同期の竜崎伸也だ。原理原則を貫く男が愛想なく告げる一言が、いつも伊丹を救ってくれる。ある日、誤認逮捕が起きたという報に接した伊丹は、困難な状況を打開するため、大森署長の竜崎に意見を求める(「冤罪」)。『隠蔽捜査』シリーズをさらに深く味わえる、スピン・オフ短篇集。−裏表紙より−


待ちに待った文庫化!買ったとたんに一気読みしそうになり、勿体無くてわざと時間を空けたりしてしまいました。

3.5という不思議な番号が付いていることからもわかるように、この作品は竜崎ではなくて、同期で幼馴染の伊丹が主役となっています。伊丹から見た竜崎・・という構図になっていて、ファンにはたまらない作品です。

何よりも、伊丹ファンには最高の一冊ではないでしょうか?(私は竜崎の奥さん・冴子のファンですが)
伊丹が普段どんなことを考えているのかよくわかりました。意外だったのは、彼が色々と周りに気を使って、組織が円滑に進むように、嫌われないように演技をしているということ。

本能のままに動いてああいう行動になるのかと思えば、苦労しているのがわかって驚きました。


また、隠蔽捜査シリーズを読んできている人にとっては、ニヤッとできる場面がちりばめられていて、それも楽しめます。話の流れにも沿っていますから、このエピソードはあの話のことだな・・とかわかって面白いです。

特に「試練」という話は、竜崎が恋に苦しんだ「疑心」の裏話的のようになっているので、竜崎の苦しみを思い出しながらニヤニヤしてしまいました。


伊丹が困る度に竜崎を頼るのには笑えました。電話をかけてきた伊丹に対して相槌も打たずに聞く竜崎の姿も彼らしくて、目に浮かぶようでした。

反目し合っているようでいて、実はやっぱり良いコンビなんだと思うと嬉しくて、早く次の作品が読みたくなりました。早く2人の活躍が見たいです。



<隠蔽捜査>
「隠蔽捜査」
「果断」
「疑心」


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posted by DONA at 14:22| Comment(4) | TrackBack(0) | 読書:今野敏

2012年09月21日

今野敏「天網 TOKAGE2特殊遊撃捜査隊」

天網

 今野敏 著
 「天網 TOKAGE2特殊遊撃捜査隊」
 (朝日文庫)


深夜の高速道路を走行中のバスが次々とジャックされた。前代未聞の犯行に大規模な追跡作戦が始まるが、ネットには警察も知らない情報が書き込まれ、事件が『実況』されていた−。覆面捜査チーム「トカゲ」に新たな敵が立ちはだかる、シリーズ第2弾。−裏表紙より−


前作よりは、トカゲらしさが出ていた気はしますが、まだまだ物足りない感じでもあります。

バイクに乗って捜査するシーンは多いですが「トカゲは何気なく走行しながら周りの状況をきちんと記憶しておく訓練をされている」という記述が出てくるのに、その記憶が活かされることが無いんですよね・・。

それが残念です。


今回はバスジャックを捜査することになった特殊班のメンバーたち。始めは1台だけだったのですが、次々と連続して同じような事件が起きました。

合わせて3台の同時バスジャック。前代未聞の事件に焦ってパニックになってしまう上層部の面々に呆れつつ、特殊班のメンバーは冷静に捜査をしようとします。

ネットに警察の捜査よりも早い段階で重要な情報が載せられていることに気づき、ネットの書き込みを誰がしているのか?書き込みしている人物が犯人なのか?


前作ではわかりにくかったメンバーの個性も少しずつわかるようになって、それぞれの魅力が出てくるようになり、より面白くなりました。

頼りない感じだったトカゲの上野も、今回リーダーを任され、心の中でグチグチ言いながらもがんばったので、少し成長した気がしました。

今後はより活躍してくれるでしょうし、他のメンバーの活躍も楽しみです。


<TOKAGEシリーズ>
「TOKAGE 特殊遊撃捜査隊」


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2012年08月06日

今野敏「処断 潜入捜査」

処断

 今野敏 著
 「処断 潜入捜査」
 (実業日本之社文庫)


法の網をかいくぐり密猟を行うヤクザを叩け!
元マル暴刑事・佐伯涼が環境犯罪に立ち向かう、『潜入捜査』シリーズ第3弾。岐阜山中で野鳥密猟がなされ、背後にいるのは、佐伯の宿敵・坂東連合傘下の艮(うしとら)組であった。組長の鬼門は、暴対法逃れのため代紋を外してはいたが、実態は経済ヤクザに過ぎない。姑息な艮組の凶暴な三人組に対し、さらに研ぎすまされた佐伯の古代拳法が唸る−。
−裏表紙より−


このシリーズも第3弾になり、どんどん面白くなる・・かと思いきや、なぜか話があっさりしてきているんですけど。自分の感想を読み返してみても、1作目が一番、内容が濃かったような・・バッド(下向き矢印)

2作目は相手となるヤクザがなかなか手ごわい感じだったので、その分アクションの場面が充実していて、そこが面白かったのですが、この3作目はヤクザもあっさりとした弱い奴でしたし、組長的な存在の人が裏で何か画策していて、これは面白い展開になりそうだぞ・・と思っているうちに、何事も無く終了してしまいましたふらふら

う〜〜ん。これは、あっさり終わりすぎでしょう!たらーっ(汗)


・・と、散々な感想を書いてしまいましたが、それでもなぜか私は「続きも読もう!」と思っているんですよねあせあせ(飛び散る汗)

やはり、登場人物たちのキャラクターが原因だと思います。憎めないというか、謎めいているから気になるというか、みんな陰があったり弱点や欠点もあるわけですが、それも全てその人の魅力になっていて、読んでいるとどんどん好きになるんです。

これは、登場人物のキャラクターで読ませるシリーズなんだと思います。

次もまた楽しく読むことにします。


<潜入捜査シリーズ>
「潜入捜査」
「排除」

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