
大山淳子 著
「猫弁と指輪物語」
(講談社文庫)
完全室内飼育のセレブ猫妊娠事件!? 天才弁護士・百瀬太郎のもとに大女優から依頼が持ち込まれた。一体いつのまに? お相手は誰? そして婚約者との旅行当日にかかってきた、盟友を訴えたいとの電話。一生懸命に生きる人たちが抱えた悩みと迷い。誰もが幸せになれる「癒されるミステリー」第3弾開幕!
猫弁の第3弾。1作目を読んだときは「シリーズ化しなくても良いのに」と思ったのですが、2作目を読んで「続編があって良かった」と思い、今回はまた成長した百瀬の姿と、進まない大福亜子との関係、野呂さんと秘密、獣医師・まこと先生の想いなどなど、より深い内容になっていて楽しめました。
相変わらず鋭いのか鈍いのかよくわからない百瀬ですが、謎解きというか、引き受けた仕事を如何にして気持ちよく終わらせるかについては素晴らしい活躍を見せます。
頭の回転も速く、依頼者も相手側のことも、事件に関わったすべての人たちに気配りができる弁護士になっていて、その鮮やかな手腕には惚れ惚れしました・・・というのはちょっと言い過ぎな気もしますけど、でも「へ〜そうやって解決するのか」と感心させられる所は確かにありました。
それなのに、仕事以外となるとどうにも鈍いんですよね・・。特に亜子との関係! 大抵の人は異性の気持ちがわからないものですが、それにしても百瀬の鈍さは目に余ります。
亜子が何とも初々しい、かわいらしい考えをもっていて、それを勇気を出して最大限に伝えるのに、相手が百瀬だから全く伝わらない!!読んでいてイライラしました。
そんな彼女の気持ちをズバリ言い当てた、三千代さんの言葉にはホロリとさせられました。彼女はやっぱりいい味出しています。
今回も関わったみんなが幸せに、それぞれそれなりに幸せになって終わっていて、気持ちいい読書時間になりました。
百瀬の過去も少し明らかになってきましたし、続きも楽しみに待つことにします。
<猫弁シリーズ>
「天才・百瀬とやっかいな依頼人たち」
「猫弁と透明人間」
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