2011年09月05日

綾辻行人「黒猫館の殺人」

黒猫館の殺人

 綾辻行人 著
 「黒猫館の殺人」
 (講談社文庫)



記憶喪失になった男性が「自分が何者なのか調べてほしい」と推理作家の鹿谷門実に連絡してきた。男性はある手記を持っていて、その中には彼が遭遇したと思われる殺人事件について書かれていた。事件が起きたとされる屋敷が中村青司が設計した物だという。手記を元に鹿谷は調べ始めた。


館シリーズも6作目。ここまでくると普通はパターン化しそうな物ですが、今回はちょっと違う感じです。探偵役の鹿谷が事件に直接かかわりが無いですし、過去の事件を調べる・・という方法。しかも手記を読みながらですし、その手記自体も本当に起きたことを書いているのか?疑問のまま進みます。


記憶喪失の男性は、手記によると鮎田冬馬という名前です。その鮎田からの依頼で、編集者の江南は、作家・鹿谷に引き合わせ、二人で手記を読みながら真相を調べます。

手記と今現在の二人の様子が交互に書かれていて、そのどちらも続きが気になってしまい、一気に読み進めてしまう感じでした。

手記を読み進めるといくつか「あれ?」と思う奇妙な記述があって、それが謎を解くカギになっていたりしたので、私もだんだん推理小説に慣れてきて、推理力も付いたか??なんて思っていたのですが・・あせあせ(飛び散る汗)

もちろん、私ごときが解けるような謎だけで終わるわけもなくふらふら

最後には全てをきれいに解決させるような大きな謎が解明され、スッキリします。

今回の館自体は特に複雑な造りではなく、普通の家という感じ(まあかなり広そうではありますが)です。まあこれもこのまま終わるわけがありませんけど。あの中村青司氏の作品なのですから。


次は文庫では4冊にもなる大作です。読むのが大変そう・・。でも楽しみです。


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2011年08月27日

綾辻行人「時計館の殺人」

時計館の殺人

 綾辻行人 著
 「時計館の殺人」
 (講談社文庫)



時計館と呼ばれる館には、108個もの時計が保管されている。その館に住む一人の少女が10年前に亡くなった。その後、少女に関係のある人たちが次々と命を落としていた。そんな奇妙な時計館を取材で訪れた9人の男女が次々と何者かに殺害される事件が起きた。密室状態の館で何が起きたのか?


時計館には、旧館と新館があり、10年前に亡くなった少女は旧館に住んでいました。そこを訪れたのは雑誌編集者やミステリー研究会の大学生たち。霊能者を呼んで、亡くなった少女の霊と交信しようというわけです。

彼らは3日間の予定で、旧館にこもることになっていました。旧館は今は使われておらず、玄関の扉に鍵をかけてしまうと出られない状態。窓もありません。

そんな密室状態の館内で起きる連続殺人。彼らは犯人の正体や目的を色々と推理していくのですが・・。


とまあ、本格推理小説らしい内容。今までの館シリーズでもよくあったパターンです。でも当然それだけではないトリックの複雑さもあって、面白かったんですよね〜。ゾクッと怖い部分が続くから早く読んで謎を解いてしまいたかったのもありますが一気読みしてしまいました。

シリーズ1作目に出てきた人も出てきて懐かしい気持ちにもなりましたし・・。

相変わらず驚くほど大量に人が死んで、こんなに殺さなくてもバッド(下向き矢印)・・という思わないでもないですが、本格とはこういうものかな?と。

今回はあまり図と照らし合わせる必要がありませんでした。館の構造自体はそこまで複雑じゃなかったんですよね。でも相変わらず窓が無くて暗い雰囲気の建物です。よくこんな所に住んでいたな〜と感心してしまいました。


今のところ、この「時計館」が一番好きかもしれません。今まで、他も面白かったけど1作目が一番かな?と思っていたのですが、それを越えた感じです。


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2011年06月20日

綾辻行人「人形館の殺人」

人形館の殺人

 綾辻行人 著
 「人形館の殺人」
 (講談社文庫)



飛龍想一は、父が遺した京都の屋敷に住むことになった。その屋敷は“人形館”と呼ばれ、あちこちに顔の無いマネキンが飾られていた。屋敷に慣れた頃、想一の周辺で怪しい事件が起こり始め、命の危険さえ感じるようになった。更に街では子どもばかりが殺される事件が起きていた。


父親とは、長い年月会ってもいなかった想一。今回、その父親が亡くなったため、育ての母親と共に遺された屋敷へ住むことになりました。

その屋敷の中には父が作った顔の無いマネキンがあちこちに置かれていて、遺言により動かすことも出来なくなっていました。

母屋と繋がるようにしてもう一軒建っていて、そこを下宿人に貸していました。今は3人が住んでいて、管理人の夫婦も住んでいます。

一見、気味が悪いマネキンにも慣れた頃、身の回りで不審なことが起こり始め、想一は命の危険も感じるようになります。


「館」シリーズ4作目。でも今回はあまり複雑な造りの館ではなく、ただ人形が置いてあった不気味なだけでした。その理由は後で明らかにされるのでここでは書きませんが。

そして、今までに比べると人があまり死にません。子どもばかりを狙った連続殺人は起きているので、そういう意味では結構死んでいるんですけど、館内で死ぬ人は少ないです。そういう意味では読みやすかったんですけど・・・。

珍しく途中まで誰が犯人なのかわからなかったのですが、後半に「もしかして・・」と思うようになり、結局その人が犯人だったのは残念でした。しかも、私にとっては好きではない展開でもうやだ〜(悲しい顔)

あ〜、そのパターンね・・バッド(下向き矢印) と思うとガッカリでした。

でもやっぱり何か惹きつける魅力もあって、ついつい読んでしまうんですよね。

まあ今回は異色作ということで。次を楽しみにします。



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2011年05月14日

綾辻行人「迷路館の殺人」

迷路館の殺人

 綾辻行人 著
 「迷路館の殺人」館シリーズ3
 (講談社文庫)



部屋をつなぐ廊下が全て迷路になっている・・という、地下の館・迷路館。館の持ち主である推理小説家・宮垣が招いた客たちのうち、彼の弟子である男女4人に莫大な賞金をかけて、迷路館を舞台とした推理小説を書かせることになった。それをきっかけにするように連続殺人が起こり始める


作中作を読むという形で話は進みます。初めは違和感ありましたけど、すぐに本を読んでいることは忘れて、話に入り込めました。


今回の館は迷路館。名前の通り、廊下が迷路になっている館です。入り口だけが地上にあり、他は内部は全て地下にあります。天窓とかあるみたいですけど、暗そうだな〜とあせあせ(飛び散る汗) 空気も淀んでいそうだし・・。

いくつか部屋があって、それぞれにギリシャ神話から取られた名前が付いています。私はギリシャ神話なんて全く知らないので、知ってたらより楽しめるかもしれません。何かある度に説明はされるのですが、ついつい読み流してしまうんですよね・・。あまりにも興味がありませんでしたバッド(下向き矢印)

宮垣という館の持ち主である老齢の作家が遺した遺言により、4人の弟子たちは推理小説を書き始めます。客として招かれた編集者と評論家、そして島田はその小説を評価し、優勝者を決める役割を担うことに・・。

ところが殺人事件が起こり始め、お互いを容疑者として疑いながらの生活が続くのでした。


相変わらず図面が重要なこのシリーズ。「○○の部屋から××の部屋へ行き〜」なんて書かれていたら図面を見て確認する・・の繰り返し。それもなかなか楽しかったんですけどね。

話の中で推理している島田もすっかり騙され、当然ながら私もすっかり騙され、しかもそれが二転三転して目が離せない展開で、最後まで飽きずに読めました。

最後の最後でもちょっとした仕掛けがあって驚かされましたし・・。というか、一瞬意味がわからずしばらく悩みました。そして、すぐにもう一度読み返した衝動にかられました。

それにしても変な館を作らせたら天下一品な中村青司。こんな館に住んだいたら気持ちまで落ち込みそう・・。そして今までと同じように隠し通路もあり、把握するのに時間がかかりそうです。

迷路になっているから各部屋にトイレが設置されている・・って変なところに気遣いされてもね〜。じゃあついでにお風呂も付けといてくれたら良いのに。


続きも読もうっと!今度はどんな複雑な館かな?


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2011年02月22日

綾辻行人「水車館の殺人」

水車館の殺人

 綾辻行人著
 「水車館の殺人」
 (講談社文庫)


岡山県北部の山間に建てられた異形の館・水車館には、白い仮面をかぶった当主と美少女が住んでいる。館には幻想画家・藤沼一成の絵画が飾られていて、一年に一度、4人の男が招待され絵画を鑑賞することになっていた。一年前のその日、殺人、失踪、盗難・・と不可解な事件が起きてしまった。未解決のままちょうど一年が経ち、再び鑑賞会が行われようとしていた。


水車館に住んでいる藤沼紀一は、12年前の事故の影響で、車椅子で生活しています。顔や手もやけどしたため、常に仮面をかぶり、手袋もしています。

同居しているのはとても美しい女性で、幼い頃に両親を亡くしたのでこの館で引き取って、館に閉じ込める形で住んでいました。今は紀一の妻となっていますが、まだまだ未成年ですし、浮世離れした美しさがあり、年々美しくなっているようです。

紀一の父親は有名な画家で、彼が描く絵には熱狂的なファンが大勢いました。彼が亡くなってから、紀一は父親の絵を買い集め、水車館を建ててそこに貯蔵するようになったのでした。

館では毎年、藤沼一成に縁のある4人の男性がやって来て、コレクションを鑑賞していました。遺作である「幻影群像」という題名の絵も見たいと熱望しているのですが、この絵は紀一が絶対に見せようとしません。

一年前の観賞会で、古川という男性が失踪し、絵画の一枚が盗まれ、正木という男性の焼死体(しかもバラバラの)が発見される事件が起きたのでした。

一年後の同じ日、また集まった客たち。去年と違って島田という探偵もどきが参加したことで、未解決のままになっていた事件が動き出します。


・・ということで「館」シリーズ第2弾!

前作は、孤立した島という密室状態の場所で、集まった人たちが1人ずつ殺され、誰が犯人で次の被害者は誰か?というある意味、定番のミステリーでした。

今作では、怪しげな館、仮面の主、謎の絵画、失踪、焼死体、美少女・・と、これまた定番といえる内容。

失踪した古川の友人だという島田。彼が事件を推理し、少しずつ謎を解明していくわけですが、話の書かれ方もわかりやすくて面白くて、どんどん読み進めました。

一年前と現在が交互に書かれていて、より臨場感が増す感じでした。

館の図面が書いてあるのでわかりやすくて助かりました。指を挟んでおいて何度も見て確認しながら読みました。

結末はぞくっ としてしまいましたがく〜(落胆した顔)


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2011年01月24日

綾辻行人「十角館の殺人」

ネットでの評判を見て読んでみることにしました。

十角館の殺人

 綾辻行人 著
 「十角館の殺人」
 (講談社文庫)



孤島・角島に建っている奇妙な館・十角館を建てたのは建築家・中村青司。彼は半年前に炎上した青屋敷で焼死したのだった。犯人はまだ捕まっていないこの事件に興味をもった大学のミステリ研に所属する7人は推理ゲームをする感覚で青屋敷の別館である十角館に泊まることにしたのだが、そんな彼らを殺人犯が1人ずつ襲い始める。


本格推理小説という物をかなり久しぶりに読んだので、ちょっと慣れない感じがしました。でも、気づけば事件にのめり込み、そして後半は一気読み。なかなか面白かったです。


エラリイ、ポウ、ルルウ、カー、アガサ、オルツィ、ヴァンというあだ名の付いている7人が曰くのある角島へ。名前だけでもかなりのミステリー好きだということがわかります。

携帯電話の無い時代、更に固定電話も無く、船が無いと出られない・・というまさしく孤島での殺人。容疑者は仲間であるはずの7人だけ。

これぞミステリー!って感じの設定ですね。


彼らが島へ行った頃、元メンバーの江南という学生の所へ謎の手紙が届きます。以前、同じくメンバーだった1人の女子学生が飲み会の席で突然死したのですが、その手紙には彼女を殺したのはお前たちだ・・と書かれていました。

行動派の江南はさっそく手紙の謎を解こうと動きだします。そして偶然出会った島田という男性と協力する形で捜査を始めたのでした。彼らは今もメンバーである守須という学生にも声を掛けて知恵をもらおうとします。

半年前に焼死体として発見された中村青司や家族にまつわる秘密なども明らかになっていき、どんどん面白い展開に・・グッド(上向き矢印)


途中で多分この人が犯人だろう・・と気付くのですが、謎の部分も多いままで話が進むので最後まで面白く読むことができました。

全ての謎や真相を解き明かすのが犯人自身・・というのが私的にはあまり好きではない展開ですけどふらふら

他の作品も読んでみたい!と思います。



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posted by DONA at 11:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書:綾辻行人