2017年09月20日

坂木司「ホリデー・イン」

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 坂木司 著
 「ホリデー・イン」
 (文春文庫)


元ヤンキーの大和と小学生の息子・進の期間限定親子生活を描いた「ホリデー」シリーズ。彼らを取り巻く愉快な仕事仲間たち、それぞれの“事情”を紡ぐサイドストーリー。おかまのジャスミンが拾った謎の中年男の正体は? 完璧すぎるホスト・雪夜がムカつく相手って?? ハートウォーミングな6つの物語。―裏表紙より―


番外編のような作品です。読み始めても「誰だっけ?」という人がたくさんいて困りました。ジャスミンのことは覚えていましたけど。

結局最後まで思い出せない人もいたのですが、それはそれで楽しめたかな?

とりあえず、大和と進くんの関係さえわかっていれば大丈夫です。


よくわからない人の話でも面白かったですが、やはり特に良かったのは、ジャスミンの話と進くんの話でした。

進くんが大和に会いに来るまでにどんな葛藤があって、お母さんとどんな会話をして会いに来ることになったのか、そしてどれだけの勇気で店に来たのか、など父親である大和との出会いの話は読んでいて面白かったです。

小学生がこれだけの勇気を出して会うってすごいです。「よくがんばったね〜」と母親目線で思ってしまって半泣きになりました。

そんな進くんを迎えたのがジャスミンだったのも良かったです。

彼女の存在はこの父子にとって大きなもので、彼女がいなければここまでスムーズに会えたかわからなかったと思います。

細やかな心配りが出来るのはさすがです。


今回は大和目線での話は無し。今度は本編を読みたいです。母親と3人で暮らせる日が来ることを願いつつ。


<ホリデーシリーズ>
「ワーキング・ホリデー」
「ウィンター・ホリデー」


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2014年12月22日

坂木司「ウィンター・ホリデー」

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 坂木司 著
 「ウィンター・ホリデー」
 (文春文庫)


元ヤンキーでホストだった沖田大和の生活は、小学生の息子・進が突然に夏休みに現れたことから一変。宅配便のドライバーへと転身し子供のために奮闘する。そして冬休み、再び期間限定の親子生活がはじまるが、クリスマス、お正月、バレンタインとイベント盛り沢山のこの季節は、トラブルも続出で・・・。―裏表紙より―


こちらの続編です。不器用な親子だったヤマトと進ですが、絆はしっかりと深まったようで、冬休みが近づく頃からヤマトはソワソワしています。

冬は宅配業者にとって本当に忙しい時期ですね。お歳暮だけかと思ったら、最近はおせちも宅配なんですね〜。しかも生で運ぶものもあるようで、落とさないようにするだけではなく、傾かないようにもしないといけなくてかなり気を使っています。

更にはクリスマスやバレンタイン・・。バレンタインも宅配を使うんですね〜。何だか意外でしたけど、遠距離恋愛だったら仕方ないのかもしれません。

ヤマトの場合、相変わらずリヤカーですから、指先もかじかんで荷物を落としそうになるので大変です。

でも彼には進という息子がいてくれて、かなりの癒しになっているのでうらやましいくらいです。ただ、この進は小学生らしくないしっかりした男の子なので、子どもらしく我儘を言えない所があって、突然拗ねてしまって周りは理由がわからずアタフタすることもあります。

そういう不器用さは父親に似たのかも??

今回は母親も何度か登場し、彼女の人柄もわかるようになりました。意外な面もたくさん見られて、彼女のことも好きになりました。進が父親になついて複雑な心境だと思うのですが、大きな心で受け止める彼女は偉いです。

そして、やはり最高なのはジャスミン!彼(彼女)の言葉は心に刺さることが多く、ずっしり重たい想いがたくさん込められています。ジャスミンに育てられたヤマトがうらやましいです。


さて、次はどんな物語が待っているのか? 親子3人で暮らす日は来るのか? とても楽しみです。


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2014年09月25日

坂木司「夜の光」

夜の光 

 坂木司 著
 「夜の光」
 (新潮文庫)


約束は交わさない。別れは引きずらない。大事なのは、自分に課せられた任務を遂行すること。正体を隠しながら送る生活の中、出会う特別な仲間たち。天文部での活動を隠れ蓑に、今日も彼らは夜を駆ける。ゆるい部活、ぬるい顧問、クールな関係。ただ、手に持ったコーヒーだけが熱く、濃い。未来というミッションを胸に、戦場で戦うスパイたちの活躍を描く。オフビートな青春小説。−裏表紙より−


高校の天文部に所属する4人の学生たちの物語です。それぞれを視点にした物語が4話描かれていて、本人からの視点と周りからの視点の両方が読めて、人物像も掴みやすかったです。

高校生とはいっても、とても個性的な4人。実は、個性的ではなく自分に正直な人たちなのかもしれませんが。ちょっとひねくれているといってもいいくらいですが、本人たちは色々考えてしっかりと自立した人生を歩もうとしていて、もう少し子どものままでいさせてあげたいような気持ちにもなりました。

4人は自分自身をスパイだと思って生活しています。そのため、名前ではなくコードネームで呼び合っていました。ブッチ(部長だから)、ギィ(ギャルだから)、ゲージ(芸術家のようだから)、ジョー(一見お嬢さまに見えるから)という4人。

高校にはきちんと通っているわけですから、特に家庭環境が悪いわけではないのですが、色々と悩みはあって、自分の思う道を歩ませてもらえない子どもが多く、それを甘んじて受け入れることなく自分なりに考えて自立していこう!とがんばっています。

そんな彼らが遭遇する日常のちょっとした謎や悩みを解き明かしていきながら、話は展開していきます。そして、最後の話では卒業した4人がどんな人生を歩み始めたのかが少し描かれています。

思った道をまっすぐに進めている子ばかりではありませんが、将来が楽しみな終わり方でした。4人が幸せな人生を歩んでくれることを祈りながら読み終えました。


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2013年07月25日

坂木司「切れない糸」

切れない糸

 坂木司 著
 「切れない糸」
 (創元推理文庫)


周囲が新しい門出に沸く春、思いがけず家業のクリーニング店を継ぐことになった大学卒業間近の新井和也。不慣れな集荷作業で預かった衣類から、数々の謎が生まれていく。同じ商店街の喫茶店・ロッキーで働く沢田直之、アイロン職人・シゲさんのなど周囲の人に助けられながら失敗を重ねつつ成長していく和也。商店街の四季と共に、人々の温かさを爽やかに描く、青春ミステリの決定版。−裏表紙より−


連作短編です。4話収録されています。

クリーニングに持ち込まれた衣類をきっかけに、様々な謎を解き明かしていく物語です。謎といっても、日常の何気ない謎で、殺人など人が傷つくような物ではありません。商店街を中心に、その近くに住む人たちが巻き起こすちょっとした事件。それを和也の友人・沢田くんが解き明かしていきます。

商店街という人間関係の濃い場所の近くに住んでいても、悩みを誰にも打ち明けられずに一人で抱えてしまっている人たち。そんな人がクリーニングを依頼してきた衣類を見て、和也が異変に気づき、友人の沢田くんが謎をきれいに解き明かして、スッキリさせてくれます。

謎を解明して、悩み事を解決するだけではなく、その後の人生についてもスッキリさせる沢田くんの謎解きの仕方は、感動的です。ただ、彼の言動が時々、脆さというか危うさも感じられて、ちょっと心配になる部分もありました。

その理由は、最終話で少し明かされるのですが、これを読むと和也の人柄の良さがわかって、更に好感がもてました。

沢田くんもシゲさんも実は和也の周りに集まるべくして集まっているのがよくわかりましたし、題名の「切れない糸」の意味に感動させられました。

最後の文章も素敵。爽やかな気持ちで読み終えることができました。


これはシリーズ物として書かれたようですが、まだ続編が出ていません。ぜひ続編も読みたいので、楽しみに待つことにします。


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2012年10月30日

坂木司「和菓子のアン」

和菓子のアン

 坂木司 著
 「和菓子のアン」
 (光文社文庫)


デパ地下の和菓子屋「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(通称アンちゃん)は、ちょっぴり(?)太めの十八歳。プロフェッショナルだけど個性的すぎる店長や同僚に囲まれる日々の中、歴史と遊び心に満ちた和菓子の奥深い魅力に目覚めていく。謎めいたお客さんたちの言動に秘められた意外な真相とは? 読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる、美味しいお仕事ミステリー!−裏表紙より−


この作家さんの作品に出てくる人はみんな良い人!

今回の主人公・アンちゃんも素敵な女の子です。少し太めで、ほっぺがぷにぷにしていて、努力家で明るい性格。でも10代らしい悩みもあって、共感できる部分も多い(年齢が違うので昔を懐かしむ感じ?)です。

アンちゃんが働くことになったデパートの中にある「みつ屋」という和菓子屋さんの従業員たちも個性的です。

店長は接客が完璧で謎解きの能力も抜群。でも実は賭け事大好きでちょっとはまりすぎて怖いところがあります。社員の立花さんはイケメンなのに女っぽい人。和菓子に対する情熱がすごくて、薀蓄が山のように出てきます。バイトの桜井さんは元ヤンという経歴をもち、時々口調が荒っぽくなる女子大生です。

・・とまあ、個性的な面々が「みつ屋」にやってくるお客さんが持ち込む様々な謎を解明していきます。

日常にあるちょっとした謎が持ち込まれ、和菓子の歴史や原料や作り方などを元にして解いていき、お客さんに満足してもらうわけです。和菓子について色んな薀蓄が語られるので、詳しくなったような気がします。和菓子って奥が深いんですね〜。


私はあまり和菓子が得意ではないのですが、読んでいるうちに無性にあんこが食べたくなりました。特に大福!普段、きちんとした和菓子屋に行くことはないのですが、今度行って、じっくりとショーケースを眺めてみようかな?と思いました。

このメンバーでまだまだ話が作れそうです。ぜひ続編が出て欲しいです。期待して待ちます。


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2012年01月19日

坂木司「ホテルジューシー」

ホテルジューシー

 坂木司 著
 「ホテルジューシー」
 (角川文庫)


大家族の長女に生まれた天下無敵のしっかり娘ヒロちゃん。ところがバイトにやってきた那覇のゲストハウス・ホテルジューシーはいつもと相当勝手が違う。昼夜二重人格のオーナー(代理)や、沖縄的テーゲー(アバウト)を体現するような双子の老ハウスキーパーなど規格外の職場仲間、さらにはワケありのお客さんたちにも翻弄されながら、ヒロちゃんの夏は過ぎてゆく―南風が運ぶ青春成長ミステリ、待望の文庫化!!−裏表紙より−


ホテルジューシーの姉妹本で、主人公・サキちゃんの親友としてちらっと出てきたヒロちゃんが、こちらでは主人公になっています。

サキちゃんは歯医者でアルバイトしたのですが、ヒロちゃんは沖縄まで行き、ホテルでアルバイトすることに。行動力抜群の女子大生です。

大家族の長女ということもあり、面倒見が良くてしっかりしているヒロちゃんにとってホテルの受付はとても合っている気がしました。

お客さんのことも大事にして、叱るときは遠慮せず、でも人当たりは良い。こんなに丁寧に接してもらえたら嬉しいだろうと思います。もしかしたら、うっとおしいと思うこともあるかも・・??

ホテルの従業員も個性的な人ばかりで沖縄という土地柄もあり、大らかな人が多くて笑ってしまうこともありました。オーナー代理のミステリアスな感じもまた良かったです。彼の人生で話が作れそう。


全体的に面白くて、サラッと読めて良いのですが「越境者」という話は、最後まで読み切ることができませんでした。途中で「五時四十六分が怖かったんだもん」というセリフがあり、嫌な予感がするな〜と思ったらやはり阪神大震災の被害者の話で、どうしても読み進めることができませんでした。


サキちゃんと同じようにヒロちゃんも一夏でとても良い経験をしたようです。他人とどのくらいの距離で接したら良いか?や自分が正しいと思うことが全て正しいとは限らないことなど、今後の人生に役立ちそうなことを知り、将来進むべき道も少し見えたようです。

サキちゃんとヒロちゃんのこれからの人生も見てみたい気がします。


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2012年01月14日

坂木司「先生と僕」

先生と僕

 坂木司 著
 「先生と僕」
 (双葉文庫)


都会の猫は推理好き。田舎のネズミは・・・?−ひょんなことから大学の推理小説研究会に入ったこわがりな僕は、これまたひょんなことからミステリ大好きの先生と知り合う。そんな2人が、身のまわりにあるいろいろな「?」を解決すると同時に、古今東西のミステリ作品を紹介していく連作短編集。事件の真相に迫る名探偵は、あなたをミステリの世界に導く名案内人!巻末には仕掛けに満ちた素敵な「特別便」も収録。−裏表紙より−


あらすじを読んだとき、主人公が大学生だということは“ミステリ大好きの先生”は大学教授かな?とぼんやり思っていたのですが・・・。読み始めて驚かされました。

“先生”はちょっと小生意気ではありますが、頭の回転が速くて、観察力があって、なかなか魅力的です。“僕”こと二葉さんとの相性も良い感じで、ずっと微笑ましく読むことができました。


日常のちょっとした謎を解決していく話が5話書かれていて、殺人や強盗など血なまぐさい事件は一切ありません。でも、ある意味、ぞっとする・・。人間って怖いな・・と改めて思わされる話もありました。普段、何も思わずに見聞きしている出来ごとでさえも、ちょっと見方を変えると「なんか、違うんじゃない!?」と思う・・。そんなことを考えさせられる話でした。


そして、この話には1話ずつ先生から生徒である二葉さんに宿題として、殺人事件の無い推理小説が手渡されます。ミステリ好きならきっと読んだことがあるであろう有名な作家さんの作品が多く「また読んでみたい」と思ったり、読んでいない人は「読みたい」と思うでしょう。

ミステリに興味がある方なら、ガイドブックとしても役立つと思います。私はまだまだミステリ好きとは言えないな〜と再確認しました。出てくる宿題、全部未読でしたから・・(1冊は途中で挫折しましたし)バッド(下向き矢印) いつか読んでみようと思います。

最後に「特別便」が入っていて「ワーキング・ホリデー」や「ホテル・ジューシー」の登場人物たちが少し出て来ます。先に「ホテル・ジューシー」を読めば良かった!と激しく後悔しつつ、ファンには嬉しい作品です。

ページ数も少ないですし、1時間くらいで読めると思います。


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2012年01月02日

坂木司「シンデレラ・ティース」

シンデレラ・ティース

 坂木司 著
 「シンデレラ・ティース」
 (光文社文庫)


大学二年の夏、サキは母親の計略に引っかかり、大っ嫌いな歯医者で受付のアルバイトをすることになってしまう。個性豊かで、患者に対し優しく接するクリニックのスタッフに次第にとけ込んでいくサキだったが、クリニックに持ち込まれるのは、虫歯だけではなく、患者さんの心に隠された大事な秘密もあって・・。サキの忘れられない夏が始まった!−裏表紙より−


5話からなる連作短編集です。

主人公・叶咲子は、歯医者が大嫌いで、子どもの頃以来一度も歯医者に行ったことがありません。でも母親に騙されるような形で、叔父の働くクリニックでバイトすることになりました。

緊張しながら受付に座るサキでしたが、スタッフの優しさに助けられ、少しずつ馴染んでいきました。このクリニックでは、患者に寄り添うことをモットーにしているため、サキには患者と会話して、その人の生活習慣や性格などを知ることも大事な仕事になりました。

そして次々と問題を抱えた患者が現れ、その度に落ち込んだり慌てたりするサキに、スタッフたちは全員で意見を出し合い、解決していきます。中でも技工士の四谷くんは、さり気ない気遣いとさり気ないヒントで、サキを助けます。


歯医者が嫌いな患者のことも考え、何とか治療に通ってもらえるように努力を惜しまないこんな歯医者があったら、私も虫歯を放っておかないのに・・・と読んでいる間中考えてしまいました。

主人公のサキちゃんは、幸せな家庭に育ち、とても性格の良い女の子です。性格の良い子には性格の良い人が集まるんですね〜。うらやましい限りです。

・・と、ずっと「良いな〜ぴかぴか(新しい) 」と言い続けているような作品でした。


姉妹本として、この作品にも出てきた、サキの友だち・ヒロちゃんの話「ホテル・ジューシー」というのがあるそうなので、ぜひ読んでみようと思います。


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今年から、あらすじを裏表紙から載せることにしました。意外と自分で考えるのって大変だったので・・。まあ、どうでもいいことですけど、一応報告ですあせあせ(飛び散る汗)
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2011年09月15日

坂木司「ワーキング・ホリデー」

ワーキング・ホリデー

 坂木司 著
 「ワーキング・ホリデー」
 (文春文庫)



元ヤンでホストの沖田大和の前に現れた小学生が突然「初めまして、お父さん」と言った。驚いたヤマトは事情を聞き、彼が自分の息子だと確信した。そして始まった息子・進との生活。息子と暮らすためにはホストを続けるわけにはいかず、宅配便のドライバーに転身し、新米の父親と息子のひと夏の生活が始まった。。


ナンバー1という立場では無いけど、それなりに楽しんで仕事をしていたヤマト。でも元ヤンなので真っすぐすぎたり、うまく客をおだてたりすることができない不器用なタイプ。そんな彼の前に突然現れたのは息子でした。

自分に息子がいることを知らなかったわけですが「家を出てきた」と言う息子を追い返すわけにはいかず、夏休みの間、共に生活することを決めます。

クラブのオーナー・ジャスミン(男性だけど女性あせあせ(飛び散る汗) )の好意で、宅配業者に転職したヤマトは、宅配ドライバーになりました。トラックを運転できると思っていたのに、彼に与えられたのはリアカー。

地域密着を売りとしているこの会社の宣伝を兼ねているわけです。イケメンの彼がリアカーを引くことは良い宣伝になる・・と社長は考えたのです。

疲れて帰宅する彼を癒すのは、息子の進。進は小学生とは思えないほどしっかりしていて、家事も見事にこなします。二人分の食事を作って待っている息子の存在は、ヤマトに大きな変化をもたらします。


ヤマトが「俺」と自分の目線で語る方法で話は進みます。個人的には好きではない方法ですし、語り口調も元ヤンらしい口調なので始めは嫌だな・・と思っていたのですが、進くんと生活し始めた辺りからどんどん楽しくなってきました。

宅配業者の苦労なんかも書かれていて、不在配達にさせて本当に申し訳ない・・という気持ちになりましたし、暑い中大変ですね・・と感謝の気持ちも出てきます。

登場人物もみんな良い人たちで、ヤマト親子をさり気なくフォローして支えてくれています。

何よりヤマトの不器用な父親ぶり、そして進の不器用な息子ぶりが微笑ましくて、つい応援したくなりました。二人がいつまでも一緒に暮らせたら良いのに・・と強く願ってしまいました。

最後まで温かい気持ちで読むことができる素敵な話でした。続編も楽しみに待とうと思います。


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posted by DONA at 11:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:坂木司