2023年12月06日

椹野道流「最後の晩ごはん 閉ざした瞳とクリームソーダ」

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 椹野道流 著
 「最後の晩ごはん 閉ざした瞳とクリームソーダ」
 (角川文庫)


芦屋の小さな定食屋で働く、元イケメン俳優の海里。今の夢は、街のカフェ兼バーで、憧れの人と新たな舞台に立つことだ。そんなある日、海里は事故で視力を失った女性、瞳と出会う。彼女を気遣ったつもりが、返ってきたのは意外な反応。一方、店長の夏神には、昭和のレシピ再現メニューについて取材依頼が。しかしかつてのトラウマから消極的な夏神を、海里は残念に思い・・。思いやる気持ちが行き違う、お料理青春小説第13弾。−裏表紙より−


海里には憧れの女優さんと朗読劇という舞台に一緒に立ちたいという目標が出来て、今までのように店を手伝いながらも、週に何度かは女優さんの舞台を見ながらバーで働くようになりました。舞台の前にはトレーニングもしてもらえるため、充実した日々を送っています。

そんな舞台を見るためにやって来た女性・瞳は、事故で視力を失ってまだ日が浅いので、一人での外出が覚束ない感じでした。そんな彼女を親切にサポートする海里でしたが、彼女にある提案をしたことで怒らせてしまいます。

海里としては親切にしたつもりだったのですが、何が気に障ったのか、気持ちがわからず落ち込みます。


これって、どちらの気持ちも何となくわかる気がしました。海里の気持ちはちょっとお節介感がありましたけど、まあ悪いことでは無いし、気遣ってしてくれたことだからわからなくもないです。瞳の気持ちは、自分が健康なだけに「わかる」とは言い難いのですが、わかる気はします。ある程度手伝っては欲しいけど、過剰な気遣いは余計なことなんですよね。

その加減って人によって違うでしょうから、手を貸すのも本当に難しいと思います。本人に聞くのが一番良いのでしょうけど、それを聞かれるのも嫌な人もいるでしょうしね。

片意地を張っている感じがした瞳に訪れた奇跡と恋の始まりは、クスリと笑いつつも涙無しでは読めませんでした。きっと彼の支えがあれば大丈夫!そう思える終わり方だったのが良かったです。


そして、夏神さん。彼も大きな転機を迎えます。ずっと隠れるように生きて来た彼が大きな一歩を踏み出しました。人によっては大したことじゃない、と思えるような一歩ですが、今までの彼の葛藤を読んできた読者にとっては拍手喝采の気分になれると思います。


<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」
「お兄さんとホットケーキ」
「刑事さんとハンバーグ」
「師匠と弟子のオムライス」
「旧友とおにぎり」
「黒猫とドーナツ」
「忘れた夢とマカロニサラダ」
「海の花火とかき氷」
「聖なる夜のロールキャベツ」
「秘された花とシフォンケーキ」


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2022年06月02日

椹野道流「最後の晩ごはん 秘された花とシフォンケーキ」

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 椹野道流 著
 「最後の晩ごはん 秘された花とシフォンケーキ」
 (角川文庫)


芦屋の定食屋「ばんめし屋」。節分の恵方巻きを振る舞う店員の海里と店長の夏神のもとを、作家の淡海が訪れた。彼は海里が小説のモデルであると発表し、騒ぎになったことを謝罪。そして罪滅ぼしのように、海里にオーディションを提案する。それは小さな店で行われる、往年の人気女優との朗読舞台。一方夏神は、昔懐かしい料理を復活させ、看板メニューにすべく動き始めるが、厄介な幽霊が現れ・・・。心震えるお料理青春小説第12弾。ポークチャップのレシピつき!−裏表紙より−


前作で騒ぎを起こしてしまった淡海先生が「ばんめし屋」に謝罪に来ました。かなり迷惑を被ったのですから許さなくても良いと思うのですが、さすが人格者たちはあっさりと許してしまいます。まあそうならないと話は進まないわけですが。

自分の小説が映像化される時に海里を使うことは諦めてくれたようですが、その代わりに彼にとあるオーディションを受けるように勧めます。

小さな店で行われている朗読劇のオーディション。朗読はしたことがない海里ですが、何でもやりたい気持ちがあるので、とりあえず受けに行くことに。

朗読劇といえば、小説なんかを読んでお客さんに聞かせるだけかと思ったら、なかなか奥が深そうです。

お芝居の経験があっても難しいようで、海里は苦戦することに。でも一緒に朗読劇をやる女優さんとその夫、更に店のオーナーとも知り合いになり、彼らは今後も海里に刺激をくれそうですし、助けてもくれるでしょう。良い出会いになりそうです。


ばんめし屋には、今回もこの世の者ではない者が現れます。霊的な物とはちょっと違いましたけど、夏神さんはなかなかの難題を突き付けられます。

この難題を乗り越えることで、夏神の悩みも少しクリアになったようです。

もちろん、眼鏡のロイドも元気に周りをかき回していますし、彼の発言で気付かされることも多いです。


海里がばんめし屋を離れる日は遠からずやってきそうですが、着実に一歩ずつ進んでくれそうで、安心して見ていられます。みんなが望む道を歩んでくれそうで、今後も楽しみです。

<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」
「お兄さんとホットケーキ」
「刑事さんとハンバーグ」
「師匠と弟子のオムライス」
「旧友とおにぎり」
「黒猫とドーナツ」
「忘れた夢とマカロニサラダ」
「海の花火とかき氷」
「聖なる夜のロールキャベツ」


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2021年06月23日

椹野道流「最後の晩ごはん 聖なる夜のロールキャベツ」

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 椹野道流 著
 「最後の晩ごはん 聖なる夜のロールキャベツ」
 (角川文庫)


兵庫県芦屋市。定食屋「ばんめし屋」を訪れた中学生の少女。その目的は「幽霊に会うこと」。元俳優で店員の海里たちは困惑し、幽霊など出ないと嘘をつく。しかし彼女の会いたい幽霊とは、幼い頃亡くした父の霊だった。一方、海里はテレビ番組のCMで、作家の淡海が海里をモデルに書いた小説が完成したことを知る。しかも淡海が、モデルが海里であることを明かし、さらに驚きの発言をしたことで大騒動となり……。大波瀾の第11弾!!! −裏表紙より−


もう11作目(10作目は感想まだです)なんですが、話はゆっくりゆっくり進んでいます。今回は激動の巻でしたけど。


今回の霊(と呼んで良いのかわかりませんが)は、とても優しかったです。電車の中でなかったら泣いていたかも。こういう家族物って泣いてしまうな〜。

ばんめし屋にやってきた中学生の女の子。ただ食事をしに来ただけではなく、幼い頃に自殺した父親の霊に会いたいからという理由付きでした。

この店に来れば幽霊に会えるといううわさを聞いたそうです。そんな彼女にロイドは「そんなことは無い」ときっぱりと否定しましたが、彼女はそれから早い時間に通うようになりました。

誠心誠意対応するばんめし屋の人たちに癒されながら美味しい食事をして帰っていく彼女。最後には彼女のリクエストでロールキャベツを作ってあげました。しかも、昔父親が作ってくれたというキャベツが肉から離れてしまってドロドロになっているロールキャベツ。店主の夏神は、料理人としてのプライドを捨ててドロドロロールキャベツを作ってあげました。

そして、感動の出来事が。


今回は霊のことよりも、イガに巻き起こる騒動が大きかったです。その騒動を起こしたのは小説家の淡海でした。彼は以前からイガをモデルにした小説を書いていたのですが、それが完成して宣伝のためにテレビ出演した際、そのことを公表し、更に大きな爆弾を落としたのでした。

イガが芸能界を追い出されるきっかけとなった出来事の時以来の大騒ぎで、やはり消息を調べあげたマスコミから追われることに。でも今回は騒動が起こることは想定出来たため、早めに対策をうつことができて被害は少な目でした。


でもこの騒動で、イガが出した答えは納得できるものでしたし、芸能界に戻るのは遅くなりそうですが今後も応援していきたいと思わされました。大きく成長したな〜イガ!とヨシヨシしたいくらいでした。

彼がじっくり時間をかけて、力を蓄えて覚悟をもって芸能界に戻るまで追い続けます。もしかしたらもう戻らないかもしれませんが、それはそれで良いのかもしれません。


<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」
「お兄さんとホットケーキ」
「刑事さんとハンバーグ」
「師匠と弟子のオムライス」
「旧友とおにぎり」
「黒猫とドーナツ」
「忘れた夢とマカロニサラダ」
「海の花火とかき氷」


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2019年11月07日

椹野道流「時をかける眼鏡 兄弟と運命の杯」

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 椹野道流 著
 「時をかける眼鏡 兄弟と運命の杯」
 (集英社文庫)


ヴィクトリアの婚礼を終えた遊馬たちだったが、平穏な時は続かず、マーキス島に巨大な嵐が襲来する、マーキス王国は多大な被害を受けてしまう。そんな中、嵐で壊れた城壁から発見された隠し部屋の中にマーキス王国がアングレ王国の支配下にあった頃に多大な財宝を隠したと言われる宰相のミイラが見つかる。復興資金に苦しんでいたロデリック達は宝探しに盛り上がるが、新たな災厄の影が!?−裏表紙より−


7作目になりました。相変わらず、異世界に自然と馴染んでしまっているアスマです。

今回は、ヴィクトリアの嫁いだ国を離れ、元のマーキス王国に戻って来ています。

戻って来たのは良いですが、平穏な日常を取り戻すことなく、今度は嵐に見舞われます。


日本育ちのアスマにとっては、嵐はよく経験することなので、国民たちの被害を少なくするために、城の一部を開放して避難所も作ります。もちろん、アスマの医学の知識を使って、救護室のような物も。

王様のいる国で育っていないと、王様の住む城を開放しようという考えって絶対浮かぶことなのですが、王様を崇めている人たちからすれば、王様と同じ屋根の下に入るだけでもものすごく大変な出来事です。

でも国の中で一番頑丈な建物なんですから使おうよ!というアスマの考えはものすごく合理的で、真っ当です。

国民からすれば、自分の住居の一部を自分たちに開放してくれた〜!と大きな感動と感謝の念に堪えないことになり、ただ余っている場所を提供しただけで、国民からの更なる尊敬を受けることが出来て、一石二鳥です。


嵐は丸一日かけて過ぎ去ったのですが、けが人と病人はたくさん出てしまいます。とはいえ、かなり人数は減らすことができ、「王様ばんざ〜い!」となるわけです。

アスマも、城の人たちも全力で助けて疲れ果てている中、いよいよ一作品に一死体の掟が守られます。

とはいえ、今回は最近の死体ではなく、ミイラ。

身元はすぐにわかりましたし、死因を特定することもなかったので、アスマの大事な役目は、この遺体をどうやって民衆の前に登場させて、どうやって海に還すか?ということでした。

偉大な存在だった彼の遺体をいかに劇的な方法で埋葬するか・・。そのために、ミイラを出来るだけそのままの状態で海まで連れていく必要があったのです。

アスマの持てる知識をつぎ込んで、なんとか大役をこなしていきます。


さ、次はどんな困難が待ち受けているのかな? 謎解きはともかく、この国のことは好きなので、どんどん発展していく様子が読みたいです。


<時をかける眼鏡>
「医学生と、王の死の謎」
「新王と謎の暗殺者」
「眼鏡の帰還と姫王子の結婚」
「王の覚悟と女神の狗」
「華燭の典と妖精の涙」
「王の決意と家臣の初恋」


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2018年12月06日

椹野道流「時をかける眼鏡 王の決意と家臣の初恋」

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 椹野道流 著
 「時をかける眼鏡 王の決意と家臣の初恋」
 (集英社文庫)


過去の世界でマーキス王家に力を貸す決意をした医学生の西條遊馬。遊馬は、マーキス王国からポートギース王国に嫁ぐ姫王子・ヴィクトリアのお供の一人として、随行することに。各国の賓客を招き、ポートギース王・ジョアンとヴィクトリアの結婚式が盛大に催される。しかし、盛大な結婚式が行われたその夜、フランク王国の使節が転落死しているのが見つかり・・・?−裏表紙より−


6作目になりました。ヴィクトリア姫と共にポートギースに来ているアスマです。

今回はすっかり死体がおまけのようになってしまいました。

それ以外の部分がボリュームありすぎて、殺人事件はあまりにもあっさり。殺されても仕方ないようなひどいオヤジが被害者というのも原因でしょうけど、容疑者がどうでもいい人だったら多分捜査さえしなかったのでは?というくらい。

でもアスマの存在のために、一作一死体ですからこれは守られるんですね〜。

はっきり言って、事件やその動機や誰が犯人か?なんてことには興味がわきませんでした。事件が起きるまでの、ヴィクトリア姫たちの結婚披露宴の様子の方が面白かったです。

これから改善される予定とはいえ、まだ貧乏なお国ですから、いかにお金をかけずに、でも他国の王や重役たちを招待するからにはある程度豪華にしなければ失礼にあたり、最悪の場合は戦に発展しかねません。

今後の取引を考えてもあまりにも魅力のない国だと思われてしまうと不利になってしまいますし・・。

そこで、アスマの出番。貧しい国ではありますが、特産品はいくつかあるわけで、それを現代の料理にうまく当てはめながら、貧しい食材を奇をてらった演出で盛り上げていきます。

なるほどうまくやったな!と思うような演出がたくさん。今後はこういうイベントの演出を仕事にしていけば?と思ってしまいました。そうすれば、無理やり死体を作らなくても良いわけですし・・。

とりあえずアスマが現世に戻るまで(戻るのか?)は付き合うことにします。


<時をかける眼鏡>
「医学生と、王の死の謎」
「新王と謎の暗殺者」
「眼鏡の帰還と姫王子の結婚」
「王の覚悟と女神の狗」
「華燭の典と妖精の涙」


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2018年11月08日

椹野道流「最後の晩ごはん 海の花火とかき氷」

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 椹野道流 著
 「最後の晩ごはん 海の花火とかき氷」
 (角川文庫)


兵庫県芦屋市。元俳優の海里の職場は、夜だけ営業の定食屋「ばんめし屋」。人間だけではなく幽霊も常連客という不思議な店で、それなりに楽しく働いている海里だが、近頃気になる事があった。誰かの気配と視線を感じるのだ。気のせいと割り切って、後輩の李英と芝居を見に行った帰り、海里は「シネ」という言葉とともに突き飛ばされる。その犯人は、視線の持ち主でもある「重い女」の幽霊、フミで……。癒し系お料理青春小説第9弾! −裏表紙より−


もう9作目になったんですね〜。まだもう少し新刊がありますが。

いつの間にかドラマ化もしたそうですが、実写化した物は霊が出てくるだけあって見たくないかも・・。


今回はまたなかなか怖い展開でした。目に見えない相手から「シネ」と言われて、しかも車道に向かって突き飛ばされるなんて怖すぎます!

しかも、更にひどい目にも合うことになるカイ。今回は本当にさんざんな目に合いました。

ロイドが活躍してくれて何とかなったのですが、彼がいなければ物語は終わっていたかも??

犯人の女性(幽霊)は、生前も結構面倒な女性だった様子。彼女が幽霊となったのは何だかわかる気がしますけど、それにしてもひどい幽霊だ・・。

お人好しのカイとロイドのお陰でどうやら成仏できそうなのは何よりでしたけど、彼女のようにならないようにしなければ!と、自分のことも反省してしまうような内容でした。

とにかく、人のことを恨まないように、憎まないように、イライラしないようにして生きて行こう! と心に誓って読み終わりました。

シリーズの中ではあまりその他の部分は前進していないような。彼らとのお別れが少しは遠のいた感じがしてちょっと嬉しくもあり、このまま続いて飽きてしまうのも嫌だとも思います。

どうか、良きところでハッピーエンドにしていただきたい。


<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」
「お兄さんとホットケーキ」
「刑事さんとハンバーグ」
「師匠と弟子のオムライス」
「旧友とおにぎり」
「黒猫とドーナツ」
「忘れた夢とマカロニサラダ」


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2018年04月04日

椹野道流「時をかける眼鏡 華燭の典と妖精の涙」

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 椹野道流 著
 「時をかける眼鏡 華燭の典と妖精の涙」
 (集英社文庫)


かつての宗主国アングレから、国王の同意がなければジョアンとヴィクトリアの結婚を認めないとの通告が入った。ロデリックは、キャスリーンお披露目の舞踏会にアングレ特使を招待し、その席で言質をとろうと一計を案じる。が、キャスリーンがアングレ特使を怒らせてしまい、窮地に立たされた一同。謝罪の代わりに伝説の宝物「妖精の涙」を差し出すように言われ・・。−裏表紙より−


まだ5作目なんですね。というくらい、色々起こっている世界です。

でも、1つ1つの出来事はあっさり終わるんですけどね。

今回もまたややこしい展開になった・・と思って、わくわくしながら読み進めたら、やっぱりあっさりと終了。

前振り長すぎでしょう! 今回は特にそう思いました。


やっと収まるところに収まりそうになったヴィクトリアに、難癖をつけてきたのは結婚を断られた形となったアングレ国王。

それほどまでにヴィクトリアに執着していたのかと思ったら、実は宝物が目当てでした・・。

なるほど。と納得。

その宝物を取りに行くのはものすごく大変だということがそこからたくさん描かれていきます。

離れ小島にある時点で大変なのに、そこを守っているはずの人が死体となって発見されて・・・大変!

でもまあ、死体が出ないと遊馬の出番はないですから、一作に一人は亡くなることになるわけで。

今回は解剖しても何が変わるわけでもない感じの上に、宝物もあっさりゲットしてしまって、何とも尻つぼみな展開でした。


ここまで色々文句言いつつ、でも何だか彼らの魅力にやられてしまった身としては、まだ続きも読んでいくつもりです。


<時をかける眼鏡>
「医学生と、王の死の謎」
「新王と謎の暗殺者」
「眼鏡の帰還と姫王子の結婚」
「王の覚悟と女神の狗」


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2018年03月05日

椹野道流「最後の晩ごはん 忘れた夢とマカロニサラダ」

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 椹野道流 著
 「最後の晩ごはん 忘れた夢とマカロニサラダ」
 (角川文庫)


兵庫県芦屋市。雨の夜、定食屋「ばんめし屋」を訪れた珍客は、青年の幽霊・塚本だった。元俳優で店員の海里は、店長の夏神たちと事情を聞くことに。なぜか今までのどの幽霊よりも意思疎通できるものの、塚本は「この世に未練などない」と言い切る。けれど成仏できなければ、悪霊になってしまいかねない。困惑する海里たちだが、彼ら自身にも、過去と向き合う瞬間が訪れて・・。優しい涙がとまらない、お料理青春小説第8弾!−裏表紙より−


8作目になり、珍しい展開になっていました。始めの頃は店に霊がやって来るパターンがあって、そこから従業員たちに関連する人たちに憑く霊を何とかするというパターンに変化していたのに、今回はまた珍しいパターン。

店に霊がやって来るのは始めのパターンだったのですが、今回はその霊自身に何の未練も後悔もなくて、自分が霊になったことさえ意外とあっさり受け入れている感じ。

でもこの世にとどまっているからには何か未練があるはずで、このままいたら悪霊になりかねないということで、海里たちも相談にのることに。

とはいえ、ほとんど霊感の無い人にも何となく気配を感じられてしまうくらいの濃い霊なので、店が開店しているときはあまり出てきてもらえませんし、店が閉まっている時間は昼間なのでなかなか出てこれないし・・。

居場所が無いときは、空き家に入り込んだり、川べりに座ったりしているらしい彼。何だかかわいそうになります。


そして題名の通り、マカロニサラダが関連してくるわけですが・・。

マカロニサラダって大好きなんですけど、この話で出てくるのは「みかん缶」入り! ゲ〜ッ!

ポテトサラダにりんごを入れたり、酢豚にパイナップルを入れたり、生ハムメロンとか、本当に嫌なんですよね・・。

おかずに果物を入れるな〜!と声を大にして言いたい! すべての味が台無しになる気がします。

でも意外と人気になったみかん缶入りマカロニサラダ。しばらくは定番の小鉢として出されそうです。


最後の方には、やっと夏神に進展があります。これで少しは立ち直ってくれるかな? 立ち直ってくれないと、海里の将来の話が進まない・・。


<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」
「お兄さんとホットケーキ」
「刑事さんとハンバーグ」
「師匠と弟子のオムライス」
「旧友とおにぎり」
「黒猫とドーナツ」



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2017年12月11日

椹野道流「最後の晩ごはん 黒猫とドーナツ」

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 椹野道流 著
 「最後の晩ごはん 黒猫とドーナツ」
 (角川文庫)


兵庫県芦屋市。夜から朝まで開店の定食屋「ばんめし屋」は、元俳優の海里と店長の夏神、英国紳士(本体は眼鏡)のロイドで営業中。急に「京都に行きたい」と言い出したロイドに、夏神は3人での京都旅行を提案する。京都では、海里の俳優時代の後輩・李英も合流。彼は社会勉強のため、便利屋でバイト中らしい。後日、海里は李英に頼まれ、事故死した青年の遺品整理を手伝うことになり・・。じんわり泣けるお料理青春小説第7弾!−裏表紙より−


何だかんだで7作目になったんですね〜。1冊ずつが薄いので、あまり進んだ感じがありませんけど。


前回がゾクッとする内容だっただけに、恐る恐る読み始めました。どうやら黒猫の霊みたいなので、怖かったんですけど、今回は可愛い感じで進みました。

それよりも、師匠が亡くなってからの夏神の態度が変すぎて、そちらが気になって仕方ありませんでした。かなり気弱になっていて、海里でなくても心配になります。

今回も急に社員旅行だと言って京都に行き、やたらと思い出の品を手に入れようとする始末。

このシリーズの終わりが近づいているのかな?と思ってさみしくなりました。と同時に「しっかりしろ!」と夏神を揺さぶりたくもなります。


そんな夏神を気遣いつつ、でもあまり手を焼きすぎない程度に手を差し伸べて支える海里は健気でした。


霊についても、あらすじのようにじんわりと泣けて、でもほっこりと暖かい気持ちにもなれる内容で良かったです。

何よりもドーナツ! ドーナツ好きな私としては、作る工程の記述からよだれが出そうなくらいでした。今回は手作りドーナツなので、買ってくるわけにもいかず、しばらくモヤモヤしました。

手作りドーナツ、また作ろうかな?? ちょっと焦げ気味で、グラニュー糖まぶして・・。私も穴を開けた方の球状のドーナツ大好き!です。


また新作も出るようなので、次も読んで追いつきたいです。


<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」
「お兄さんとホットケーキ」
「刑事さんとハンバーグ」
「師匠と弟子のオムライス」
「旧友とおにぎり」


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2017年10月30日

椹野道流「時をかける眼鏡 王の覚悟と女神の狗」

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 椹野道流 著
 「時をかける眼鏡 王の覚悟と女神の狗」
 (集英社文庫)


過去の世界のマーキス島でしばらく暮らす決意をした遊馬のもとに、宰相フランシスから“『女神の狗』が現れた”との知らせが届く。城下で変死体が発見され、王の治世に不満を持った女神が国を滅ぼすために遣わすという伝説の狗の仕業だとの噂が広がっているのだ。ロデリック王の善政を信じる遊馬たちは急ぎ帰国し、死体を検分するが、そこに隠されていた真実とは・・!?−裏表紙より−


今回も厄介なことが起きたな〜と思っていたら、これまたあっさりと解決。これって遊馬いる??っていう展開でした。

まあ一応、検死はしましたけど、これは遊馬じゃなくても見たらわかるんじゃない?と思ってしまいました。


テレビやネットなどの映像が無い世界ならではの出来事でしたね。とりあえず「伝説」という奴は大抵見間違いや適当な噂話から大げさに発展するパターンなわけで、「女神の狗」なんて恐ろしい名前の化け物でも、蓋を開ければこんなもの・・。

昔の日本だって、天狗や鬼なんかが本当にいるかのように語られていたわけですから、どんな怪物が出てきても「まあ、あるだろうね」という感じではあります。


今回も王様って大変だね〜という展開。ロデリック王のかっこよさが際立った回でした。なるほど、王族に生まれて王になる人というのはこういう覚悟をもって生きているんだと感心しました。

私には出来ない職業だな・・(王様を職業と呼ぶのは違う気がしますけど)。

そして、誰よりもかわいそうだったのが、遊馬の師匠でもあり、ロデリック王の忠実なる家臣でもあるクリストファー。誰よりも王の事を考え、心の底から心配していた彼が一番翻弄された回でした。

同情しかない状況・・。でもまあそれだけ愛されてるってことかな?


うん、今回もサラッと軽く終了。遊馬の存在意義もよくわかりませんが、この世界のことは気に入っているので続きも読みますよ!


<時をかける眼鏡>
「医学生と、王の死の謎」
「新王と謎の暗殺者」
「眼鏡の帰還と姫王子の結婚」



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2017年09月14日

椹野道流「最後の晩ごはん 旧友とおにぎり」

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 椹野道流 著
 「最後の晩ごはん 旧友とおにぎり」
 (角川文庫)


疲れた心が元気になる、夜だけ営業の定食屋「ばんめし屋」。芸能界を追われ、故郷の芦屋にあるこの店に駆け込んだ元俳優の海里にも、新たな春が訪れた。海里の師匠で店長の夏神は、辛い過去から踏み出すためにリハビリ中。海里自身は、料理への興味と、俳優という職業への複雑な感情を持て余し気味。そんな時、隣の警察署の刑事、仁木から、ある木版画家の悩みについて相談され・・。笑って泣けるお料理青春小説、新章開店!−裏表紙より−


6作目になりました。・・で、「新章」って何? よくわかりませんが、とりあえずまだまだ続くようですね。

前作で思いっきり落ち込んでしまった夏神を支えつつ、店もがんばる海里。本当に成長しました。

夏神に対するさり気ない心配りも、大人の対応でかっこいいです。これだけの心配りの出来る人が、なぜ芸能界で生き残れなかったのか・・。ある意味、図太い性格の方が残りやすい世界なのかもしれませんね(知りませんけど)。


今回は、知り合いになった刑事から持ち込まれた厄介なことを解決することになった海里。夏神が不安定なので、巻き込めないと、ロイドと2人(?)で刑事に付き合うことにします。

そして、今回の厄介なこととは・・・・・これが怖かった〜!

私、基本的にホラー系は苦手で、出来るだけ関わらないように生きているので、きっと他の人にとっては怖くないようなことなんでしょうが、ゾクッとしました。

付喪神みたいなことなわけで、ロイドで慣れているはずなのに、何だろう?・・怖すぎます。

物を大切にするのは良いことですけど、そのせいで魂が宿るなら、私は物を大切にしたくないです。大切にしている物が急にしゃべり出したら放り投げそう・・。

それが人形やぬいぐるみだったら余計に怖いです。まあ、眼鏡でも怖いですけどね・・。


海里も今後の人生について色々考え始めたようで、彼がどんな人生を歩んでいくのか、次は怖くなかったら良いけど、読んでいくことにします。


<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」
「お兄さんとホットケーキ」
「刑事さんとハンバーグ」
「師匠と弟子のオムライス」

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2017年07月18日

椹野道流「時をかける眼鏡 眼鏡の帰還と姫王子の結婚」

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 椹野道流 著
 「時をかける眼鏡 眼鏡の帰還と姫王子の結婚」
 (集英社文庫)


元の世界に戻る日がいつになるのかわからないまま、過去の世界のマーキス島で暮らす医学生の西條遊馬。いまの生活にも慣れてきた矢先、姫王子ヴィクトリアの結婚話がもちあがった。大国アングレからの申し入れだから、断るのは難しい。だが簡単に受け入れるわけにもいかない・・。王であるロデリックが見出した答えとは!? そして遊馬は唐突に決断を迫られることに!−裏表紙より−


題名が!「眼鏡の帰還」だなんて!いよいよ元の世界に帰るんだ・・と思ったら、何とも意外な展開。

これを「帰還」と言っても良いのか!?何だか過大広告みたいです。

まああの状況で帰ると言っても簡単には無理なのはわかりますけど・・。次はいつ帰れるやら。


そして、もう一つの題名になっている「姫王子の結婚」。こちらもなかなか大変な状態に。いつかはお嫁に行かないといけない立場ですし、それが彼の使命なわけですが、本当にお嫁入りするんだ、とびっくりさせられました。

イヤな所にお嫁入りしないで済んだのは良かったですけど、こちらも前途多難です。でもきっと彼ならばうまく国をまとめて、王様を立ててやっていくんだろうと思うので、大丈夫でしょう。

今回のゴタゴタについては、何とも情けない話ですし、その責任は負って行かないといけないことですけど、この子も悪気はなかったのでしょうから、これからは良い後継ぎとして頑張ってくれるでしょう。


と、読んでいない人にはさっぱりわからない感想になってしまいました。でもこれはネタバレさせずに感想を書くのが難しくて・・。国をまとめるって大変だね〜とは思いますが、それ以上に深い内容でも無いですし、ファンタジーとしてただただ物語の展開を楽しむ作品なので、読んでもらうしかないかな?

次はどうなっていくのか、というか、どうなったら話しは終わるのか、続きも読んでいきます!


<時をかける眼鏡>
「医学生と、王の死の謎」
「新王と謎の暗殺者」


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2017年06月26日

椹野道流「最後の晩ごはん 師匠と弟子のオムライス」

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 椹野道流 著
 「最後の晩ごはん 師匠と弟子のオムライス」
 (角川文庫)


兵庫県芦屋市にある、夜だけ営業の定食屋「ばんめし屋」。元イケメン俳優の海里もすっかり店に馴染み、美食について勉強中。そんな中、店長の夏神に、師匠の船倉から一本の電話が。なんと自ら営む洋食屋を、近々閉店するという。すぐに皆で店を訪ね、船倉が作る洋食を堪能するが、その直後、彼が急死したという報せが届いて・・。若き日の夏神に、料理という希望を与えたシェフの想いとは。涙溢れる、お料理青春小説第5弾。−裏表紙より−


今回は店長・夏神の話になっていて、彼が師匠についていた頃の話から、現在の師匠との関係までが描かれています。

急に師匠から店を閉めるという連絡を受け、あわてて駆けつけます。そんな彼らに師匠は静かにでも力強く店への想いを語ります。イガも初めて会った師匠から洋食を振舞われ、感動して帰ったのですが、師匠が急死したという報せが。

落ち込んでしまう夏神と、それを支えるイガとロイド。

店の片づけに行ったところ、そこには当然ながら師匠の霊が・・。ここまではあらすじには書かれていませんが、このシリーズを読んでいる人なら当然現れるだろうことはわかりますよね?

何もしゃべらない師匠の霊を間近に見ながら、師匠のお客さんのために料理を振舞う夏神。なかなかかっこよかったです。

そして、今回何よりも感動したのは、イガの言葉の数々。落ち込む夏神を叱咤激励するために言った言葉がとても感動的で、何度も泣かされてしまいました。

家で読むとダメですね・・ボロボロに泣いて疲れてしまいました。


どうやら夏神にはまだ悩んでいることがあるようで、次はそれを解決していくことになるんだろうと思います。イガも何やら将来について考えているようですし、今後の展開も楽しみです。


<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」
「お兄さんとホットケーキ」
「刑事さんとハンバーグ」


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2017年02月14日

椹野道流「最後の晩ごはん 刑事さんとハンバーグ」

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 椹野道流 著
 「最後の晩ごはん 刑事さんとハンバーグ」
 (角川文庫)


兵庫県芦屋市。警察署と教会の間にある小さな店、それが夜だけ営業の定食屋「ばんめし屋」。元イケメン俳優の五十嵐海里は、料理人見習いとしてここに居場所を見つけた。不仲だった兄・一憲との関係も修復中のある日、突然一憲が店を訪れる。しかし海里は、一憲の親友だという刑事・涼彦を見て絶句する。なんと涼彦には、「マフラーの幽霊」が巻き付いていた。謎のマフラーの理由とは?泣いて笑って心が軽くなる、お料理青春小説。−裏表紙より−


シリーズが進むにつれて、イガはどんどん逞しく賢くなっていっています。人の想いも汲めるようになってきて、人間関係もスムーズになってきました。

お兄さんとの関係も少し改善されて、お兄さんの態度がどうしてあんな風になったのかも理解しようとしているので、怒りも少なくなってきました。2人はイガが言っている以上に仲良くなりそうです。


今回の主役となるのは、そんなお兄さんの学生時代の友人・涼彦。刑事をやっている彼にはマフラーの霊が絡みついていました。変な反応をしてしまったイガは、事情をお兄さんや本人にも話すことになってしまいます。

マフラーについて思い当たる節がありそうな涼彦。彼は悪い霊だと思っているようですが・・・。


今までの話でも霊の場面では泣きそうになっていたのですが、今回は思わず涙がポロリ。マフラーとなった人の深い想いに泣かずにはいられませんでした。

何とも切ない関係・・。仕方ないことではあっても、亡くなってしまうと辛すぎます。

でもイガのお陰で救われた霊と涼彦。良かったね〜としみじみ思いました。


次はどんな話でしょうか?楽しみです。


<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」
「お兄さんとホットケーキ」

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2016年11月18日

椹野道流「最後の晩ごはん お兄さんとホットケーキ」

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 椹野道流 著
 「最後の晩ごはん お兄さんとホットケーキ」
 (角川文庫)


兵庫県芦屋市。元イケメン俳優の五十嵐海里は、夜だけ営業の定食屋「ばんめし屋」で、料理人見習いとして働き始めた。店長・夏神留二の謎めいた過去が気になるが、親しき中にも礼儀あり。打ち明けてもらえる日を待っている。そんなある日、獣医だという女性客がやってきた。彼女はなんと、海里の兄の婚約者。しかし海里と兄とは派手にケンカ別れをしたきりで・・。とびきり温かく、優しいきずながここにある。泣けるお料理青春小説。−裏表紙より−


シリーズ第3弾。海里のゴタゴタはほぼ片付いたと思っていたら、そういえばお兄さんとの関係があった・・ということで、今回はお兄さんと海里が対決!

とはいえ、彼らの確執はかなり根深いようで、まあ事情を考えたら仕方ないことなのかもしれませんが、簡単には仲直りできなさそうです。仲直りというか、海里が言うには「仲が良かったときがない」そうで、兄弟なのに?と不思議な気がしました。

海里の話を聞いていると、お兄さんは冷徹な男性に思えるのですが、婚約者がいるそうで、彼女の登場によって2人の仲に変化が起きそうな雰囲気に。


夏神さんの過去についても意外とあっさり明らかになりました。もっと引っ張るかと思ったのですが。

同じ経験をしても、悩まない人もいるだろうと思うようなことなのに、夜中にうなされるほど悩むなんて、夏神さんらしいと思います。どうにかして罪の意識が軽くなったら良いのに・・。

そこは、海里とロイドの力が大事でしょう。


今回は、幽霊の出番はあまりありませんでした。まあ、幽霊が必要なのかどうか微妙な設定なので、出てこなくても何とも思いませんでしたし、最後の方に出てきたとき、逆に「そういえば幽霊も出てくる話だったね」と思い出したくらいでした。


何だかすべての問題が片付いた感じもするのですが、まだシリーズは続いています。次も早めに読むことにします。

<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」


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2016年09月14日

椹野道流「時をかける眼鏡 新王と謎の暗殺者」

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 椹野道流 著
 「時をかける眼鏡 新王と謎の暗殺者」
 (集英社文庫)


過去の世界のマーキス島に呼び寄せられた、医学生の西條遊馬。元の世界に戻るその日まで、王室に仕える鷹匠クリストファーの弟子として過ごすことになった。しかし、新王ロデリックの即位式の夜、事件は起きた。接待客である外国の要人が不審な死を遂げたのだ。早急に犯人を見つけ出さなければ王室の信用にかかわる。遊馬は現代法医学の知識で真相究明に臨むが―!?−裏表紙より−


前作で活躍して犯人を見つけた(?)遊馬ですが、結局簡単には元の時代へは戻せないと言われてしまい、過去でしばらく過ごすことになりました。

勝手に呼び寄せた上に「簡単には戻せない」と言われるなんて、腹が立って仕方ない展開ですが、遊馬はあっさり受け入れて、過去の世界を楽しんでいるようです。

王室に仕える鷹匠・クリストファーの弟子として生活しています。過去の世界なので、ガスや水道、電気などが当たり前ですけどありません。よくそんな環境で生活できるな〜と感心してしまいますが、彼はそれなりに充実した生活を送っています。

いよいよ新王の即位式ということで、遊馬も裏方に駆り出されて色々なアイディアを出して活躍していきます。料理にまでアイディアを出して喜ばれていました。

そんな中、即位式に出席していた外国の要人が死体となって発見されます。当然、遊馬が調べることになるのですが、ここでもこの世界のしきたりによって様々な規制が。

遊馬は便利な道具もない世界で死因をつきとめ、犯人を見つけられるのか?・・・と盛り上がりたい所ですが、ここのミステリ部分はあっさりしたものになっています。

犯人は自ら出てきますし、全て自白してくれますし、よく考えたら遊馬っている?くらいの展開で終了。


それよりも、王室の兄弟たちの関係が深まっていく所や、遊馬が不自由な世界で成長していく姿などの方が気になりますし、楽しく読める部分です。

彼らの物語を追っていきたいので、また続きも読むことにします。


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2016年07月25日

椹野道流「時をかける眼鏡 医学生と、王の死の謎」

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 椹野道流 著
 「時をかける眼鏡 医学生と、王の死の謎」
 (集英社文庫)


母の故郷・マーキス島にある「法医学博物館」で突然過去の世界に飛ばされた、医学生の西條遊馬。わけがわからないまま、殺人事件の現場に居合わせたために投獄されてしまう。そこで出会ったのは、この国の皇太子ロデリック。彼は、父である王を殺した罪に問われているというのだが・・?そして、ロデリックの無実を証明するよう、遊馬に頼んできた人物とは―!?−裏表紙より−


この作家さんの本を読むのは2作目ですが、同じように面白い設定になっていて、気づけば話に引き込まれていました。しかも、登場人物たちが憎めないんですよね・・。

主人公は、法医学者を目指している、医学生の遊馬。この字を書いて「あすま」と読むのですが、漢字で書いてあると「ゆうま」と読んでしまうし、タイムスリップしてからは、カタカナで「アスマ」と書かれていて、今度は「すあま」と読んでしまうし、ややこしくて仕方ありませんでした・・私だけかな?


遊馬が過去に飛ばされてからは、怒涛の展開が。いきなり殺人現場に行きあたって、容疑者にされて投獄されます。でも謎の人物に助け出され、その人物からなぜ遊馬がこの時代に連れてこられたのか?を聞かされます。

結局、その当時の王族の相続問題に巻き込まれるような形ではありますが、殺人事件の調査をすることになります。法医学者を目指しているアスマにとっては良い勉強になるようで、黙々と、特に大きくパニクることもなく解決していきます。

まあこの謎解きははっきり言って大したことはないので、ミステリーとしてはイマイチなんですけどね。

ただ、昔の王族の内部事情のようなものを知ることができますし、何より王族の人たちが良い感じのキャラなんですよね。

特に3番目の王子が印象的でした。彼は、上に2人も男子がいるので、その当時のしきたりとして姫として育てられました。姫王子と呼ばれているわけですが、生まれてからずっと女装で過ごし、姫として扱われています。いつかは姫として他国へ嫁入りするのだとか。そんな彼に遊馬がそんな定めはつらくないか?と聞いたところ、国で作られているお菓子を渡してからこう返事をしました。

「これは、(中略)贅沢な菓子だ。我が国の大半の民は、この甘さを知らぬまま一生を終える。菓子など買う余裕がないからだ」(中略)「一方で、そんな民たちが納める税で、私は養われておる。(中略)すべて民のおかげだ」(中略)「ならば、私をここまで守り育ててくれた民の幸せのため、この身を捧げるのは当然のことであろうよ。王室に生を享けるとは、そういうことなのだ」

王族に生まれるなんて、想像もつかないですが、守られて育つだけに「民のため」という気持ちは強くなるのかもしれませんね。その覚悟に感動しましたし、ちょっと悲しい気持ちにもなりました。


まだ遊馬は現代に帰れないので、彼の成長を見届けるためにも、続きを読んでいきます。


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2016年06月24日

椹野道流「最後の晩ごはん 小説家と冷やし中華」

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 椹野道流 著
 「最後の晩ごはん 小説家と冷やし中華」
 (角川文庫)


兵庫県芦屋市。この街に、定食屋「ばんめし屋」はある。夜のみ営業、メニューは日替わり一種のみ、幽霊すらも常連客・・。この不思議な店で、元イケメン俳優の五十嵐海里は、ただいま料理修行中。芸能人としての挫折を乗り越え、常連客で小説家の淡海とも仲良くなり、順風満帆、と思いきや、後輩の若手俳優・里中李英が店を訪れたことで、再び嵐に巻き込まれ・・。人の優しさと美味しいごはんに癒される、泣けるお料理青春小説。−裏表紙より−


マスコミというのはしつこい物なんですね。現実でもワイドショーを見ていると「まだこの話題か・・」とあきれるくらいしつこく報道していることがありますもんね・・。

海里のことも、一旦下火になったかと思ったら、居場所が見つかったせいで再燃してしまいました。でも、騒動以来、めっきり大人になった彼は大人の対応でうまく切り抜けて見せます。

現実の芸能人や政治家たちも、こんな風にきちんと説明して、謝罪すべきは謝罪しておけば、もっとあっさりした報道で終われるのに、としみじみ感じてしまいました。不倫やら政治資金の使い道やら・・。


今回の話の中心となるのは、常連客の小説家。彼はある理由で冷やし中華が食べられません。どうして食べられなくなったのか、は霊の話になるわけですが。

メガネのロイド(読んでいない人にはわからないでしょうが)も活躍して、霊のことも、小説家のことも万事解決!その瞬間にはほろりとさせられました。

彼の人生はなかなか大変だったようです。

もう一つ気になるのは、定食屋の主人・夏神のこと。彼も毎晩うなされてしまうくらい、何か重い物を抱えているようです。とても気になりますが、海里は「本人が話してくれるまで待つ」と言っているので、待つしかなさそうです。

みんな良い奴ばかりなので、みんなに幸せになってもらいたいものです。


<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」


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posted by DONA at 15:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:椹野道流

2016年05月11日

椹野道流「最後の晩ごはん ふるさととだし巻き卵」

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 椹野道流 著
 「最後の晩ごはん ふるさととだし巻き卵」
 (角川文庫)


若手イケメン俳優の五十嵐海里は、ねつ造スキャンダルで活動休止に追い込まれてしまう。全てを失い、郷里の神戸に戻るが、家族の助けも借りられず・・。行くあてもなく絶望する中、彼は定食屋の夏神留二に拾われる。夏神の定食屋「ばんめし屋」は、夜に開店し、始発が走る頃に閉店する不思議な店。そこで働くことになった海里だが、とんでもない客が現れて・・。幽霊すらも常連客!?美味しく切なくほっこりと、「ばんめし屋」開店!−裏表紙より−

初めましての作家さんです。


芸能人が活動休止って何だかタイムリーな内容です・・。それにしても、こんなふうにあっさりと芸能界から消えて行った人、たくさんいるんでしょうね〜。そう思うと怖い世界です。大物であれば話題にしてもらえますけど、あまり有名でなければさらっと消えてしまうんでしょうね。

この話の主人公・五十嵐海里は、これから売れていくであろう存在の俳優。演技力はイマイチみたいですけど、顔の良さで何となく残っていた人。スキャンダルの相手が大手事務所のアイドルさんだったから、海里が消されることに。

読んでいてゾッとする内容でした。直前までテレビという華やかな世界にいたのに、突然何もなくなるなんて。家さえも事務所名義で借りている物だからあっさりと追い出されてしまいます。

揚句には、悪者扱いになってしまったので、どこへ行くにも人目が気になります。何とか実家にたどりついたのにやっぱり追い出されてしまって自暴自棄になっていたら、ある人に拾われました。

そこからはかなりあっさり良い方向へ転がっていくので肩透かしにあった気分になりますが、でもまあかわいそうな人なので良かったのかもしれません。

更に、幽霊まで登場! ここでやっと、これはファンタジーなんだと気づかされます。幽霊だけではなくもう一つ不思議なことも起きて、どんどんファンタジー色が濃くなっていきます。

なるほど、このシリーズはそっちの方向へ行くわけね・・。

そうなると始めの方の“イケメン俳優”という設定は何なんだろう?とも思いますけど、きっとその辺りは今後出てくるのでしょう。


美味しそうな料理も出てきますし、ちょっとほろりとさせられたり、登場人物の言動にニヤッとさせられたり、なかなか楽しく読み切ることができました。

続きも読みます。


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posted by DONA at 15:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:椹野道流