
綾辻行人 著
「黒猫館の殺人」
(講談社文庫)
記憶喪失になった男性が「自分が何者なのか調べてほしい」と推理作家の鹿谷門実に連絡してきた。男性はある手記を持っていて、その中には彼が遭遇したと思われる殺人事件について書かれていた。事件が起きたとされる屋敷が中村青司が設計した物だという。手記を元に鹿谷は調べ始めた。
館シリーズも6作目。ここまでくると普通はパターン化しそうな物ですが、今回はちょっと違う感じです。探偵役の鹿谷が事件に直接かかわりが無いですし、過去の事件を調べる・・という方法。しかも手記を読みながらですし、その手記自体も本当に起きたことを書いているのか?疑問のまま進みます。
記憶喪失の男性は、手記によると鮎田冬馬という名前です。その鮎田からの依頼で、編集者の江南は、作家・鹿谷に引き合わせ、二人で手記を読みながら真相を調べます。
手記と今現在の二人の様子が交互に書かれていて、そのどちらも続きが気になってしまい、一気に読み進めてしまう感じでした。
手記を読み進めるといくつか「あれ?」と思う奇妙な記述があって、それが謎を解くカギになっていたりしたので、私もだんだん推理小説に慣れてきて、推理力も付いたか??なんて思っていたのですが・・

もちろん、私ごときが解けるような謎だけで終わるわけもなく

最後には全てをきれいに解決させるような大きな謎が解明され、スッキリします。
今回の館自体は特に複雑な造りではなく、普通の家という感じ(まあかなり広そうではありますが)です。まあこれもこのまま終わるわけがありませんけど。あの中村青司氏の作品なのですから。
次は文庫では4冊にもなる大作です。読むのが大変そう・・。でも楽しみです。
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