2017年08月07日

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖7〜栞子さんと果てない舞台〜」

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 三上延 著
 「ビブリア古書堂の事件手帖7〜栞子さんと果てない舞台〜」
 (メディアワークス文庫)


ビブリア古書堂に迫る影。太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた老獪な道具商の男。彼はある一冊の古書を残していく―。  奇妙な縁に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。青年店員と美しき女店主は、彼女の祖父によって張り巡らされいた巧妙な罠へと嵌っていくのだった・・。  人から人へと受け継がれる古書と、脈々と続く家族の縁。その物語に幕引きのときがおとずれる。−裏表紙より−


前作でどうやら謎が深まったらしいですが、またまた思いっきり忘れてしまっていました。

読み始めても思い出せず、ずっとついていけない状態に。新刊を読む前に前作を読み直せば良いのに、つい面倒くさくなってしまって。


太宰治の「晩年」という本を探さないといけない栞子さん。貴重な古書らしいので、大変なようです。その噂を聞きつけてやってきたのが怪しげな道具商の老人。法外な値段を提示して去っていきます。

そんなお金、どこから出てくるんだか!と思っていたのに、どうやら買う方向??

貴重な本なのはわかりますが、「読めればいいやん」と思ってしまう私には、その価値は全くわかりません。この本にそれだけの値段を払うなら、ブランド物のバッグを買う方がマシかも(どっちも要りませんけど)。

今まで関わってこなかった祖母も関わってきて、もちろん栞子の母親も大きく関わってくる上に、彼女のやりたかったことが私には理解できず。

大輔は結局バイトしかしていないのに、結婚を考え始めるし、本当に色々ありすぎてついていけなくなりました。


結局、シリーズを最後まで読んだわけですが、最後まで読んでも古書への強い想いは理解できず。絵画もそうですけど、貴重な物だということはわかっているつもりですが、そのために厳しい生活の中から大金を払ったり、家族を捨てて世界に捜しに行ってしまったりすることには全く理解できませんし、同情も共感も何もできません。

博物館的な所で一括して保管しておこうよ〜!と思ってしまう私は読書家として失格なのかな?

このシリーズを読んだお陰で、古書のことや古書を扱う世界の話が垣間見えて、少しはわかるようになって、良い勉強にはなった気がしますし、面白かったです。

まあでも、しばらくは古書関係は要らないかな・・。


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2015年01月22日

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖6〜栞子さんと巡るさだめ〜」

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 三上延 著
 「ビブリア古書堂の事件手帖6〜栞子さんと巡るさだめ〜」
 (メディアワークス文庫)


太宰治の『晩年』を奪うため、美しき女店主に危害を加えた青年。ビブリア古書堂の二人の前に、彼が再び現れる。今度は依頼人として。 違う『晩年』を捜しているという奇妙な依頼。署名ではないのに、太宰自筆と分かる珍しい書きこみがあるらしい。 本を追ううちに、二人は驚くべき事実に辿り着く。四十七年前にあった太宰の稀覯本を巡る盗難事件。それには二人の祖父母が関わっていた。 過去を再現するかのような奇妙な巡り合わせ。深い謎の先に待つのは偶然か必然か?−裏表紙より−


シリーズも6作目になりました。今回は、太宰治の話です。特に「晩年」という古書がメインになっているのですが、太宰治に興味が無いので、ピンとこない所が多かったです。

もちろん、名前は知っていますし、作品もいくつか読んだことがあります。でもこの作品にも出てきますが、暗くて硬いイメージがあって、あまり好きにはなれない作家さんなんですよね。

ただ、太宰の人生や思想なんかを詳しく知ることができたので、それなりに興味が持てました。


このシリーズ、話が進むにつれて、古書に対するマニアたちの執着心が怖いくらいになってきて、今回は特に盗んだり人を傷つけたりしていたので、読みながら嫌な気持ちになりました。

作家の直筆だったり、貴重な古書を大切に保管しておきたい気持ちはよくわかりますし、それを保管することも大事だというのはわかるんです。

でも、自分の手元に置きたい気持ちは理解できませんし、そのために友人知人宅から盗み出したり、人にけがをさせてまで奪うというのは絶対にダメだと思います。不快感しかわきませんでした。



大輔と栞子の関係にちょっとした因縁があったことが明らかにされ、それで何か2人に変化があるわけではないですが、更に仲が深まりそうではあります。

また次へ繋がる謎もあって、気になる感じです。・・と前作の感想でも書いていましたが、新刊を読む頃には忘れているんですよね〜。

最後まで読んで面白かったら、また最初から読み直しても良いかもしれません。


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2014年02月04日

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖5〜栞子さんと繋がりの時〜」

ビブリア古書堂5

 三上延 著
 「ビブリア古書堂の事件手帖5〜栞子さんと繋がりの時〜」
 (メディアワークス文庫)


静かにあたためてきた想い。無骨な青年店員の告白は美しき女店主との関係に波紋を投じる。彼女の答えは―今はただ待ってほしい、だった。 ぎこちない二人を結びつけたのは、またしても古書だった。謎めいたいわくに秘められていたのは、過去と今、人と人、思わぬ繋がり。 脆いようで強固な人の想いに触れ、何かが変わる気がした。だが、それを試すかのように、彼女の母が現れる。邂逅は必然―彼女は母を待っていたのか? すべての答えの出る時が迫っていた。−裏表紙より−


このシリーズも5作目。古書のうんちくや、それを収集する人たちのこだわり、作家たちの人生などの部分はとても興味深く読めますし、面白いと思っているので、長く続けてほしいシリーズではあるのですが、栞子さんと大輔の関係が・・。

栞子さんの幼馴染で親友の滝野リュウが言っていたように「そういうもじもじプレイはわたしのいないところでやって下さい」と思ってしまいます。これ以上、うじうじしたら読むのを止めるかもしれません。

でもまあ、今回は“栞子さんかわいい!魅力的!”という記述が少なめだったのが救いでした。


母親に聞きたいことがある、と終始母親と連絡を取ろうとする栞子さん。母親の返事次第では大輔との付き合いは無いかもと言うので、どんなことが聞きたいのかと思ったら、何ともつまらないことでした。

詳しくは書きませんが、そんなことどうにでもなるし、本人次第なのに、何をそんなに悩んでるのか。母親のことも、今回でますます訳のわからない人だと思いました。前回はちょっと母親っぽい部分もあるのかと思ったのですが。そこまで古書にこだわって追いかける気持ちは、これからも理解できることはないだろうな。


相変わらず、知らない作家さんの話が多いですし、理解できない難しい所もあるのですが、謎解きの部分というか、古書に関する部分では今回も楽しく読めました。特に手塚治虫の話は面白かったです。こんなにこだわりを持って描き続けた人だったんだということを初めて知りました。偉大な作家さんです。


読み終わった後で、他の方たちの感想を読んでいると「プロローグに騙された」と書かれていて、改めて読んでみてやっと意味がわかりました。プロローグに何が書かれていたのか忘れてました・・・というか、読み流してました。恋愛絡みの部分はそんな読み方してしまうんです。


ラストはとても気になる終わり方をしていました。ラストに向けて話が進んでいますし、続きも楽しみです。


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2013年03月07日

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖4〜栞子さんと二つの顔〜」

ビブリア古書堂

 三上延 著
 「ビブリア古書堂の事件手帖4〜栞子さんと二つの顔〜」
 (メディアワークス文庫)


珍しい古書に関する特別な相談−謎めいた依頼に、ビブリア古書堂の二人は鎌倉の雪ノ下へ向かう。その家には驚くべきものが待っていた。 稀代の探偵、推理小説作家江戸川乱歩の膨大なコレクション。それを譲る代わりに、ある人物が残した精巧な金庫を開けてほしいという。 金庫の謎には乱歩作品を取り巻く人々の数奇な人生が絡んでいた。そして、深まる謎はあの人物までも引き寄せる。美しき女店主とその母、謎解きは二人の知恵比べの様相を呈してくるのだが−。−裏表紙より−


今回は長編でした。始めから終わりまで江戸川乱歩。

江戸川乱歩といえば「怪人二十面相」というくらいの認識しかない私。学校の図書室にも並んでいましたが、その頃から若干神経質だった私は、ボロボロの表紙にドン引きで借りることができませんでした。表紙が怖そうだったせいもありますが。

ということで、一度も読んだことが無く、名前くらいしか知りません。

きっと、乱歩に詳しい人ならより楽しめたでしょうし、感心する部分も多かったと思います。私くらいの知識では、終始「あ、そう」という感じで、冷めた感覚になりました。

それでもまあ、面白かったんですけどね。でも私は、1作目が一番面白かったかな?

お母さんの存在をもう少し引っ張ってほしかったですし、出てきた彼女が意外と母親っぽい所もあるやん・・とか思ってしまうのがちょっとがっかりでした。もっと、狂的な存在でいてほしかったかも。

更に、大輔と栞子の関係。これも、曖昧な状態でいってほしかったです。大輔にはよくがんばったと言いたいですが、今回は乱歩や古書を持っていた男性の人生や周りの人間への影響など、盛りだくさんの内容だったので、二人の関係については余計な気がしたんですよね。

もう少し引っ張っても良かった気がします。


・・と、色々書きましたが、きっと続きも読むでしょう。古書の話は面白いですから。


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2012年06月27日

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖3」

ビブリア3

 三上延 著
 「ビブリア古書堂の事件手帖3〜栞子さんと消えない絆〜」
 (メディアワークス文庫)


鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。すっかり常連の賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。  人々は懐かしい本に想いを込める。それらは予期せぬ人と人の絆を表出させることも。美しき女店主は頁をめくるように、古書に秘められたその「言葉」を読みとっていく。  彼女と無骨な青年店員が、その妙なる絆を目の当たりにしたとき思うのは? 絆はとても近いところにあるのかもしれない−。  これは“古書と絆”の物語。−裏表紙より−


今回は、栞子さんの妹・文香が日記らしき物を書いている所から始まります。栞子さんと大輔の一番近くにいて、客観的に見ている妹から見た二人の様子は、とても新鮮に感じました。「ふぅ〜ん」と軽く読み流していると、実は大きな意味のある部分だったので、読み終わって思わず戻ってしまいました。


前作から栞子さんは店に戻ってきて、大輔と一緒に仕事をしていたのですが、相変らず本の山の後ろに隠れています。でも今作は、あまり店の場面は無く、二人で出掛けて行くことが多かったです。

大輔は初めて「市場(古書交換会)」に行くことになり、古書店の人たちが集まる会場で業者同士の取引を見ることに。この交換会の様子は、大輔もそうなんですが、私も当然知らないことばかりだったので、入札方法とかなかなか興味深く読むことができました。

この本の中では、細かい描写もきちんと読んで覚えておかないと、後で「そんなことあったっけ?」となってしまうので、じっくり読む必要があるわけですが、知らないしきたりなんかに感心しながら思わずサッサとページをめくってしまいました・・。

この交換会には、初登場になる滝野蓮杖という栞子さんの幼馴染の男性が関わってきます。栞子さんの過去のことも色々と知っていそうなので、今後も大輔の力になってくれると思います。やっと協力者が現れたようです。


1作目で登場したご夫婦も再登場し、今回も素敵なエピソードを読むことができました。この2人の今後もぜひまた読みたいと思います。

今作は、前作よりも面白かったです。前作はやたらと大輔が栞子さんのことを意識するようになって、それがメインみたいに感じたのですが、今回はそういう描写も少なく、古書のことに集中できた気がしたんです。


栞子さんの母親についても、少しだけ進展がありました。どんな女性なのか、ますます興味が出てきたので、早く再会してもらいたいものです。


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2011年11月02日

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖2」

ビブリア古書堂2

 三上延 著
 「ビブリア古書堂の事件手帖2〜栞子さんと謎めく日常〜」
 (メディアワークス文庫)



ビブリア古書堂の女店主・栞子さんが帰って来たが、俺(大輔)は夏の間1人で切り盛りしていたこの店で引き続き働いていた。店には連日、古書を売りに来る客が絶えない。栞子さんは、それらの本を見て、持ち込んだ人の人生や性格などまで汲み取り、そこに潜む謎まで解決してしまう。


1作目ほどの感動も、鮮やかな謎解きもなかったのですが、それでもサラッと面白く読みきることが出来ました。

前作と違うのは、栞子さんが店にいる所。店にいるとはいえ、本を山積みにした後ろに隠れるようにしてパソコンにかじりついている状態です。でも、大輔にとっては1人で切り盛りしているよりも心強いようです。

本が読めない体質の大輔は、栞子さんに本の内容を話してもらうのが大好きで、彼女の方は本の話をするときは饒舌になれるので、とても良いコンビと言えるかも。


古書のことも詳しく書かれていて勉強になりますし、一つの古書に纏わる謎なんかも面白く読めましたし、大輔と栞子さんの今後も気になります。

栞子さんみたいに、頭が良くて美人で控えめでスタイル抜群で・・なんていう完璧な女性なんて現実にはいないでしょうね。男性の願望を全て集めたような理想的な女性で、同性の私としては冷めた目で見てしまいますけど、彼女の過去が少し明らかになってきて、続きが楽しみになってきました。


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posted by DONA at 11:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:三上延

2011年09月01日

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」

初めましての作家さんです。

ビブリア古書堂の事件手帳

 三上延 著
 「ビブリア古書堂の事件手帖〜栞子さんと奇妙な客人たち〜」
 (メディアワークス文庫)



鎌倉にある古本屋「ビブリア古書堂」の店主は、とても綺麗な女性だった。客として会った俺は、店主・栞子さんに気に入られたのか店員として雇われた。店には奇妙な客ばかりがやって来て、必ず謎を残していくのだった。栞子は、いわくつきの古書を鑑定しながらその謎を全て解いてしまう。


古書ばかり扱う店が舞台ということで、古書ばかりが出てきます。しかも名作と呼ばれる作品ばかり。夏目漱石や太宰治など、聞いたことあるけど作品は読んだことあるかな?という作家さんの作品が出てきます。

作品の内容も少し説明されているので、読んだことがなくても興味がもてそうです。

古書というものに、全くと言ってもいいくらい魅力を感じない私には、栞子さんの熱い気持ちが理解できませんでしたバッド(下向き矢印) 今までに何度か言っていますが、私は変に神経質な所があるので、ちょっとでも汚れや折り目なんかがあると買わないくらいなんです。こういう性格、治したいんですけどね。そうすれば図書館でも借りられるわけですから・・。

まあ、私のことは置いておいてあせあせ(飛び散る汗)



店主・栞子さんは綺麗で知的で・・という男性からすれば理想的な女性(しかもスタイルも抜群)。でもひどい人見知りで古書が絡まないと何もしゃべれないような人。古書のことになると止まらないほど話すし、どんな謎でも簡単に解いてしまいます。

ほんの少しのヒントで全ての謎を明らかにしてしまうのはすごいと思いますけど、こんなに鋭いとしんどいだろうなとも思ってしまいました。

全体的に面白かったのですが、特に気に入ったのは第3話です。不器用でもお互いを思いやって、幸せに暮らす夫婦の姿が素敵で、ちょっと泣きそうになりました。

すごくあっさり読めますし、お手頃かもしれません。続編も作れそうな雰囲気の話ですし、期待して待とうかな?



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posted by DONA at 11:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:三上延