2017年11月02日

レイ・ペリー「ガイコツと探偵をする方法」

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 レイ・ペリー 著
  木下淳子 訳
 「ガイコツと探偵をする方法」
 (創元推理文庫)


大学講師の職を得て、高校生の娘を連れ故郷へ戻ってきたジョージアは、親友のシド(世にも不思議な、歩いて喋る骸骨だ!)と再会した。人間だったときの記憶のない彼が、見覚えのある人物と遭遇したのをきっかけに、二人はシドの“前世”を調べはじめる。だが、その過程でできたての死体を発見、殺人事件も背負いこむことに。たっぷり笑えてちょっぴり泣ける、ミステリ新シリーズ。
―裏表紙より―


気になる題名だったので、「本が好き!」で献本申し込みしました。

題名を見たときは、骨格標本が家にあって、それに話しかけながら事件を解決していく探偵の話かと思ったら、あらすじを読んでびっくり! “歩いて喋る骸骨”だなんて!

ますます興味がわきました。


今回のメインになるのは、歩いて喋る骸骨のシドの前世(?)を調べること。これって、普通はシリーズ最終巻にやりそうなことですが、このシリーズでは1作目からやるそうな・・。

これがまたなかなか大変な調査になってしまい、何度も立ち止まることになります。何せ彼が生前のことをほぼ覚えていないのですから。しかも別の殺人事件にも巻き込まれて大変な事態に。

まあこの殺人事件は何ともつまらない動機だったんですけど。アメリカ人で、しかも大学で研究をしていたら理解できる動機なのかもしれませんが、日本人の私には全く理解できず。

そんなことどうでもいいやん!って思ってしまいました。それで人まで殺すか!?・・よくわかりません。


それにしても、シドは謎めいた存在としていた方が良いんじゃないの?と心配になったのですが、よく考えたら彼が生前どんな人物でどんな名前だったとしても、謎めいた存在であることは変わらないんですよね。だから1作目に彼のことがわかっても大丈夫なんです。

彼と、彼の友人、家族として幼いころから一緒にいるジョージアとの関係も良い感じです。お互いを思いやって生活しているのが素敵です。骸骨と過ごす毎日って想像出来ませんけど。

しかも、ジョージアには「ニヤッと笑った」とか怒ったとか、表情の無い彼の感情がわかるんです。これまた素敵ですし、笑えるポイント。

彼の過去がわかったとき、そして、彼がジョージア家族と新たに歩んで行こうと決めたとき、ちょっとホロリともさせられました。

登場人物たちのことも気に入りましたし、彼とジョージアたち家族が今後どんな生活をして生きていくのかも楽しみになったので、シリーズを追いかけようと思います。

本国では3作目まで書かれているとか。訳されて発売されるのを気長に待ちます。


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2017年08月25日

ジュリア・バックレイ「そのお鍋、押収します!」

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 ジュリア・バックレイ 著
  上條ひろみ 訳
 「そのお鍋、押収します!」秘密のお料理代行1
 (コージーブックス)


昼間は両親の不動産業を手伝う普通のOL。そんなライラにはもうひとつ別の顔があった。それは秘密のお料理代行。ちょっと訳ありの依頼人―料理下手なのを隠したい、高齢で料理できなくなったことを家族に内緒にしたい―さまざまな事情を持つお客さんのもとに、美味しい料理を作ってこっそり届けるのだ。ところがある日、いつもどおり秘密の注文を受けて作ったチリコンカンがイベントで振る舞われると、最初に口にした女性が死亡してしまった。何者かが鍋に毒を混入したらしい。ライラはその料理を作ったのが自分だとすぐに警察に話そうとするものの、依頼人は秘密を明かすことを許してくれない。そのせいでライラはとんでもない窮地に追いやられてしまい!?―裏表紙より―


初めましての作家さんです。新たなシリーズに出会いたくて読んでみました。

主人公・ライラは、料理代行という実際にあるのかわからない仕事をしています。この仕事、なかなか面白いです。確かに料理下手よりも料理上手な方が魅力的に感じてもらえますから、恋人や知人たちに言い格好をしたくて頼んでくる人は多そうです。

パーティー好きなアメリカですしね。ちょっとしたホームパーティーをするにも、教会でのパーティーにもとにかく料理は必要なわけで、作れない人は誰かに作ってもらいたいと思うでしょう。

ケータリング業者はいますが、それだったら手作り感は出ませんから、「自分で作ったのよ」と言いたい人にはぴったりです。


そんな面白い仕事をしているライラが依頼されて作った料理を食べた女性が突然苦しみ出して亡くなってしまいます。当然、ライラが疑われるところなのですが、秘密の仕事なので、依頼人が「自分が作った」と言い張ってしまいます。

疑われても秘密を明かさない依頼人の根性はある意味あっぱれですが、「人が死んでるのに!?」と呆れる気持ちにもなりました。料理上手と思ってもらうことがそんなに大事か?

そのお陰でライラは捜査上にも浮かばないわけですが、秘密にしたせいで最後に悲しいことにつながるので、良かったかどうかは微妙です。


事件の内容や人間模様はどうでもいい感じですが、ライラが飼っている犬のミックは最高に可愛いですし、料理代行という仕事も面白いですし、ライラの家族も良い人たちなので、続きも読んで行こうと思います。

気になる出来事もありましたし。

もう発売されているので早めに手に入れることにします。


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2017年05月17日

ロバート・クレイス「容疑者」

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 ロバート・クレイス 著
  高橋恭美子 訳
 「容疑者」
 (創元推理文庫)


ロス市警の刑事スコットは相棒とパトロール中、銃撃事件に遭遇する。銃弾はふたりを襲い、相棒は死亡、スコットも重傷を負った。事件から九カ月半、犯人はいまだに捕まっていない。警備中隊へ配属となったスコットはそこで新たな相棒―スコットと同様に、大切な相棒を失ったシェパード、マギー―に出会った。アメリカ探偵作家クラブの生涯功労賞を受賞した著者の大作登場。―裏表紙より―


初めましての作家さんです。

何だか久しぶりの海外小説で、相変わらず物覚えの悪い私らしく、登場人物一覧を指で挟みつつ読みました。


いきなり、シェパード・マギーが相棒を失う場面から始まります。マギーの視点と気持ちが描かれているので、読んでいて心が痛くなってしまいました・・。

心と身体に傷を負ったマギーがどうなったのか?と次の章に進むと、今度は刑事2人がパトロールしている場面に。どうやらこの2人はカップルなのかな?と思っている間に銃撃戦が始まってしまい、女性警官が亡くなってしまいます。

生き残ったスコットも重傷を負い、恋人も失ってしまった心の傷を抱えてしまいます。

そしてスコットとマギーが出会うんだね?・・と読み進めてみても、なかなか出会わず、そこまでがちょっと読みにくい感じでした。早く出会わないと、スコットが壊れてしまいそう・・と思ったらやっと出会いが。

同じように大事な相棒を失くした者同士、とはいえ、片方は動物ですからそう簡単には仲良くなれるはずもなく。

更にスコットは元々動物に慣れていたわけでもないので、時間がかかってしまいます。

教官の教えを忠実に守りつつ、時間をかけてゆっくりとマギーとの関係を深めていくスコット。

2人がどんどん心を通わせていく様子は、とても穏やかで幸せな気持ちにさせられました。とはいえ、殺人事件の捜査という重いテーマが背後にあるのでそこまでほのぼのできたわけではないですが。

どうやって2人が事件を解決していくのか、どんな活躍を見せてくれるのかを楽しみにしながら読み進めているうちに終わってしまった、という感じでした。


どうやら続編も発売されるそうで、スコットとマギーの関係が今後どんな風に深くなっていくのか、楽しみになりました。


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2015年10月07日

アリ・ブラントン「書店猫ハムレットの跳躍」

書店猫ハムレット

 アリ・ブラントン 著
  越智睦 訳
 「書店猫ハムレットの跳躍」
 (創元推理文庫)


ニューヨーク、ブルックリンの書店を大叔母から相続した、三十代半のダーラ。堂々と書棚を徘徊し、緑色の目で冷たく客を睥睨する黒猫ハムレットが店のマスコットだ。ある日、ダーラは近所の工事現場で常連客の死体を発見してしまう。その脇には動物の足跡が。最近、夜に外を出歩いているらしいハムレットのものなのか? 名探偵猫ハムレット登場の、コージー・ミステリ第一弾。―裏表紙より―


新たなコージーシリーズに出会いたくて、「本が好き」で献本申し込みしました。


書店と黒猫。私の好きな2つがミックスされるなんて!ワクワクしながら読み始めました。

でも、途中で何度か引っかかりが。初めての話のはずなのに“ご存知の通り”的な記述が出てくるんです。もしかして2作目なのか?とあとがきを見ても“本邦初紹介”とありますし、裏表紙にも“第一弾”とあります。訳し方の問題か?と再び読み進めてみたのですが、やはり引っかかりが。改めてあとがきをじっくり読んでみると、本邦初紹介ではありますが、シリーズとしては2作目だとか。

なるほど納得です。ハムレットの魅力が2作目(本作)の方がよく出ているからという理由だそうですが、やはり順番に読まないとつじつまが合わない所や、登場人物たちの性格や人生などが把握しきれない部分が多くて、しっくりいきません。

2作目から訳すのであれば、それなりに文章に説明が必要になるでしょうが、それも出来ないから頭に“?マーク”が浮かんだままになる所がありました。


でもやっぱり、黒猫はかわいいです。黒猫は愛想がいいことが多いと思っているのですが、このハムレットは猫らしくツン!としたクールな性格。それが書店にぴったりなんですよね。あまり客にくっついてくるような猫だったら書店には向かない気がします。本を選んでいるときに、サラッとそばを通過する猫。最高のシチュエーションです!


物語は、ダーラが従業員を探す所から始まります。普通に面接して、人柄や経歴で決めるわけにはいかないのが、ダーラの悩み。面接で好印象でも、ハムレットが嫌いだったら不採用。そこが簡単そうで難しいのです。

今回の面接でハムレットが気に入ったのは、若い男性。彼はダーラと何やら問題があったようなのですが、そこはクリアできたようです。この部分も1作目を読まないとわからないのかもしれません。


コージーらしく、動機はわからなくても犯人は何となくわかりますし、主人公が特に調べを進めて犯人に近づいているわけでもないのに、ボロを出すパターン。ただ、このシリーズでは黒猫・ハムレットが犯人のヒントをいくつか与えてくれますから、それを元に推理すれば良いわけです。主人公は解けなかったのですが。


主人公・ダーラがどうも好きになれなかったのですが、書店員の2人や、元刑事で探偵をやっているジェイクや、刑事のリースなどは魅力的だったので、また続きも読んでみようと思います。次に訳されるのは、3作目らしく、1作目はいつ読めるのか?不安ではありますが。


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2015年02月03日

パトリック・デウィット「シスターズ・ブラザーズ」

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 パトリック・デウィット 著
  茂木健 訳
 「シスターズ・ブラザーズ」
 (創元推理文庫)


粗野で狡い兄・チャーリー。普段は優しいが、キレると大変なことになる弟・イーライ。悪名とどろく凄腕の殺し屋シスターズ兄弟は、雇い主の“提督”に命じられ、ある山師を消しにサンフランシスコへと旅立つ。ゴールドラッシュに沸く狂乱のアメリカ西海岸で、兄弟は何に出遭い、何を得て、そして何か失うのか? 世界の読者に衝撃を与えたブラッディ&ブラックな傑作、文庫化!−裏表紙より―


本屋さんで平積みされているのを見て興味を持ち、「本が好き!」で献本申し込みしました。


まず表紙のインパクトにやられました。銃を構えている2人の姿と見せかけて、実は背後に髑髏! よくできた表紙ですよね。内容にもぴったり合っています。

古い時代の西部劇的な話で、馬に乗って旅をしたり、銃で決闘したりするような内容になっています。凄腕の殺し屋、シスターズブラザーズという兄弟の物語で、弟・イーライが語る方法で話が進められていきます。

そのせいで、弟が兄のことをどう思っているかはよくわかるのですが、兄・チャーリーが弟のことをどう思っているのかはわからないままでした。とりあえず「かわいい奴め!」的な感情をもっているのはわかりますけど。

この2人が雇い主である“提督”に命令された仕事(もちろん暗殺)をこなすために、サンフランシスコまで旅をするその道中から描かれています。旅の間にもさまざまな人物と出会い、次々と殺害し(!)事件を巻き起こしていく兄弟。

やたらと人は死ぬし、すぐにキレるし、読んでいて顔をしかめたくなる描写も多いのですが、なぜかこの2人は憎めないんですよね・・。

イーライに至っては、実は良い奴なんじゃないか?と思ってしまうほどでした。まあ実際にはサラッと人を殺せる奴なんですけどね。でも兄のチャーリーよりは人間味はありました。


この旅で兄弟が何を感じて何を手に入れて、何を失うのか?がテーマになっていて、最後には良い物を(再び)手に入れることができたので、救われました。

彼らのその後の人生を読みたいと思いましたが、冷静に考えてみるとこれで終わって良かったような気もします。この先の人生はきっと物語にするほどにもない平凡で平和な、ある意味とても幸せな人生になるはずですから。


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2015年01月09日

ピエール・ルメートル「その女アレックス」

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 ピエール・ルメートル 著
  橘明美 訳
 「その女アレックス」
 (文春文庫)


お前が死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが・・・しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理小説作家協会賞受賞作。−裏表紙より―


初めましての作家さんです。

ネットで評判が良かったので読むことにしました。とても面白かったのですが、ページ数の多さと字の細かさに時間がかかってしまいました。

続きはかなり気になって、自分的には次々読んだつもりだったのですが・・。


感想を書こうと思っても、この作品は難しいです。何を書いてもネタばれになる気がします。

読み終わったら、この題名に納得させられます。始めは、誘拐監禁の被害者の名前を題名に付けるとは・・・と疑問に思っていましたし、結構早い段階で容疑者が判明した上に、犯人が死亡するという事態になり、残りのページは何に使ってるんだ!?と思っていたら、驚きの展開が待っていました。

あらすじにあるように「ここまでは序章にすぎない」のです。大逆転かどうかはともかく、帯にあるように「予想が全て裏切られる」かどうかもともかく、正しくアレックスの物語であって、他の人たちは脇役にすぎません。

ただ、脇役ではあっても、警察側の人間たちは個性的で魅力的でした。最愛の妻を殺害された傷心の警部・カミーユを始め、部下の凸凹コンビも素敵でした。彼らの活躍する話は他にもあるようです。


とても面白いミステリーで、ラストまで衝撃の展開があって、お勧めです!とみんなに宣伝したい所なのですが、アレックスの人生があまりにも壮絶すぎて、事件の内容がエグすぎて、大きな声では勧めにくい感じがします。

なので、エグイのが比較的大丈夫な方、海外ものが大丈夫な方は読んでみて下さい・・ということにします。


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先日、久しぶりに本屋さんに行ったら、この本が平積みですごい宣伝されていました。何やらタイトルを6つもとったそうですね〜。そうか・・これをそこまで推すなんてすごいな〜!


2014年09月10日

ローナ・バレット「本を隠すなら本の中に」

本を隠すなら本の中に

 ローナ・バレット 著
  大友香奈子 訳
 「本を隠すなら本の中に」本の町の殺人3
 (創元推理文庫)


「いますぐわたしの家から出ていって!」大学時代のルームメイト、パミーが家に転がり込んで二週間、家を占領するだけでなく、書店で客に迷惑をかけるにいたって、ついにトリシアの堪忍袋の緒が切れた。なのに追い出したその日のうちに、隣の書店の店主でトリシアの姉が、彼女を雇ってしまったのだ。そのパミーが店の裏で殺された。古書と専門書の町、読書家の聖地ストーナムで起こる事件を描く、ライトミステリ。アガサ賞候補作。−裏表紙より―


面白そうだったので、「本が好き!」で献本申し込みしました。

シリーズの第3作目から読んだので、いきなり主人公・トリシアがパミーという友人を追い出すところから始まり、その展開に驚いてしまいました。

たぶん、前作にも登場し、色々と迷惑をかけていたのでしょうが、登場してすぐに追い出されてしかも殺されてしまったパミーに同情する暇もありませんでした。

事件の調査をするときに聞こえてくる話によると、どうやらパミーは良い人とは言え無さそう。彼女はフリーガンだった!という事実が判明するのですが、フリーガンって何?と思ってしまいました。どうやらゴミ箱を漁って、ごみの中から賞味期限切れの食品や使えそうな食器や電化製品などを拾ってきて生活する人たちのことのようです。

調べた所、Freegansと綴るそうです。自由とか無料という意味の「free」と菜食主義者の「vegan」を合わせた言葉のようです。フーリガンではないんですよ。

一瞬、ホームレス的なことかな?と思ったのですが、家はあって仕事もあって、でもごみを減らしたいとか、生活費を減らすためとか色々な思想をもって、ごみを漁っているそうです。

パミーは同じフリーガンからも疎まれていたようで、彼女の貪欲さが気に食わないと思う人も多かったわけです。彼女の新たな一面を見せられて戸惑うトリシア。容疑者も多くてなかなか解決できそうにもありません。

そのうち、トリシアにも脅迫めいた電話がかかってきて・・・。


今までの2作では警察関係者と険悪なムードだったようですが、今回は新たな警察官が事件を捜査していて、トリシアはちょっと恋をしそうな雰囲気です。この2人の関係もこれから楽しめそうです。

トリシアを含め、彼女の姉や恋人、従業員など、面白そうな人物がたくさん登場していたのですが、やはり3作目から読んでもキャラクターが把握できませんでした。

これは、1作目から読むべきでしょう! 何しろ、ミステリー専門店や料理本専門店など、本屋さんがたくさんある小さな町の物語なんですから、楽しいことが次々起こりそうで読みたくなってしまいますよね。

次は1作目に戻って読み始めることにします。


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2014年08月21日

リース・ボウエン「貧乏お嬢さま、メイドになる」

パイは小さな秘密を運ぶ

 リース・ボウエン 著
  古川奈々子 訳
 「貧乏お嬢さま、メイドになる」
 (コージーブックス)


20世紀初頭のスコットランド。英国王族でありながら、侯爵令嬢ジョージーの暮らしは貴族とは名ばかりの貧乏生活。凍えそうな古城でこのまま一生を終えるのかしら? ところがある日、最悪の縁談を耳にしてしまったジョージーは、思わずロンドンへ逃げ出すことに。そこで生活のためにはじめた仕事は、なんとメイド!王族にあるまじき行動が王妃さまの耳に入らないことを祈りつつ、慣れない掃除に悪戦苦闘する毎日。でも、メイドから見た貴族の生活は意外に面白いかも!?そう思いはじめた矢先、仕事帰りの彼女を待ち受けていたのは、浴槽に浮かぶ死体! 初めての仕事に殺人事件まで・・・ジョージーのロンドン生活は一筋縄ではいかず!?−裏表紙より―


はじめましての作家さんです。シリーズ1作目ということで、始めの方はほとんど主人公の人生やとりまく環境の説明で終わってしまっていました。


主人公・ジョージーは、王族ということですが、王妃からはかなり遠い親戚ということで、先祖代々の由緒ある家柄の割にはお金がありません。なのに、広いお城に住んでいてそのお城も維持しなければならず、中身は驚くほど貧乏です。

貧乏なくせに体面は保たないといけない・・まるで、昔の日本の武士のようです。

王位継承順位もかなり下の方となれば、女性の生きる道は結婚しかありません。いかにお金持ちで由緒正しき家柄の男性と巡り合うか、が重要な課題になっています。

でもジョージーは家柄よりも人柄を大事にしたいタイプなので、嫌な縁談から逃げ出すために家を出ました。ロンドンで一人暮らし!少しは掃除などの家事が出来るので、それを仕事に活かそうとメイドになる決意をします。

ただ、メイドといっても日本で言う“家政婦”とは違い、お掃除係って感じです。しかも、田舎からロンドンの別宅に久しぶりに出てくるお金持ちを相手に、ロンドンに来る前に家を掃除しておくという何とも楽そうな仕事。ジョージーも電話で「はたきをかけてシーツをかけておきます」としか言いません。

それだけで大金をもらえるなんて羨ましい・・。まあ確かに広い家にはたきをかけるわけですから、それなりに時間はかかるかもしれませんけど。

なんてことを思いながら読み進めているとやっと事件が起きます。題名から想像すると「家政婦は見た」的な感じで事件に巻き込まれるんだろうと思っていたのですが、主人公の自宅に死体が!という展開でした。これからやっと推理が始まるわけね?と思ったのに、さすがコージーだけあって、特に何もしないまま事件は解決。

ということで、謎解き部分は物足りない感じでしたが、舞台設定とジョージーのことも気に入ったので、続きも読んでいこうと思います。2作目以降は、説明も減って多少ドタバタ劇も増えるかな??


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2014年07月09日

アラン・ブラッドリー「パイは小さな秘密を運ぶ」

パイは小さな秘密を運ぶ

 アラン・ブラッドリー 著
  古賀弥生 訳
 「パイは小さな秘密を運ぶ」少女探偵フレーヴィア・シリーズ
 (創元推理文庫)


11歳のあたしは、イギリスの片田舎で、化学実験に熱中する日々をすごしてる。ある日、何者かがコシギの死体をキッチンの戸口に置いていき、父が尋常ではない恐れを見せた。そして翌日の早朝、あたしは畑で赤毛の男の死に立ち会ってしまう。男は前日の晩に、父と書斎で口論していた相手だった……。活溌な少女の活躍を温かくのびやかな筆致で描く、CWAデビュー・ダガー受賞作。


初めましての作家さんです。ネットで感想を読んで面白そうだったので楽しみにしていました。

イギリスの田舎を舞台に巻き起こる殺人事件。それを解決しようと立ち上がるのは、11歳の少女! フレーヴィアという名前の天才少女の視点で話は進んで行きます。

彼女は、何よりも化学が大好きで、何でも科学的に物事を考えようとしています。特に毒薬関係は大好きなので、気に入らないことを言ってくる姉にもこっそり毒薬を仕込みます。・・とはいえ、殺そうとしているわけではありません。口紅に混ぜて、唇を腫れさせてやろう!というまだまだかわいらしい(かどうかは微妙ですが)ことを考えているのです。年頃の娘にとっては、唇が腫れるだけでも大事ですけどね・・。

フレーヴィアが死体の第一発見者となってしまい、父親に容疑がかかったので「自分が解決しなければ!」と力が入った彼女は、色々な仮説を立てては、自らの足で聞き込みをして、また別の仮説を立てて・・と大活躍します。

ただ、やはりまだ子どものすることなので、読んでいてハラハラさせられることも多いです。どこに犯人がひそんでいるかわからないのに、自分の推理だけを頼りに突き進んでいく彼女の様子は心配させられました。

まあ、あまり鮮やかに解決!というわけにはいきませんが、彼女のがんばりによって解決したといっても良いかも知れません。


色々細かく書かれているようで、意外と人物像がつかめない人も多かったので、続きも読んでいきたいと思います。


最後に訳者による解説を読んでびっくりしました。この作家さんはなんとデビューが70歳だったそうで、そんな年齢の人が少女探偵を主人公にするなんてすごいですよね。

また、イギリスが舞台なのに、カナダの人だとか。イギリスには行ったことが無いそうです。色々驚かされる作品でした。


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2014年06月04日

S・J・ボルトン「緋の収穫祭」

緋の収穫祭

 S・J・ボルトン 著
  法村里絵 訳
 「緋の収穫祭」
 (創元推理文庫)


「血の収穫祭」と呼ばれる伝統的な儀式が残る英国の小さな町。ある日、教会の墓地の塀が崩れて、そばにあった幼い少女の墓が壊れてしまう。だが墓からは、そこに眠っているはずのない二人の子供の遺体までもが発見された。少し前まで土には埋められていなかったようで、頭蓋骨には酷い損傷があった。この地でかつて何があったのか? 血塗られた町の秘密を暴く戦慄のミステリ!−裏表紙より−


初めましての作家さんです。面白そうだったので、「本が好き!」で献本になっていたので申し込んでみました。


読み終わるまでかなり時間がかかってしまいました・・。ページ数が多いということもありますが、私の苦手なホラー要素が多くて読み進めにくかったのも原因になっています。

ホラーは、結末を読んでスッキリさせた方が良いのですが、先に結末を読むのは自分の流儀に反する!・・だからがんばって地道に読み進めるしかないのに、進まなかったんですよね。



「血の収穫祭」という伝統儀式がある小さな町が舞台になっています。この儀式は、簡単に言うと家畜を解体して、冬支度をすることなのですが、血が大量に流れますし、家畜たちの叫び声もこだまして、近所には住んでいられないくらいです。

その儀式が行われる場所の近くに引っ越した来た一家が、この物語の主軸を担います。中でも長男で10歳になるトムが、様々な体験をして、精神科にかからなければならないくらいの状態になってしまうのですが、彼は長男らしく弟と小さな妹を必死で守っています。


あらすじにはすぐに教会の塀が崩れて遺体が発見されたようになっていますが、この事件が起こるまで半分くらい読み進めないといけません。そこまでが特にホラー的で怖かったです。

真相がわかれば納得できるのですが、殺人事件の動機については、それまでのホラー要素以上にゾッとさせられました。狂わされてしまった犯人に同情したくなる部分もありますが、大半は「だからといって、なぜあの子を殺すんだ!」と怒りの気持ちになりました。

何とも後味の悪い結末でした・・。


夜のシーンが多いせいか、ずっと暗い画面が続く感じもあり、住んでいる人たちの行動や考え方などがかなり古い気がして、勝手に西部劇のような恰好をした人物たちを思い描いていました。

なのに、パソコンが携帯電話が登場するので違和感を感じてしまいました。

古い伝統の残る小さな町ってこんな感じなんですかね?


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2013年11月28日

デボラ・クーンツ「私の職場はラスベガス」

私の職場はラスベガス

 デボラ・クーンツ 著
  中川聖 訳
 「私の職場はラスベガス」
 (創元推理文庫)


ラスベガスでも有数の巨大カジノホテル<バビロン>で働くラッキーは、つねに様々なトラブルの対応に追われている。今夜は顔見知りの従業員がホテルの遊覧ヘリから落ちて死ぬ事故が発生。事態収拾のため動きだすが、信頼するオーナーは何かを隠している様子。この件、単なる事故ではないというのか? 歓楽の都で裏方として働く行動派ヒロインの活躍を描いた、期待の新シリーズ。−裏表紙より−


この本は「本が好き」で献本申し込みしました。


こういう、珍しい職業の裏側的な話、好きなんです。ドラマとかもついつい見てしまいます。ラスベガスは行ったことありませんが、華やかで煌びやかで派手なイメージがあり、海外ドラマも見ていました。

お陰で、このホテル<バビロン>の雰囲気も想像しやすかったですし、出てくる人たちの格好やしゃべり方なんかも思い浮かべながら読むことができました。


主人公のラッキーは、顧客関連係という仕事をしています。簡単に言うなら「苦情係」でしょうか。カジノ経営をしているホテルに宿泊する客が、お行儀の良い人ばかりのわけはなく、彼女の元には日々山のような仕事が押し寄せてきます。

その問題たちを、時にはとびっきりの笑顔で、時には暴力と脅しをかけて、ビシビシと処理していく彼女の姿は、読んでいてかなりスッキリさせられました。とても魅力的な女性なんです。

ラッキーの周辺にいる男性たちも魅力的です。彼女のボスであるホテルオーナーのビッグボス、親友の女装ものまねタレント・テディ、謎めいた警備員や辛辣な言葉を投げかけつつもきちんと助けてくれる部下たち。ちょっと登場しただけの人物もみんな個性的で魅力的です。

彼らもこの華やかなラスベガスの雰囲気を彩っています。


この物語では、殺人事件の捜査をしていくわけですが、その謎解きの部分はあまり興味がわきませんでした(犯人は誰かわかった上で探していたので謎解きにもなっていなかった)。でも、それ以外の部分が面白くて、どんどん読み進めることができました。ページ数が多いので時間はかかりましたが。

ただ、ラッキーやほかの人たちの性的な話が多すぎる気がしました。途中で「もういいって!」と放り出したくなることも。でもまあ、これもラスベガスなのかな?とも思います。

もし続編が出たら読もうかな?


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2013年08月23日

マシュー・ディックス「泥棒は几帳面であるべし」

泥棒は几帳面であるべし

 マシュー・ディックス 著
  高山祥子 訳
 「泥棒は几帳面であるべし」
 (創元推理文庫)


マーティンの生業は泥棒。といっても、窓ガラスを壊したり家を荒らしたりはしない。盗みに入る家を慎重に選び、住人の外出時間や周囲の環境を徹底的に調べて、“お得意”を決め、泥棒が入ったことに気づかれないように食料品や宝石などを盗んでいるのだ。だがある日、とんでもない“事件”が発生してしまい・・。とびきり几帳面な愛すべき青年の活躍(?)を描くお仕事ミステリ!―裏表紙より―


ルパン三世的な華麗なる泥棒が厳重な警備をどのようにかいくぐってお宝を盗むのか?という話を想像していたのですが、全然違いました。まあ、ある意味題名にも表紙の絵にもぴったりの内容でしたけど。

始めのうちはくどくどと泥棒であるマーティンがどうやって盗むのか?ということばかり描かれていて、読むのがだるくなっていたのですが、気づけばマーティンに惹かれていて、読むスピードも上がりました。

このマーティン、はっきり言ってルパン三世とは大違いの小さな泥棒です。もし捕まってもきっと数年で出所できるだろうと思われるくらいです。盗む物は、日用品や食料なんです。しかも、盗み方が巧妙!読みながら感心してしまいました。この盗み方はこの本の面白い部分なので、ここには書かないでおきますけど。

私の家にもしこんな泥棒が入って盗んでいっても、絶対に気付かない自信があります。そんな自信はどうなんだ!?と思いますけど、これに気付く人っているのか?と思うくらい巧妙です。・・・・というか、そこまでして何で盗む?おかしいんちゃう?と何度も突っ込んでしまうくらい。その神経質で緻密な計画を立てられる頭を他に活かせよ!って感じです。

ヘアキャップをかぶり、ラテックスをはめ、一つに家に居るのは15分以内・・・などなど、彼にはたくさんのルールがあり、それを確実に守って今まで捕まらずに盗んできていました。

このまま彼の泥棒生活が描かれて終わるのか?と心配になる頃、やっとある事件が起こります。まあ、事件とは言っても笑ってしまうようなことなんですけどね(すでに読んでいる方に言うと、歯ブラシ事件のことです)。

でも、この辺りからどんどん面白くなりました。

彼が本当に良い奴なんです。“良い奴”は言い過ぎか?・・・う〜ん、でも憎めない奴なんですよね。人が良いというか、性格は良いので、こんな泥棒ならもし鉢合わせても痛い目にはあわされずに済みそうです。泥棒と鉢合わせするなんて、絶対にいやですけど。


結末はあまりにも都合よくいきすぎで、それは無いでしょ!と思いましたけど、憎めないマーティンなので、これはこれで良いかと思えました。こんな都合よくいっても、自信過剰になったりするタイプではないので、大丈夫でしょう。


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2013年07月30日

カーリン・イェルハルドセン「お菓子の家」

お菓子の家

 カーリン・イェルハルドセン 著
  木村由利子 訳
 「お菓子の家」
 (創元推理文庫)


数週間の入院生活を終えた老婦人が自宅で見つけたのは、見知らぬ男の死体だった。その頃殺人者は、高揚した気分で自らの行為を思い返していた。悔やんではいない。ただ、もっと苦しめてやらなかったのが残念だった。ショーベリ警視率いる警察の調べはいっこうに進まず、そのあいだにも次の被害者が。スウェーデン・ミステリ界に開花した新たな才能。ショーベリ警視シリーズ第一弾。―裏表紙より―


この本は面白そうだったので、「本が好き」で献本申し込みしました。


紹介文を読んで「ショーベリ警視シリーズ」だということを知りました。確かに警視の部分もあったけど、それほど活躍したわけでも無かったんですけどね〜。

まあ、面白いというか、興味深い人物ではあるのですが。ショーベリ警視だけではなく、他の捜査チームのメンバーも個性的でした。まだ掴めない感じもありますし、何でこの人のことをここまで色々描くのかわからない部分もあったので、これは今後の作品で明らかにされていくのかな?と思いますが。


始めは読みにくい雰囲気でした。陰湿な場面から始まりますし、文章が硬くて読みにくい感じだったんですよね。でも、殺人者の日記という部分を読むと面白くて、その辺りからは読みやすくなりました。


最後にはどんでん返しがあって、「お!」と思わされたのですが、解決してもスッキリしない感じが私の好みではありませんでした。もう少し救いがあると良いのですが。

中に出てきた、元幼稚園の先生にもイライラ。彼女がもう少し、イヤ、もっと広い目線を持っていれば、子どもに情熱をもって接していれば・・と思うと腹が立ちます。

大人の干渉を受けないまま、おのれの狭いテリトリーと社会的立場を守るために、必要なことをしたまでだ。
という文章に激しく共感しました。

ネタバレになりそうなので、あまり詳しくは書けませんが、幼い頃って、幼稚園や学校など、生活範囲が狭くて、世界も狭いんですよね。狭い世界で生きていると、何か少しでも嫌な事があると全てが嫌になったり、人生さえも悲観してしまう・・。もっと冷静に自分のことを見つめられたら、いじめによる自殺や陰湿ないじめも無くなるのに。

なんてことを考えながら読み終えました。


三部作の一作目だそうなので、続きを読めば、ショーベリ他警察官たちのキャラクターがはっきりしてくるのかもしれません。

少し描かれた事件も解決していませんし、これは続きも読まないとダメでしょう!


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2013年03月28日

アンドレアス・グルーバー「夏を殺す少女」

夏を殺す少女

 アンドレアス・グルーバー 著
  酒寄進一 訳
 「夏を殺す少女」
 (創元推理文庫)


酔った元小児科医がマンホールで溺死。市会議員が運転をあやまり事故死。一見無関係な出来事に潜むただならぬ気配に。弁護士エヴェリーンは深入りしていく。一方ライプツィヒ警察の刑事ヴァルターは、病院での少女の不審死を調べていた。オーストリアの弁護士とドイツの刑事の軌跡が出合うとき、事件が恐るべき姿をあらわし始める。ドイツでセンセーションを巻き起こした衝撃作。―裏表紙より―


この本は面白そうだったので、「本が好き」で献本申し込みしました。


ドイツの作品だそうで、人物や場所の名前が耳馴れず、慣れるまで時間がかかりました。それでも、主要な人物は少なかったので、何とか読み進められました。


いきなり、ちょっと不思議な雰囲気の少女による過激な殺人の様子が描かれ、それが明るみに出たかどうかもわからないまま、次の場面へと話は進みます。

次の場面では、女性弁護士・エヴェリーンが主となり、話が進みます。手掛けたある裁判が、同僚の事件と関わっていることに気づき、その同僚へ電話を掛けた所から彼女は事件の関わりを確信し、調べ始めます。

そして、次の場面では、中年の刑事・ヴァルターが主となり話が進みます。

しばらくは「さっきまでの話はどこへ?」と戸惑いつつ読み進めることになります。

ヴァルターは、精神を病んだ少女が病院で自殺した現場を調べます。入念に調べたところ、自殺ではないことに気づき、他殺事件として事件を調べ始めます。調べるうちに、他にも似たような境遇の子どもが死亡していたことを知り、連続殺人が起きているのでは?と更に捜査をします。

一見全く関係のない、エヴェリーンとヴァルターが調べる事件が、実は一つ・・・。

まあ、そうならないとおかしいわけですが、全く違う事件を、全く違う場所で調べていた二人が、出会った瞬間、読むスピードは更にアップしました。

「きた〜!ぴかぴか(新しい)」って感じで、テンションも上がったんですよね。


エヴェリーンもヴァルターも様々な過去や私生活の悩みを抱えていて、周りにも妨害されながら、真実に向かって進んで行く姿は痛々しさもあり、目が離せない状態になりました。

事件自体はエグさもあり、辛すぎる内容ではあったのですが、それぞれが前を向いて進んでくれそうな感じで終わったので良かったです。


この作品が面白かったので、別の作品も読んでみたいと思います。



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2013年03月25日

S・S・ヴァン・ダイン「ベンスン殺人事件」

ベンスン殺人事件

 S・S・ヴァン・ダイン 著
  日暮雅通 訳
 「ベンスン殺人事件」
 (創元推理文庫)


証券会社の経営者ベンスンがニューヨークの自宅で射殺された事件は、有力な容疑者がいるため、解決は容易かと思われた。しかし捜査に、尋常ならざる教養と才気をもつファイロ・ヴァンスが加わり、事態は一変する。物的・状況証拠を否定するヴァンスが用いる、心理学的推理とは? 巨匠のデビュー作にして、米国本格ミステリ黄金時代の幕開けを告げた記念碑的傑作、新訳で登場。―裏表紙より―


この本は面白そうだったので、「本が好き」で献本申し込みしました。


読み始めて、自分がこういうタイプのミステリーが苦手だということがよくわかりました。

主人公のファイロ・ヴァンスという男は、確かに天才でしょうし、教養もあるのはわかるのですが、何せ性格が・・・。


ヴァンスが使う心理学的推理というのは、あらすじにもあるように、物的・状況証拠を否定し、事件関係者の人柄や関係性などに重点を置いて事件を紐解いていく方法です。

その方法は、捜査に携わる人たちにとっては、今までに信じられてきた「証拠重視」の方法を覆されることなので、なかなか受け入れることができません。

それでなくても、受け入れられない方法なのに、ヴァンスがあまりにも説明しなさすぎるせいで、ますますイライラが募る!

友人でもあり、この殺人事件の捜査を担当する検察官・マーカスが尋問したり、容疑者として誰かの名前を挙げる度に、何の説明もせずに「そうだとは思わない」とか「わかりきったことじゃないか」などと言うだけ。


「知らなかったよ」(中略)「そんなことじゃないかとは思っていたがね」 と言ってみたりします。

わかってたなら言えよ!と思ってしまいました。


マーカスの忍耐力には頭が下がる気がしました。私ならすぐに友だち関係を解消しそうです。


とまあ、散々な感想を書いてきましたが、意外とこの本は評判が良いんですよね。

私にあわなかっただけなんでしょう。

名探偵ホームズが好きな方はきっとこの作品も好きだと思います。私はホームズのワトソン君を見下す物言いが苦手なので、これも合わなかったんだと思います。



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2013年01月08日

ヘイリー・リンド「暗くなるまで贋作を」

暗くなるまで贋作を

 ヘイリー・リンド 著
  岩田佳代子 訳
 「暗くなるまで贋作を」もと贋作師の事件簿3
 (創元推理文庫)


納骨堂での壁画の修復中に墓場泥棒に遭遇したアニー。追跡した大学院生から、納骨堂内にラファエロの真作がある可能性を告げられる。天才贋作師の祖父がかつて贋造した名画だが、真作はイタリアの国宝で国立古典絵画館所蔵のはず。調査を始めたアニーは訪問先で死体を発見。一方贋作師の祖父のもとには贋作撲滅師の手がのびる。ミステリもロマンスも目が離せないシリーズ第三弾。


本屋さんで見かけていて、気になっていました。そんなとき「本が好き」で献本になっていたので申し込みました。そんなわけで、いきなり第三弾から読むことになったわけですが・・。

所々、登場人物の関係性や、性格などがわからない部分があり、やはり1作目から読んだ方がわかりやすかったと思います。それもあってなのか、連休を挟んだせいなのか、読み終わるのに驚くほど時間がかかってしまったんですよね。約2週間くらい!ページ数も多かったんですけどね。


アニーは、壁画の修復をしているとき、息抜きのため墓場を散策していました。そこで出会った大学院生と話していると、怪しげな行動をとる人物と遭遇します。逃走した人物が落としていった物を拾った大学院生は、アニーに「納骨堂内にラファエロの真作がある」と言います。

アニーが現物を見て確認することを約束します。仕事の合間を縫って確認したところ、真作どころか以前見たものとも違う絵になっていました。

その結果を知らせようとしていたのに、いくら待っても連絡が無く・・。名前と大学名しかわからない中、何とか彼女にたどり着いたアニーは、そこで死体を発見してしまいます。


何ともワクワクする展開!・・になるはずが、何だか失速してしまいました。

この作家さんの作品を読むのが初めてのせいか、話が急に飛ぶ感じがしたんですよね。アニーがあちこち気持ちをもっていくせいもあるのかもしれませんが。

贋作師の祖父の活躍も楽しみにしていたのですが、ほとんど登場しませんでしたし、絵画泥棒のマイケルも出番が少ない・・という感じで、興味をもった人物がほとんど出てこなかったのも残念でした。

1作目2作目の方が出番があったのかもしれません。初めから読みなおすべきかな??


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2012年11月10日

ダイアン・ジェーンズ「月に歪む夜」

この本は“本が好き!”で献本申し込みをしました。初めましての作家さんです。


月に歪む夜

 ダイアン・ジェーンズ 著
  横山啓明 訳
 「月に歪む夜」
 (創元推理文庫)


1972年、大学生のわたしと恋人のダニー、その友人のサイモンは、親元を離れサイモンの叔父の家で、三人だけでひと夏を過ごすことになっていた。だが、海で出会ったトゥルーディーという少女を家に連れ帰ったことで、すべての歯車が少しずつ、だが確実に狂いはじめる・・・。情感豊かな筆致で描く現在と過去、積み重ねられる謎、圧巻のクライマックス−。大型新人のデビュー長編。−裏表紙より−


ケイティーという女性の視点で話は進みます。50代になったケイティーがプールで軽く泳いで、おしゃべりな女性から話しかけられてうっとうしいと思っている・・という場面から始まります。

ケイティーの元にかつての恋人・ダニーの母親から手紙が来たことをきっかけに、彼女の思いは過去へ遡っていきます。


大学時代のある夏。恋人・ダニーとその友人・サイモンの3人で、サイモンの叔父の家で過ごすことになりました。叔父の庭を整備することを条件に借りた3人は、若者らしくばか騒ぎをしていました。

ある日やって来た海で、トゥルーディーという少女と出会い、彼女に押される形で家に泊め始めたことで、それまでの楽しかった3人での生活が少しずつ変化を見せます。

トゥルーディーがとても謎めいた少女で、どこから来てどこへ行くつもりだったのか、どんな経歴の持ち主なのか、何も語ろうとしません。更に「自分には霊感がある」と言い出す始末。

ひと夏過ごす予定の叔父の家には「霊がいる」と言い、その言葉を裏付けるように、物が消えて無くなったり突然現れたりする現象が起こり始めました。

今まで保たれてきた3人の関係にもヒビが入り始め、険悪なムードになっていく4人。

そしてとうとうある事件が起きて・・・。


ケイティーが過ごしている現在の様子と、ケイティーが回想する形で語られる過去の話が交互に描かれていきます。

事件が起きることも想像が出来ましたし、犯人も何となくわかってしまいますが、その先にも更に意外な展開があって、それは全く予想できずに驚かされました。

主人公のケイティーのことがあまり好きになれなかったですし、登場人物たちの誰に対しても共感できませんでしたし、いがみ合う様子を読んでいるとイライラさせられることも多くて、読みにくい部分もありました。


最終的な謎解きを読んでも、動機が全く納得できませんでしたし・・。まあ、大学生ってこんな感じかな?とも思いますが。


でも、話がどんな方向へ進んで行って、どんな結末を迎えるのかが気になって、意外と早く読み切ることができました。


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ダニーの名字がイワニセビッチというのですが、私が大好きだったテニスプレイヤーと同じだな・・と思っていると、作品の中にも出て来ました。懐かしくて、それだけでも嬉しくなりました。

短気なことで有名で、自分のプレイにイラついて、テニスボールをサッカーのように蹴ったり、ラケットを放り投げたり、ボールを拾う少年にラケットを渡して「君がやってよ」と言うこともありました。

その性格のせいで勝てないことも多くて、やっとウィンブルドンで優勝したときは、耐えて耐えて怒りを抑えたことで勝てたのではないか?と解説の人も言っていたくらい。

優勝した試合は、テレビで観戦していたのですが、思わずテレビの前で泣いてしまったんですよね・・懐かしいな〜。

2012年07月30日

S・J・ローザン「この声が届く先」

この声が届く先

 S・J・ローザン 著
  直良和美 訳
 「この声が届く先」リディア・チン&ビル・スミスシリーズ10
 (創元推理文庫)


リディアを誘拐した−晩秋の朝、私立探偵のビルは突然の電話でそう告げられる。相棒を救うため、彼は正体不明の犯人が出すヒントを手がかりに、ニューヨーク市街を駆けまわる。猶予はわずか12時間。罠にかかり殺人事件の被疑者に仕立てあげられたビルは、警察と売春組織に追われながらも、頼れる仲間の力を借りて、リディアの居場所を突き止めようとする。緊迫の一日の結末は!?−裏表紙より−


このシリーズは2作目まで読んでいますが、この新作が「本が好き!」で献本になっていたので申し込みました。間がかなり飛んだわけですが、それでも違和感無く読めました。・・っていうか、リディアとビルはどんだけ進展が無いねん!ふらふら まあ、くっついてしまったらこのシリーズは終わりそうですけどね。


いつもはリディアとビルのどちらかが調査の依頼を受け、もう一人に協力してもらって解決していく・・というパターンなのですが、今回はちょっと事情が違います。


ビルがいつものようにピアノの演奏をしていたとき、電話がかかってきます。電話の相手はリディアでしたが、すぐに知らない男性と変わられてしまい、その人物から「リディアを誘拐した」と告げられます。更に「助けたければゲームをしよう」と言う犯人。ビルは仕方なくゲームに参加することにしました。

リディアが出したわずかなヒントと、犯人が出したヒントを元に、何とかリディアの居所を探ろうとするビル。一人ではどうしようもないので、リディアのいとこ・ライナスに協力を求めます。ライナスはコンピューターセキュリティーの会社を経営する天才です。そんな彼とライナスのガールフレンド・トレラもライナスを手伝ってくれることになりました。

ヒントを3人で解いて、向かった先には女性の遺体が・・。発見した直後にやって来た警察に姿を見られたビルは、殺人事件の容疑者として手配されてしまいます。

その後も次々と襲い掛かる難題。ビルは懸命に誘拐犯の正体を暴こうと頭を悩ませます。ライナス、トレラ、そしてライナスの飼い犬・ウーフ、更にリディアの親友・メアリーなど、様々な協力者に助けられながら、少しずつリディアに近づいていきます。


展開が早いのと、仲間たちが良いキャラだったお陰で、飽きずに読みきることができました。まあ時間はかかったんですけどね・・ふらふら それでも面白かったです。

あらすじを読んで改めて「そうか、これは一日の話だったのか」と思い出すくらい、たくさんの出来事が詰め込まれた話でした。飛んでいる3〜9巻も読まないと!


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2012年07月09日

S・J・ローザン「ピアノ・ソナタ」

ピアノ・ソナタ

 S・J・ローザン 著
  直良和美 訳
 「ピアノ・ソナタ」リディア・チン&ビル・スミスシリーズ2
 (創元推理文庫)


深夜ブロンクスの老人ホームで警備員が殴り殺された。手口から地元の不良グループの仕業と判断されたが、納得がいかない被害者のおじは探偵ビルに調査を依頼。かつて探偵の手ほどきをしてくれた老兵の頼みに、ビルは危険な潜入捜査を展開するが・・・?無鉄砲で繊細な中年探偵が、相棒リディアの存在を胸に、卑しき街を行く。シェイマス賞最優秀長編賞に輝いた、爽やかな第二弾!−裏表紙より−


リディア・チン&ビル・スミスシリーズの第二弾。前作ではリディアが主役で、彼女の視点で話は進みましたが、今回は相棒のビルが主役になり、彼の視点で話が進みます。


ビルは昔から父親のように慕っていたボビーに頼まれて、ボビーの甥の殺人事件を調べることになりました。ボビーが経営する警備会社の社員として潜り込んだビルは、被害者が働いていた老人ホームで仕事を始めます。

ホームの近くで活動している“コブラ”という不良グループが事件に関わっているのではないか?と疑いをもったビルは、コブラのリーダーであるスネイクと話し合いをします。不良グループとの話し合いということは、無事に済むはずもなく・・。

ビルは、リディアにも仕事を助けてもらいながら、少しずつ容疑者を絞っていきます。


前作では強気でカッコ良くて・・というイメージだったリディアが、ビルの視点から語られると少し女っぽいイメージになりました。

私は、今作のビルが主人公の方が面白かったです。

特にビルがピアノを弾く場面が何だかとても素敵に見えて、それだけでも「良いな〜」と思えました。ただ、前作と同じようになぜか読み終わるまで時間がかかりました。なんと1週間!も・・。

面白いんですけど、話があまり進展しないからなのか、間延びする部分があったんですよね。そのせいか、一度に読めるパージ数が伸び悩んだ感じです。


でも気になるこのシリーズ。きっと続きも読むと思います。時間があるときに・・。


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2012年06月29日

アントニー・マン「フランクを始末するには」

フランクを始末するには

 アントニー・マン 著
  玉木亨 訳
 「フランクを始末するには」
 (創元推理文庫)


フランク・ヒューイットは芸能界の大スター。殺し屋の“わたし”は彼の殺害を依頼され・・。二転三転するスター暗殺劇の意外な顛末を描いた英国推理作家協会短篇賞受賞作のほか、刑事の相棒に赤ん坊が採用され一緒に捜査を行う「マイロとおれ」、買いものリストだけで成り立つ異色作、ミステリ出版界の裏事情を語る一篇など多彩な12作。奇想とユーモアあふれる傑作短篇集です。−裏表紙より−


評判が良かったので読み始めたのですが・・・。

初めは意外性もあってなかなか面白く読めたのですが、その次からはどうも面白いと思えなかったんですよねバッド(下向き矢印)

マイロとおれ」は、事件を純真な目で見るために、捜査に赤ん坊を参加させようという試みをしてみる・・という話なのですが、あまりの突飛さとバカバカしさに思わず笑ってしまう感じで、意外と面白かったです。

で、このまま彼らの話が続くのか?と思ったら、次は全く違う話になっていました。

次の「」は、最後まで読んで「ふぅ〜ん」というのが正直な感想。意味がよくわからないな・・と思ってしまいました。

他にも自分の理解力の無さのせいか、何が言いたいんだろう??と思ってしまった話がいくつかありました。


それ以外では、思いっきりブラックで、あまりにも怖すぎて背筋がゾクッとするような話もありました。特に「」という話。豚を飼っている夫婦の行動が異常すぎて怖かった・・。泣きそうになるくらい。


逆に面白かったのは表題作「フランクを始末するには」と「エスター・ゴードン・フラムリンガム」の2篇。芸能界と出版業界の裏話という感じで、これもブラックではあるのですが、軽めのブラックという感じで、ニヤッと笑える話でした。


結局、気に入った話の方が少ない・・という作品集でした。ブラックな話が好きな方は楽しめるかもしれませんが、私には合いませんでした、残念・・。


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