菊地秀行著「魔性馬車」
吸血鬼ハンターD21
(朝日文庫)
このシリーズは私が高校生くらいの頃に出会い(誰かから借りたのがきっかけだったような・・)、それからずっと読んでいます。気づけばもう21作目。
捕らえられた貴族(吸血鬼)の下僕を護送する女治安官たちは、馬車で飛行場まで向かった。下僕を助けようとする貴族の攻撃や、招待不明の下僕という不安を抱えながら、馬車の同乗者と共に無事にたどり着けるのか・・。そんな一行が出会ったDも馬車に同乗し、共に旅をする。
きっとこんなあらすじを読んでも、このシリーズを読んだことのない人にはさっぱり意味不明でしょうから、少し説明します。
未来の地球の話。吸血鬼に支配される時期がしばらく続き、人間はほとんど犠牲になっていた。ところがある日突然、不老不死であるはずの吸血鬼が滅びてしまった。原因は不明。やっと人間の世界が築ける・・と思っていたが、生き残った一部の吸血鬼や吸血鬼の作り出した機械や怪物たちに怯える日々が待っていた。
吸血鬼(バンパイア)ハンターというのは、文字通り吸血鬼を狩る職業の人です。生き残っている吸血鬼や怪物を倒して報酬をもらうわけです。Dはハンターの中でも超一流で、名前を聞いただけで恐れられる存在です。
Dは、吸血鬼と人間の間に生まれたハーフ(ダンピールと呼んでいます)。唯一の成功例と言われる最強のハンターという設定です。しかも恐ろしいくらいの美形。Dの容姿に対する表現は毎回色々な言葉で表現されています。例えば「月さえも恥らうような」とか「この世ならぬ者」とか。一目見ると男女問わず溶けそうになるほどの美形なんです。ただ、忌み嫌われている吸血鬼の血が流れているので、人間からは嫌われてしまう運命なんです


Dには出生の秘密があり、素性も明らかにはされていません(ヒントはたくさんありますが)。それが明らかにされたらこのシリーズは終わりになるんでしょうが、まだまだみたいです。
今回は、かなり長い間Dが出てきませんでした・・


アクションがほとんどなので、かなり想像力が必要です。誰が何をやったからこうなったのか・・??というのが時々わからなくなって混乱することも

人との関わりを極力避けるDが感情移入して助けようとする人(実直で素朴で一生懸命な感じの人が多いかな?)がいつもなら出てくるのですが、今回はそれもなし。かなりアッサリした関係で終わってしまいました・・

何だか物足りない気がしました

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