2012年01月13日

スティーグ・ラーソン「ミレニアム3 下」

ミレニアム3 下

 スティーグ・ラーソン 著
  ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利 訳
 「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下」
 (ハヤカワミステリ文庫)


リスベットは回復しつつあった。ミカエルは様々な罪を着せられた彼女を救うため、仲間を集めて行動を開始する。だが、特別分析班は、班の秘密に関わる者たちの抹殺を始めた。一方ミカエルは病院内のリスベットと密かに連絡を取り、有益な情報を得ようとする。そして、特別分析班の実態を調べる公安警察と手を組み、巨大な陰謀の解明に挑む。やがて始まるリスベットの裁判の行方は?驚異のミステリ三部作、ついに完結!−裏表紙より−


読み終わってすぐ「面白かったぴかぴか(新しい)」と思える終わり方でした。大きく広げた風呂敷もうまく畳めた感じです。まあ、小さくまとめた感じはありますがあせあせ(飛び散る汗) ものすごく脅威とされていた公安の“ザラチェンコ・クラブ”が意外とまぬけというか、しょぼい感じだったのには呆れましたし。ホント、何のためにそこまで法を犯すの??がく〜(落胆した顔) 理解できませんでした。

リズベットの妹についても解決しなかったので、ある意味ちゃんとは終わっていない気もします。作者が亡くなっていなければ続きを書いたのかもしれません(実際、それらしき作品はあるとか・・)


下巻になり、リスベットも行動を起こし始め、読むスピードがぐんぐん上がっていきました。ただ、途中でやっぱりミカエルの私生活の描写(女性関係)が入るようになり、ちょっとうんざりしてしまう所もありました。それでも、それを超える面白さがあって、というか先が気になって一気読みでした。

特に、リスベットの裁判で、弁護士のアニカが評判が良くて最高権威とされているのに実は悪徳だった精神科医を理論的に追い詰めていく様子は読んでいて爽快でした。裁判のシーンだけでも読んで良かったと思うくらい。とにかく女性がカッコイイ作品でしたね。

ミカエルも警察の先を行く活躍を見せたので、実はカッコイイはずなんですけど、女性にだらしなすぎて・・。


1巻は読みにくくて、読んだことを後悔しそうになりましたけど、今ではがんばって読んで良かったと思っています。


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2012年01月07日

スティーグ・ラーソン「ミレニアム3 上」

ミレニアム3 上

 スティーグ・ラーソン 著
  ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利 訳
 「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上」
 (ハヤカワミステリ文庫)


宿敵ザラチェンコと対決したリスベットは、相手に重傷を負わせるが、自らも瀕死の状態に陥った。だが、二人とも病院に送られ、一命を取りとめる。この事件は、ザラチェンコと深い関係を持つ闇の組織・公安警察特別分析班の存在と、その秘密活動が明るみに出る危険性をもたらした。危機感を募らせた元班長は班のメンバーを集め、秘密を守る計画を立案する。その中には、リスベットの口を封じる卑劣な方策も含まれていた。−裏表紙より−


前の2作は、上巻がどうしても進まず読みにくくて仕方なかったのですが、今回は始めから話に入り込んで読み進めることができました。さすがに前作が気になる所で終わっていましたからね〜。

身も心もボロボロになった状態で病院に運ばれたリスベット。準主役として死ぬわけが無いとは思いつつも、生き埋めにされたり頭を撃たれたり・・ではかなり心配になりました。

難しい手術を乗り越えたリスベットですが、本人は自分の状態をとても冷静に見つめて判断しています。すぐ近くの病室に宿敵・ザラチェンコがいることも彼女の心に火をつけていました。ザラチェンコの方も、リスベットに復讐をするべく、重傷でありながらも必死で立ちあがろうとします。

そんな二人の状況にハラハラしていると、意外な方法で決着が・・。意外と言うか、衝撃の展開で驚かされました。公安ってここまでするんだ・・がく〜(落胆した顔) 本当に、自分たちの保身のためには何でもするんです。そこまでして何を守ろうというのか?私にはその辺が理解できませんでした。


ミカエルは、相変わらずすごい精力でリスベットの為に闘っています。警察の数歩先を行く捜査能力には驚かされます。あまりにも都合の良い展開とも言いますがあせあせ(飛び散る汗)

そろそろリスベットも動き始めそうな雰囲気。そして、下巻では裁判が行われそうです。スウェーデンという国を巻き込んでどんな風に立ち向かうのか?今後が楽しみです。・・・大きく広げた風呂敷、うまく畳めるでしょうか??ふらふら


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2011年11月22日

スティーグ・ラーソン「ミレニアム2 下」

ミレニアム2 下

 スティーグ・ラーソン 著
   ヘレンハルメ美穂/山田美明 訳
 「ミレニアム2 火と戯れる女 下」
 (ハヤカワ文庫)



容疑者・リスベットの行方がなかなか掴めない捜査陣を尻目に、ミカエルは密かにリスベットと連絡を取りながら、真実に近づいていった。事件の鍵を握ると思われる人物・ザラについても調べを進めるうちに、ある衝撃の事実を知ることになる。そして、リスベットは救いの手を差し伸べようとするミカエルに別れを告げ、一人で立ち向かうことにした。


1作目と同じように、下巻に入ると急に事件が進展を見せ、面白くなってきますぴかぴか(新しい)

今回は特に、リスベットの過去が明らかになることで、更にスピードアップする感じでした。彼女の強さと弱さがどんな人生で培われてきたのかがわかり、ますます彼女から目が離せなくなりました。


事件の鍵を握るザラという謎の人物。彼とリスベットの関係が明らかになり、ミカエルはもちろん、私も衝撃を受けました。リスベットの過去はあまりにも壮絶で、読んでいて苦しくなるくらいでした。彼女が他人とうまく関係を築けないのも仕方ないと思えるような辛い過去。彼女は同情なんて望んでいないでしょうけど。


ミカエルは彼女の無実を信じて調査を続けます。彼は唯一リスベットと連絡を取っている人物でもあり、何度も救いの手を差し伸べようとするのですが、彼女はそれを拒み、今までと同じように自分ひとりで何とかしようと立ち向かう決心をするのでした。

壮絶な人生を歩んできて、今もまた厳しい道を選択したリスベット。今まですごく孤独な人だと思っていたのに、今回の彼女の苦難によって、数人とはいえ彼女のために立ちあがってくれた人がいて、それがとてもうれしく思いました。


続きがとても気になる終わり方をしているので、早く続きが出てくれないか、やきもきしながら待つことになります・・。3巻を買ってから読めば良かった・・って気持ちになります。

次は更にリスベットには支えが必要になることでしょう。今回出てきた味方になってくれた人たちの活躍に期待します。


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2011年11月16日

スティーグ・ラーソン「ミレニアム2 上」

ミレニアム2 上

 スティーグ・ラーソン 著
   ヘレンハルメ美穂/山田美明 訳
 「ミレニアム2 火と戯れる女 上」
 (ハヤカワ文庫)



リスベットの後見人・ビュルマンは、リスベットに復讐をするため、ある人物と密かに連絡を取った。そして、彼女を拉致する計画が動き始めた。一方、ミカエルは、ジャーナリスト・ダグとその恋人・ミアが調査を進めていた人身売買と強制売春について“ミレニアム”の特集号と書籍を発売することにし、その制作に取り掛かっていた。その調査の中で「ザラ」という人物が浮かび上がったが、彼の正体が全くわからずに調査は難航する。


上巻では第三部まで書かれているのですが、第三部が始まる直前まで大きな動きが無く、ずっとリスベットとミカエルの日常が描かれていて、ダレてしまいましたバッド(下向き矢印)


前作でリスベットに叩きのめされた後見人・ビュルマンは、やられっぱなしで終わる人物ではありませんでした。そこで怪しい人物と連絡を取り、彼女に復讐することにしました。彼の行動は全てリスベットに監視されているので、その計画は全て秘密裡に進められました。

リスベットは前回の事件から突然、スウェーデンを出て海外旅行をしていました。グレナダという国に滞在し、「フェルマーの定理」を考えていました。彼女は数学に目覚めたようです。それは良いのですが、その数式の解説というか説明が長々としてあるのが辛くて、そこでもダレてしまいましたバッド(下向き矢印)

ミカエルはリスベットにいきなり消えられてショックを受けていました。仕事ではダグというジャーナリストと本の作成に取り掛かっていて、かつてない充実した日々を送っていました。相変わらず女性を見たら関係をもたずにいられない感じがイラッとしますけどちっ(怒った顔) 特にプレイボーイというわけでもないのに・・こんな人物像にする意味が私には理解できないんですふらふら

長々と二人の日常が語られ、第三部になる直前にとうとう事件が起きます。「危ないな〜」と思っていた人物が殺害されてしまい、更に別の殺人事件まで発生します。容疑者として指名手配されたのは・・・。

事件が起きて登場人物も増え、混乱しそうだと思っていたら、なぜか被害者と刑事の苗字が同じでびっくりしました。スウェーデンではよくある苗字なのかもしれませんが、同じ名前を使わなくても良いのに。

・・と、色々気になりつつも、やっと面白くなってきた所で上巻が終了。下巻は面白くなるかな??


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2011年10月01日

スティーグ・ラーソン「ミレニアム1 下」

ミレニアム1 下

 スティーグ・ラーソン 著
   ヘレンハルメ美穂/岩澤雅利 訳
 「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下」
 (ハヤカワ文庫)



ミカエルは引き続きハリエットの失踪事件について調べを進めていた。ほんのわずかな手掛かりをたどるようにして進められる調査が続き、ミカエルは助手の必要性を感じた。そこで、自分のことを詳細に調べ上げたリスベットの存在を知り、彼女に協力を求めた。彼女の力を得て急激に進む調査。そして、忌わしい過去が明らかになっていく・・。


上巻でずっと悩まされていた名前の問題は、さすがに下巻に入って解消されてきました。適度に出てくる人たちのことは把握できるようになりましたから。登場人物の説明書きも上巻ではずっと手に持ってすぐに見られるようにしながら読んでいましたけど、下巻になると最初のページに挟んで読めるようになりました。


刑務所の中でもヘンリックから依頼された「自伝」の執筆を続けていたミカエル。出所後は、また精力的にハリエットの事件を調べ始めました。ヘンリックが保管していた写真の中にある手掛かりを見つけ、それを元に調べを進めました。お陰でほんの少しだけ調べが進みます。

そこでリスベットに協力を依頼します。二人になってからの調査はすごい速さで進み、事件は思わぬ方向へ・・。


ミカエルとリスベットが出会うシーンでは思わずワクワクというか、ドキドキしてしまいました。ミカエルも結構良い奴だと思うようになっていたので、心を開きにくいリスベットともうまくいくのでは?という期待感があったんです。どうやってリスベットと協力していくのか?も楽しみでした。

予想通りうまくリスベットの心の中に入り込んでいったミカエル。ただ、私的には気に入らない状態にもなったんですけど・・がく〜(落胆した顔)


この二人の関係も気になるのですが、ハリエットの失踪の謎、そして連続殺人事件、大物実業家の詐欺、ジャーナリストとしての信念・・と様々な問題が上げられて、とても盛りだくさんな内容になりました。

ラストはちょっとさみしい終わり方だったので、2作目でどう変わっていくのか、待ち遠しくなりました。


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2011年09月26日

スティーグ・ラーソン「ミレニアム1 上」

初めましての作家さんです。

ミレニアム 上

 スティーグ・ラーソン 著
   ヘレンハルメ美穂/岩澤雅利 訳
 「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上」
 (ハヤカワ文庫)



「ミレニアム」という月刊誌の記者で、発行責任者でもあるミカエルは、ある大物実業家の違法行為を記事にして発表した。ところが名誉毀損で訴えられ、有罪判決がくだってしまった。「ミレニアム」の責任者から離れた彼は、大企業の前会長・ヘンリックから依頼を受け、彼の一族が暮らす孤島でハリエットという娘が40年前に失踪した事件を調査することに・・。


全世界で読まれていて高評価を得ているこの作品。3部作の第1部「ドラゴン・タトゥーの女」から始まります。スウェーデンの作家さんの作品は初めて読みました。


ミカエルはある人物から情報を得て、それを元に大物実業家のことを記事にしました。ところが逆に名誉毀損で訴えられ、有罪になってしまい、月刊誌から離れることになります。彼が離れないと、スポンサーが離れていってしまうからです。

そんなピンチに立たされた彼に、ヘンリックという老紳士がある事件の調査を依頼してきます。ヘンリックはミカエルを助けることのできる証拠を持っていると言うので、調査をすることにしました。その調査の内容は、ヘンリックの兄の孫娘・ハリエットが突然、失踪した事件を調べること。ある意味密室ともいえる孤島から一人の少女がいなくなる・・不可解な事件でした。それを何十年も経っているにも関わらず、調べてほしいというのです。

当時の資料を見ながら調べを進めるミカエルの様子が描かれています。そして、そんなミカエルの様子と並行するように描かれているのは、リスベットという女性のこと。

彼女はある調査会社に勤める調査員です。社会性が無いと言われ、偏屈扱いされている彼女ですが、調査員としてとても優秀で、重要で難しい調査は彼女に任せると安心・・というほどの腕を持っています。リスベットはミカエルが裁判にかけられることになった事件を、依頼されて調べていました。


今のところ、二人の人物は全く関係ない感じで話は進んでいきます。でもこのままってことは無いでしょう。


この作品の宣伝文句というか評論家の感想には「読み始めたら眠れないくらい」とか書かれていました。私的にはそこまで入り込めない感じがしたんですよね・・。

まず、スウェーデン人たちの名前に慣れていないので、誰が誰だかいつも以上に混乱してしまいましたバッド(下向き矢印) そのせいで、登場人物の説明を何度も見直さないといけませんでした。関係性もなかなか把握できませんでしたし。ただ、登場人物は多いですけど、それぞれの性格や考え方などが細かく書かれているので、人物像は浮かびやすかったです。

それから、ミカエルとリスベットの話が交互に書かれているのに、特に章が分かれているわけではなく、数行空けてあるだけなのも混乱しました。せっかくリスベットに感情移入しかけたと思ったら急にミカエルの話になる・・という感じで、なかなか入り込めませんでした。後半になってやっと慣れてきましたけど。


下巻になるともっと話が展開して面白くなっていくんだと思うので、それを期待しつつ読むことにします。


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