
有川浩 著
「三匹のおっさん ふたたび」
(新潮文庫)
剣道の達人キヨ、武闘派の柔道家シゲ、危ない頭脳派ノリ。あの三人が帰ってきた! 書店での万引き、ゴミの不法投棄、連続する不審火・・。ご町内の悪を正すため、ふたたび“三匹”が立ち上がる。清田家の嫁は金銭トラブルに巻き込まれ、シゲの息子はお祭り復活に奔走。ノリにはお見合い話が舞い込み、おまけに“偽三匹”まで登場して大騒動! ますます快調、大人気シリーズ第二弾。−裏表紙より−
三匹の紹介は前作の感想の所に書いていますので、そちらでご覧ください。
相変わらず元気な老人・三匹は、町の平和の為にがんばっています。今回も最近の社会問題が取り上げられていて、考えさせられることも多かったですし、事件が起きるときには、思わず顔をしかめたくなるような場面もありました。
まずは、書店での万引き。これは本好きにとってはたまらなく辛い問題です。本を一冊売ってどれだけのもうけになるのか、どれだけ大変なことなのか、ちょっと考えればわかることなのに、気軽に万引きなんてしないでもらいたいですね。町の本屋さんが消えていく一方で、大型書店は次々開店するので、意外と儲かっているのでは?なんて思われてしまうのでしょうか??
いくら儲かっている店でも、万引きはダメなんです。犯罪なんです。そんな簡単なことがわからない人がいることが本当に信じられません。何なら「お金払えばいいんでしょ?」と開き直ってしまう親まで出てくる始末。本当に情けない!
三匹と書店の店長がビシッと、でも優しく諭すように、万引き犯たちを改心させていく様子はスッキリしました。
今回は、三匹が出会う問題だけではなく、それぞれの家族が抱える問題も取り上げられています。キヨさんの息子の嫁や、シゲさんの息子、ノリさんの娘も色々な形で貢献し、問題を提起し、解決へと導いていきます。
特に目立っていたのは、キヨさんの奥さんかも? 最後に登場する“偽三匹”にも関わっていますし、キヨさんの孫や嫁に対して彼女が言う意見はなかなか鋭くてかっこよかったです。
三匹の話以外に、最後に短編が収録されています。これは甘すぎて途中でリタイア・・・・。でも、ネットでは評判が良かったですよ。甘いのがお好きな方は読んでみて下さい。
三匹の話はこれで終わりなのかな?? また三匹に出会いたいので、楽しみに待とうと思います。
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