2015年01月28日

ジェシカ・ベック「誘拐されたドーナツレシピ」

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 ジェシカ・ベック 著
  山本やよい 訳
 「誘拐されたドーナツレシピ」ドーナツ事件簿5
 (コージーブックス)


便利屋のティムが姿を消した。町じゅうの家に出入りし、みんなから愛されていた彼の死体を発見したのはスザンヌ。町で有名な「裏切り」を意味する木に吊るされていたのだ。早速、スザンヌが情報収集のために無料ドーナツを持って聞き込みに乗り出した矢先、肝心の本業でアシスタントのエマが大変なミスを犯してしまう。新聞広告に「ドーナツ1個無料」と掲載するところを「11個無料」と間違ってしまったから、さあ大変!大勢の客が押し寄せ、お店はてんてこ舞い。おまけに、その混乱に乗じて何者かが、この世に一冊しかないスザンヌの大切なレシピノートを盗んでいった。苦心して作り上げてきたレシピは、スザンヌの店の歴史そのもの。高額な懸賞金をかけて行方を探すスザンヌへ、犯人がつきつけた要求とは!?大好評シリーズ第5弾!―裏表紙より―


裏表紙を改めて読んでいると、これってこの物語のほとんど全て説明しちゃったんじゃない?っていうくらい書かれてしまっていますね・・。


冒頭から街の女性が行方不明になったという事件が発生し、最後に目撃されたのがスザンヌの店だったということで、いきなり疑われてしまいます。

その女性とは友人でもあったので、彼女を探すことにしたスザンヌと親友・グレース。でも、実はそれ以外にも行方不明事件が発生していることが判明し、2人の捜索を始めました。

ところが、女性はただ単に黙ってあそびに行っていただけとわかり、もう一人の男性の死体をスザンヌたちが発見するはめになり、どんどん事件に巻き込まれていきます。

更に、店でスザンヌのレシピノートが誰かに盗まれる事件も発生し、かなり落ち込んでしまいます。


でもまあ、コージーらしく親友や恋人、母親や友人たちと話しているうちにサラリと解決していくわけですが、今回は盗まれたレシピノートのことが重要な感じでした。

私にはこのノートを失くしたときのスザンヌの落ち込み方が理解できませんでしたけど。そこまで大事に思っているノートなら、周りの人たちが言うように、コピーするなりデータ化するなりしておけば良かったのにと思います。

ノートを失くしたことで、全てのドーナツが作れなくなるくらいパニックになるとは、信じられない気がしました。焦るとうまくいかないこともあるでしょうが、冷静になれば定番のドーナツくらいすぐに作れると思うんですけど。


納得のいかないこともありましたが、全ては丸く収まって、相変わらず読了感は最高でした。

次はどんな事件が起きるのか?楽しみに待つことにします。


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2014年06月13日

ジェシカ・ベック「エクレアと死を呼ぶ噂話」

エクレアと死を呼ぶ噂話

 ジェシカ・ベック 著
  山本やよい 訳
 「エクレアと死を呼ぶ噂話」ドーナツ事件簿4
 (コージーブックス)


夜の八時少し過ぎ、スザンヌがいつものようにベッドに入って眠りかけた頃。ふとラジオから、スザンヌのドーナツショップの名前が聴こえてきた。耳を澄ますとなんとキャスターが、ドーナツは命を縮める食べ物だと主張し、スザンヌの店をボイコットしようと人々に呼びかけていたのだ。思わずラジオ局に押しかけたスザンヌは、キャスターと大喧嘩。ところが翌日、彼が遺体となって発見されるなんて! しかもその口にはスザンヌの店のエクレアが押し込まれていたため、またしても彼女は容疑者になってしまう。悪い噂に店からも客足が遠のくばかり。困り果てたスザンヌは、親友や母親、恋人、そして自慢のドーナツの力を借りて捜査を開始するが……!?―裏表紙より―


このシリーズ、読む度にクッキーシリーズと似ているな〜と思います。クッキーがドーナツになっただけ?早起きする主人公、恋人が警察官で、母親とは仲は良いけどちょっとぎくしゃくするところがあって、店では心強い助手がいて・・。小さな町で起こる事件ですし、本当に色々と似ています。

でも、なぜかこのシリーズも大好きなんですよね。登場人物が魅力的なのが大きいのでしょうけど、クッキーよりもドーナツの方がもっと好きなせいもあるかも?

「オールドファッション」と聞いただけでよだれが出そうです・・。


今回は、ラジオのキャスターが殺害されます。その前日にスザンヌのドーナツ屋さんについて悪口を言っていた上に、喧嘩までしてしまったので、当然容疑者となってしまいます。更に、ラジオを聴いた人たちはドーナツを食べようと思わなくなったのか、売れ行きも悪くなったため、事件を解決させようと調査に乗り出します。

もちろん今回も親友・グレースと元警官のジョージに手伝ってもらいながら。グレースの過去の出来事がまた一つ明かされて、ますます彼女が好きになりました。

恋人になった警察官のジェイクとの仲も順調のようですし、母親もますます力強くスザンヌを支えてくれます。


相変わらずあっという間に解決してしまいますし、今回は危機も訪れますが、最後は明るく終わるので、楽しめました。町の雰囲気と美味しそうな料理やドーナツにワクワクできる作品でした。

アメリカではもうすでに12作も発表されているとか。続きも楽しみです。


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2013年04月20日

ジェシカ・ベック「雪のドーナツと時計台の謎」

雪の

 ジェシカ・ベック 著
  山本やよい 訳
 「雪のドーナツと時計台の謎」ドーナツ事件簿3
 (コージーブックス)


初雪が積もり、小さな町はあらゆるものに甘いアイシングがかかったように真っ白。スザンヌのドーナツショップにも、赤と緑で彩られたクリスマス向けドーナツが並びはじめた。ホットチョコレートが美味しいこの季節、毎年町の住民たちはウィンター・カーニバルを満喫するけれど、今年はイベントの最中に殺人事件が発生! 町の誰からも好かれていた優しい老女が殺されたと聞き、スザンヌは慌てて現場の時計台にかけつけた。ところが、そこに倒れていたのは白髪のウィッグをつけた別人。その正体は・・・・なんと、スザンヌの別れた夫の浮気相手だった! 彼の無罪を信じたいスザンヌは、またまた事件の捜査に乗り出すことになり・・・!?―裏表紙より―


このシリーズも3作目。今までよりも波に乗って来た気がしました。ただ単に私が登場人物たちのキャラクターに慣れたというだけかもしれませんが。


今回はウィンター・カーニバルが舞台・・かと思っていたら、殺人事件が発生したせいでこのイベント自体も中止になり、前作と同じように、結局どんなイベントなのかわからないまま終わってしまいました。

海外のコージーミステリってこういう日本にはないイベントの様子も楽しみの一つなのに、今回もスルーされて残念でした。


被害者の女性が元夫・マックスの浮気相手だということで、当然スザンヌも疑われます。でもしっかりしたアリバイがあったお陰で、すぐに疑いははれるのですが。

代わりにマックスが疑われ始めます。彼の疑いをはらすべく、親友・グレースと共に調査を始めます。

このグレース、読む度に魅力がアップしている気がします。何よりも彼女がやっている仕事!雪が積もるからという理由で会社が休みになり、数日間出勤停止になるんです!何て自由な仕事。しかも給料が多いそうで、うらやましい限りです。

友人想いな所や、実は寂しがりだったり、怖がりな所もあり、色んな面が見えて来ました。


今回もコージーらしく、次々と容疑者が浮かんでいて、絞り込めないうちに犯人が墓穴を掘るパターンで解決。まあ、スザンヌはその少し前に気づいたようですが、読者には何も教えてくれないうちに終わってしまいました。

でもまあ、相変わらず美味しそうなドーナツがたくさん出て来て、スザンヌとエマが作っている様子を読むだけでも楽しくなるシリーズ。次回も楽しみです。


そういえば、題名になっている「時計台の謎」って何だろう?「雪のドーナツ」の意味もわかりませんでしたが・・。


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2012年10月20日

ジェシカ・ベック「動かぬ証拠はレモンクリーム」

動かぬ証拠はレモンクリーム

 ジェシカ・ベック 著
  山本やよい 訳
 「動かぬ証拠はレモンクリーム」ドーナツ事件簿2
 (コージーブックス)


豪邸ご自慢の素敵なキッチンが見学できる、町のキッチンツアー。キッチンでは大勢の見物客を前に、シェフが料理の実演をすることになっていて、ドーナツショップのスザンヌもその一人。ところが、いざ特製ベニエ作りにとりかかろうとしたその瞬間、会場内で悲鳴が!口うるさいツアー主催者が遺体となって発見されたのだ。被害者の手にスザンヌの店のレモンクリームドーナツが握られていたことから、彼女は容疑をかけられ、店は閑古鳥がないて大ピンチに。おまけに、ようやくできた恋人のジェイクは捜査官。容疑者であるスザンヌとの間にはすき間風が吹きはじめ・・!?ドーナツが思わず食べたくなる、まるくて最高に美味しいシリーズ第二弾!−裏表紙より−


前作は、人物紹介が長くて(1作目だから当たり前ですが)事件自体はあまり盛り上がらなかったのですが、今回は展開もそれなりにあって前半から面白かったです。


“キッチンツアー”というイベントが行われることになり、マージという女性の家でドーナツ作りを見物客に見せることになったスザンヌ。主催者のペグになぜか目の敵のようにされながらも、何とか準備を終えて、やって来た客に説明を始めたのですが、途中で悲鳴が上がってしまいます。

マージの家の庭で、ペグが亡くなっていたのです。手にはスザンヌの店のレモンクリームドーナツが握られていて・・。

自分の店のドーナツが死因だという噂が広まり、商売に支障が出る事は想像がつきます。自分の容疑を晴らさないと店がつぶれてしまう・・ということで、事件の調査に乗り出します。

親友のグレース、元警察官で友人のジョージ、2人に手伝ってもらいながら、被害者・ペグの身辺調査から始めます。


コージーらしく、容疑者が数人あがって絞りきれないうちに、犯人に近づいてしまい逆に襲われてしまうという展開で終わるわけですが、それでも容疑者が二転三転する展開は面白かったです。

でも、“キッチンツアー”という日本では馴染みのないイベントがどんな内容なのかがわからなかったのは残念でした。アメリカの人がどんなキッチンを素晴らしいと思うのか?どんな料理を美味しいと思うのか?色々知りたかったのですが。


とりあえず、スザンヌのことも他の登場人物も好きになってきたので、続きも読みたいと思います。


<ドーナツ事件簿>
「午前二時のグレーズドーナツ」


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2012年05月18日

ジェシカ・ベック「午前二時のグレーズドーナツ」

午前二時のグレーズドーナツ

 ジェシカ・ベック 著
  山本やよい 訳
 「午前二時のグレーズドーナツ」
 (コージーブックス)


午前二時にスザンヌのドーナツ作りは始まる。ダウンタウンの端っこにある、ここ<ドーナツ・ハート>は手作りドーナツとコーヒーの店。深夜から始まる仕事は大変だけど、大切なお客さんのためならなんのその。ところがその日、平和な暮らしが一転。看板の照明をつけようとしたところ、夜の闇にまぎれて店の前に死体を投げ捨て走り去った一台の車が! 被害者はお店の常連客で、銀行員のパトリック。いったい誰がこんなひどいことを? スザンヌは無料のドーナツを片手に捜査を開始。美味しいドーナツに思わず口がゆるんだ人々から明らかになっていく真相とは・・・!? ドーナツが思わず食べたくなる、まるくて最高に美味しいシリーズ第一弾!−裏表紙より−

今年4月から原書房から創刊された新しい文庫レーベルだそうで、最近かわいい表紙の本が平積みされているのを見かけて気になっていました。

特にこのドーナツの絵!揺れるハート 最高に美味しそうです。珍しくあらすじもほとんど読まずに、表紙を見ただけで買ってしまいました。


毎日午前一時半に起きて、二時に店へ行きドーナツを作って、五時半に開店するという、恐ろしい生活をしているスザンヌ。もう少し遅く開店したらどうだろう?そんなに早く開店させる意味はどこに?とそればかりが気になってしまいました。結局、特に説明もないまま進むのですが・・。まあ、昼には閉店するんですけど、アメリカって3時のおやつ的な物が無いのか??・・謎です。


いつものようにドーナツ作りを始めようと照明を点けたとき、店の前に死体が投げ捨てられました。第一発見者、そして唯一の目撃者となったスザンヌは、事情聴取されます。自分の店の常連客で、しかも親しかった人物が殺害されたことで、事件を解決させようとするスザンヌ。売れ残ったドーナツを持って聞き込みに回ります。

自分自身では真相に近づいているとは思わないのに、犯人らしき人物から脅迫電話まで受けるようになり、ますますやる気になりました。

スザンヌには、離婚した夫がいます。彼の方はまだまだ未練があるようで、しつこく彼女に付きまといます。そんな彼を疎ましく思いつつも、彼女もちょっと心が揺れたりして、もどかしい状態にあります。でも彼女もやっと新たな恋が出来そうな雰囲気になりました。


話の前半は、登場人物たちの人物像がうまくつかめず、話に入り込めない感じがしました。主人公自身のことも、元夫との関係も、周りの人物のことも、主人公との関係がわかりにくかったんですよねたらーっ(汗)

特に、殺された人物とは親しい間柄だったようなのですが、ほとんど何も知らないのが気になりますし、あまり悲しんでいるように見えなかったのも気になりました。事件に首を突っ込むのも、興味本位な感じでしたし・・。

コージーにありがちな感じで、ほぼ真実に辿りついていないのに、犯人自身が墓穴を掘って捕まる・・というパターンで終わったのも残念でした。もうひとつどんでん返しがあっても良かったかも。でもまあ、コージーは謎解きを楽しむよりも、出てくる人たちや食べ物なんかを楽しむものですから、これで良いんでしょうけど。


色々書きましたけど、読み終わったとき・・というか、後半からは面白いな〜と思ったんですよね。それはやはり登場人物たちに好感を持ち始めたからでしょうけど。まだまだ人物像が掴み切れていない感じはありますが、シリーズを読み進める毎にわかってくるんでしょう。それも楽しみです。

巻末にはドーナツのレシピが付いています。シナモンやナツメグなんかが入っていて、私は作らないと思いますが、ちょっとお得なシリーズです。


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