2018年12月21日

碧野圭「書店ガール7 旅立ち」

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 碧野圭 著
 「書店ガール7 旅立ち」
 (PHP文芸文庫)


中学の読書クラブの顧問として、生徒たちのビブリオバトル開催を手伝う愛奈。故郷の沼津に戻り、ブックカフェの開業に挑む彩加。仙台の歴史ある書店の閉店騒動の渦中にいる理子。そして亜紀は吉祥寺に戻り・・。それでも本と本屋が好きだから、四人の「書店ガール」たちは、今日も特別な一冊を手渡し続ける。すべての働く人に送る、書店を舞台としたお仕事エンタテインメント、ついに完結!−裏表紙より−


いよいよ最終巻となりました。

最後らしく、今まで登場した理子や亜紀、愛奈や彩加の今の様子をそれぞれの話で描いています。


愛奈は中学で読書クラブの顧問をしています。良い仕事に就けて良かったと思える内容でした。ビブリオバトルという耳慣れないイベントを読書クラブで行うことになって、それを手伝っています。この本を読んでから、テレビでも時々この言葉を聞くようになりました。最近はよくあるイベントなのかもしれません。

読書が好きなので、興味はありますが、自分が参加するのはちょっと嫌だな・・。自分の好きな本をお勧めするのは良いですが、大勢の前で話すのは無理・・。質問なんかされたらパニックになりそうです。

中学生らしいというか、学生らしい青春!って感じの話でした。


彩加は故郷に帰ってブックカフェを開業する予定。でも久しぶりに会った友だちから色々辛辣なことを言われてしまいます。開業前に話せたことは彼女にとってプラスになったのでは?と思います。でも、やっぱり女性同士って怖いわ〜!


理子は何店舗かを担当するような偉いさんになっています。でもそのうちの1店舗の閉店を進めていくことになり色々な葛藤が・・。自分の店が閉店するときはもっとジタバタしたのに・・と思うと理子の気持ちがちょっと理解できず。でも彼女の立場を考えると苦しい気持ちもわかりますし。

彼女の話が一番苦しかったです。


味のある歴史のある本屋さんが閉店するのって辛いです。本屋だけではないですけど。どんな店でも気に入って通っていたら辛いです。街に溶け込んでいるような店ってなんだか素敵ですもんね。

何とか理子の力で残してもらいたかったのですが・・。


このシリーズが終わるのは寂しいですが、それぞれの進む道がはっきり見える終わり方をしてくれてよかったです。この本を読んで、本屋さんの有難みを噛みしめて、これからも通いたいと思います。


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2017年09月28日

碧野圭「書店ガール6 遅れて来た客」

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 碧野圭 著
 「書店ガール6 遅れて来た客」
 (PHP文芸文庫)


彩加が取手の駅中書店の店長になってから一年半、ようやく仕事が軌道に乗り始めたと感じていたところ、本社から突然の閉店を告げられる。一方、編集者の伸光は担当作品『鋼と銀の雨が降る』のアニメ化が決定して喜ぶものの、思わぬトラブル続きとなり・・。逆境の中で、自分が働く意味、進むべき道について、悩む二人が見出した答えとは。書店を舞台としたお仕事エンタテインメント第六弾。−裏表紙より−


彩加になってから3作目になり、店長としてもがんばっている彩加を応援していたのに、急な閉店話が。閉店にならないようにがんばるぞ!という段階でもなく、これは何をしても決定事項だったので、ただ受け止めて閉店に向けて日々を過ごすだけという虚しさ。

しかも、閉店だということを客には知られないようにしないといけないため、本の数は減っていくけど、減らしすぎて隙間が目立つとダメなので、うまく並べていく必要があります。

バイトも辞める人が出てくるのでギリギリまでは発表できず、周りから見るとまるでやる気のない店長のようになっていく彩加。

店長としてがんばってきた愛着ある店の終わりを一人で抱えることに疲れてしまいます。


今回、彩加より目立っていたのが、編集者の伸光。彼が担当している小説がアニメになることになり、作家と共に喜んだのですが、アニメになるって色々と大変なんですね。今回はそれがよくわかりました。

ドラマになるのも同じですが、映像化されるのって、原作を読んだ人たちのイメージを損なわないようにしないといけないわけです。でも、全員同じイメージで読んでいるはずもなく、見たときにイメージ通りだと思う人もいれば、全然違うと思う人もいます。

それはどうしようもないことなんですけど、その衝撃をいかに少なくするか、そして原作の世界観をいかに壊さずに作るかが大きな課題となっていきます。

原作のエピソードだけで時間を埋められたら良いですけど、内容を膨らませたり、逆にカットしたりしないといけないので、それも大変な作業になります。

原作者の代弁者として編集者は製作会社の人間と戦うことになり、原作への思いの差があるとより困難になるのは目に見えています。

小説を映像化しなければ良いのに・・とつい思ってしまいます。でも、人気のある小説を使ったらそれだけ視聴率が上がるわけで、映像化したくなる気持ちもわかります。小説家にとっても視聴率が上がれば、原作も読んでもらえますし、グッズも作られたりして、良いことがたくさん。お金の匂いがプンプンしてくる関係ですね・・・。


彩加にはこれからも困難が待っていそうな感じではありますが、今後は描かれるのかな?それとも、そろそろ違う人が主役となっていくのか、もしかしてシリーズ終了なのか。

何にせよ、もし続きが発売されたら読みたいと思います。


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2016年06月09日

碧野圭「書店ガール5 ラノベとブンガク」

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 碧野圭 著
 「書店ガール5 ラノベとブンガク」
 (PHP文芸文庫)


取手駅構内の小さな書店の店長に抜擢された彩加。しかし意気込んで並べた本の売れ行きは悪く、店員たちの心もつかめない。一方、ライトノベル編集者の小幡伸光は、新人賞作家の受賞辞退、編集者による原稿改ざん騒動などトラブル続きの中、期待の新人作家との打合せのために取手を訪れる。彩加と伸光が出会った時、思わぬ事実が発覚し・・。書店を舞台としたお仕事エンタテインメント第五弾。−裏表紙より−

シリーズ5作目。主役が代わってからは2作目です。今回は前作に出てきた愛奈はほとんど出てこない状態。彩加がメインになっています。もう1人はガール″ではなく男性で、1作目から活躍していた亜紀の旦那さん・伸光。この2人の話になっています。


彩加は社員となって、新しい環境で働き始めました。駅構内の小さな書店。店員と客のコミュニケーションはほとんど無く、ただ商品のやり取りをしているだけの空しい日々。自分が作った棚も本が全く動きません。

店長として、部下たちに慕われているのかどうかさえも分からず、毎日悶々と過ごしています。そこでがっくりと落ち込んで動けなくなるのではなく、ちょっとしたことをきっかけにして良いアイディアを思いついて実行に移し、それが成功していくところはさすが!と思いましたし、その行動力が羨ましかったです・・。

やはり本や書店に対する愛情が深いから動けるんでしょうね。そこまで打ち込める何かがあるって良いですね。


伸光も新しい部署で働き始めています。ラノベという伸光にとって未知のジャンル。そこでの編集長は彼には重い仕事になりました。でも彼には書店員の妻が、しかもカリスマ店員の妻がいるわけですから、彼女の力も借りて乗り越えていきます。

彩加ともうまくタッグをくんで、お互いに助け合う形で、ある新人作家をデビューさせていきます。この作家が書いたデビュー作も読んでみたいと思いました。最近、王道のファンタジー読んでないな・・。

この作品を読むと、あまり知らなかったラノベの実態というか事情を色々知ることができてその点でも面白かったです。


さ、次はどんな問題が起こるのかな?彩加も落ち着いてきたし、次は新人作家さんにスポットが当たるのかな?? とにかく楽しみです。


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2015年06月25日

碧野圭「書店ガール4 パンと就活」

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 碧野圭 著
 「書店ガール4 パンと就活」
 (PHP文芸文庫)


「書店に就職したいと思ってるの?」新興堂書店アルバイトの高梨愛奈は就職活動を控え、友人たちの言葉に迷いを吹っ切れないでいた。一方、駅ビルの書店の契約社員・宮崎彩加は、正社員登用の通知とともに思いがけない打診を受ける・・・。理子と亜紀に憧れる新たな世代の書店ガールたちが悩み抜いた末に見出した「働くことの意味」とは。書店を舞台としたお仕事エンタテインメント第四弾。文庫書き下ろし。−裏表紙より−


このシリーズも4作目になり、前作の所で「終わりそうな雰囲気」と書いたように、理子と亜紀の物語は終了し、今回から新しい2人が主役となりました。


前作にもちらりと顔を出していたアルバイトの愛奈と、他の書店で契約社員として働く彩加。2人とも若いので、“ガール”も違和感なくなりました・・。

憧れの存在であり、ちょっとした伝説の書店員となった理子と亜紀はほとんど登場しません。理子はカッコいい登場をみせますが、亜紀は名前くらいしか出てきません。それでも2人にとっては大きな存在となっています。


アルバイトの愛奈は、そろそろ就活を始める時期。周りの人たちはどんどん動き始めているのに、愛奈はまだどんな職業に就きたいか?も、どんな環境で働きたいか?など細かい所も一切決まっていない状況。かなり焦ってきています。心の隅では書店員という選択肢を捨てられずにいて、でもそれを他の人には言えないでいます。「周りにどう思われても気にしなければいいのに!」とちょっとイライラしながら愛奈の葛藤を読んでいましたが、まだまだ狭い世界で生きているわけですから、友人の意見って大きいのかな?とも思います。


契約社員の彩加は、正社員の打診を受けます。今の店で社員になるわけではなく、転勤にもなるので、迷いが捨てきれません。更には親戚の営む書店にブックカフェの話が来て、その相談も受けて忙しくもなります。思い入れのある書店なので、できれば変わってほしくない気持ちもあり、ここでもまた悩んでしまいます。


色々悩みの多い2人ですが、少しずづ前向きになり、それぞれ目標も見つけたようなので、次の成長も楽しみにしつつ読んで行こうと思います。


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2014年06月10日

碧野圭「書店ガール3」

書店ガール3

 碧野圭 著
 「書店ガール3 託された一冊」
 (PHP文芸文庫)


「私、亜紀さんみたいになりたい!」きらきらした目で新人バイトの愛奈に告げられ、困惑する亜紀。子育てに疲れ、不慣れな経済書担当として失敗を重ね、自信を失いかけていたからだ。一方、仙台の老舗書店のリニューアルを任された理子は、沢村店長との出会いを通し、被災地の現状を知る。そんな亜紀と理子が、気持ちを一つにした目標とは!? 書店を舞台としたお仕事エンタテインメント第三弾。文庫書き下ろし。−裏表紙より−


今回も、理子と亜紀2人の仕事ぶりを中心に描かれています。ただ、今までと違って、理子が東エリア長に抜擢されたため、ほとんど店にいないので、2人はほとんどバラバラに仕事しています。

理子は、仙台にある老舗書店のリニューアルを任され、店長の沢村と共にどうすればより良い書店になれるか悩みながら進めています。

仙台の店は、東日本大震災で被災した店で、そこを手伝うことで、被災地の現状にも触れることになりました。

震災について、多くのページが使われています。私は被災していませんが、阪神淡路の震災のことが甦る気がして、読むのが辛い部分もありました。

でも、これは書店員の目から通した面も書かれていて、本屋だからできることは何か?という所は興味深く読めました。ただ、理子が考え、亜紀が実現させた「震災フェア」は、もし近くの書店で開催されていても見るかどうかはわかりませんけど。

震災の写真を手元に置いておこうとする気持ちは何だかわかる気がします。忘れたいけど、忘れてはいけない。でも忘れないといけない、複雑な心境なんですよね・・。なんて、身近な人を亡くしたわけでもない私が語ることではないですが。


一方、亜紀は大好きな文芸の担当から外れ、経済書の担当になり、慣れないことで四苦八苦しています。常連客からもクレームを言われますし、棚を作っても前担当者からダメだしされる毎日。更には子どもも小さくて、保育園からの呼び出しに怯えつつ、仕事をしているため、自分の好きなようにならないもどかしさもありました。

でも、理子が持ち込んだ企画を実現させることで生き生きとした亜紀が戻ってきました。ただ、このフェアの実現させるためにしたであろう苦労の部分がちょっとあっさり終わりすぎた気はしました。もう少しどんな風にして実現させたのか見たかったです。


今回、亜紀が仕事に行き詰って悩んでいたときに夫が言った言葉が私にも刺さりました。

仕事を楽しくしようと思ったら、楽しくなるように自分で動かなきゃダメだ。

そうですよね、ほんと、そうだ! 楽しく仕事するために、自分は何をするべきかな?考えようと思います。


結末が何だかこのシリーズが終わりそうな雰囲気に思えたのですが、まだまだ書店の話が読みたいので、続編を待ちたいと思います。


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2013年07月12日

碧野圭「半熟AD」

半熟AD

 碧野圭 著
 「半熟AD」
 (光文社文庫)


番組制作会社の元ADで、今は無職の田野倉敦、二十七歳。仕事先を探す中、同居人の先輩に強引に引き込まれ、敦は一般人相手の映像製作会社を手伝うハメに。不本意な仕事ばかり舞い込むが、ある日、天才的な歌声を持つ少女が彼らのもとに現れて−。読めば元気が出ること間違いなし!お仕事小説で話題の著者が贈る、人生賛歌に満ちた爽快エンタテインメント!−裏表紙より−


「書店ガール」で気に入った作家さんですが、これも読みやすかったです。

この話は題名からもわかるように、主人公・敦はADの仕事をしています。担当していた番組の“やらせ”が発覚したせいで、制作会社を首になり、今は無職ですが。

なかなか仕事が見つからない日々を送っているとき、制作会社の先輩であり、同居人でもある岡本が思いついた映像制作会社の仕事を手伝うことになりました。

一般人相手に、結婚式などの行事のときにビデオを撮ってそれを編集して売る会社です。依頼があるのは犬のプロモーションビデオ的な物を撮影してほしいという物ばかり。飼い主が喜んでくれるのは良いのですが、何か物足りなさも感じていた敦ですが、あるとき歌手志望の少女と出会い、自分のやりたい仕事を少しずつ思い出していきます。


敦には年上の彼女がいます。彼女の方がテレビ界では地位も上で、バリバリ活躍しているので、周りには二人の関係を隠しています。陰で色々言われても気にしないようにしていた二人ですが、年齢差と仕事の格差が影響し、ぎくしゃくすることも増えてしまいます。

仕事もプライベートも挫折しそうになり、一時は引きこもりに近い状況になってしまい・・。


人生なんて思い描いた通りには進まない物で、でも立ちはだかる障害を越えたとき、明るい未来が見えてくる。そういうエールが込められているような作品でした。

何でも都合よくいきすぎな感じはありますが、そのお陰で明るい気持ちで読み終えることができて、彼らの今後の人生が素敵な物になるようにと思わず願ってしまうような優しい気持ちにもなれました。

ちょっとくじけそうになったとき読んでみると前向きになれるかもしれません。


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2013年04月16日

碧野圭「書店ガール2 最強のふたり」

書店ガール2

 碧野圭 著
 「書店ガール2 最強のふたり」
 (PHP文芸文庫)


吉祥寺に出店する大手書店チェーンに転職を果たした理子と亜紀。しかし、大型書店の店長という、いままでと違う職責に理子は戸惑っていた。一方、文芸書担当として活躍する亜紀にも問題が。妊娠をきっかけに起こった夫との確執、書籍の回収騒動―。そんな忙しい日々の中、本と本屋の力を信じる二人が考え出した新たな挑戦とは? 書店を舞台とした痛快お仕事エンタテインメント第二弾。文庫書き下ろし。−裏表紙より−


前作は、理子と亜紀の女性同士の諍いがたくさん書かれていて、読みにくい部分もあったのですが、今回は転職した店の雰囲気が良くて、そんな苦労もなく楽しく仕事しています。

もちろん、新しい書店でいきなり店長なのでそれなりに責任は重くなっています。しかも大型書店。今までとは違う売り方や入ってくる本の種類も増え、店員も増えます。

それでも、亜紀だけではなく、副店長の田代にも助けられ、充実した毎日を送っている理子。

亜紀も希望していた文芸書の担当になり、生き生きと仕事をしていたとき、妊娠したことがわかります。戸惑う亜紀に、夫が更に追いつめるようなことを言い出します。

この夫、今時珍しいくらいの古い考えをしていて、「仕事=子どもを蔑ろにする」と思っているんですよね・・。まあそれだけ自分が稼いでいるから養ってやる!と言えるのは大したものかもしれませんが、仕事って稼ぐためだけにやるわけではないですからね。

これだけの生きがいを感じて仕事をしている亜紀に対して簡単に「辞めろ」というのはどうか?と怒りが沸きました。

亜紀も同じように怒りを感じるのですが、子育て中の友人や同僚などに経験談を聞いて、心が揺れます。保育園に預けたからといって子どもの成長に悪い影響があるとは思えないですけど・・。


あるとき、別の小さな書店に転職した元同僚が理子の店に訪ねてきたことをきっかけに、ある企画を思いつきます。自分の書店だけではなく、吉祥寺に店を構える大小さまざまな書店を巻き込んで「50年後にも残したい本」というテーマで、それぞれの書店の代表が選んだ本を共同で展示販売することにしたのです。

普段はライバルとして競い合う書店同士が協力するわけですから、簡単に実現するわけもなく、たくさんの問題が持ち上がります。どうやってその問題をクリアしていくのか?はぜひ読んでください。


「50年後にも残したい本」、自分なら何を選ぶかな?と考えながら読むのも楽しかったです。また、各書店が選んだ本たちも興味深かったです。ただ、ほとんど読んだこと無かったんですけどね・・。自分の普段読んでいるジャンルの狭さに改めて気づかされました。これから、色々読んで行かないとな〜。


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関係ないですけど、書店の裏側をいろいろ知ることができるこの作品を読んでいるうちに、この本を買った本屋さんの雰囲気がどうも気に入らなかったことを思い出してしまいました。

平積みの本は散らばっていますし、一番上の段の本は埃がかぶっていて、棚にも隙間があって、ほとんどの本が斜めに並んでいる・・。う〜ん。特に忙しそうでもなかったのに、もっと本を大事に扱ってもらいたいものです。

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2012年09月03日

碧野圭「書店ガール」

書店ガール

 碧野圭 著
 「書店ガール」
 (PHP文芸文庫)


吉祥寺にある書店のアラフォー副店長理子は、はねっかえりの部下亜紀の扱いに手を焼いていた。協調性がなく、恋愛も自由奔放。仕事でも好き勝手な提案ばかり。一方の亜紀も、ダメ出しばかりする「頭の固い上司」の理子に猛反発。そんなある日、店にとんでもない危機が・・。書店を舞台とした人間ドラマを軽妙に描くお仕事エンタテインメント。本好き、書店好き必読!『ブックストア・ウォーズ』を改題。−裏表紙より−


前半は、理子と亜紀の女性同士の確執が中心になって書かれていて、始めのうちは「あるある、こういういじめ」とか共感しながら読んでいたのですが、徐々に読むのが辛くなる感じがしました。もう少しこの部分は短くてもいいのかな?と思いました。

それが終わってからは、書店の裏側のことがよくわかるような内容になっていて、登場人物たちのこともどんどん好きなって読みやすくなりました。

理子と亜紀だけではない確執もあって、これまたウザイ状態ではあるのですが、それだけではない書店員の努力とか書店の仕事の面白さが書かれていたので面白かったです。


今までにもいくつか書店の裏側的な話は読みましたが、この作品は潰れそうな書店を立て直すということがテーマになっているので、より深い部分まで書かれていたような気がします。

POPを飾るだけでは無く、並べ方やちょっとした配置などを工夫して本を売ろうとする・・・「へぇ〜」と感心することがたくさんありました。


本が好きで、よく本屋さんに行く人は、きっとお気に入りの本屋さんがあるはず。私もあるのですが、どうしてこの本屋さんに来ると予定になかった物を買ってしまうのか?理由がわからなかったんですよね。

それがこの本を読んでわかった気がしました。店員さんの本に対する愛情というか、熱意がある店の方が新刊以外の物を平積みしたり、表紙を前に向けてディスプレイするなど工夫してあって、今まで気にもとめなかった本を目にする機会を増やしてくれているんですね。

確かにPOPを読んで手に取る本もありますが、私みたいに「今、売れています」という文章を読むと逆に「じゃあ、買わない!」と思う人にとっては、さり気ない並べ方でアピールされた方が手に取りやすいのかもしれません。


電子書籍のことや、本屋が減っている現状についても書かれていて、考えさせられることもありました。本が好きな人は、やっぱり紙の本が好きなんですよね。自分で手にとって、表紙や中身の字をじっくり眺めた上で買いたい!そして、重さを感じながらページをめくりたい!

本好きさんにはぜひ読んでほしい作品でした。


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posted by DONA at 11:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:碧野圭