
椹野道流 著
「最後の晩ごはん お兄さんとホットケーキ」
(角川文庫)
兵庫県芦屋市。元イケメン俳優の五十嵐海里は、夜だけ営業の定食屋「ばんめし屋」で、料理人見習いとして働き始めた。店長・夏神留二の謎めいた過去が気になるが、親しき中にも礼儀あり。打ち明けてもらえる日を待っている。そんなある日、獣医だという女性客がやってきた。彼女はなんと、海里の兄の婚約者。しかし海里と兄とは派手にケンカ別れをしたきりで・・。とびきり温かく、優しいきずながここにある。泣けるお料理青春小説。−裏表紙より−
シリーズ第3弾。海里のゴタゴタはほぼ片付いたと思っていたら、そういえばお兄さんとの関係があった・・ということで、今回はお兄さんと海里が対決!
とはいえ、彼らの確執はかなり根深いようで、まあ事情を考えたら仕方ないことなのかもしれませんが、簡単には仲直りできなさそうです。仲直りというか、海里が言うには「仲が良かったときがない」そうで、兄弟なのに?と不思議な気がしました。
海里の話を聞いていると、お兄さんは冷徹な男性に思えるのですが、婚約者がいるそうで、彼女の登場によって2人の仲に変化が起きそうな雰囲気に。
夏神さんの過去についても意外とあっさり明らかになりました。もっと引っ張るかと思ったのですが。
同じ経験をしても、悩まない人もいるだろうと思うようなことなのに、夜中にうなされるほど悩むなんて、夏神さんらしいと思います。どうにかして罪の意識が軽くなったら良いのに・・。
そこは、海里とロイドの力が大事でしょう。
今回は、幽霊の出番はあまりありませんでした。まあ、幽霊が必要なのかどうか微妙な設定なので、出てこなくても何とも思いませんでしたし、最後の方に出てきたとき、逆に「そういえば幽霊も出てくる話だったね」と思い出したくらいでした。
何だかすべての問題が片付いた感じもするのですが、まだシリーズは続いています。次も早めに読むことにします。
<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」
↓ ランキングに参加中 ポチッ×2と押して下さるとうれしいです。

