先日、演劇集団キャラメルボックス2012スプリングツアーA「容疑者]の献身」を見て来ました。
この公演は再演で、私は初演も見ました。初演は3年前になるそうです。なのでブログでは初登場です。東野圭吾さん原作の有名な作品ですね。映画化もされましたから、ご存知の方も多いでしょう。
高校の数学教師・石神哲哉は、ある夜、不審な物音を聞く。アパートの隣室に住む花岡靖子の部屋で何か起きたらしい。石神は靖子の部屋のドアをノックする・・・。 隅田川の河川敷で男の死体が発見される。捜査に乗り出す警視庁捜査一課刑事・草薙俊平。やがて、捜査線上に、被害者の元妻・花岡靖子が浮かび上がる。草薙は大学時代の友人で、帝都大学理学部物理学科の准教授・湯川学に協力を求める。湯川は靖子の隣室に住む男の名前を聞いて、顔色を変える。石神哲哉。それは湯川の大学時代の友人、そして、湯川が出会った中で最高の頭脳を持つ男だった・・・。キャラメルボックスHPより
私は原作を読んだことがありません(シリーズの2作目までは読みましたが)。初演を見たときに読もうか?とも思ったのですが、あまりにも悲しい結末に読むのを躊躇していました。そのまま今も読まずにいます。
キャラメルボックスでは湯川学を演じるのは、劇団員の岡田達也さん。私の中では映画やドラマで演じていたあの俳優さんよりも、彼のイメージの方が合うと思っていて、今回も違和感無く見ることができました。
石神は、元劇団員の近江谷太朗さん。初演とは違いますし、石神のイメージと合うか心配だったのですが、舞台に背中を丸めて登場した瞬間「あ〜、大丈夫だ」と思ったんですよね。うだつの上がらない、でも生真面目で優しい性格の石神にぴったり。普段ならふざけた役が多い近江谷さんですが、今回はギャグを封印して、最後まで真面目に地味に演じられていました。最後のシーンでは思わずもらい泣きしてしまったくらい・・。
客演の方は他に、川原和久さん、西牟田恵さん、小林正寛さんの3人が出演されました。小林さんは初めて生で見ましたが、すごく大きくて、存在感のある役者さんだなと。草薙刑事に合っていたと思います。他のお二人も素敵でした。
今回の舞台には「盆」という回るセットがあります。それをくるくる回すことで、湯川の研究室になったり、石神と花岡のアパートになったり、ホームレスの溜まり場、警察の取調室、弁当屋・・と次々場面が変わります。盆を回すのも、小道具を出し入れするのも全て、舞台に出ている役者たちの仕事。誰か1人でも小道具を所定の位置に戻し忘れたり、出し忘れたりしたら大きく狂ってしまうような、複雑な動き。すごく大変だろうな・・と感心してしまいました。
でも、役者がさり気なく動かすことで、普通のお芝居のように暗転したり、幕を下ろしたりして、気分が途切れることなく見続けられるんだと思います。
息が詰まりそうな複雑で、悲しい展開の内容で、暗くなりがちなお芝居ですが、途中、休憩するかのように笑える場面が作ってあります。川原さん演じる間宮が率いる刑事たちがあの手この手で客たちを笑わせようとがんばります。きっとアドリブなんだろうな・・と思うような場面です。みんな爆笑していました。
笑いもあり、最後には思わず涙する、とても面白い舞台になっています。結末が悲しいので、何ともやりきれない思いで劇場を出ることになるのですが・・。
この公演は明日の昼公演まで、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティでやっています。今日の夜公演にかなり空きがあるようです。良ければ見てみて下さい。その後、北千住のシアター1010で15(金)・16(土)に公演があります。詳しくは
こちらでどうぞ
↓ ランキングに参加中 お帰りの際にポチッ×2と押して行って下さると嬉しいです。

お芝居の中で、湯川がしきりにインスタントコーヒーを飲んでいます。原作でもいつも飲んでいますね。それを見ているとコーヒーが飲みたくなるんですよね。で、公演後ロビーに出るとポットとインスタントコーヒーが置いてあるではありませんか!サービスかと思えば「100円で販売しております!ご自分で入れて下さい」と・・

いつも感心するんですが、この劇団は商魂たくましい!!何でも商売にする所がすごいです