2017年11月21日

原田マハ「総理の夫」

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 原田マハ 著
 「総理の夫」
 (実業之日本社文庫) 


20××年、相馬凛子は42歳の若さで第111代総理大臣に選出された。鳥類学者の夫・日和は、「ファースト・ジェントルマン」として妻を支えることを決意。妻の奮闘の日々を、後世に遺すべく日記に綴る。税制、原発、社会福祉。混迷の状況下、相馬内閣は高く支持されるが、陰謀を企てる者が現れ・・。凛子の理想は実現するのか? 感動の政界エンタメ!−裏表紙より−


ちょうど選挙戦の時に読んでいました。こんな理想的な政治家がいてくれたら、有権者として気持ちよく1票投じることができるのに・・と、自分の選挙区に立候補されている方たちの選挙公約を読みながら思いました。

もっとわかりやすく、もっと簡潔に、もっと信念をもって政治って出来ないものなんだろうか??

どこの政党も同じように思えるし、ここは良いけどこっちは嫌という部分があったりして、毎回投票には迷います。

とりあえず、野党がコロコロ変化し過ぎでしょう!

・・・・本作と関係のない話を書いてしまいました。


さてこの作品ですが、史上初の女性総理大臣が誕生したという設定での話です。女性総理の視点ではなく、その夫である日和が日記を書いているという設定で話は進んでいきます。

日記というスタイルに慣れるまでちょっと時間がかかりましたが、途中で政界らしいゴタゴタがあってその辺りから面白くなっていきました。現実でもこんな感じで足の引っ張り合いをしているようですね・・。

総理だというだけでも十分非難される立場なのに、それが女性となれば叩かれるのは目に見えるわけで、凛子も大変な立場に立たされます。

小説ですから、こんなにうまくいくわけないと思うようなご都合主義な展開もありますが、それはそれで痛快で良かったと思います。

総理の伴侶というものには、絶対になりたくないとは思いますが。


最後まで読んだ後、解説を安倍昭恵さんが書かれていたのでちょっと冷めました・・。いろんな意味で。本当に色んな所に顔を出される方なんですね。


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2016年02月15日

原田マハ「生きるぼくら」

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 原田マハ 著
 「生きるぼくら」
 (徳間文庫)


いじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生。頼りだった母が突然いなくなった。残されていたのは、年賀状の束。その中に一枚だけ記憶にある名前があった。「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサおばあちゃんから? 人生は四年ぶりに外へ! 祖母のいる蓼科へ向かうと、予想を覆す状況が待っていた―。人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく。−裏表紙より−


表紙の絵が東山魁夷で、ちょっとお得感がありました。この人の絵ってちょっと好きです。碧っぽい色の木々と白い馬が特徴ですね。この絵も物語の中で重要な役目をはたしています。


麻生人生という24歳の男の子が主人公。ずっとひきこもりで過ごしていた彼が、母親から見放された所から話は始まります。置手紙を残して去った母親の気持ちは、始めはびっくりしましたが、だんだん共感に近い感情が湧いてきて、苦しくなってしまいました。母親が子どもを置いて行くなんて、どれだけ辛かっただろう?と思うと、人生に対して怒りまでわいてきました。

母親から年賀状の人を頼りなさいと言われた人生は、中から祖母のはがきを見つけて、会いに行くことにしました。いきなり行くのはかなりの勇気が要りましたがはがきに「余命数か月」と書いてあっては飛んで行かずにはいられません。携帯で調べつつたどりついたら、家には見知らぬ若い女性がいて、更におばあちゃんから「誰ですか?」と言われてしまいます。

軽い認知症が始まったのだと近所の人に教えられて、驚きつつも共に生活することに。つぼみという若い女性もおばあちゃんや人生と関わりがありそうで、3人の不思議な共同生活が始まります。


おばあちゃんの家で、今までのようにひきこもるわけにはいかず、紹介してもらった仕事をすることになり、それなりにまじめにやっていましたが、おばあちゃんに異変が・・。そして、おばあちゃんが毎年やっていた昔ながらの製法でのコメ作りにも挑戦することになり、人生はひきこもる暇も、悩む時間もないままがむしゃらに働きます。

自然に触れつつ、つぼみと共におばあちゃんを介護しつつ、近所の人たちに支えられながら生活しているうちに、人生は大きく成長します。


結末は予想がつきますし、そんなに物事うまくいかないでしょ!という突っ込みもいれたくなるのですが、この物語はこれで良いと思いますし、この展開だからこその感動もありました。

人生とつぼみを支えてくれる志乃さんという女性がかっこよくて素敵でした。特におばあちゃんの状態が良くないことを知らされて落ち込む2人に掛けた「あのね、あんたたち。いろいろ、ショックなのはわかる。わかるけど、うつむくのはいま、この瞬間で終わりにしなさい。まず、とにかく顔を上げなさい」という言葉には感動しました。こんな風にピシッと叱って見守ることができる大人になりたいと今更ながら思わされました。


次は何を読もうかな?まだ読んでいない作品があるので楽しみです。


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2015年11月24日

原田マハ「ジヴェルニーの食卓」

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 原田マハ 著
 「ジヴェルニーの食卓」
 (集英社文庫)


ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、政策を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌら印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。−裏表紙より−


うつくしい墓」「エトワール」「タンギー爺さん」「ジヴェルニーの食卓」の4編収録されています。それぞれ、アンリ・マティス、エドガー・ドガ、ポール・セザンヌ、クロード・モネの物語です。

西洋美術に疎い人でも名前くらいは聞いたことがあるであろう有名な画家たちですね。


4人の画家の人生を、彼らに深く関わった女性たちの視点で見た物語として描かれている話で、画家自身の視点で描かれていない分、よりリアルで客観的に感じられました。

どんな作品を描くのか、特にマティスは思い出せなかったので調べて、絵を見ながら読みました。絵を見ながらの方が、より深く話が理解できる気がしました。

特にドガの「エトワール」は印象的でした。彼と同じ時代に女性画家として、しかもアメリカ人だということで、美術界ではなかなか認められず苦労もした、メアリー・カサットの視点で描かれた物語なのですが、ドガの人生というよりも、ドガの作品に描かれたバレリーナたちの人生に驚かされてしまいました。

「エトワール」とは星のことで、「スター」を意味します。バレリーナとしてスターを目指すまだ幼い少女たちの人生は、読んでいて同じ女性として辛かったです。これを読んでから「エトワール」の絵を見ると、かなりゾッとさせられます。


表題作も印象的でした。「睡蓮」で有名なモネですが、彼が作り上げたジヴェルニーの庭をどれだけ愛し、どんな想いで絵を描き上げたのか、彼を支えた義理の娘・ブランシュの人生を含めて、ちょっと泣けてくる物語でした。

これだけ誰かを崇拝して、人生を賭して尽くせる相手がいるって幸せなことだろうとうらやましくもあり、自分の人生を後回しにすることはある意味悲しいことなのかもしれないとも思えて、複雑な心境になりました。

これらの話が、どこまで史実に基づいているのかはわかりませんが、ますます西洋絵画に、画家たちに興味をもちました。とにかく、美術館に絵を見に行きたくなります。


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2015年02月12日

原田マハ「風のマジム」

風のマジム

  原田マハ 著
 「風のマジム」
 (講談社文庫)


伊波まじむは、通信会社琉球アイコムの派遣社員として働く二十八歳、自分が何をすべきか判らず漠然と日々を送っていた。彼女の運命を突然変えたのは社内ベンチャー募集の告知。まじむは郷土沖縄のさとうきびでラム酒を造るという事業を提案する。成功は無理と蔑む正社員。まじむの夢は果たして実現するか?−裏表紙より−


主人公は、伊波まじむという名前の女性。“まじむ”とは、真心という意味の沖縄弁だそうです。かわいい名前ですよね。ちょっと重たい気もしますけど、この名前に負けない精一杯がんばって生きている女性です。

28歳という年齢よりも若く感じていた彼女が、どんどん成長して、立派な社会人になっていく様子は読んでいて微笑ましかったですし、単純に「すごい!」と感心しました。


派遣社員として、何となく日々を過ごしていたまじむが、会社で行われたベンチャー募集を目に留めた所から物語は展開していきます。毎日、おばあとバーで飲んで帰っていた彼女は、おばあがラム酒を飲みながら「これは、風の育てたお酒だ」と言ったことをヒントに、沖縄で採れるサトウキビを使ったラム酒を作りたい!と考えるようになります。

それを企業としてできないか?と思い、リサーチを重ねて、ベンチャー募集に応募します。

もちろん、お酒を造るというのは簡単に出来ることではなく、材料をそろえることはもちろん、場所の確保、お酒を造る許可をとることや、造ってくれる醸造家を探すことも必要でした。

たくさんの問題を前に、まじむがどうやって成功させていくのか?


まじむは、周りの人たちにかなり助けられていく、ラッキーな女性です。それは、彼女の人柄とラム酒に対する情熱のお陰ではあるのですが、次々現れる問題を一つ一つ乗り越えていく彼女の姿には勇気づけられましたし、応援したくなりました。


ラム酒は個人的にも好きなお酒です。これを読みながらラム酒を飲めたらどんなに良かったかと思いました。また、あとがきにこの話が実在の人物をモデルに書かれた物だと書いてあり、美味しそうなラム酒(「コルコル」というそうです)も紹介してありました。沖縄のさとうきびで出来た風のお酒・ラム酒。ぜひ飲んでみたいです。


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2014年12月08日

原田マハ「旅屋おかえり」

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  原田マハ 著
 「旅屋おかえり」
 (集英社文庫)


あなたの旅、代行します! 売れない崖っぷちアラサータレント“おかえり”こと丘えりか。スポンサーの名前を間違えて連呼したことが原因でテレビの旅番組を打ち切られた彼女が始めたのは、人の代わりに旅をする仕事だった―。満開の桜を求めて秋田県角館へ、依頼人の姪を探して愛媛県内子町へ。おかえりは行く先々で出会った人々を笑顔に変えていく。感涙必至の“旅”物語。−裏表紙より−

題名だけ見ると、勝手に旅館の話だと思っていたのですが、読み始めたらタレントの話だったのでびっくりしました・。“丘えりか”だから“おかえり”で、旅の代行をする“旅屋”・・なるほど!


旅が大好きなタレントのおかえりは、担当していた旅番組がスポンサーを怒らせたことで打ち切りになり、旅も出来ない上に、仕事も無くなって、今後どうやって生きていくのか?という悩みを抱えることに。

彼女しかタレントがいない事務所も存続の危機。

そんなとき、ある茶道で有名な家から「娘の代わりに旅をしてほしい」と依頼があり、彼女の代わりに満開の桜を見るために秋田県へ旅に出ます。

その仕事で、自分がどれほど旅をしたかったのかを再認識したおかえりは、社長と共に、旅代行という新たな仕事を始めることに。


2話目は怒ったスポンサーの社長からの依頼。姪を探す旅に出たおかえりでしたが、事務所社長や周りの人たちの態度に戸惑うことになります。スポンサー社長の姪とはどんな人物なのか?


私は我が家が大好きで、旅という物にほとんど興味がありません。旅に出てもすぐに帰りたくなるくらいです。また、人との出会いは更に興味が無いので、ある意味おかえりのような生き方や考え方に惹かれました。

こういう風に人と関わって、相手も自分も笑顔になっていくような旅だったら楽しいだろうと思います。うらやましい気持ちにもなりました。

時々、泣きそうになる部分もあり、最後まで楽しく読み切ることができました。

これは続編も書けそうな雰囲気。もし書かれたら読みます!


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2014年11月17日

原田マハ「RUNWAY BEAT ランウェイ・ビート」

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 原田マハ 著
 「RUNWAY BEAT ランウェイ・ビート」
 (宝島社文庫)


ある日現れたおしゃれな転校生ビートは、イジメられっ子の犬田(ワンダ)のファッションを大改造して一躍クラスの人気者に。「誰にでもポテンシャルはある!」ビートの魔法の言葉に勇気づけられ、ファッションに興味のなかった仲間たちが前代未聞のファッションブランドを立ち上げる。彼らはファッション業界に革命を巻き起こせるのか? 日本ラブストーリー大賞作家が贈る感動に青春小説。−裏表紙より−


この裏表紙の文章を読んでいたらもしかしたら読まなかったかもしれません。私の苦手なワードが2つも入っています。「ファッション」と「青春」・・・。

高校1年生の生徒たちの物語で、しかもファッションに興味をもっている生徒の話で、しかも恋愛が絡む! これは私の苦手な分野なので、途中から読むのが辛くなってしまいました。

彼らの話す言葉も軽い感じがしましたし、ファッション用語が全くわからない私には理解できない部分もたくさんありました。文章で服装の説明をされても、頭にイメージが浮かばないんですよね。そうなると、どんなセンスの良さなのかわかりませんし、彼らの作ったファッションショーがどれほどの物だったのかも想像できず、物語の盛り上がりについていけませんでした。

とてもキラキラと輝いている高校生たちの姿は、単純に良いな〜と想えたのですが、やはりノリが合わないんですよね。

高校生の軽いノリなのに、恋愛は妙に重くて、それも辛かったです。そこに感動できる若さがもうないということなんでしょう・・。


と、さんざんな感想を書いていますが、私のようにファッションが苦手ではないなら読んでいて楽しいと思いますし、恋愛話が好きなら感動できると思います。ネットでの評価は高そうですから。


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2014年09月05日

原田マハ「楽園のカンヴァス」

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 原田マハ 著
 「楽園のカンヴァス」
 (新潮文庫)


ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは―。山本周五郎賞受賞作。−裏表紙より−


この作家さんが絵画に詳しいとは知りませんでした。この作品を読む直前に丁度テレビに出演されて、ピカソやルソーの話をされていたのを偶然見たので、タイムリーで面白かったです。

表紙にもなっている絵「夢」。これに酷似した「夢を見た」という題名の絵が発見されたが、それは本物なのか贋作なのか?という内容になっています。

アンリ・ルソーの絵って、私は好きになれなくて、見かけてもあまりじっくり眺めることもなかったのですが、今回は何度も表紙を見て確認しながら読みました。

ルソーだけではなく、絵画の名前が出てくる度にどんな絵なのか、ネットで確認しながら読み進めました。ネットって便利ですね〜。


ピカソも私には理解できない芸術で、彼がルソーに憧れていたと言われても、ピンとこないというか、まったく違う絵を描くのに・・と思ってしまいます。まあ、自分と違う絵を描けることに対しての憧れなのでしょうけど。

この物語には、ルソーに魅せられた人たちが出てきて、それぞれの思惑によって「夢を見た」を鑑定しようとします。

特に、ティム・ブラウンと早川織絵は直接絵を見て、それにまつわる物語も読んで、真贋を判断するように任されてしまい、ますますルソーに魅せられていきます。

最後までどうなっていくのか気になって、次々読み進めていきました。結末はすっきりと、良い所で終わっていて良かったです。


何よりも本物の絵画が見に行きたくなりました。特にMoMAに行きたい!! お気に入りの絵画を時間を気にせず見ていられたら良いでしょうね・・。実際はすぐに飽きるのかもしれませんがあせあせ(飛び散る汗)


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2014年02月20日

原田マハ「まぐだら屋のマリア」

まぐだら屋のマリア

 原田マハ 著
 「まぐだら屋のマリア」
 (幻冬舎文庫)


東京・神楽坂の老舗料亭「吟遊」で修行をしていた紫紋は、料亭で起こった偽装事件を機にすべてを失った。料理人としての夢、大切な仲間。そして、後輩・悠太の自殺。逃げ出した紫紋は、人生の終わりの地を求めて彷徨い、尽果というバス停に降り立った・・。過去に傷がある優しい人々、心が喜ぶ料理に癒され、紫紋はどん底から生き直す勇気を得る。−裏表紙より−


この作家さんらしい、温かい雰囲気の中で話が進んで行きます。

題名もですが、出てくる人物もちょっと変わった名前が多くて、キリスト教に関係があるのか?と思ってしまいますが、内容は全く関係ありません。読み終わった後で、解説を読むと確かに題名の意味が見えてくる感じはありますが。


老舗料亭で料理人の修業をしていた及川紫紋(しもん)は、ある事件で、心に大きな傷を負ってしまいました。その傷が癒えることなく、死に場所を求めて彷徨った彼は「尽果(つきはて)」というバス停にたどり着きます。

名前に惹かれて降り立った所にあったのは「まぐだら屋」という定食を出す店でした。匂いに誘われるように中に入って思わず注文していた紫紋は、そのまま「まぐだら屋」で料理の手伝いをすることに。

そこにいた女主人・有馬りあことマリアは、客に好かれ、癒される料理を出す人。彼女にも重くて大きな過去がありました。


まぐだら屋にはオーナーがいて「女将」と呼ばれているのですが、彼女は病気で療養中です。そんな彼女から認めてもらった紫紋は、マリアと心に癒えない傷を負った者同士、美味しい料理でお客さんを喜ばせたいという思いも共通し、息の合った状態で店を切り盛りしました。

この女将もとてもミステリアスな人です。どうもマリアと昔何かがあった様子なのですが、その内容は全く明かされないまま話は進みます。


過去に傷を負った人ばかりが出てくる話で、読むのが辛い場面もあったのですが、それぞれがお互いを支え合うように、励まし合うようにして、少しずつ癒され、許されていくのが嬉しくなりました。

最後にはみんなが前向きに、明るい未来に向かって生きていけそうになったので、爽やかな気持ちで読み終えることができました。


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2014年01月06日

原田マハ「さいはての彼女」

さいはての彼女

 原田マハ 著
 「さいはての彼女」
 (角川文庫)


25歳で起業した敏腕若手女性社長の鈴木涼香。猛烈に頑張ったおかげで会社は順調に成長したものの結婚とは縁遠く、絶大な信頼を寄せていた秘書の高見沢さえも会社を去るという。失意のまま出かけた一人旅のチケットは行き先違いで、沖縄で優雅なヴァカンスと決め込んだつもりが、なぜか女満別!?だが、予想外の出逢いが、こわばった涼香の心をほぐしていく。人は何度でも立ち上がれる。再生をテーマにした、珠玉の短篇集。−裏表紙より−


表題作他「旅をあきらめた友と、その母への手紙」「冬空のクレーン」「風を止めないで」の4編収録されています。それぞれ、日常に疲れた女性が一人旅をして、癒されていく話になっています。

最初の「さいはての彼女」で出てきたナギという女性のことが気に入って、勝手に連作短編だと思い込んでしまったのですが、2編と3編には出てきませんでした。最終話に少し登場しましたが、彼女の物語をもっと書いてほしいと思います。

ナギは、ハーレーを乗り回す女性。耳が聞こえず、でも常に笑顔で明るくて、バイクをメンテナンスする技術も素晴らしく、バイク乗りたちのアイドル的な存在です。

そんな彼女に出会った涼香は、自分で作った会社で人間関係に疲れていたのですが、少しずつナギの明るさに助けられて元気になっていきました。

ナギの亡くなったお父さんも良い人なんです。彼の言葉が心に沁みました・・・内容はぜひ読んでください。


旅をあきらめた友と、その母への手紙」では、一流企業に勤めていた女性が旅に出ます。いつもはナガラという親友と2人旅をしていたのですが、今回は都合で1人旅になりました。彼女がなぜ2人で旅行することになったのか、なぜ今回は親友が来れなかったのかということが描かれていて、最後の手紙の部分では泣きそうになりました。


冬空のクレーン」では、都市開発会社で課長補佐という重役に就いている女性が旅に出ます。会社で後輩を叱責したことで、自分の会社での立場を知ることになり、自分でも驚くほど落ち込んだ彼女は、旅先で素敵な出会いをします。改めて自分のことを客観的に見つめ直すことができて、また新たな気持ちで日常に帰ることが出来るでしょう。


風を止めないで」は、他の3作と雰囲気が違います。「さいはての彼女」に出てきたナギのお母さんの話です。夫を亡くした彼女がどんな気持ちで今を生きているのか、ナギに対してどんな気持ちでいるのかなどが描かれていて、彼女の精いっぱい生きている姿に感動しました。


どの話も最後が爽やかに終わっていて、気持ちが軽くなりました。感動させられることも多く、読んで良かったと思えました。ナギや両親のことが気に入ったので、ぜひまた登場させてもらいたいです。


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2013年11月02日

原田マハ「星がひとつほしいとの祈り」

星がひとつほしいとの祈り

 原田マハ 著
 「星がひとつほしいとの祈り」
 (実業之日本社文庫)


時代がどんなに困難でもあなたという星は輝き続ける。
売れっ子コピーライターの文香は、出張後に寄った道後温泉の宿でマッサージ師の老女と出会う。盲目のその人は上品な言葉遣いで、戦時中の令嬢だった自らの悲恋、献身的な女中との交流を語り始め・・(「星がひとつほしいとの祈り」)。表題作ほか、娘として妻として母として、20代から50代まで各世代女性の希望と祈りを見つめ続けた物語の数々。
−裏表紙より−


表題作他「椿姫」「夜明けまで」「寄り道」「斉唱」「長良川」「沈下橋」の計7編収録。


「ふっと涙がこみあげる」と帯に書いてありましたが、まさしくそんな感じ。号泣するほどではないですけど、じんわりと涙が浮かんでくる話が多かったです。

恋愛関係の話なのですが、私でも楽しめたので、ドロドロしていたり甘すぎたりするような濃い話ではなく、爽やかで温かい気持ちになれる内容でした。

どれも良かったのですが、特に気に入ったのは「寄り道」「長良川」の2話です。

「寄り道」は、白神山地を巡るツアーに参加した女性たちの話なのですが、最後に私に涙を流させた女性だけではなく、それ以外の仲良し2人組が最高でした。あまりベタベタしすぎず、でも困難を乗り越えた友を大きく包み込み癒すという関係が素敵でした。こういう友人がいると幸せだろうな・・。

「長良川」は、長年連れ添った夫婦の夫が旅立ってしまい、結婚を控えた娘が傷心の母親を旅行に連れ出す話です。生前の夫が妻に掛けた言葉が素敵で、悲しい物語なのですが温かい気持ちになりました。こういう夫婦って良いな・・。


こうやって書きだしてみると、何だかうらやましがってばかりですねあせあせ(飛び散る汗)

印象の薄い話もありましたが、穏やかな読書時間が過ごせる作品でした。


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2013年10月10日

原田マハ「カフーを待ちわびて」

カフーを待ちわびて

 原田マハ 著
 「カフーを待ちわびて」
 (宝島社文庫)


もし絵馬の言葉が本当なら、私をあなたのお嫁さんにしてください−。きっかけは絵馬に書いた願い事だった。「嫁に来ないか。」と書いた明青のもとに、神様が本当に花嫁をつれてきたのだ−。沖縄の小さな島でくりひろげられる、やさしくて、あたたかくて、ちょっぴりせつない恋の話。選考委員から「自然とやさしい気持ちになれる作品」と絶賛された第1回『日本ラブストーリー大賞』大賞受賞作品。−裏表紙より−


主人公・明青(あきお)は、沖縄の小さな島に住んでいて、小間物店のような物を営んでいます。物語は、明青が店の“中休み”を取っているのどかな風景から始まります。

そんなに長い時間開いている店でもないのに、休憩時間があるなんて、うらやましい仕事です。のんびり煙草を吸ったり昼寝したりしているとき、庭には黒ラブのカフーが寝そべっています。

カフーというのは沖縄の言葉で「果報」「幸福」という意味です。カフーがやって来たとき、裏に住む巫女でもある“おばあ”から「カフー(果報)はきたか?」と言われたことで思いついた名前で、この犬の性質によく合う素敵な名前だと思いました。

明青は父親と死別し、母親は行方不明になってしまったので、1人で孤独に暮らしています。そんな彼を無心に待っていてくれるのがカフーなんです。2人の生活する様子はとても微笑ましく、沖縄の綺麗な海と空がよく似合う感じがしました。

そんな2人の前に現れたのは、幸という女性。明青が以前、旅行先で書いた絵馬を見て「お嫁さんにして下さい」とやって来たのでした。当然のように家に上がり込み、寝泊りを始める彼女。明青はとまどいながらも、少しずつ彼女に惹かれていきます。


・・・とまあ、ここから恋愛小説らしくなっていくわけですが、私にしては珍しく最後まで嫌にならずに読み切ることが出来たんですよね。

それはきっと、この物語から醸し出される雰囲気、沖縄の小さな島という空気感や、登場人物たちのまっすぐな感じなどのお陰だと思います。

島に持ち上がったリゾート開発の話もどうなるのか気になりましたし、ほとんど一気読み状態でした。


最後には幸の秘密も明かされ、きっと2人は幸せに暮らしていくんだろうと思える結末も素敵でした。

途中はかなりもどかしくてイライラさせられましたけど、最後がキレイに終わっていて良かったです。2人のその後が描かれた話があるらしいので、それも読んでみようと思います。


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2013年07月22日

原田マハ「本日は、お日柄もよく」

本日は、お日柄もよく

 原田マハ 著
 「本日は、お日柄もよく」
 (徳間文庫)


OL二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅了させられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された! 目頭が熱くなるお仕事小説。−裏表紙より−


題名から想像すると、結婚式の祝辞ばかりを集めたような話かと思いますが、実際にはあらすじにも書かれているように、選挙戦がメインとなっています。

読んでいたとき、ちょうど選挙戦の最中だったので、タイムリーではあったのですが、現実に近すぎて読んでいて入り込めない雰囲気もありました。

内容としても「戦後初の政権交代」とか「郵政選挙」とか、数年前に実際に起きた出来事が描かれているのでその場面になる度に冷める感じがしました。

でもやっぱり「読んでよかった」と思えましたし、何度も涙を流して感動しながら読み切ることができたのは、中に出てくるスピーチや、色んな人が語る言葉の重みが素晴らしかったからなんです。

例えば・・・と書き出そうとしても、あまりにも多くて選べないので、ぜひ実際に読んでいただきたいです。


もし現実の選挙戦でも、この物語に出てきた政治家のような熱い演説をする人がいたら、きっと盛り上がったでしょうし、もっと政治に興味がもてたのかもしれません。

口では「国民のため」と言いながら、実際に当選したらふんぞり返って偉そうにインタビューを受ける政治家がどれだけ多いか!

必要以上にペコペコしなくても良いですが、選挙期間中の謙虚な気持ちを少しでも覚えておいてもらいたいものです。

・・あまり政治家について語るのもどうかと思うので、この辺でやめておきます。


この本を読んで「スピーチライター」という仕事を初めて知りました。プロのお陰で素敵なスピーチが出来るなら良いことですよね?しかも、その人が全て考えるわけではなく、依頼人の思いを汲んで、一緒に考えるなんて、素晴らしいです。手間がかかっている分だけ、そのスピーチに心がこもっている気がしますね。


今まで出席した披露宴の祝辞で感動したこともありませんし、覚えている言葉もはっきり言ってありません。自分自身も祝辞を述べたことがありませんし。

いつか、感動のスピーチに出会いたいと強く思いますし、自分でも感動させられるような言葉を言えるようになりたいと思いました。

そのためには、まず「聞き上手」にならないといけないそうです。いきなりの難題!・・・でもまずは「聞くこと」から始めようかな??


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2013年06月06日

原田マハ「独立記念日」

独立記念日

 原田マハ 著
 「独立記念日」
 (PHP文芸文庫)


恋愛や結婚、進路やキャリア、挫折や別れ、病気や大切な人の喪失・・・。さまざまな年代の女性たちが、それぞれに迷いや悩みを抱えながらも、誰かと出会うことで、何かを見つけることで、今までは「すべて」だと思っていた世界から、自分の殻を破り、人生の再スタートを切る。寄り道したり、つまずいたりしながらも、独立していく女性たちの姿を鮮やかに描いた、24の心温まる短篇集。『インディペンデンス・デイ』を改題。−裏表紙より−


15ページくらいの長さの話が24話、収録されています。

主人公はそれぞれ違うのですが、みんな何かから「独立」する決意を固めて話が終了します。

話は1話完結になっていますが、ちょっとした連作のようになっていて、脇役として登場した人物が、次の話では主役になるという手法がとられています。

そのちょっとした繋がりが妙に嬉しい気持ちにさせてくれますし、ちょこっと出てきて気になる人物の人生も見ることができて得した気分。


「独立」と言っても、家や会社からの独立だけではありません。恋からだったり、頼りきっていた友人だったり、元彼からだったり様々なことからの独立。

24人の独立の様子が描かれているので、みんなどれかに共感できるのでは??と思います。

どの話も面白かったのですが、特に気に入ったのは「ふたりの時計」「魔法使いの涙」「お宿かみわら」「独立記念日」・・改めて見直すと、どれと決められないくらいです。

「ふたりの時計」「お宿かみわら」は夫婦の話です。奥さんが頑張りすぎているのを見て、旦那さんがそっと手を差し伸べる・・温かい雰囲気の話で、ほっこりしました。

「魔法使いの涙」「独立記念日」は親子の話で、小さな娘を抱えて子育てに悩んでいるお母さんの姿が描かれています。悩んで疲れているお母さんに、優しく手を差し伸べてくれる人が現れ、壊れかけていた親子関係が修復されます。涙が出そうになる感動の話でした。


今、人生に悩んでいる女性の方にぜひ読んでいただきたい作品です。


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2013年01月30日

原田マハ「一分間だけ」

一分間だけ

 原田マハ 著
 「一分間だけ」
 (宝島社文庫)


ファッション雑誌編集者の藍は、ある日ゴールデンレトリバーのリラを飼うことになった。恋人の浩介と一緒に育て始めたものの、仕事が生きがいの藍は、日々の忙しさに翻弄され、何を愛し何に愛されているかを見失っていく・・・。浩介が去り、残されたリラとの生活に苦痛を感じ始めた頃、リラが癌に侵されてしまう。愛犬との闘病生活のなかで、藍は「本当に大切なもの」に気づきはじめる。−裏表紙より−


あらすじを読んだら、すべて書かれているので、話の流れはこれでわかると思います。泣かずに読めるわけない!ってわかりますよね?

案の定、何度も泣いてしまいました。特に後半は号泣・・。家でしか読めませんよ、これは。犬を飼ったことのない私でもこれだけ泣いたんですから、飼ったことがある人は、大変だと思います。


犬だけでなく、生き物を飼うということの難しさと責任の重さ、命の大切さなどがよくわかる作品でした。私は小さいころから、犬を飼いたいと思ったことはありません。自分には無理だと思っていたからなのですが、これを読んで、更にその思いが強くなりました。

「かわいい」というだけでは飼えないのがよくわかりました。自分がどれだけ疲れていても、犬の散歩や餌やりは省くわけにはいきませんし、もし病気になったら、看病も必要です。

それを負担に感じても、物のように捨ててしまうことはできません。最期まできちんと世話をして、看取って送るまでは、何があっても責任をもたなければならない・・。

その覚悟が無いなら初めから飼ってはいけないんです。

でも、どれだけ覚悟して飼っても、どうしても疲れてしまうことはあると思います。そんなとき、ぜひこの作品を読んでほしいと思います。

リラの飼い主である藍も、恋人と別れ、仕事に追われ、一瞬「リラさえいなければ」と思ってしまうことがあります。それでもボロボロになりながらも必死で共に暮らし、前を向いて生きていくのです。

これから犬など飼おうと思っている方、今すでに飼っていて疲れている方、ぜひ読んでください。



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posted by DONA at 14:39| Comment(5) | TrackBack(0) | 読書:原田マハ

2013年01月10日

原田マハ「キネマの神様」

キネマの神様

 原田マハ 著
 「キネマの神様」
 (文春文庫)


39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることに、“映画の神様”が壊れかけた家族を救う、奇跡の物語。解説・片桐はいり−裏表紙より−


初めましての作家さんです。ネットでの評判を見て読むことにしたのですが、最初の文章で心をギュッとつかまれた気がしました。「これは大丈夫。好みだ」と。

映画好きな父娘の話なので、当然、映画の話題がほとんどをしめています。しかも、名作と呼ばれる、少し古い映画。よく出てきたのは「ニュー・シネマ・パラダイス」・・聞いたことありますし、音楽も口ずさむことが出来ますが、内容が・・。見たこと無いのかもしれないと思っています。どうやら、とても良い映画みたいなので、いつか機会があったら見てみようと思います。


私は映画を見るのが好きです。でも、見る本数はかなり少なくて、年に1本とかのときもあるくらい。好みがうるさいというか、見たい映画が無いと見に行かないんですよね。それでも映画を見るのは好き。映画館という空間で、気の合う友人と一緒に見るのが好き。隣にいるのは友人、でも映画が始まったらその友人の存在さえ忘れるほど没頭してしまうんですよね。画面と音楽に包み込まれる感じ。

そして、絶対にエンドロールの最後まで見てから立ちたいんです。席を立つのが勿体無くて!映画の世界にいつまでもいたい気がするんですよね。最後まで気合を入れて作ったはずだから、作った人たちのためにも見なければ!と思ってしまいます。

まあ、中には気に入らない映画もあって、そういうのに当たるとぼんやり違うことばかり考えてしまいますし、サッサと席を立つのですが。

音楽も映像も終わって、客席の照明が点いて、何となくひそひそと交わされる会話や雰囲気がまた良いんですよね。で、今度は早く出て友人と映画の感想を語り合いたい!と思う。

あ〜、久しぶりに映画が見たくなりました。


この作品にはたくさんの映画が紹介されています。そのほとんどを見ていなかったのですが、それでも十分楽しめました。もちろん、先に見ておいた方がより楽しめたんだろうとは思いますが。

はっきり言って、ご都合主義というか、なんでもうまく行きすぎという展開ではあるのですが、普段なら「ケッ」と思う展開でも、この物語では気になりませんでした。逆にこういう展開にならなかった方がきっと気に入らなかったと思います。

すっかりお気に入りの作品になりました。作品の良い所をうまく説明できないのが残念です。この作家さんの作品、他のも読みたいと思います。


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posted by DONA at 11:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:原田マハ