2024年02月16日

今野敏「天を測る」

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 今野敏 著
 「天を測る」
 (講談社文庫)


安政七年(1860年)。笠間藩士・小野友五郎はサンフランシスコを目指す咸臨丸の船上にあった。船酔いで船室に籠もる艦長・勝海舟を尻目に、その正確な測量術はアメリカ人船員を感嘆させる。帰国後、幕臣となった小野は、回天の動乱の中で抗議とこの国のために働き続ける。知られざる幕末の英雄を描く。−裏表紙より−


大好きな作家さんですが、時代小説は初読みです。苦手な(というか嫌いな)幕末時代の話ですけど、この作家さんならば楽しめるかな?と読んでみました。


時代小説でも今野敏節は健在! 中間管理職的な立場の人が主役で、部下のことを信頼し、任せる所は任せて、もし失敗したら責任を取る。上司に対しても臆することなく自分の信念は伝える。こんな上司がいたら仕事が楽しいだろうなと思える人。

そんな主人公・小野友五郎は、測量術に秀でている武士。測量技術を使ってアメリカまで航海することになります。何度も航海している熟練のアメリカ人たちと同じ船に乗り測量技術を競い合いながらの旅。アメリカ人とも良い関係が築けるのもさすがです。

航海部分を長く描くのかと思えばそうではなく、この航海は思ったよりも短い展開で終わります。帰国後、一つの藩の武士だった彼は幕臣となり、大きな出世を遂げます。その出世さえも特に喜ぶこともなく、ただ自分のやりたいこと、この国をよくすることさえ出来ればどんな立場でも受けるという考えです。

時代が大きく変わる時なので、戦にかり出されることもあり、国内で争っている場合では無いのに、と思いながらも粛々と自分に与えられた職務を全うしていきます。

時代が変化しても揺るぎない信念があるので、心乱れることもなく生きていく小野の姿はある意味あっぱれでした。


この物語で面白いのは、現代で崇められている存在の坂本龍馬や勝海舟などが大したことない奴のように描かれていること。これを読んだら、彼らよりも小野友五郎の方が活躍しているし、後世に語り継ぐべき人物じゃないの?と思います。

今野敏が描いていなければもっと頼りない感じの人物になるのか? ちょっと他の作家さんが描く小野友五郎も読んでみたい気がします(幕末苦手なので読まないでしょうけど)。


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2023年10月19日

今野敏「暮鐘」

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 今野敏 著
 「暮鐘」東京湾臨海署安積班
 (ハルキ文庫)


またしてもストーカー殺人事件が起きた。東報新聞は、被害者から相談を受けていたにも拘わらず、今回も事件を防げなかった警察を非難した。皆懸命に取り込んでいるものの、すべての事件を未然に防ぐことは難しい。悩んだ末に安積が出した答えとは・・。(「防犯」より)本当に守るべきものは何なのか?臨海署メンバーの熱く真っ直ぐな眼差しが心に刺さる、傑作短編集。−裏表紙より−


「公務」「暮鐘」「別館」「確保」「大物」「予断」「部長」「防犯」「予告」「実戦」が収録されています。全て漢字2文字で並んでいてスッキリ。

それぞれの感想を書くのは大変なのでいくつか。


一話目の「公務
働き方改革とかで、残業がしにくくなっている世の中。警察署にも残業を減らせ!命令が出ました。そんなこと出来るわけない、きっと本気で言ったわけではないだろう、建前だろうと考えた安積は今まで通りの働き方をしていました。すると上司に呼び出され叱責されることに。

警察で働く人の中でも事務員ならまだしも、刑事だと残業するなは無理でしょ?と思います。事件が起きて捜査本部が出来ようものなら徹夜もするというのに、今更残業を減らすなんて無理なことを。この理不尽な命令に安積はどうやって立ち向かうのか!

うまく落としどころを見つけて解決していく安積はさすがです。


大物
普段はあまり目立たない存在ともいえる、桜井がメインとなる話です。

安積班の中で一番若手というのもあり、ちょっと何考えているのかわからないイメージでもありましたが、この話を読むと、良い奴じゃん!って感心しました。村雨の教育も良いのでしょうが、うまく周りをたてながら、きちんと事件を解決させていく所はかっこよかったです。

桜井について何も知らないことについて悩む安積の姿も面白かったです。でもこれくらい何も知らない方がうまくいくのかもしれません。


予断
飲みの席での推理ゲームという感じです。かなりひっかけ感もある話ですが、だからこそ「予断」という題名にもなっているわけで。重くなくて軽い内容でクスリと笑える感じではありますが、意外と教訓があって面白いです。


実戦
桜井に続いて陰のうすい、黒木がメインの話です。

一緒に組んでいる須田が少し太ってドタバタする印象なのに対し、黒木はスマートでシュッとした印象。須田がおしゃべりしているのをひたすらうなずいて聞くだけの彼。でもこの話ではなかなかカッコいい一面を見せてくれました。

能力を周りに知らせずコッソリ秘めている所が彼らしいです。



こんな感じで、日ごろスポットの当たらない人物にもクローズアップして描いてくれているこの作品集。

安積班シリーズのファンは必読の一冊です。ファンでなくても、ここから読み始めてシリーズを追ってみるのも楽しそうです。


<安積班シリーズ>
「二重標的」
「虚構の殺人者」
「硝子の殺人者」
「警視庁神南署」
「神南署安積班」
「残照」
「陽炎」
「最前線」
「半夏生」
「花水木」
「夕暴雨」
「烈日」
「晩夏」
「捜査組曲」
「潮流」
「道標」
「炎天夢」


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2023年10月03日

今野敏「パラレル」

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 今野敏 著
 「パラレル」
 (中公文庫)


横浜、池袋、下高井戸−。非行少年が次々に殺された。いずれの反抗も瞬時に行われ、被害者は三人組でかつ外傷は全く見られないという共通点が。一体誰が何のために?おなじみ碓氷部長刑事も広域捜査の本部にかり出された!警察、伝奇、武道、アクション・・。今野敏がこれまで書き続けたジャンルを融合した、珠玉のエンターテインメント、待望の新装改版。−裏表紙より−


シリーズ3作目。今度は半年後くらいに読めたので、碓氷についても覚えていましたが、あまり覚えておく必要はないかも?というくらい影が薄かった・・。

登場するのは比較的早めでしたが、ほぼ活躍せずでした。

2作目までは、捜査本部の考えに逆らうこともあり、自分の考えを貫くカッコいい刑事という印象でしたが、今回はただただ周りに振り回されてアタフタしているだけに見えました。上層部に振り回されているわけではないのだけが救いかもしれません。


このシリーズは、今までも現実と離れたような珍しい感じの警察物でしたが、この3作目は特にそれが強くて、霊的な物や怨念的な物が出てきて、色んな意味で非現実的でした。悪い気に支配されているとか、悪が蝕んでいるというような目に見えない状況が多く、頭の中に「?」マークが浮かびまくりでした。

この作家さんは元々そういうジャンルの話も書かれますし、武術的なことも書かれるので、自分の得意なジャンルを全部詰め込んでみた!的な雰囲気でした。

書いていて楽しかっただろうな、とは思いますが、私的にはちょっとお腹いっぱいな感じです。


<警視庁捜査一課・碓氷弘一>
「触発」
「アキハバラ」


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2023年06月30日

今野敏「任侠シネマ」

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 今野敏 著
 「任侠シネマ」
 (中公文庫)


「誠司、映画は好きか?」阿岐本組は、組長の器量と人望で生き残ってきた、昔ながらのヤクザ。そんな組長・阿岐本雄蔵の元に次々と持ちかけられる一風変わった相談に、代貸の日村誠司はいつも振り回されていた。今度は潰れかけている映画館を救え!?厳しい業界事情もさることながら、存続を願う「ファンの会」へ嫌がらせをしている輩の存在が浮上し・・・。大好評「任侠」シリーズ第五弾!−裏表紙より−


今回の立て直し案件は、映画館。映画館か〜、確かに長い間行っていないな、としみじみ。最後に見たのは何だろう? もしかして「アナ雪2」かもしれません。だとすると、2019年ですから約4年前です。自分でもびっくりするほど前ですね。

そういえば、コロナ感染拡大してからは行っていないです。マスクをしながら映画を見た記憶がありません。 本当は映画館で見るのも好きなんですが、なかなか見たい映画がなくて。そろそろ行きたいものです。

恋愛系、ホラー系は絶対に見ませんし、邦画もあまり好きではありません。邦画だとアニメかな?それ以外は好きな役者さんが出ていないと見ません。そうなると見たい映画がない。困ったものです。


阿岐本組に立て直ししてほしいと持ち込まれた映画館に、組長と共に映画を見に行った日村。映画館で映画を見た覚えがないという珍しい人ですが、映画館で見ることが気に入ったようです。ヤクザさんらしく任侠映画で、すっかり映画の世界にはまり込んだようです。

これまで立て直しといえば、基本的な掃除をして常にお客に気持ち良く過ごしてもらうことを徹底してきた組長ですが、今回は事情が違いました。映画館自体には何の問題もなかったのです。心地よく過ごせますし、建物自体も問題がない。

ということは、なぜこの映画館をつぶそうとしているのか? なぜ立て直しの依頼がきたのか? 様々な疑問がわいてきます。

組長がどんな方法で立て直したのか? というか、立て直しとは違いますが、どうやって問題を解決したのか?は読んでのお楽しみ。

日村の気苦労は組長に振り回されることよりも、警察との問題の方が多かったようです。阿岐本組のように、抗争とは無縁の団体だったら良いのですが、抗争が多い団体がいるせいで、生き辛くなっています。良い人ばかりなんですけどね〜。こればかりは仕方ないのかもしれません。

それにしても、彼らの収入源は何だろう?変なことが気になってしまいました。

次はどの業界に手を出すのかな?今から楽しみです。


<とせいシリーズ>
「とせい」
「任侠学園」
「任侠病院」
「任侠浴場」


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2023年05月12日

今野敏「クローズアップ」

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 今野敏 著
 「クローズアップ」
 (集英社文庫)


週刊誌の記者が何者かに殺された。偶然その場に居合わせた報道番組「ニュースイレブン」記者の布施は事件直後の現場撮影に成功、翌日のニュースで映像が流される。一方、継続捜査を受け持つ捜査一課の黒田はある暴力団の組員が殺害された事件を追う中で、記者殺害との奇妙な符号に気付く。しかし、二つの事件を繋ぐカギは踏み込んではならない聖域だったー。大人気”スクープ”シリーズ第3弾。−裏表紙より−


前作を読んだのが2015年ということは8年くらい前。当然、細かい部分は忘れてしまっています。
とはいえ、布施のことは覚えていますし、性格や立場なども覚えてはいました。それさえ覚えていれば大丈夫でした。


今回は、週刊誌の記者が殺害された事件。偶然近くにいたという布施が、事件発覚直後の現場の映像を撮影しました。それを担当しているニュース番組で流すことになるのですが、その映像を撮影したのが布施だということで、周りが色々な推測をしては問い詰めに来ます。

もしかしたら、被害者の記者を追っていたのではないか?加害者のことを知っているのではないか?何か目撃したのでは?などなど。嗅覚が優れている布施だからこその憶測ですが、聞かれる度に「偶然だ」と言い続けます。実際にそうだったようですが、偶然とはいえスクープ映像が撮れてしまうのが彼らしいです。


週刊誌の記者というと色んなゴシップ記事も書くので、多方面から恨まれているだろうと思われ、捜査は難航します。少しずつ事件が解明されていくとどうやら簡単に解決しそうにない展開になっていきます。

何だか大掛かりで大物の匂いもしてきますし、数年前の殺人事件との絡みまで見えてきました。


ニュース番組を作っているテレビ局のトップからの圧力と、刑事からの協力依頼。たくさんの思惑が重なっていきますが、相変わらず飄々とマイペースに動く布施の姿がある意味頼もしくもありました。


既に5作目も文庫化されているこのシリーズ。早く残り1冊を読まなければ!


<スクープシリーズ>
「スクープ」
「ヘッドライン」


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2023年03月07日

今野敏「アキハバラ 警視庁捜査一課・碓氷弘一」

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 今野敏 著
 「アキハバラ 警視庁捜査一課・碓氷弘一」
 (中公文庫)


大学入学のため上京したパソコン・オタクの六郷史郎は、憧れの街・秋葉原に向かった。だが彼が街に足を踏み入れると、店で万引き扱い、さらにヤクザに睨まれてしまう。パニックに陥った史郎は、思わず逃げ出したが、その瞬間、すべての歯車が狂い始めた。爆破予告、銃撃戦、警視庁とマフィア、中近東のスパイまでが入り乱れ、アキハバラが暴走する!−裏表紙より−


碓氷弘一シリーズの2作目です。とはいえ、1作目を読んだのは2017年なので、5年くらい前!? 覚えているわけないですが、それでも新たな気持ちで楽しく読めました。改めて1作目の感想を読んでみると「碓氷の人格がまだわからない」と書いていますが、2作目を読んでもわかりません。今回も半分くらいまで登場しませんからね・・。

このシリーズは警察内部、外部を問わず色んなスペシャリストと碓氷がどう協力して事件を解決するか?ということのようです。

今回の舞台は秋葉原。と言っても関西人の私にはピンときません。とりあえず「オタクの聖地」という言葉と、電気屋さんが多いイメージがあります。メイドカフェとか地下アイドルのようなイメージもあるかな?それ以外は特に何の印象もありません。

この話に登場する史郎はパソコンオタクなので、彼にとっては憧れの街になるようです。上京して初めて秋葉原に行った所、どんどん事件に巻き込まれていきます。万引きしたと疑われ、店でもめているうちにヤクザにも睨まれ、逃げだしたら当然追われるはめに。

逃げ込んだ先がまた悪かった・・・。別のグループによる窃盗爆破予告が出されてしまいます。ここまで悪い方に転がることあるんだろうか?と呆れるくらいゴロゴロと悪い方へ。

ストーカーにも間違われ、銃撃まで始まり、命がけの一日になってしまいました。かなり不幸な人だと可哀そうになりました。

碓氷の活躍で解決するわけですが、彼だけではなく外国のスパイまで巻き込んで(というか事件の発端でもある人たちですが)日本の警察では何ともし難い大事件になりました。

「日本人は平和ボケしている」とよくバカにするように言われますが、平和ボケしているのはある意味幸せなことな気がします。銃声がしてサッとしゃがむ人は日常的に銃声が聞こえる所で生活しているわけで、即座に対応できないと命が危ないのはわかりますが、そういう状況にならない日本はやはり良いなと思わされます。

でも、秋葉原という場所は怖いイメージになってしまったので、なるべく近づきたくないと思ってしまいました。本当は賑やかで楽しい場所なのでしょうが、私の脳内では路地裏のような暗い場所がイメージされてしまいました。


このシリーズもまだまだ出ているので、早く追わないと忘れる〜!


<警視庁捜査一課・碓氷弘一>
「触発」


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2022年10月18日

今野敏「焦眉 警視庁強行犯係・樋口顕」

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 今野敏 著
 「焦眉 警視庁強行犯係・樋口顕」
 (幻冬舎文庫)


都内で起きた刺殺事件の捜査本部に現れた東京地検特捜部の検事、灰谷。一方的に情報提供を求めたうえ、自身が内偵中の野党議員の秘書を犯人と決めつけ、身柄を拘束する。警視庁捜査一課の樋口は証拠不十分を主張。だが、灰谷が逮捕に踏み切って・・。常に謙虚で同僚や家族も尊重する等身大の刑事が、巨大機構の狭間で己の信念を貫く傑作警察小説。−裏表紙より−


細かい部分を忘れてしまったので、いつか再読して感想を書く予定です。


<警視庁強行犯係・樋口顕シリーズ>
「リオ」
「朱夏」
「ビート」
「廉恥」


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2022年09月08日

今野敏「清明 隠蔽捜査8」

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 今野敏 著
 「清明 隠蔽捜査8」
 (新潮文庫)


大森署署長として功績を挙げた竜崎伸也は、神奈川県警に刑事部長として招かれた。着任後まもなく、東京都との境で他殺体が発見され、警視庁との合同捜査に。被害者が中国人で、公安が関心を寄せたため、事案は複雑な様相を呈してゆく。指揮を執りつつ、解決の鍵を求めて横浜中華街に赴く竜崎。彼は大規模県警本部で新たな重責を担うことができるのか―。隠蔽捜査シリーズ第二章、ここに開幕。−裏表紙より−


前作で異動となった竜崎。慣れ親しんだ大森署を離れ、今作から神奈川県警の刑事部長になりました。

大森署の面々が出てこなくなるのは本当に残念ですが、神奈川県警は大きな署なので、面白い人材もいそうで楽しみでもあります。


異動になって、やり方の違いに戸惑いながらも仕事を始めていたら、さっそく殺人事件が発生し、警視庁との合同捜査本部が出来ることになりました。

警視庁といえば、竜崎の同期・伊丹の登場です。これは面白いことになるぞ〜とワクワクしたのですが、こちらはそこまでの大きな問題には発展せず。伊丹が何だか丸くなったような??


今回の目玉は、やはり奥さんの冴子さん。少し不便な所に官舎があるので車が運転で来た方が良いだろうと、ペーパードライバー講習を受けることにしたのですが、自動車学校でちょっとした事故を起こしてしまいます。

事故を起こしたということで警察が対応するわけですが、教官が隣りに座っていたのにも関わらず、全て冴子さんの責任のように言われ、納得がいかなかった奥さんは竜崎に電話してきました。

普段は「家のことは私がやるから、あなたは国を救ってきなさい」と強いことを言う彼女ですが、さすがに今回は警察官僚である夫を頼る気になったようです。

でも実際に竜崎が来て口出しをすると「そこまでやらなくていい」とやはり強い女性に戻っていました。


冴子ともめていたのは自動車学校の所長で、元県警という人で、変にプライドがあるのか、竜崎を相手にして怯むどころか、どちらかというと逆に意固地になって反撃してくる状態になり、ややこしくなった・・と思っていたら、さすが竜崎、うまく相手を誘導して仲間に引き入れてしまいます。

その辺りが一番爽快だったかもしれません。

事件についてはあまり印象に残らない感じでした。他のシリーズも読んでしまったので混ざってしまうくらいの薄さでした。でも竜崎がいなかったらこんなにスムーズには解決していなかったかもしれません。

しかし、あの国はやはり色々あるのかな?現実でもこんな感じなんだろうか?とますます不安になりました。


今回だけでは神奈川県警の中身がわからなかったので、今後どんな改革をしていくのか、どんな部下たちが出て来るのか次からのお楽しみになりました。

早く文庫化されないかな。


<隠蔽捜査>
「隠蔽捜査」
「果断」
「疑心」
「初陣」
「転迷」
「宰領」
「自覚」
「去就」
「棲月」


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2022年08月09日

今野敏「機捜235」

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 今野敏 著
 「機捜235」
 (光文社文庫)


渋谷署に分駐所を置く警視庁第二機動捜査隊所属の高丸。公務中に負傷した同僚にかわり、高丸の相棒として新たに着任したのは、白髪頭で風采のあがらない定年間際の男・縞長だった。しょぼくれた相棒に心の中で意気消沈する高丸だが、実は、そんな縞長が以前にいた部署は捜査共助課見当たり捜査班、独特の能力と実力を求められる専門家集団だった・・・。−裏表紙より−


また新しいシリーズに手を出してしまった・・・。しかも面白かったから追わないといけない!

たくさんのシリーズを読んでいる作家さんですが、同じ警察小説でもそれぞれ雰囲気が違っていて混乱せずに読めるのがすごいです。

「安積班シリーズ」「隠蔽捜査」「樋口顕シリーズ」「トカゲシリーズ」「STシリーズ」などなど、警察小説だけでもまだあったと思います。これでも控えめにしているつもりなんですけど、また増えてしまいました。


こちらの作品は、題名の通り機動捜査隊の話です。機動捜査隊といえば、現場に一番に駆けつけて初動捜査を行う部署。現場を見て保存し、近所の聞き込みを行って、捜査一課などの専門部署がやって来たら報告して終了。

交番のおまわりさんとの違いがよくわかりませんが、受け持ちの範囲が広くて、些細な事件とか揉め事には出動しない感じが違うと認識しています。


そんな機動捜査隊に所属する高丸が主人公となり話は進んでいきます。年齢の近い相棒とずっと行動してきたのですが、相棒がけがをしたため、別の人と組むことになります。やって来たのは定年間際の縞長という男。

機動捜査隊は犯人と遭遇することも多いため、体力のある若手が担当することがほとんど。それなのに中年男性がやって来たので驚きます。まだまだ手柄を上げて出世したいと思っている高丸にとって面倒な相手です。


いざ一緒に巡回に出ると意外な才能をもっていることが判明します。縞長が以前いたのが捜査共助課見当たり捜査班という部署だったのです。その部署は、指名手配を受けているたくさんの容疑者の写真や年齢などを頭にインプットしておき、いつでも見たら気づくように訓練されています。

警察車両を流している間に何人かの指名手配犯に気づく縞長。それを聞いて半信半疑ながら声を掛けて逮捕する高丸。始めは2人の間に壁がありましたが、お互いに能力を認め合い、最後の方には良い関係が出来上がっていました。


今までの警察小説とはまた違うタイプの小説で、これはまた今後が楽しみになりました。

長く続くシリーズになってもらいたいものです。追いかけるのが大変ですけど・・。


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2022年02月15日

今野敏「キンモクセイ」

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 今野敏 著
 「キンモクセイ」
 (朝日文庫)


法務官僚殺害の容疑者として、アメリカ人の殺し屋の可能性が浮上。警察庁警備局警備企画課のキャリア・隼瀬順平へ、専任チームでの対処を上司から命じられるが・・。「キンモクセイ」とは何か?誰が味方で敵なのか?警察インテリジェンス小説の傑作。−裏表紙より−


インテリジェンスか〜。確かに小難しい内容でした。なので、細かい所は理解出来ていたか疑問ではありますが、エンタメ性もあったので最後まで飽きずに読めました。

アメリカ人の殺し屋なんてものが出てくる時点で、これはスピード感のある小説だろうと予想できますね。そんな予想をしていたら、意外と殺し屋に狙われるようなことはありませんからちょっと肩透かし状態になります。

でも、誰が味方で誰が敵なのか、どうしてこんな展開になってしまうのか、など疑問が次々と出てきて、主人公と一緒に逃げ回っているような気持ちになりました。

謎の言葉「キンモクセイ」も気になりますし。


読み終わってみたら、何でそんなことで殺し屋なんかが出て来るのか理解できませんし、そこまで重要な秘密なのか?と思ってしまいました。

国家機密というにはあまりにもお粗末というか、そんなこと国民は何となく起きるんじゃないかと感じているし、今更殺人を犯してまで隠すことだろうか?と思います。

実行するとなったら確かに国民には知られたくないでしょうが、まだまだ計画の始めの段階で、もしバレてもいくらでも言い訳が出来そうなのに、事を大きくしてどうする?という感じでした。

そう思うのは、私の理解力が低いせいかもしれませんが。


ものすごく盛り上げた割には、最終的にあっさり終わってしまった感じもあり、そこも残念でした。必死で逃げ回っていたのは何だったんだ?

最後にもう一度どんでん返しが欲しかったです。


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2022年01月20日

今野敏「継続捜査ゼミ2 エムエス」

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 今野敏 著
 「継続捜査ゼミ2 エムエス」
 (講談社文庫)


警察学校校長を最後に退官した後、女子大教授となった小早川は未解決事件を取り上げる「継続捜査ゼミ」を主宰する。5人のゼミ生が次のテーマを「冤罪事件」に決めるなか、学園祭でのミスコン反対運動を推進する女子学生・高樹晶と小早川が議論を交わした後、高樹がキャンパスで襲撃された。傷害容疑で任意同行を求められる小早川。疑いが晴れない教授のため、ゼミ生たちが推理と行動を始める! 女子大を舞台にした人気シリーズ最高潮!!−裏表紙より−


シリーズ2作目は、継続捜査のことよりも、小早川が傷害事件の容疑者になったことを重点的に描いています。

学園祭が近づく大学。学生たちも準備に忙しく、空気も浮足立っている感じです。でも小早川のゼミ生たちは意外と変化がなく、いつも通りに生活しているようです。


学園祭の目玉となるのが「ミスコン」です。ミスコンなんて今もあるんだと思っていたら、やはり反対派がいるようで、ビラを配ったり演説したりして活発に動いていました。

小早川は「別にやっても良いんじゃない?」というスタンスだったので、反対派を先導する学生と議論をすることになりました。お互いに意見をぶつけ合った後、その日だけでは決着がつかなかったため、お互いの言い分を改めて考えるということで一旦別れました。

その後すぐに、その学生が何者かに襲われ、病院に搬送される事件が起きます。当然、直前に被害者と一緒にいた小早川が疑われます。事件に気づいて首を突っ込んでしまったせいもあるのですが、何を言っても容疑が晴れないどころか、小早川の言動が全て裏目に出てしまい。疑いが濃くなる事態でした。

表立って動けない小早川に代わり、ゼミ生たちが色々と調査を始めます。


ゼミの内容は冤罪事件を取り上げていました。ただ、そちらはあっさり終わりました。でもあっさりではありましたが、腹が立つ展開で、これはもう少し深く調べて欲しかった気はします。


小早川の件は、警察の動き方が気になりました。とりあえず誰も亡くなっていないわけで、ここまで真剣に捜査するものなのか?と思いましたし、何よりも自分の立場だけでここまで偏った捜査の仕方をするものなのか?と疑問でした。

現実世界ではもっと公平な見方をしてもらいたいものです。きっと実際にはこんなことはないと信じたいです。


<継続捜査ゼミ>
「継続捜査ゼミ」


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2021年08月30日

今野敏「炎天夢」

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 今野敏 著
 「炎天夢」東京湾臨海署安積班
 (ハルキ文庫)


東京湾臨海署管内で強盗事件が発生。強行犯第一係は、交機隊小隊長・速水の協力を得て、夜明けを待ち家宅捜索を開始、犯人の身柄を確保した。しかし、続けざまに無線が流れ、江東マリーナで死体が浮かんだという。被害者はグラビアアイドルの立原彩花と判明。近くのプレジャーボートで被害者のものと思われるサンダルが見つかった。ボートの持ち主は、立原が愛人との噂がある芸能界の実力者だというが……。芸能界を取り巻くしがらみに、安積班が立ち向かう! ドラマ化常連の大人気シリーズ待望の文庫化。−裏表紙より−


前作は短編でしたが、今作はまた長編に戻りました。お陰で読みごたえ十分です。ただ、長編になると事件も大きくなり、捜査本部が出来るせいで安積班がバラバラに動くのが残念です。

それぞれ本庁の人間と組んで捜査に当たりますが、それはそれで活躍はしているようです。でもやはりメンバー同士の絡みが読めた方が個人的には嬉しいのですが・・。

捜査本部になると、人数が増える分、活躍の場所が少ない気がします。須田は相変わらず鋭い観察力で安積だけではなく、捜査本部でも意見が採用されがちですし、村雨はいざという時に安積の良い相談相手になってくれますが、それ以外のメンバーが目立たない。そこがどうしても残念です。


今回の事件の被害者はグラビアアイドル。でもそこまで有名ではなく詳しい人は知っているという程度の人物でした。グラビアアイドルが殺されたということよりも、彼女が芸能界の大手事務所の所長の愛人ではないか?ということの方が大きな問題となりました。愛人との仲がこじれて殺害したのではないか?という容疑がかかったわけです。

まあ当然考える動機ですよね。相手が業界の大物ということで、安積警部補が事情聴取に訪れます。高圧的な態度をとる人が多い警察官ですが、彼はとても紳士的に対応するので、容疑者も比較的素直に話してくれることが多いようです。業界の大物と聞いたらかなり怖そうなイメージになりますが、聞き出すのがうまい安積係長のお陰で好印象になりました。


このシリーズの醍醐味である、警察内の人間関係の問題ももちろんしっかりと描かれています。今回は捜査本部内での色々な人間関係でした。捜査を指揮する人物の思惑や立場、そして安積係長の捜査本部内での立ち振る舞いなど、読み応えのある内容でした。

表面だけ見ていたらきっと彼は自信満々で意見を変えない真っすぐな警察官だと思うのでしょうが、内側では色々悩んでいたり、ものすごく周りに人間の思惑などを考慮して発言していたりする、迷いも多い人だとわかります。そこが人間臭くて好きな所です。


シリーズはまだまだ続きそうです。今度はまた安積班だけの話も読みたいです。


<安積班シリーズ>
「二重標的」
「虚構の殺人者」
「硝子の殺人者」
「警視庁神南署」
「神南署安積班」
「残照」
「陽炎」
「最前線」
「半夏生」
「花水木」
「夕暴雨」
「烈日」
「晩夏」
「捜査組曲」
「潮流」
「道標」


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2021年03月29日

今野敏「任侠浴場」

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 今野敏 著
 「任侠浴場」
 (中公文庫)


日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、小さいながらも人情味溢れる昔ながらのヤクザ。人望の篤い親分・阿岐本雄蔵の元には一風変わった経営再建の相談が次々持ちかけられる。今度の舞台は古びた銭湯!? 乗り気な組員たちの一方、不安でいっぱいの日村。こんな時代にどうやって・・。そして阿岐本組は銭湯の勉強と福利厚生(?)を兼ねてなぜか道後温泉へ―。大好評「任侠」シリーズ第四弾!−裏表紙より−


出版社、学校、病院に続いて、今回は銭湯。なるほど、思いつかなかったですが、納得の業界です。

親戚筋に当たる同業者から持ち込まれた銭湯の立て直し。明らかに胡散臭い話なのに、妙に乗り気な組長。それを見て胃が痛くなる代貸・日村。いつもの構図です。このシリーズのファンとしては「お!始まった始まった!」と嬉しくなってしまうのですが、日村は大変です。

銭湯を立て直すにあたり、組長は温泉旅行に行くことを決定します。組員もみんな連れて行こうという計画。立て直しのヒントを捜すのと、日ごろの疲れをいやす目的でした。

いつもの日村を知っている人からすれば、彼がどんな行動をするのかは想像できます。組長も当然そう思うわけで、日村を休ませるためにある行動に出ます。お陰でゆっくり出来たわけですが。

温泉慰安旅行先でのトラブルの場面もなかなか笑えました。組長、お茶目すぎです。


あるヒントを得て、銭湯の立て直しを始めたのですが、今回もものすごく基本的な所をもう一度見つめ直すという方法がとられました。組員たちも手伝いたくて仕方ない様子を見せ、普通の人なら面倒くさがるような作業も真面目に真剣にこなしていきます。

彼らの働きを見て、自分の仕事を見つめ直す銭湯の主人たち。

といういつもの展開です。


こんなに何でもうまくいくかな?という展開もいつも通りですが、このシリーズはこれが定番で、これが一番心地いいので最高の読書時間になりました。

やっぱり好きだな〜このシリーズ。


次は何を立て直すだろう?? 経営が苦しい業界、たくさんありますから、どんどん立て直していってもらいたいです。


<とせいシリーズ>
「とせい」
「任侠学園」
「任侠病院」


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2020年12月24日

今野敏「連写 TOKAGE3特殊遊撃捜査隊」

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 今野敏 著
 「連写 TOKAGE3特殊遊撃捜査隊」
 (朝日文庫)


国道246号沿いでバイクを利用した強盗が連続発生、警視庁の覆面捜査チーム「トカゲ」に出動命令がくだる。IT捜査専門の捜査支援分析センターも動員され、「黒ずくめのライダー」を捜すが、なぜか糸口が見つからない・・。犯人はどこへ消えたのか?−裏表紙より−


シリーズ第3弾です。前作を読んだのは2012年ですから、約8年前!? 覚えていないわけだ・・。このシリーズは始めから読まなくても大丈夫なので何とかなりました。

TOKAGEというバイクに乗った捜査チームの話で、バイクに乗るのが得意な警察官たちによって構成されています。とはいえ、交通機動隊とは別部隊で、普段は刑事として事件の捜査をしていて、バイクの機動力が必要な事件が発生したら、チームが集められるという部署です。

あまり表立って活動しないので、誰がメンバーなのかも秘密です(とはいえ内部の人間にはわかっています)し、制服があるわけではありません。

そんなTOKAGEチームが集められて今回捜査するのは、バイクを利用した強盗事件。

バイクに乗ってやって来て、ライダースーツの状態でコンビニ強盗を起こして、警察がやって来る前にバイクで逃走するという犯人。どうやら複数人いる様子だということで、チームもバイクで走りながら捜査します。

奇しくも強盗と同じスタイルで聞き込みにやってくるメンバーに、被害者も驚きますし、周りの人たちもおびえてしまう状況。彼らが聞き込みした方が色々細かい部分が聞けて良いということはわかるのですが、それにしても効率が悪い気がしてしまいます。


この強盗にはバイクならではの特徴があり、そのことに早く気づけたのはバイク乗りならではなのかもしれません。そして、犯人の狙いが他にありそうだということになり、警戒を強めていきます。


3作目でやっとTOKAGEチームの特徴が生かせた内容になっていました。今まではもっと活躍してほしい!と不満だったのですが。


ただ、時々はさまれる、新聞記者のゴタゴタは要らなかったな〜と。もっとチームだけの話で良かった気がします。

題名の「連写」というのは、チームメンバーの上野の能力のことで、バイクを走らせながら何気なく見ている景色を頭の中でカメラのシャッターを切るようにしながら自然と記憶出来るのです。だからこそ気づける事件解決の糸口がありました。上野くん、成長していますよ!


次作も楽しみにしています。


<TOKAGEシリーズ>
「TOKAGE 特殊遊撃捜査隊」
「天網」



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2020年10月06日

今野敏「棲月 隠蔽捜査7」

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 今野敏 著
 「棲月 隠蔽捜査7」
 (新潮文庫)


鉄道のシステムがダウン。都市銀行も同様の状況に陥る。社会インフラを揺るがす事態に事件の影を感じた竜崎は、独断で署員を動かした。続いて、非行少年の暴行殺害事件が発生する。二件の解決のために指揮を執る中、同期の伊丹刑事部長から自身の異動の噂があると聞いた彼の心は揺れ動く。見え隠れする謎めいた“敵”。組織内部の軋轢。警視庁第二方面大森署署長、竜崎伸也、最後の事件。−裏表紙より−


いよいよ大森署での最後の事件となった竜崎。変人、堅物の竜崎もさすがに大森署を去るのは寂しいようで、読者としても寂しい限りです、部下たちはよくこんな人について行ったものです。でも、正論を言ってくれるし、意見がコロコロ変わることも無いし、基本的に部下に任せてくれるのですから、まあ信頼しても当然ではあります。

きっと、次の署長に戸惑うだろうとは思いますが。


最後の事件は、竜崎の方から飛び込んでいった形になりました。鉄道と銀行が同じようにシステムダウンしたと聞いて、誰に指示されたわけでもなく自ら部下たちを動かして捜査を始めてしまいます。

普通の署長ならあり得ない話です。自分から仕事を増やすようなことをするなんて・・。

でも、警察の人ならこうあるべきだとは思います。


ただの故障であればいいと思っていたのですが、当然そうではなく・・・。伝説的ハッカーまで登場して事件は複雑化していきます。


竜崎個人としては、息子が留学したいと言い出したことでまた混乱するはめに。無駄な留学をさせる気はないので、本人を含め色んな人からの意見を聞きつつ、最終的には妻の冴子に任せつつ、これも良い具合に落ち着きそうです。


次はまた別の場所での捜査が始まります。大森署の人たちとの別れは寂しかったですが、また新たにどんな人たちと会えるのか、どんな敵にぶつかっていくのか、色々楽しみなことも増えました。

早く文庫化してほしい!!


<隠蔽捜査>
「隠蔽捜査」
「果断」
「疑心」
「初陣」
「転迷」
「宰領」
「自覚」

「去就」



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2020年08月20日

今野敏「道標」

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 今野敏 著
 「道標」東京湾臨海署安積班
 (ハルキ文庫)


東京湾臨海署刑事課強行犯第一係、通称「安積班」。そのハンチョウである係長・安積剛志警部補の歩んできた人生とは? 警察学校や交番勤務時代、刑事課配属から現在の強行犯第一係長に至るまで、安積剛志という一人の男の歴史をたどる短篇集。安積班おなじみのメンバー、村雨、須田、水野、黒木、桜井、そして安積の同期、交通機動隊小隊長・速水の若かりし頃や、鑑識・石倉との最初の出会いなど「安積班」ファンにも見逃せない一冊がここに誕生!−裏表紙より−


大好きなシリーズです。

しかも今回は、お気に入りの安積係長にスポットを当てた作品ということで、終始微笑みながら読みました。外では我慢しましたけど・・。


1編は今野敏さんのエッセー集に収録されていて既読でしたけど、他は初なので楽しめました。

警察学校時代の若かりし安積さんから始まり、交番勤務をしていた頃、刑事新人時代、そして強行班の係長になるまでのそれぞれの活躍が読めました。

安積係長本人の視点よりも、周りの人から見た班長が描かれているので、より一層かっこよさが際立つ!

昔から冷静沈着で、でも正義感が強くて熱い人。私の想像通りの安積係長がいました。


部下たちもそれぞれ思いはあるのでしょうが、係長を尊敬して信頼しているので、とてもまとまっています。

今度は係長以外の人たちにもスポットを当てて、どんな刑事人生を歩んで今の彼らがあるのか?も知りたいと思いました。


でもとりあえず、今度はじっくりと重い長編で事件の捜査を読みたいですが。


<安積班シリーズ>
「二重標的」
「虚構の殺人者」
「硝子の殺人者」
「警視庁神南署」
「神南署安積班」
「残照」
「陽炎」
「最前線」
「半夏生」
「花水木」
「夕暴雨」
「烈日」
「晩夏」
「捜査組曲」
「潮流」


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2019年12月18日

今野敏「流行作家は伊達じゃない」

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 今野敏 著
 「流行作家は伊達じゃない」
 (ハルキ文庫)


流行作家・今野敏はどう生きてきたのか―。北海道の信号のない町に生まれて五十八年。漫画家に憧れていた少年は、いつの日か詩を書き始め、ジャズと空手に出会い、そして作家への道を歩んだ。初恋の淡い思い出。高校での寮生活や大学進学での上京物語。就職したレコード会社での苦労話など・・著者の軌跡を綴った自伝エッセイ。東京湾臨海署シリーズでおなじみ、安積&速水の警察学校での青春の日々を描いた、特別書き下ろし短編「初任教養」も収録。作家生活三十五周年記念!ファン待望の一冊。−裏表紙より−


読んだという記録のために書きます。

エッセイというか、作家さんの自伝にあまり興味がないので、書下ろし短編だけ読みました。

安積係長は、学生時代から冷静沈着で、中年のようですし、速水は熱い男でした。2人の変わらない人柄が読めて面白かったです。


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2019年04月02日

今野敏「去就 隠蔽捜査6」

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 今野敏 著
 「去就 隠蔽捜査6」
 (新潮文庫)


大森署管内で女性が姿を消した。その後、交際相手とみられる男が殺害される。容疑者はストーカーで猟銃所持の可能性が高く、大正女性を連れて逃走しているという。指揮を執る署長・竜崎伸也は的確な指示を出し、謎を解明してゆく。だが、ノンキャリアの弓削方面本部長が何かと横槍を入れてくる。やがて竜崎のある命令が警視庁内で問われる事態に。捜査と組織を描き切る、警察小説の最高峰。−裏表紙より−


久しぶりの隠蔽捜査。前回は冴子さんがあまり出て来ず寂しかったのですが、今回はたくさん出てくれました。大きなテーマとして“ストーカー”というのがあり、女性の連れ去り事件が発生して捜査することになるのですが、それ以外に竜崎の娘と恋人の関係もおかしくなっていて、それを解決することになるのです。 娘も大変ですが、お陰で冴子さんがまたいい味を出しくれたのはファンとして嬉しい限りです。よくこんな変人の堅物と暮らしていけるな〜と毎回感心します。


今回も竜崎の大森署管内で事件が発生し、捜査本部が作られます。そうなると同期の伊丹刑事部長も登場し、彼とのやりとりにもニヤニヤさせられます。

そして、今回竜崎の足を引っ張るのは方面本部長の弓削。彼はノンキャリアなので竜崎の方がちょっと上のような、でも本当は弓削の方が立場は上で、ややこしい関係性です。こういう人って変にプライドが高いから大変です。ひがみ根性もあるせいで、竜崎が言う正論にいちいち引っ掛かってしまいます。

そんな彼と現場での指揮をめぐって争いに・・。どう見ても竜崎が正しいと思うのですが、やはり縦社会の厳しい警察ですから、命令系統が破られるとうるさいんですよね。正しいことをしたはずの竜崎の立場が危ぶまれます。


最後はとても気になる終わり方。もしかして竜崎は元に戻るのか? それは嬉しいような、でも出来れば彼には現場にいてもらいたいような複雑な心境になりました。

続きが気になるので、早く文庫化してほしい!!


<隠蔽捜査>
「隠蔽捜査」
「果断」
「疑心」
「初陣」
「転迷」
「宰領」
「自覚」



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2019年03月18日

今野敏「継続捜査ゼミ」

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 今野敏 著
 「継続捜査ゼミ」
 (講談社文庫)


元刑事、警察学校校長を最後に退官した小早川の再就職先は三宿女子大学。「刑事政策演習ゼミ」、別名「継続捜査ゼミ」を担当し、5人の女子大生と挑む課題は、公訴時効廃止後の未解決の殺人等重要事案。逃走経路すらわからない15年前の老夫婦殺人事件だった。警察小説の名手が贈る、新たなる捜査が始まる!−裏表紙より−


大好きな作家さんなので、何でも読みたくなるのですが、シリーズが多すぎて追うのが大変で新シリーズに手を出すのをためらっていました。でも、面白かったので読んで良かったです。それに、ちょっと他のシリーズとは雰囲気が違うので混同しなくて良さそう。一応、これも警察小説になるのかな?


元・刑事で、最後は警察学校の校長をやってから退官した小早川が、再就職したのは女子大の准教授。そこで担当している「継続捜査ゼミ」が話の中心となります。ゼミ生は5人。彼女らと共にゼミの課題として、過去の事件を推理し、捜査します。

何て面白そうなゼミ! 大学でこんなゼミがあったらぜひ参加したい!


小早川は元刑事なので、コネを使って実際にお蔵入りした事件の資料を借り出して題材にします。これって大丈夫?と心配になってしまうほど詳しく後輩たちから聞き出し、細かいことまで知った上で捜査出来るので、本当に羨ましい!

素人がする捜査ですから、簡単に解決できないはずですが、「5人寄れば文殊の知恵」的なことと、ビギナーズラックのような感じで解決。まあこれは現実にはあり得ないでしょうけど。


事件の捜査も面白かったですし、ゼミ生のことも小早川や彼らを手伝う現職の刑事たちのことも気に入ったので、次も文庫化を待って読むつもりです。

しかし、また新たなシリーズにはまってしまったな・・・・・。


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2018年05月17日

今野敏「マル暴 甘糟」

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 今野敏 著
 「マル暴 甘糟」
 (実業之日本社文庫)


甘糟達夫は「俺のこと、なめないでよね」が口ぐせのマル暴刑事だ。ある夜、多嘉原連合の構成員が撲殺されたという知らせが入る。コワモテの先輩・群原虎蔵と捜査に加わる甘糟だが、いきなり組事務所に連行されて―!? 警察史上、もっとも気弱な刑事の活躍に笑って泣ける<マル暴>シリーズ第一弾!<任侠>シリーズの阿岐本組の面々も登場!−裏表紙より−


この作家さんはシリーズが多いので、なかなか追いつきません。やっと新たなシリーズを読んでみました。

今回の主人公は、マル暴の刑事。得意の任侠ものですね。

マル暴刑事というと、どちらが暴力団関係者かわからないような風貌をしているイメージですが、この甘糟は細身で優しい顔をしている珍しい刑事です。

なので、よくヤクザさんたちからなめられてしまい、口ぐせが「俺のことなめないでよね」という何とも可愛らしい言葉。

真面目に真摯にヤクザさんたちとも向き合うので(本人に自覚無しですが)、意外と信頼されていて、よくスカウトされるという面白い人。

先輩刑事や、捜査本部の他の部署の刑事たちにも気を使って、ヤクザさんたちには精一杯気を張って、日々「向いてないな」と思いながら刑事を続けています。

あらすじでは「気弱」な刑事となっていますが、気弱ではなく真面目という感じです。芯がしっかりしているので、ブレないのが魅力です。

事件は二転三転しながらも、マル暴たちがうまくコントロールして穏便に解決させていきます。


彼の活躍は今後も楽しみです。また文庫化したら読もうかな?


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