
今野敏 著
「探花 隠蔽捜査9」
(新潮文庫)
横須賀基地付近で殺人事件が発生。竜崎は米海軍犯罪捜査局からリチャード・キジマ特別捜査官の参加を認め、異例の日米合同捜査が始まった。その一方、同期キャリアで腹の内を見せぬ男、八島圭介が警務部長として県警本部に着任。八島には前任地福岡での黒い噂がつきまとっていた。合同捜査が生む軋轢、殺人事件の波紋。神奈川県警刑事部長・竜崎伸也は、頭脳と決断力で難局を打開してゆく。−裏表紙より−
大好きなシリーズ。やっと文庫になって読める喜びをかみしめていたのにあっという間に読んでしまいました。
神奈川県警に異動して2作目かな? 前回はそこまで思わなかったですが、今回は土地勘があった方が楽しめたと思います。特に、米軍基地があるという土地にいないとわからないこともたくさんありました。
基地の近くで殺人事件が発生したということで、米軍犯罪捜査局の捜査官を合同捜査に入れてしまうという、竜崎ならではの計らいがありました。日米関係の問題も絡んできて、普通だったらこんなにあっさりと捜査に入れることもないでしょうし、許可をとるのも大変そうです。
しかもかなり早い段階での決断。もっと米軍関係者が犯人だという証拠が出てからでも良かったのかもしれないと思うのに、まだ何もわからない段階で捜査協力を仰ぐというのがさすが合理主義な竜崎という感じです。
今回は新たな同期が登場し、なぜかライバル的な見方をされてしまう竜崎。竜崎は何なら覚えていないくらいの存在だというのに、伊丹はしっかり覚えているのが面白い。
それにしても成績優秀なだけあって同期TOP3は出世しています。竜崎も本当ならもっと上にいたでしょうから。
今回出てきた同期は問題ありな感じで、竜崎がビシッと成敗するだろうと思うと期待が大きくなってちょっとにやけてしまうほどでした。結局、私が思うようなズバッと切り捨てるようなことはなく、それはそれで良い解決方法だったと思えました。
そしてまたしても問題を起こす息子。まあ問題を起こすというかなんというか・・心配をかけまくった感じですが、娘も巻き込んで、こちらもドタバタ状態。彼はまた竜崎の足を引っ張るのか?と心配になりました。
奥さんはあまり登場せず、竜崎にかっこいい一言をかけることもなかったのは残念でした。次回はもっと出てほしいです。
文庫化までまだまだ日がありそうです・・・首を長くして待つことにします。
<隠蔽捜査>
「隠蔽捜査」
「果断」
「疑心」
「初陣」
「転迷」
「宰領」
「自覚」
「去就」
「棲月」
「清明」
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