2025年02月26日

霜月りつ「神様の子守はじめました。12」

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 霜月りつ 著
 「神様の子守はじめました。12」
 (コスミック文庫α)


神子たちの軽井沢別荘ライフ!! ご近所の小説家・三波先生に軽井沢の別荘を借りてやってきた梓と四神子たち。 別荘は三波先生の映像化されたミステリードラマの撮影場所でもあってミステリーおたくの水精の翡翠や俳優の大ファンでもある白花は、ワクワクで大はしゃぎ。大興奮の翡翠は悪ノリして、白花大号泣の演出までしてしまい!?森を探索したり、遊園地にいったり、神子たちとのんびり別荘ライフを満喫しようとする梓だったがまたも思わぬトラブルが続出でーー!!−裏表紙より−


う〜〜ん・・あらすじ以上のことを思い出せない!

またこんな状況になってしまいました。

ただ思い出すのは、白花が憧れの俳優に会い過ぎってことと、こんなに何度も会っているのにその度に緊張して話せなくなるなんてかわいい!ってこと。


ほんと、このシリーズは読んだらすぐに感想書いておかないと忘れてしまいます。

いい意味であっさりした内容です。


<神様の子守シリーズ>
「神様の子守はじめました。1」
「神様の子守はじめました。2」
「神様の子守はじめました。3」
「神様の子守はじめました。4」
「神様の子守はじめました。5」
「神様の子守はじめました。6」
「神様の子守はじめました。7」
「神様の子守はじめました。8」
「神様の子守はじめました。9」
「神様の子守はじめました。10」
「神様の子守はじめました。11」


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タグ:霜月りつ

2025年02月05日

中村ふみ「月の都 海の果て」

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 中村ふみ 著
 「月の都 海の果て」
 (講談社文庫)


天下三百三年九の月。元徐国王の風来坊・飛牙は、天に戻れなくなった天令の那兪を連れて東の越国へ。王都では瀕死の王のもと、二人の王子が後継争いの真っ最中。巻き込まれた飛牙は二宮の陣営に軟禁されるが、折悪しく「屍蛾」と呼ばれる暗魅が大発生する。放浪の英雄は越国を滅亡の危機から救えるか?−裏表紙より−


シリーズ3作目です。

毎回、もう良いかな?と思いつつ、なんとなく読み進めています。


今回の舞台は越国。この国の王は瀕死の状態で、まともに話すことも出来ない状態です。でもまだ生きているので、誰かが跡を継ぐわけにもいかず、使えない国王を配したまま国は動いています。

実際に動かしているのは国王の妻。彼女は飛牙の大叔母に当たる人で、彼が国に来たことを知ると会いたがります。

せっかくの対面も何だかお互いに含みを持った何とも微妙な感じ。表面上は楽しそうではありますが。


いつまでも国王の妻が国を治めるわけにはいかないので、国王が亡くなった場合は王子が継ぐことになるわけです。ただ、国王には王子が2人いてお互いに権力争いをして部下が真っ二つに分かれる事態になっています。

更に実はもう1人王子がいるということで、城から出て暮らしている彼も跡目争いに巻き込まれてしまいます。


探している弟もこの跡目争いに一枚嚙んでいたり、国を遅く「屍蛾」という暗魅まで飛んできたり、とにかくドタバタ状態です。

とはいえ、すべての事態はサラッと流れていく感じで、あっさりと読み終わるのですが。


次は最後の国なので、終わりかな?と思っていたらどうやらまだ数冊あるようです。外伝もあるとか!?

どこまで読むかは微妙ですが、とりあえず本編が終わる5巻までは読もうかな。


<天下四国シリーズ>
「天空の翼 地上の星」
「砂の白 風の姫」


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タグ:中村ふみ

2024年10月29日

霜月りつ「神様の子守はじめました。11」

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 霜月りつ 著
 「神様の子守はじめました。11」
 (コスミック文庫α)


国を守る四獣の子供たちは、優しい普通の青年・羽鳥梓のもとで、人間世界を学びながら、今日も元気にすくすく育っています!(神子たち、絵本の世界に遊ぶ)シンデレラや人魚姫・・現代の姫たちの結末は?(神子たち、お見舞いに行く)お隣の仁志田夫人が骨折して入院!心配した梓と子供たちはお見舞いに。病院にはたくさんの迷える人たちがいて・・。猫又のチヨさんも密かに活躍して―。他にも面白いお話がいっぱいの11巻!−裏表紙より−


毎回言いますが、このシリーズは読んだらすぐに感想を書いておかないと忘れる・・

ということで感想は省略。

今回も子どもたちが可愛かった&梓は良い奴!ってことです。



<神様の子守シリーズ>
「神様の子守はじめました。1」
「神様の子守はじめました。2」
「神様の子守はじめました。3」
「神様の子守はじめました。4」
「神様の子守はじめました。5」
「神様の子守はじめました。6」
「神様の子守はじめました。7」
「神様の子守はじめました。8」
「神様の子守はじめました。9」
「神様の子守はじめました。10」


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タグ:霜月りつ

2024年06月18日

中村ふみ「砂の城 風の姫」

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 中村ふみ 著
 「砂の城 風の姫」
 (講談社文庫)


天下四国は天より授かりし四つの国。元徐国王の風来坊・飛牙は、天令の那兪と共に代々女王が治める西の燕国へ。女王は夫を持たず、「胤」という存在により懐妊するという。飛牙は家出中の名跡姫・甜湘と知り合ったことから「胤」候補に。飛牙の前にいた二人の胤はすでに不審死。徐王の英雄は生き残れるのか。−裏表紙より−


1作目で完結した雰囲気はあったので読むか迷ったのですが、手元にあったので読んでみました。

表紙を見て想像はついたのですが、1作目の主人公であった徐国王だった飛牙が登場します。登場するというか、彼を中心にこのシリーズは進んでいくようです。彼のために犠牲となり悪魔になってしまった弟を救う方法を探す旅に出る話なのですから、当然ではありますが、それぞれの国でその国の王を主人公にしていくのも楽しそうだと思います。

それで、最終巻とその前くらいに再び飛牙の話を描いても面白そう。

そんなことを言ってもすでにシリーズは完結しているので仕方ないですけど。


2作目で描かれるのは燕国。この国の王は代々女性です。ファンタジーの世界でも女性が国を治めるのは珍しいそうです。この国の珍しい所は、女王であることだけではなく、女王が夫を持たないということと、懐妊する時も「天から授かった」的なことにするということです。

聖母マリアみたいですね。彼女は夫がいましたけど。


燕国では「胤」という存在の男性がいて、まあつまり女王を妊娠させる存在なわけですけど、生々しい部分は無しにしておきたいようなので、女王一人で妊娠して出産するということです。

「胤」は女王を妊娠させられなければ、追い払われ(拘束される)、妊娠させられても女の子を産ませられなくても追い払われ、うまく女の子を妊娠させられたとしても、そっと追放され(仏門に入る的な)ます。


「胤」に選ばれたら人生は終わると思った方が良いわけです。とはいえ、もし自分が次の女王を作ったということになれば名誉ではありますね。そんな名誉がいるかは微妙ですが。


次期女王となる甜湘は今までの伝統に対して疑問を感じている女性です。「胤」制度に対して反対している状態です。なので、「胤」候補としてあげられる男性と親密になろうとするのですが、なぜか彼らが殺害されてしまいます。

誰が何のために殺害するのか?彼らを死なせてしまったことを後悔し、誰が殺したのか?を調査しようとしている時に、飛牙が現れます。

この先の展開は何となく読めるでしょうが、とにかく色んな力を借りながらもさっくりと解決します。

解決するまでは良かったのですが、結末がどうも気に入りませんでした。旅立つのがわかっているのにその結末は・・・。個人的には好きではないです。


続きはどうしようかな? 何だかどうでも良いような気もしてきました。


<天下四国シリーズ>
「天空の翼 地上の星」


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2024年05月20日

霜月りつ「神様の子守はじめました。10」

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 霜月りつ 著
 「神様の子守はじめました。10」
 (コスミック文庫α)


「なんと愛らしいのだ、子供たち〜!」サンシャイン通りのコスプレ祭りに参加するため、大張り切りで四神子の仮装衣裳を作成した水の精・翡翠は子供たちの可愛さにメロメロになっている。もちろん四神子のお世話係・羽鳥梓や火の精・紅玉も大絶賛。うちの子が世界で一番カワイイ!状態だ。子供たちもお祭りに大はしゃぎで―。だが、パレードの山車が通りすぎた後、気がつくと白花の頭がかぼちゃにすりかわっていた!なんでも西洋の悪魔の仕業らしい。みんなの力を合わせて、白花の頭を取り戻そうとするが・・!?−裏表紙より−


よく頑張った!白花ちゃん。の巻。色々巻き込まれましたが、優しい白花ちゃんが健在で良かったです。そして、いつも寝てばかりの玄輝も珍しく活躍しました。彼らが大人(?)になったら人間想いの素敵な神様になってくれそうです。



1話目では四神の子たちが、水の精・翡翠と火の精紅玉と共に神有月に出雲へ行きます。珍しく梓は留守番。人間は入ることが出来ないところへ行くという緊張感あふれる展開でした。

それぞれが、同じ神様に会って色々と教えてもらうわけですが、玄輝のことは驚かされました。だからいつも寝ているのかもしれないと思いますし、彼がポロっと言うことや行動することに重みがあるのはそういうわけか、と納得もしました。

秘密が明かされたからか、その後の話でも玄輝はいつも以上の活躍を見せます。

寝てばかりいる彼ですが、自覚すると頼りになる存在になるのかもしれません。

今後が楽しみになりました。


そして、白花。ずっと念話しか出来なかった彼女が話せるようになり、どんどん成長しています。

元々大人しい彼女ですが、大人しさの中にも冷静でしっかりと物事を考える部分があり、そこが成長して頼もしくもなりました。何より優しいのが彼女の良い所。


自分の頭がかぼちゃにすり替わっても怒らず、また貸してあげるから、と約束までしてしまうところが素敵です。


毎回大きな成長を見せてくれますが、今のところ見た目はあまり育っていない様子。でも着実に梓との別れは近づいているわけで。

どんな状態で終わるのか、今から楽しみでもあります。


<神様の子守シリーズ>
「神様の子守はじめました。1」
「神様の子守はじめました。2」
「神様の子守はじめました。3」
「神様の子守はじめました。4」
「神様の子守はじめました。5」
「神様の子守はじめました。6」
「神様の子守はじめました。7」
「神様の子守はじめました。8」
「神様の子守はじめました。9」


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タグ:霜月りつ

2024年03月22日

霜月りつ「神様の子守はじめました。9」

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 霜月りつ 著
 「神様の子守はじめました。9」
 (コスミック文庫α)


四神子が卵から孵って半年以上が過ぎ、常に一緒に行動してきた子供たちも、今ではひとりひとり好きなものができて別行動をとるようになってきた。普通の人間なのに仮親を任命された羽鳥梓は、そんな子供たちを頼もしく思ったり寂しさを感じたりで複雑な想いを抱くようになってきた。だが、まだまだ手のかかる子供たちは、いきなり探偵になりたいと言い出したり、嘘ばっかりつくようになったりとハラハラするも楽しく新鮮な毎日で―。−裏表紙より−

「神子たち、遊ぶ」「神子たち、フリマを楽しむ」「白花、雷獣と修行する」「蒼矢、梓の悪夢を払う」「神子たち、キャンプへ行く」


あらすじを読んでまずびっくり! まだ半年しか経っていないの!? なのに9巻?? どんな時間の過ぎ方なんだか・・。

それなのにかなり大きくなっている四神の子供たち。人間でいう所の4〜5歳な感じなんですけど!

お友だちも出来てきて、今後どうごまかすつもりなのか・・


少しずつ自分で考えて行動できるようにはなってきて、梓のラクになったかと思えば、実は今が一番大変なのかもしれないですね。今まではごまかせてたこともごまかせなくなりますし、体力もついてきますしね。

でも、梓の人の良さが今回再認識できたので、まあ彼なら大丈夫と改めて思えたので大丈夫とは思いますが。

自分のことより四神の子たちを優先しますし、見ず知らずの困っている人のことも優先します。子供たちの世話を彼に任せた神様はさすがと言うべきですね。


今回一番面白かったのは、蒼矢の話でした。嘘つきになった彼に対してみんな困っていたので、梓が神様に相談しました。すると、蒼矢が付いた嘘が全て本当になるという現象が。

これは子供にとってはなかなか辛いし怖い! もちろん猛反省した蒼矢です。


白花も自分の力をコントロールしたいということで、修行を始めますし、それぞれ大きく成長中です。


<神様の子守シリーズ>
「神様の子守はじめました。1」
「神様の子守はじめました。2」
「神様の子守はじめました。3」
「神様の子守はじめました。4」
「神様の子守はじめました。5」
「神様の子守はじめました。6」
「神様の子守はじめました。7」
「神様の子守はじめました。8」


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タグ:霜月りつ

2024年02月27日

瀬那和章「後宮の百花輪(1)」

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 瀬那和章 著
 「後宮の百花輪(1)」
 (双葉文庫)※電子書籍


百花輪の儀。それは華信国の五つの領地よりそれぞれの代表となる貴妃を後宮に迎え、もっとも皇帝の寵愛を受けた一人が次期皇后に選ばれる一大儀式だ。後宮に憧れる武術家の娘・明羽は、道具の声が聞こえる不思議な力と拳法を駆使し、北狼州代表の來梨姫の侍女として後宮で働き始める。美貌や知略、財力を賭した貴妃五人の戦いで、明羽は引き籠り気味の「負け皇妃」來梨を皇后の座につかせることができるのか!?心躍る絢爛豪華な中華後宮譚、開幕!−出版社HPより−


初めましての作家さんです。

ネットでの感想を読んで面白そうだったので読んでみました。

こういう中華系のファンタジーって人の名前が覚えられなくて困ります。適当に読んでいるので、何人も違う名前で認識していると思われます。主役の明羽さえもなんて読むんだっけ?って感じです。

でもまあ問題なく読めますけど。


明羽は武術家の娘として生まれ、武術を仕込まれながら育ちました。父親が亡くなった時、兄が家を継ぎ、兄嫁からいじめられた明羽は、憧れていた後宮の侍女を募集していると知り、試験を受けに行きます。

彼女は物の声が聞こえるという特殊能力を持っているため、その道具に助けられながら試験をクリアして見事に合格します。

侍女として様々なことを学びながら、主である來梨に仕えて生活していくことに。


後宮というのは日本でいう所の大奥のような場所です。大奥は将軍のお眼鏡にかなった女性たちがお互いにけん制し合いながら、将軍の寵愛を受けるべく生活している場所ですが、後宮も同じで、皇帝の寵愛を受けるために張り合う場所です。

侍女同士ももちろんライバル心が満載で、お互いに自分の主を貴妃にするべく足を引っ張り合います。なかなかドロドロしている話でした。
しかもこの後宮に住むことになっている候補たち5人は、それぞれ自分の故郷を背負って来ているというかなり真剣な女性ばかり。自分の国を豊かにするためには貴妃になるしかないと意気込んでいる人たちの中で、明羽が使えている來梨だけは初恋の人に再会したいから、なんて緩い理由なので、気合が足りません。

貴妃になれなかった女性がどういう末路を辿るのか、その侍女の行く末なんて更に悲惨なもので、みんな自分の主を必死で助けるのは理解できます。

明羽が使える來梨は他の女性たちよりもかなり遅れをとっているので、先行き不安しかありません・・。


こんな感じでただドロドロした人間模様だけを描かれたら読み切れなかったと思いますが、事件が起きてそれを調査して解決するというミステリ仕立てになっているので読みやすかったです。

きっとファンタジー好きよりもミステリ好きな人の方が楽しめると思います。


この先どうなっていくのか、色々と気になる部分があるので、続きも読んでいきます。


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タグ:瀬那和章

2024年01月26日

永野水貴「恋した人は、妹の代わりに死んでくれといった。3−妹と結婚した片思いの相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら」

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 永野水貴 著
 「恋した人は、妹の代わりに死んでくれといった。3−妹と結婚した片思いの相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら」
 (TOブックス)※電子書籍


異界で暮らすウィステリアは、ふと気づいた。自分を倒しに来たはずのロイドと、無防備な姿で一緒に朝食をしているではないか。初恋の人に瓜二つのその弟子は、自分の孤独な番人生活が元の世界を救っていることも教えてくれた。これ以上彼に近づけば、きっともう一人では生きられない。そう思って距離を置いた途端、異変が!なぜか魔物が大竜樹を襲撃してきたのだ。「何でも一人で背負うな」。その言葉に背中を押され、一緒に敵へと立ち向かうが―?帰還が近づき揺れる二人を新たな波乱が襲う!孤独な元令嬢×天才肌の貴公子の師弟恋愛ファンタジー第3巻!書き下ろし番外編収録!−出版社HPより−


どんどん読むのが苦しくなるシリーズです。3作目になり、結局ロイドってなんでここにいるんだっけ?という気分に。

ひたすらウィステリアをかき乱して去るつもり? 彼が変に気遣ったり優しくしたりする度にイライラします。


前作でも思いましたが、ウィステリアは終わりのないこの暮らしをどうやって過ごして行こうとしているのだろう?と心配になります。異界に来るのは妹の代わりで、一応生贄の役目ではありましたが、この先、何の思い入れもなくなった元の世界のために命をささげる意味ってなんだろう?と思ってしまいます。

それでなくても辛い暮らしを送っているのに、今では以前恋した人にそっくりな男性に惑わされ、救いが無さ過ぎです。


ほんと、いつかは去るつもりで、元の世界に想い人がいるのだから、そっとしてあげてほしい!


今回は異界で問題が多発します。恋どころではないはずの2人ですが、要所要所で恋愛模様が描かれて、その度にイライラしてしまうので、問題が起きたことが軽く思える感じです。

ウィステリアがこちらで戦っていることは、元の世界には良い影響を与えているらしいとわかったところで、それを励みにがんばるぞ!とはならない気がします。



そして、身代わりとなった妹は今は記憶を無くしているようですが、思い出した時にどれだけ苦しむだろうと思うとそちらも辛いです。でもまだ彼女は幸せになっているだけかなりマシですけど。


どんどん苦しくなりますが、結末はどうするつもりなのか気になるので最後まで追いかけます。


<恋した人は、シリーズ>
「1」
「2」


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タグ:永野水貴

2024年01月10日

霜月りつ「神様の子守はじめました。8」

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 霜月りつ 著
 「神様の子守はじめました。8」
 (コスミック文庫α)


日本の四方を守る次代の四神の子供たちを預かった普通の人間である羽鳥梓は日々、トラブルに遭いつつも子供たちを育てていた。四人の子供たちの個性もそれぞれで、夏の一日だけでも小さな発見や成長が盛りだくさん。梓も目が離せない。水と火の精霊の力も借りて子供たちにいろいろ体験させようとするが魔縁天狗が襲ってきたり、ヒマな神様がちょっかいをかけてきたりで、梓にとっては心配なことばかり。だけど、子供たちは優しい思いやりのある子に育ってきて嬉しさもひとしおで!?−裏表紙より−


前作も夏でしたが、今回もまだ夏です。

初めての海に出かけることになった四神の子供たち。小さい子どもを海に連れて行くだけでも大変なのに、この子たちは必ずトラブルに巻き込まれるので大変です。

毎回、巻き込まれて命の危機になる梓が気の毒になってきます・・・。


笑ってしまったのは、2話目。近くに住む作家の所にあそびに行ったら、たまたまドラマの撮影が行われていて、子供たちも写されてしまいます。普通の状態で写るなら良かったのですが・・・。

その後のドタバタが面白すぎでした。


そして、今回もっともハラハラさせられたのが天狗に会いに行く話。朱陽が大変なことに!

天狗に会うとろくなことがありません。今回もきっと何か起こるだろうとは思っていましたが、こんなに大変なこととは。


朱陽が梓から離れてしまうのか?と心配になる展開でした。

この犯人(?)の気持ちはわからなくもないんですけど、それでもやはり子供を巻き込むのは許せません。

今回だけでは彼のことは解決していないので、きっと今後も出てくるのでしょう。なかなか手強いので心配です。


とはいえ、朱陽と梓の絆は更に深まって、そういう点では良かったのかも?


しゃべり方は幼い彼らですが、精神的にはどんどん成長中です。まだまだシリーズは続くので、しっかり追いかけていきます。


<神様の子守シリーズ>
「神様の子守はじめました。1」
「神様の子守はじめました。2」
「神様の子守はじめました。3」
「神様の子守はじめました。4」
「神様の子守はじめました。5」
「神様の子守はじめました。6」
「神様の子守はじめました。7」


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タグ:霜月りつ

2023年12月12日

中村ふみ「天空の翼 地上の星」

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 中村ふみ 著
 「天空の翼 地上の星」
 (講談社文庫)


天下四国――この世は、峻厳たる山々に囲まれた四つの国に分かれている。南の王国「徐」の王太子・寿白は、革命の混乱のさなかに王の証「王玉」を得たが、
徐国は倒れ、国名も「庚」と改められてしまう。それから十年。かつて輝くほど聡明な少年王だった男は、飛牙と名乗るすれっからしに成り果てていた。天令の那兪は、飛牙の胸に眠る王玉を天へ返すよう迫るが……。極上の中華風ファンタジー、開幕!
−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

ネットでの感想にもよく書かれていますが、これって・・・十二国記みたい! 
十二国記の縮小版!?

国の数が4つしか無さそうなので、何とか完結してくれそうです(シリーズは6作で完結したそう)が、どうなんでしょうね・・。あちらは風呂敷を広げ過ぎてどうにもならなくなっているようなので、こちらを読んでいくのが良いのかもしれません。

ただ、挿絵が入っているのが何ともね〜。ラノベだから仕方ないのでしょうが、電車では読みにくいです。通勤の間に読みたいタイプなので、それが辛かったです。そのページは斜めに読んで、サッと捲る感じ。


この1作目に描かれるのは「徐」という国。この世界では、王になる時に天から「王玉」をもらうのですが、誰でももらえるわけではなく、選ばれし王だけがもらえるという不思議な玉。もらうというのは体内に入れることなので、もらえない王の時代は飾ってあります。

うん、なかなか面白い設定です。

そして、こういう話にありがちな民衆の反乱が起きて、時代が変わることになり、命を狙われた王が息子に跡を継がせるわけです。王となったのは寿白という少年。もちろん彼も命を狙われるため、守られながらも落ち延びることに。

玉をもらえた寿白は選ばれし王として、王族からは期待されますが、民衆はそんなこと一切知らないため、反乱を起こした首謀者を国のトップとすることを余儀なくされます。まあそうなると、この国は荒れるんですよね。


と、よくある展開ではあるのですが、ミステリアスな人がいたり、天の使いである那兪と大人になった寿白のやりとりが面白かったりするので、サクサクと読めてしまいます。

運命に翻弄される、運命に逆らおうと藻掻く様子は読んでいて苦しくなりましたけど、寿白の性格がカラリとしていることもあって、そこまで重くなることもなく読めました。それでも可哀そうな部分や、目を背けたくなるような描写はたくさんありました。


何となく1作で完結した感もあるシリーズ。2作目以降は読まなくてもいいかな?と思いつつ、手元にあるので一応読んでみるか?とか悩み中です。


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タグ:中村ふみ

2023年10月30日

永野水貴「恋した人は、妹の代わりに死んでくれといった。2−妹と結婚した片思いの相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら」

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 永野水貴 著
 「恋した人は、妹の代わりに死んでくれといった。2−妹と結婚した片思いの相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら」
 (TOブックス)※電子書籍


義理の妹の身代わりに異界の番人となったウィステリアは動揺していた。師弟関係を結んだ青年ロイドとの共同生活には全く慣れない。しかも、ウィステリアの相棒の聖剣を奪おうとする彼は、初恋の人と義妹の間に生まれた息子。この師弟関係はあくまで一時的なものなのに・・共に過ごすほどに弟子以上の大切な想いが大きくなる。いずれ来る別れの予感に苦しむ彼女に、ロイドは禁断の疑問を投げかける。「あなたは、かつて誰かに恋していたのか?」出会うはずのなかった師弟が予想外の急接近!孤独な戦闘系元令嬢×天才肌の傲慢系貴公子の師弟恋愛ファンタジー第2巻!−出版社HPより−


シリーズ2作目。

前作は何とも苦しい展開で、読んでいて辛かったですが、今回もまた辛かった・・。辛いというか苦しい。

前作の終わりくらいからどうやらロイドはウィステリアに好意を向けてきているな、と感じていたのですが、今回もどんどん好意を寄せていて、何だか恋愛感情になりそうな雰囲気。というか、もうすでに恋愛感情が出ていそう。

元の世界に戻れば白薔薇姫が待っているというのに。

ウィステリアに恋をするのは分かる気はしますが、ほんと、やめてあげてほしい!

ロイドが異界に残るわけにもいかず、ウィステリアが元の世界に戻ることもないこの状況で、これ以上彼女を惑わすのは罪というものです。親子そろって彼女を苦しめるのは本当に腹が立ちます。


それにしてもウィステリア、異界に一人でいて(聖剣が一緒とはいえ)、よく狂わずに済んでいると思ったら、やはり色々あるんだとちょっと安心した部分もあります。先の見えないこの状況でよくこの程度の精神状態でいられるものです。終わりがないですからね・・。歳も取らないから死ぬしかないけど、死ぬことすらままならないから想像を絶する大変さです。


今回、異界の2人の状況だけではなく、間間に元の世界の話も描かれています。ロイドがあちらでどんな生活を送っていたのか、どんな性格なのか、など色々わかったのは良かったですが、ブライトが出てくるとイライラしました。

彼が何を言っても、どんなに悲しんでいても、ウィステリアにした仕打ちは絶対に許されないし、未だに彼女が魔女と呼ばれていることや聖剣を奪った犯罪者として扱われていることに対して何の行動も起こしていないことにむかつきます。

確かに真実を明らかにしたら奥さんが苦しむでしょうけど、だからといってウィステリアはいなくなったから良いか、ではないでしょ!と思います。


まだまだ元の世界に戻りそうにもないロイド。どうなっていくのか、心配でたまりません。早めに続きも読んでいきます。

<恋した人は、シリーズ>
「1」


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タグ:永野水貴

2023年10月17日

霜月りつ「神様の子守はじめました。7」

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 霜月りつ 著
 「神様の子守はじめました。7」
 (コスミック文庫α)


アマテラスから預かった四神の子供たちは日々成長し、普通の人間である羽鳥梓は思いがけないトラブルに巻き込まれながらも愛情深く子供たちを育てていた。ある夏の日のこと。梓と子供たちは、おなじみの神社へカブトムシをとりに、はりきって出かけていった。不思議なことに子供たちにベタ甘な水の精・翡翠は珍しく居残りで・・。なんと2時間サスペンス大好きな翡翠は、ご近所の高畠さんと組んであやしげな噂のあるアパートの住人を偵察しにいくことになっていたのだ!!−裏表紙より−


いつも表紙の絵がかわいいですが、今回は浴衣を着ている子どもたちが更に可愛いです。

表紙から想像がつくように、子どもたちは初めての夏祭りに参加します。夜店があって、盆踊りを踊って。

でもこのシリーズでは、普通に夏祭りに参加して、子どもたち可愛い〜!で終わるわけもなく。普通の町内のお祭りに参加していたはずが、謎の神様による嫌がらせ?でおかしなことになります。せっかく可愛く浴衣を着たのに・・。


で、別の話でリベンジ的に、今度は神社で出店される夜店に行くことになりました。これで色々楽しめるし経験できる、と思ったのに、このシリーズでそううまくいくはずもなく。またまた面倒に巻き込まれます。

普通の祭りや夜店には参加できなくても、子どもたちはそれぞれ色んな経験をして大きくなっているようでそこは安心です。


子どもながらに色んなことを考え、他人のためにも行動出来るようになっている子どもたち。梓のお陰でとても良い子に育っています。


今回は番外編として、梓が休日をもらう話が描かれます。初めは仕方なく子どもたちを引き受けて、右も左もわからずに育てていたのですが、今では立派な保護者になっています。こんなに子どもたちとべったりになっていたら、成長著しい彼らと別れる時にはどうなるやら。こうなってくると、子どもたちよりも梓の方が心配になります。


このシリーズはすでに10冊以上書かれているようです。いつになったら追いつくのか・・・。

<神様の子守シリーズ>
「神様の子守はじめました。1」
「神様の子守はじめました。2」
「神様の子守はじめました。3」
「神様の子守はじめました。4」
「神様の子守はじめました。5」
「神様の子守はじめました。6」


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タグ:霜月りつ

2023年09月12日

永野水貴「恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。―妹と結婚した片思いの相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら―(1)」

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 永野水貴 著
 「恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。―妹と結婚した片思いの相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら―(1)」
 (TOブックス)※電子書籍


妹の代わりに、毒に満ちた異界の番人となった元令嬢・ウィステリア。ある日、空から初恋の人に瓜二つの男が現れる。名はロイド。なんと彼女の初恋の人の息子だった! 王女へ求婚の証に、ウィステリアの相棒・言葉を解する聖剣サルティスを求めて来たという。止まった時の中で生き延びてきた彼女は、独自の魔法でロイドを倒し、元の世界に帰れと諭すがーー
「あなたを倒すため、弟子にしていただく!」と、説得も虚しく居座られることに。見る間に魔法を習得する弟子に翻弄されつつ、一方的に始まった師弟関係。果たして止まったままの彼女の時間は再び動き出すのかーー? 孤独な非戦闘系元令嬢×天才肌の傲慢系貴公子の師弟恋愛ファンタジー!
−出版社HPより−


初めましての作家さんです。表紙の雰囲気も題名も絶対に自分では選ばないであろう作品ですが、読友さんが高評価を付けていたので読んでみようと思いました。

ファンタジーは好きなので、こういう世界観は好みで読みやすいですが、題名が・・。電子書籍だから読んだけど、書店でレジに持って行くのは恥ずかしいわ・・。ファンタジーに恋愛が絡むと面倒だなと思ってしまいます。でも恋愛でもサラッと良い感じで読めるのもあるので何とか挑戦してみました。

それにしても「妹の代わりに死んでくれ」?怖い題名です。この題名からすると、間違いなく片想いなんだろうと思いますね。しかもかなり傷つく系。片想いの相手の妹の代わりに殺されるのか?と思ったら違いました。

自分の妹でした。ますます悲恋ですね・・。この場面は恋愛物嫌いな私でも泣きそうになりましたよ。


主人公は令嬢として育ったウィステリアという女性。彼女は血のつながらない夫婦に育てられているため、育ての親に対しても、血のつながらない妹に対してもどこか遠慮しているような状態でした。とはいえ、大切に育てられてはいるので、そういう意味での苦労は何もありませんが。

年頃の女性になっているウィステリアの片想いの相手は「生ける宝石」と呼ばれるほどの美貌の持主・ブライト。ウィステリアとも妹とも仲良く付き合っている彼。でも彼の家の方が身分が高いため、結婚するにはウィステリアは努力が必要です。・・と勝手に思っている感じ。

ブライトの家は貴族で、本来なら魔法が使える血筋ですが、彼は魔法が使えないため少し肩身の狭い状態です。そんな彼のために魔法について研究をするウィステリア。そして、瘴気満ちる「未明の地」についても研究することで、功績を得て、ブライトも手に入れたいと考えています。

優雅に暮らして良いはずの令嬢がそんな研究に明け暮れているのですから、当然周りからは「変人」扱いされています。そんなウィステリアに対しても分け隔てなく接してくれるブライトにますます好意を寄せる・・。

そんな時、妹に対して「未明の地」の番人としての役目が命じられます。瘴気が満ちている未明の地の番人というのはつまり生贄ということでした。涙に暮れる妹を見ながらもどうしようもなく、とにかく研究を進めようとするウィステリアでしたが、ブライトから「代わりに行ってくれ」と言われてしまいます。

ここは辛過ぎた・・・・・。ウィステリアには瘴気に対する耐性があるということですが、いくら耐性があっても未明の地の瘴気には対抗できないだろうことは想像できるので、結局「死んでくれ」ということです。妹本人から言われても辛いですが、片想いの相手が実は妹のことが好きだとわかり、その人から「死んでくれ」と言われるだなんて。


そして物語は23年後に飛びます。

ここからの話が、題名の「妹と結婚した〜」の部分になるわけです。未明の地にやって来た、ブライトの息子・ロイド。ブライトによく似た男性の登場に心乱されるウィステリア。

っていうか、ウィステリア生きていたんだ!?と驚く暇もなく、次の展開が。ロイドがやって来た動機も何だか不純ですし、親子で彼女の人生をかき乱していくのが腹立たしいですし、途中で挫折しそうになりましたが、後半に出て来たしゃべる聖剣・サルティスのお陰で読み進められました。

毒舌キャラで、言いたいこと言ってしまうサルティスですが、ウィステリアとは良いコンビのようです。お互い言い合いながらもうまく助け合って、喝を入れ合っていて、お陰でこの地でも生きてこられているようです。

未明の地では時が止まっているため、歳を取っていないウィステリア。そして、片想いの人の息子の登場。まだまだ物語は続きそうですし、最後にきっと元の世界に戻るのでしょうからその時の仕返し的な所を読むのが今から楽しみになっています。

サラッと何事もなかったように戻ったらどうしよう??

とりあえず、続きも読んでいきます。
 

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タグ:永野水貴

2023年04月04日

霜月りつ「神様の子守はじめました。6」

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 霜月りつ 著
 「神様の子守はじめました。6」
 (コスミック文庫α)


普通の人間である羽鳥梓はアマテラスから国の四方を守る四神の子供たちを預かり、毎日小さな不思議体験をしながら子供たちと一緒に楽しい日々を送っていた。子供たちも個々に自分たちなりの世界を作り出し、性格もはっきりし始めている。白花は迷い猫を探しに猫の集会に参加しようとしたり、蒼矢は友だちを助けるために魔縁と戦おうとしたり・・。思いがけない出来事の連続で羽鳥梓はますます四神から目が離せない!!−裏表紙より−


1話目から梓が大ピンチ。頭を打って気を失った梓を助けようと子どもたちが力を使ったために、どんどん若返っていくという状況に。子どもたちに出会う前に記憶が戻ろうとするため子どもたちを忘れるというか覚えておらず、彼らを見ても「誰?」状態。

子どもたちを忘れたくないという強い思いで何とか正気を保っているという大ピンチ。そこで梓たちが向かったのは、あの「竜宮城」! そうか、玉手箱で戻るわけね、と妙に感動してしまいました。ここに出てくる乙姫様はコメディを見ているかのような面白さ。そしてある意味怖くもあって笑えました。

子どもの頃に「浦島太郎」を知ってから、ずっと謎な話だと思っていましたが、ますます意味がわからない話だと改めて思いました。浦島太郎の教訓は、「カメは助けてはいけない」なのだろうか?と思ってしまいます。いくら楽しくてもあそび過ぎたらだめだよ、という教訓なのか? 言いたいことはわかるけど、せっかくカメを助けるという良いことをしたのは帳消しになるのか? 謎なお話です。


2話目以降は、子どもたちそれぞれの活躍が読めます。蒼矢の話は特に良かったです。まだまだ小さい幼いと思っていた彼が何だか大きく見える、たくましく思える話でした。ちょっと悲しくもありましたが、彼にとって大事な友だちが出来たのはとても良いことです。

ただ、友だちと成長の速度が違うのがどうなるのか?は心配ではありますが。ここからは速度を落とすのか? そうでないと、頻繁に引越しする必要がありそうです。


何はともあれ、今回もほのぼのした雰囲気の中での読書、楽しかったです。
殺人事件やドロドロ恋愛物を読んで疲れた心にぜひどうぞ。


<神様の子守シリーズ>
「神様の子守はじめました。1」
「神様の子守はじめました。2」
「神様の子守はじめました。3」
「神様の子守はじめました。4」
「神様の子守はじめました。5」


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タグ:霜月りつ

2023年02月03日

中村颯希「神様の定食屋」

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 中村颯希 著
 「神様の定食屋」
 (双葉文庫)※電子書籍


妹とともに、両親の遺した定食屋を継ぐことになった高坂哲史。ところが哲史は料理がまったくできず、妹に叱られてばかり。ふと立ち寄った神社で、「誰かに料理を教えてもらいたい」と愚痴をこぼしたところ、なんと神様に、この世に未練を残した魂を憑依させられてしまった。神様曰く、魂から料理を教わる代わりに、その魂が望む相手に料理を振る舞い、未練を解消してやってほしいということで―。思い出の味を繋ぐ、五編の心温まる物語。−出版社HPより−


初めましての作家さんです。

ネットの感想を読んで面白そうだったので、電子書籍で読んでみました。


読み始めは、文章の軽さと、話し言葉で書かれる感じのチャラさについていけない感じがして、失敗したかな?と思ってしまいました。更に主人公もウジウジした性格ときては、早々に読むのをやめようか?と思うほどでした。

でも気づけば引き込まれ、軽い文章も気にならなくなり、軽い文章の中に重い言葉が入っていたりして、読むのが楽しくなりました。

そうなると、主人公のウジウジした性格も「優しい人」に変わるんですよね。


両親が遺した定食屋を妹が続けていきたいと言い出すので、巻き込まれる形で兄である哲史も経営することに。妹は両親が健在な頃から店を手伝っていたのですが、哲史は手伝ったこともない上に料理も全く出来ない、更には接客の経験もない。

理想が高く、厳しい妹にいつも叱られて落ち込んでいた哲史が神社に行き、愚痴をこぼしたら、この世に未練を残した魂を憑依させられます。なんという展開!

色んな料理をしてきた亡き人の魂を身体に入れることで、彼らの想いを受け止めながら料理も目の前で、というか自分の身体で作り出すことが出来るようになります。

なるほど、それでこの人に貸して料理の腕を上げていくわけか〜と読んでいると、1話毎に魂が成仏してしまう! つまり哲史は色んな人の魂を身体に入れながら、色んな料理を知って、接客も知っていくわけです。

冷静に考えたら怖い状況ですけど、ある意味簡単で手っ取り早くもありますね。


これだけの展開ならつまらないのでしょうが、身体に入った魂たちの未練を料理を振る舞うことによって浄化されていく過程が素敵で、毎回涙が出ました。亡き人の想いもそうですが、亡くした側の気持ちも丁寧に描かれていて涙なしでは読めません。


何人もの魂を浄化させた哲史は料理の腕も上がり、定食屋とは、接客とは、ということも分かって、これで話が終わって良い感じと思っていたら、実はシリーズになっているようです。

確かに続けようと思えば出来る話ですが。つまり、哲史の料理人としての腕はともかく、未練を残した魂を浄化させる方に重きを置いて続けていくのでしょう。

たくさん感動させてもらったので、続きもそのうち読もうかな?



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タグ:中村颯希

2023年01月18日

暁佳奈「春夏秋冬代行者 春の舞 上」

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 暁佳奈 著
 「春夏秋冬代行者 春の舞 上」
 (角川文庫)※電子書籍


「春は―無事、此処に、います」世界には冬しか季節がなく、冬は孤独に耐えかねて生命を削り春を創った。やがて大地の願いにより夏と秋も誕生し、四季が完成した。この季節の巡り変わりを人の子が担うことになり、役目を果たす者は四季の代行者”と呼ばれた―。いま一人の少女神が胸に使命感を抱き、立ち上がろうとしている。四季の神より賜った季節は『春』。母より授かりし名は「雛菊」。十年前消えたこの国の春だ。雛菊は苦難を乗り越え現人神として復帰した。彼女の心の奥底には、神話の如く、冬への恋慕が存在していた。暁佳奈が贈る、季節を世に顕現する役割を持つ現人神達の物語。此処に開幕。−出版社HPより−


初めましての作家さんです。

ネットの感想を読んで面白そうだったので、電子書籍で読んでみました。


でも私には合わず。

クリスマスのディズニーランドで読んでいたのですが、全く世界に入って行けず、ずっと周りばかり見ていた気がします。

あらすじを読んだ感じでは面白そうな設定で、世界観も好きそうだったんですけど。


パツパツ切れた感じの文章(主人公が吃音ということなので仕方ない所はありますが)と、しゃべっている言葉、登場人物たちのキャラクターと関係性もあまり好きではありませんでした。



でもネットでの感想を読んでいる限り、はまっている人が多いようです。私が合わなかっただけなのでしょう。

残念。


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タグ:暁佳奈

2022年08月25日

霜月りつ「神様の子守はじめました。4」

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 霜月りつ 著
 「神様の子守はじめました。4」
 (コスミック文庫α)


朱雀の化身・朱陽は明るく物怖じしない性格でご町内のアイドル的存在。朱陽といつも張り合ってケンカしてしまうのは青竜の化身の蒼矢。白虎の化身・白花は大人しくて恥ずかしがりやで、隙あらば寝てしまうのは玄武の化身・玄輝だ。普通の人間なのに四獣神の子供を預かることになってしまった羽鳥梓は毎日、神様の子育てに追われている。個性もでてきて自我が芽生え始めた子供たちにいろいろな体験をさせようとするが、行く先々でトラブル発生で―!?−裏表紙より−


相変わらず四神の子どもたちに振り回されている梓。でもどんどんかわいくまっすぐ育っていていい感じです。

詳しい内容は忘れるくらい軽い感じ。

このシリーズは読み終わったらすぐ感想書かないとだめだな・・。


<神様の子守シリーズ>
「神様の子守はじめました。1」
「神様の子守はじめました。2」
「神様の子守はじめました。3」


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タグ:霜月りつ

2022年05月27日

三川みり「仙文閣の稀書目録(1)」

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 三川みり 著
 「仙文閣の稀書目録(1)」
 (角川文庫)


巨大書庫・仙文閣。そこに干渉した王朝は程なく滅びるという伝説の場所。帝国・春の少女、文杏は、1冊の本をそこに届けるべく必死だった。危険思想の持主として粛清された恩師が遺した、唯一の書物。けれど仙文閣の典書(司書)だという黒髪碧眼の青年・徐麗考に、蔵書になったとしても、本が永遠に残るわけではないと言われ、心配のあまり仙文閣に住み込むことに・・。命がけで本を護る少女と天才司書青年の新感覚中華ファンタジー!−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

中華ファンタジーです。いつも思うんですけど、なぜ中華にする必要があるんでしょう?? 日本の名前が着いていたらファンタジー感が薄れるからでしょうか? 日本の名前が付いていてもファンタジーにはなれますけどね・・。まあそれはともかく。


身寄りのない少女・文杏は、育ての親でもある恩師が危険思想を持つものとして処刑されてしまい、その知らせを受けて呆然としている間に彼の遺した書物が焼かれそうになっていることを知り、それだけは守らなければと持って逃げだします。

突然の別れに悲しむ暇もなく、せめて彼の遺した言葉たちだけでも守らなければならないと思い詰めた文杏は、納められた書物はどんな物でも守られるという巨大書庫・仙文閣の存在を思い出し、そこに持って行くことを決めます。


どこにあるのか正確な場所は知らないという文杏。道中にも何度か狙われそうになることもあり、これは書庫に辿り着くまでの大冒険がメインになるんだろうと思っていたら意外とあっさり到着してしまいます。

書庫に着いた後からの方が色んなことが起こってきます。

仙文閣の司書・麗考に出会い、書庫に収められても永遠に残るわけではないと知らされたことで、大事な書物をそこに収めても良いのか悩んでしまった文杏。そんな彼女に、しばらくここに留まって決めたら良いと言ってくれたので、麗考と共に寝泊りして仕事を手伝うことになりました。


彼が時々見せる謎の行動や、同僚たちの働きぶりなどを見ながら過ごしながらも迷い続けることになります。


普段なら本にそこまでの思い入れをするのは理解できないのですが、今回は恩師の遺産ですし、世の中に一冊しかない物ですから、命がけで守ろうとする気持ちは理解できる気がしました。でも命の方が大事でしょ?とは思いますけど。

黒幕が誰か?は私でも予想出来ましたからその辺りはまあそうだよね、という感じですが、それ以外の部分は楽しめました。

何よりこの仙文閣という場所が魅力的でしたし、そこで働く人たちの姿も素敵でした。


シリーズになるのであれば(題名に番号があるということはなるでしょう)、文杏の成長ぶりが見たいと思います。また仙文閣の雰囲気につかりたいです。


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タグ:三川みり

2022年05月20日

沖田円「雲雀坂の魔法使い」

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 沖田円 著
 「雲雀坂の魔法使い」
 (実業之日本社文庫)


ある町の片隅に、少女のような風貌の魔法使い・翠が営む『雲雀坂魔法店』がある。その店を訪れるのは、人知れぬ悲しみや孤独、後悔を抱えた人々。幼馴染との関係に苦しむ女子中学生、余命わずかの画家、物語が書けない小説家・・。翠は、彼女らの心の奥底に眠る「真実」を感じ取り、希望へと繋ごうとするが―。読むたびに涙あふれる珠玉のストーリー。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。


「春めく傷痕」「夏風の幸福」「秋雨の道しるべ」「冬が明ければ」「雲雀坂の魔法使い」の5編収録されています。


1話目を読み始めたら、私の嫌いなタイプの話だったので、最後まで読める気がしなかったのですが、何とかそれを乗り越えると面白かったです。


雲雀坂という所にある魔法使いが営む店に持ち込まれる様々な問題や人生が描かれています。魔法使いに悩みを打ち明けたら魔法で何とかしてくれるのかと思ったら、この魔法使いはほとんど魔法を使うことはないんですよね。簡単に魔法で解決しても、真の解決にはならないということで、薬をくれたりアドバイスとまではいきませんが、ちょっとした言葉を掛けてはくれます。それを聞いて自分で考え直すきっかけにはなるようです。


1話目は恋愛物ですし青春物です。どちらの気持ちもわかるけど、やっぱり私はこういう話は苦手だな・・。理由はわかりませんが、昔から好きだ嫌いだの話が苦手です。


2話目以降は恋愛絡みもありますが読みやすかったですし、「夏風の幸福」「冬が明ければ」は電車の中で読んでいなければ泣いていたと思うくらい感動しました。

相手を想う気持ちと、それがうまくいかないもどかしさが、より一層涙を誘いました。


最終話は魔法使い本人の話になっています。彼女が魔法使いになろうとした経緯や成長の様子などが描かれています。始めは誰の事かな?という感じなのですが、わかってくると話が沁みてきました。


魔法は使わないですが、ある意味、魔法を使っているような雰囲気があって、最後まで読み切ることができました。もっとこの世界に浸っていたいような気持ちにもなったので、もし続編があったら読んでみたいです。


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タグ:沖田円

2022年02月16日

デボラ・インストール「ロボット・イン・ザ・ガーデン」

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 デボラ・インストール 著
  松原葉子 訳
 「ロボット・イン・ザ・ガーデン」
 (小学館文庫)


AI(人工知能)の開発が進み、家事や仕事に就くアンドロイドが日々モデルチェンジする近未来のイギリス南部の村。弁護士として活躍する妻エイミーとは対照的に、親から譲り受けた家で漫然と過ごす三四歳のベン。そんな夫に妻は苛立ち夫婦は崩壊寸前。ある朝、ベンは自宅の庭で壊れかけた旧型ロボットのタングを発見。他のアンドロイドにはない「何か」をタングに感じたベンは、作り主を探そうと、アメリカへ。中年ダメ男とぽんこつ男の子ロボットの珍道中が始まった・・。タングの愛らしさに世界中が虜になった、抱きしめたいほどかわいくて切ない物語。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。どうやら舞台化するようですね。


人工知能を搭載したロボットが当たり前のように仕事をしているような未来の話です。家事もしてもらえるので、一家に一台、もしくは二台三台と用途に合わせて持っている家庭もあるくらいでした。

ベンは仕事をするわけでもなく、親の遺産でぼんやりと日々暮らしていました。これが独身ならそれで良いのでしょうけど、結婚しているんですよね。しかもキャリアウーマン。せめて家事をやってくれていたら文句も無かったのでしょうが、ただぼんやり過ごされると腹が立つのは当然です。

そんな夫婦が住む家の庭にある日ボロボロの旧型ロボットが座っていました。妻・エイミーは何とか家から追い出そうとしますが、ベンは妙に興味をもって家に入れてしまいます。

元々離婚危機だった夫婦ですから、これをきっかけにしてエイミーは家を出てしまいます。彼女の気持ちはよくわかります。でもその後の展開は共感できませんでしたけど。



ロボットがどうして家にいたのか、どこから来たのか色々話しかけてみますが、ロボットは答えてくれません。やっと言ったのが「タング」という言葉。

ベンはロボットの名前が「タング」なのだろうと検討を付け、名前を呼びながら話しかけていきます。そして、タングの身体についている部品が壊れかけていることに気づいたベンは、直してくれる人を探しに出かけることにしました。

タングを作ったであろう会社へ行くために、アメリカへ。そこからタングと共に困難を乗り越えながら、長い長い旅を始めることに。

色んな人に出会い、色んなロボットにも出会い、色んな危険を潜り抜けて、タングと共に帰ってくるわけですが、経験をしたおかげでベンは大きく成長jしていました。

と、そこまでは大体予想通りの展開です。でも旅が終わってからの展開が気に入らなかったんですよね・・。まあ幸せにはなるのかもしれませんが。


始めの頃はタングのこともベンのことも好きになれなかったのですが、徐々にタングのことがかわいくなり、子どもを見るような感覚で読めました。後半は楽しく読めたので良かったです。

シリーズ化していて何冊か出ているようなので、手に入ったら読んでみたいです。


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