
坂木司 著
「アンと愛情」
(光文社文庫)
成人式を迎えても、大人になった実感のわかないアンちゃん。同い年の優秀な「みつ屋」の社員と自分を比べて落ち込んだり、金沢で素晴らしいお菓子に出合って目を輝かせたり。まだまだアンちゃんの学びの日々は続きます。これからもそんな日常が―と思いきや、えっ、大好きな椿店長が!?和菓子に込められた様々な想いや謎に迫る、美味しいお仕事ミステリー第三弾。−裏表紙より−
シリーズ3作目。
デパートの和菓子屋「みつ屋」でアルバイトを続けているアンちゃんも成人式を迎えます。
まだまだ子どもっぽさも残るアンちゃんですが、成人式を迎えるにあたって色々悩んでいる場面では、自分の昔を思い出して懐かしくなりました。とはいえ、自分はここまで成人式とか「成人」というものに思い入れもなく、悩むことも無く、サラッと過ぎたのですが。
着物一つとっても自分の着たい物だけではなく、親の気持ちも汲み取って選ぼうとするのは十分大人だなと思わされました。
デパートで行われたイベントに「みつ屋」も出店することになり、応援として他店からアンちゃんと同じ歳の女性がやって来ました。もともと多忙な店で働いているだけあって、彼女の販売テクニックは優秀です。お客さんの呼び込み、その後の接客と商品を包んでお金をやりとりして、という一連の流れに無駄がなく、見ていてほれぼれする感じ。
普段からのんびりと手が遅めなアンちゃんは当然、憧れの目で見ます。彼女の方はアンちゃんを「出来ない奴」と認識している様子。
でもそんな2人を見て、椿店長は「どちらにも良い所がある」と教えてくれました。確かにテキパキと接客出来るのも良い所ですし、アンちゃんのように1人のお客さんに時間を掛けて丁寧に接客するのも良い所です。私個人的にはテキパキさっぱり、の方が良いですけど、アンちゃんみたいな人の接客は心地いいかもしれません。
店員たちの様子を細かく見ながら、仕事もテキパキとこなす、アンちゃんが憧れる椿店長にも大きな変化が訪れます。
それに対してアンちゃんが取る行動は、不愉快ではありますが、何となくわかる気がしました。大好きだからこその反応です。「大人になれよ!」って感じです。イライラさせられつつ、何となく微笑ましくも思えました。
今後はどんな展開になっていくのかな? アンちゃんと彼の関係も気になりますし、まだシリーズは続くので楽しみですし、美味しい和菓子が食べたくなる〜!でも見つからない〜!
<和菓子のアンシリーズ>
「和菓子のアン」
「アンと青春」
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