
畠中恵 著
「けさくしゃ」
(新潮文庫)
腕っぷしは弱いが、見た目は役者と見紛うばかりのいい男。柳亭種彦は二百俵取りの御殿様で、暇を持て余す趣味人だ。その読み手を楽しませる才能を見込んだ版元の山青堂は、彼の戯作で一山当てようと目論む。渋々ながらも書き始めた種彦。すぐに戯作の虜になるが、世に出した作品がその身を危うくする・・。実在した流行作家の若き姿と、本を愛おしむ仲間たちとの痛快な活躍を描く。
−裏表紙より−
この作家さんは、「しゃばけ」は好きなのですが、それ以外はどうも気が合わないんですよね。
この作品も最終話までは読んだのですが、どうも入り込めず、好きになれず、最終話を残して挫折しました。
無役の旗本という気軽な武士である柳亭種彦。働かなくても良いのですから気楽な物です。そんな彼は物語を作ることがうまく、飲みの席などでみんなに話して聞かせることがよくあり、それがなかなかの評判でした。
そこに目を付けた版元の山青堂。一山当てようとして種彦を「けさくしゃ」に仕立てようとします。
設定はなかなか面白いです。イヤイヤながらも、でも暇だし・・という感じで何となく乗せられて話を作っていく種彦。彼が話を作ることで、周りで起こる様々な問題や事件なども解決していきます。
1話目が一番面白かったかも。2話目以降は種彦が作家をやりたくないとか山青堂の儲けがどうとか、武士としてどうだとかそういうことが出てきて、そこをぐちぐちとしつこく言うのが気に入りませんでした。
その部分を読んで、種彦さんかわいい!と思えたら良かったのでしょうけど。
ずっと1話目のようにサラッと話を作って語って聞かせ、それを本にして・・と繰り返してくれたらよかったんですけどね。
ネットでの感想を読むとなかなか評価が高いので、私には合わなかっただけだとは思います。
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