2022年09月27日

シャンナ・スウェンドソン「偽のプリンセスと糸車の呪い」

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 シャンナ・スウェンドソン 著
  今泉敦子 訳
 「偽のプリンセスと糸車の呪い」
 (創元推理文庫)


今日はルーシーと親友ドーンの16歳の誕生日。ずっといっしょに祝ってきたのに、今年に限ってドーンは育ての親である3人のおばさんに、家から出ることを禁止されたのだ。ひとりさえない誕生日を過ごしていたルーシーは、奇妙な騎馬の男たちに拉致される。巨大な光る門を通って着いたのは、おとぎ話の世界だった・・。(株)魔法製作所の著者が贈る、ロマンチックなファンタジイ。−裏表紙より−


(株)魔法製作所の作者による新たなシリーズです。魔法製作所シリーズを越えるのはなかなか難しそう。


物語の始まりは何てことのない高校生たちの日常でした。そして迎えた16歳の誕生日。ルーシーは親友のドーンと同じ誕生日なので毎年2人で祝っていました。今年も同じと思っていたら、ドーンは家から出してもらえないことに。

育ててくれているおばが3人いて、彼女たちに外出を一切禁止されてしまったのです。そのことを知らされたドーンはルーシーにお詫びとしてペンダントをあげます。誕生日に付けてくれたら、一緒にいる気分になれるということで、ルーシーは誕生日にそのペンダントを付けて過ごしていました。

読者としては、それが「偽のプリンセス」の始まりなんだなと勘づきますね。

いきなり現れた西洋の騎士団みたいな男たちに連れ去られてしまったルーシー。普通なら大パニックを起こしそうなものですが、意外と冷静です。彼らから救ってくれた別の男性にちょっと恋する余裕すらありました。

もしかして、プリンセスと間違われてる??と本人も気づくのですが、それを明かしてしまうと誰も助けてくれないかもしれないと思い、ずっとプリンセスのふりをして過ごします。

その辺りも冷静です。

誰が敵で誰が味方か?的なハラハラした展開が続く中、ルーシーが冷静なだけに何となく盛り上がりに欠ける感じがありました。意外とあっさりと正体を明かしてしまいますし、正体を明かされた時の反応もあっさりしていますし。

最後はそういう展開になるのか・・とちょっとびっくりです。

まあそうでもしないとロマンスの部分が続きませんけどね・・


それにしても、魔法製作所シリーズの恋愛部分は嫌じゃなく普通に読めるんですけど、これはどうして恋愛部分がいらないと思ってしまったんだろう?不思議です。

面白くないわけではないんですけど、続きはどうしようかな??


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2022年03月29日

シャンナ・スウェンドソン「魔法使いの失われた週末」

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 シャンナ・スウェンドソン 著
  今泉敦子 訳
 「魔法使いの失われた週末」
 (創元推理文庫)


(株)マジック・スペル&イリュージョンは、ニューヨークの魔法界で魔術を開発販売する会社。CEOはなんと伝説の大魔法使いマーリンだ。シャイで赤面症の研究開発部理論魔術課の責任者オーウェンと養母、素直に愛情を表現できない二人の心の交流を描いた表題作ほか、本国でも未発表な特別な短編一編を含む全四編を収録。日本オリジナル編集で贈る、大ヒットシリーズ初の短編集。−裏表紙より−


「スペリング・テスト」「街を真っ赤に」「犯罪の魔法」「魔法使いの失われた週末」の4編収録されています。


4話のうち3話は本国で電子書籍などで発表されていたようですが、表題作のみ日本オリジナルだそうです。日本で短編集を出すに当たり、ページ数が少ないので何とか1話書いて欲しいとお願いしたら書いてくれたとか。なんて嬉しいことでしょう!ファンとしてはありがたいことです。

表題作は何で未発表なのか不思議なくらい良いお話でしたよ。残り3話はまだケイティが魔法界に携わる前の話なのですが、この表題作だけは1作目の続きというか途中というかの話で、ファンとしては懐かしい気持ちになりましたし、これを読んだらまた1作目から読み返したくなります。

オーウェンと養母の話で、2人のお互いを想っているのにそれをうまく見せることが出来ない関係性がもどかしくも暖かい気持ちになれる内容です。ファンはぜひ読むべき話です。



「スペリング・テスト」は、オーウェンとロッドの学生時代の話です。昔から野心家だったロッドと、人にあまり関心がないオーウェン、2人とも昔からこんな感じだったんだとニヤニヤしてしまいました。ちょっとハラハラする内容ではありますが、すっきり出来る結末です。


「街を真っ赤に」はガーゴイル・サムの活躍が描かれています。彼らの任務にスポットが当たり、元々彼らのファンだった私にはたまらない話でした。


「犯罪の魔法」では、オーウェンとケイティの出会いが描かれています。本編はケイティ目線で描かれているので、オーウェンがどういう気持ちでケイティと出会ったのかはこれを読まないとわかりません。出会うべくして出会った2人なんだと改めて知ることが出来て、ファンとしては笑いが止まらない話です。これも読んだら1作目に戻りたくなります!


シリーズが終わってもう彼らに会えないのかと寂しくなっていたところに新たな短編集。嬉しくてたまりません。ほぼ一気読み状態でした。またいつかこんな風に新作を出してもらえたら嬉しいです。

それまでの間はまた1作目からちょっとずつ読み返そうかな?と画策中。


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2020年07月14日

シャンナ・スウェンドソン「(株)魔法製作所 2nd season4 魔法使いのウェディング・ベル」

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 シャンナ・スウェンドソン 著
  今泉敦子 訳
 「(株)魔法製作所 2nd season4 魔法使いのウェディング・ベル」
 (創元推理文庫)


入社以来さまざまな任務を全うしてきたが、このミッションほど緊張したことはない。オーウェンとの結婚式のため、セールで最高のウエディングドレスを手に入れるのだ。ところが会場で魔法を使ったいざこざが発生し、大勢に目撃されてしまう。誰かが魔法を人目にさらそうとしている? ケイティはオーウェンの反対を押し切り調査を始めるが……。大人気シリーズついにフィナーレ。−裏表紙より−


お気に入りのシリーズがいよいよ最終巻になってしまいました。

残念すぎて、なかなか読み始めずに温めていました。


読み始めたらやっぱり面白い!

よくまあ毎回ドタバタ起こるもんだ・・と感心です。


最終巻は、オーウェンとケイティの結婚式が行われる予定なのですが、準備しようにも友人たちのアドバイスに振り回され、挙句にいつものような事件が発生して大騒ぎ。なかなか結婚式までたどり着きません。

最終巻なので、絶対に結婚式はあるはず・・なのですが。


今回は、ケイティというより、オーウェンが巻き込まれていく事件を解決していく展開。過去にも色んな疑いを掛けられてきた彼なので、魔法絡みの何かが起こると真っ先に疑われてしまいます。

犯人が彼に容疑の目を向けようと画策しているから余計に大変。


イミューンと呼ばれる、魔法が効かない人たちもたくさん出てきて、大活躍します。イミューンって実は魔法が効く人たちから見れば変な人になるってことにやっと気づいた私。そうか、実は生きにくいんだなと改めて苦労を知ることが出来ました。


気になったのは、ケイティが重要な秘密であるはずの魔法の存在について、友人たちにあっさり話してしまうところ。気づけば、友人たちのほとんどは魔法界の人たちと付き合ってるんですよね・・。

友人の中で全く存在を知らないはずの人にもいよいよ話してしまうことに・・。

これって何とかごまかせたんじゃないの??と思いつつ、彼女だけ知らないでいくのも限界かな?とも思いますし、もし自分が彼女の立場なら何だか寂しい気持ちになりそうです。


ということで、ケイティの友人たちはみんな魔法の存在を知ることになり、しっかりと受け入れ、巻き込まれ、無事に結婚式の準備を進めていきます。

最後の最後まで目が離せない展開になっていて、飽きずに読み切ることが出来ました。

やっと夫婦になった2人ですが、今後どんな結婚生活を送るのか、もし子どもが生まれたらどうなるのか?など、気になることがたくさん!


これが最終巻ということですが、ぜひいつか続編を書いてもらいたいと熱望します。


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2019年03月26日

シャンナ・スウェンドソン「カエルの魔法をとく方法」

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 シャンナ・スウェンドソン 著
  今泉敦子 訳
 「(株)魔法製作所 2nd season3 カエルの魔法をとく方法」
 (創元推理文庫)


オーウェンと晴れて婚約したケイティに、魔法界のマフィアのような謎の組織が接触してきた。彼らは以前からMSIの乗っ取りを企てており、その目論見はいったんは挫かれたものの、彼らの息のかかった社員が、いまだMSI内部に多数いるらしい。マーリンは一計を案じ、逆にスパイを送り込むことに。となれば適任なのは・・・ケイティ!? お待たせしました大人気シリーズ最新刊。−裏表紙より−

久しぶりにシリーズ新刊です。読んだのは4年半くらい前。待ちに待った新刊です。


いよいよ婚約したケイティとオーウェンですが、このまますんなり結婚というわけにいくはずもなく・・。

ケイティは前作までの数巻では、魔法が使えるようになったり、イミューンとしての能力がなくなったり、色々な目に合ってきましたが、今回は元の通りイミューンとしての活躍がみられます。ちょっとホッとできる展開。

ただ、MSIで働くわけではなく、ある組織に入り込むことになります。彼らは昔、ある組織を乗っ取り、全員をカエルにしてしまった過去をもつマフィアのような存在。今度はMSIを狙ってきたため、ケイティが裏切ったふりをしてもぐり込みます。

このマフィア組織が面白くて、今回もほぼ一気読み。あまりにも秘密裏な存在なので、働いている人でさえ会社の場所がわからないようにするためスモークを貼った車が迎えに来たり、出社後は外との連絡を絶つために、着てきた物を全て脱いで着替えて、私物は全て持ち込めません。ちょっとしたアクセサリーなどを持ち込んだだけでも警告音が鳴るほどの徹底ぶり。なかなか大変です。

でもそれ以外は手厚くて色々としてもらえるので楽しそうだなと。ちょっと働いてみたい気がします。食堂もエステもジムもなんでもあるんですよ。

そして、題名の「カエルの魔法をとく方法」は・・ちょっとグロイ。カエルがかけた魔法という意味ではなく、カエルにされた人をもとに戻す方法・・おとぎ話なんかである方法なので、想像するとゾッとします。キモイ〜!と叫びたくなる感じでした。とりあえず私は絶対にしたくない。婚約者がカエルになっていてもためらいそう・・。

とかキャーキャー思っているうちに読み終わりました。今回も楽しかったです。

さ、次はいよいよ結婚かな? どんな結婚式になるのか、楽しみに待ちます。


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2018年08月16日

シャンナ・スウェンドソン「魔法使いの陰謀」

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 シャンナ・スウェンドソン 著
  今泉敦子 訳
 「魔法使いの陰謀」
 (創元推理文庫)


妖精界の女王の座を祖母に譲ったソフィーは、バレエダンサーとしてのキャリアを再開する。一方刑事マイケルは、妖精の関与が疑われる奇妙な事件の数々に振り回されていた。そんな彼らの前の現れた魔法使いのジョセフィーンはそれらの事件を妖精の仕業と決めつけ、魔法使いと妖精の対立を煽る。危機感を覚えたソフィーは戦いを阻止すべく動きはじめるが・・。好評シリーズ第3弾。−裏表紙より−


前作から面白くなってきたシリーズ。今作は更にパワーアップして面白さも増していました。3作の中で一番好きかも。


前作で女王の座を祖母に任せて人間界に戻ったソフィー。祖母も強力なパワーの持ち主ですから安心していたのですが、なかなかすべてが丸く収まるわけにはいかないようです。

またまた人間界で謎の事件が発生し、刑事としてのマイケルが出動。でも明らかに妖精がらみとわかる事件をどうやって解決していくか難しい立場に立たされます。

そして、新たなキャラクターも登場。なかなか厄介な相手となったジョセフィーヌ。彼女は魔法使いです。妖精を人間界に入れないために戦う立場の人。ソフィーの味方となってくれている姉妹と同じ立場ですが、どうも敵対心が強そう。

しかも何やら画策しているようで、ソフィーが女王の座に就いて落ち着いたはずの人間界と妖精界の関係がまた危うくなっていきました。

題名の通りの展開ですね。

ソフィーや祖母、そしてマイケルがどうやって事態を収束させていくのか、続きが気になって次々読み進めました。


ソフィーとマイケルも良い感じになってきましたし、祖母の女王ぶりもかっこいいですし、妖精、人間、魔法使いという3つの立場の争いもハラハラさせられて、面白かったです。

どんな世界でも権力を握りたい人、目立ちたい人っているんですね〜。その必死さが面白いです。


良い感じでまとまってきたこのシリーズ。後1作あるようです。楽しみに待つことにします。そして「魔法製作所」シリーズの新作も待っています!


<フェアリーテイルシリーズ>
「ニューヨーク妖精物語」
「女王のジレンマ」


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2018年02月08日

シャンナ・スウェンドソン「女王のジレンマ」

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 シャンナ・スウェンドソン 著
  今泉敦子 訳
 「女王のジレンマ」
 (創元推理文庫)


NYの公園で70年代の服装をした老人の死体が発見された。現場を調べていた刑事マイケルは、側に妖精がいることに気づく。妖精によると、女王の命を受けた部下が、人間と、女王への忠誠を拒んだ妖精を追放しているらしい。だが、新女王ソフィーはそんな命令を出していない。事態を憂慮したマイケルとソフィーは妖精界に乗り込むが・・。<(株)魔法製作所>の著者の新シリーズ第2弾。−裏表紙より−


2作目ですが、1作目よりも展開が早くて面白かったです。これだったら続きも読みたいな・・と思っていたのですが、これで終わりでも良さそうな感じではあります。


前作で妖精界の女王となったソフィ―ですが、妖精界にとどまっているわけではありません。人間界で人間としての生活を送り続けています。

ただ、魔法が使えることがわかったので、どこに行くのも時間がかからずサラッと行けてしまえて便利にはなりました。


女王が誕生したはずなのに、不在がちとなるとやはり情勢は不安定になるようで、なぜか女王を名乗る人物が妖精界に連れ去られていた人間や、女王への忠誠を誓わなかった妖精を追放するという事態に。

その行動は、人間界に影響が出ています。妖精界で暮らしていたせいで、人間界としては行方不明になっていた人物が突然死体となって発見されるのです。

そんな謎多き事件を捜査するのは、妻を妖精界に連れ去られた刑事マイケル。彼は妻を人間界に取り戻したいと思っているのですが、ソフィーの力を借りないと何もできない状態で、もどかしい思いをしています。

ソフィーは彼女なりにマイケルの妻を取り戻そうと、少しずつ会って話しかけて人間としての記憶を取り戻させようとはしているのですが、なかなか思うように進みません。

時間を掛けるつもりでいたところへ、今回の追放劇が。

待ったなしの状況になって、ソフィーはマイケルと共に妖精界へ乗り込みます。


そこからの展開は誰が何を企んでいるのかがわからず、ハラハラドキドキの連続でした。妖精界の謎のルールにも振り回されつつ、色んな人を巻き込んで、大掛かりな展開に。

最後にはなるほどその方法が一番良いかもね、という終わり方をしてくれました。マイケルにとってはどうかわかりませんが。

このまま終わりでも良さそうですけど、きっとまた妖精界で事件が起こるのでしょう。

そして、ソフィーとマイケルもどうなっていくのか気にはなりますし、続きも出るなら読んでみたいです。


<フェアリーテイルシリーズ>
「ニューヨーク妖精物語」


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2017年07月28日

シャンナ・スウェンドソン「ニューヨークの妖精物語」

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 シャンナ・スウェンドソン 著
  今泉敦子 訳
 「ニューヨークの妖精物語」
 (創元推理文庫)


俳優を夢見てNYにきたエミリー。念願かなって舞台で脚光を浴びたその晩、忽然と姿を消してしまった。だが、姉のソフィーにはわかっていた。妖精たちが、かつてソフィーに踊り(バレエ)を教えた対価に妹をさらったのだ。とはいえ、警察には信じてもらえまい。親切な刑事の追求をかわしつつ、ソフィーは妹を捜し始める。『ニューヨークの魔法使い』の著者が贈る、現代のフェアリーテイル。−裏表紙より−


大好きな「魔法製作所」シリーズの作者による新シリーズとなれば、読まずにはいられません。

魔法製作所の主人公は魔力が無いことが強みとなり活躍するわけですが、こちらの主人公は何だか迫力のある不思議な能力を持った女性・ソフィー。

ソフィーに言われたことはなぜか守ることになり、彼女の言うとおりに事は運んでいきます。周りの人も、彼女自身もその現象はただ口がうまいからなんだろうと思っていたのですが、後々それも特殊能力だとわかってきます。

こういう能力があったら仕事が楽そうだとしみじみ羨ましくなってしまいました。


このシリーズには魔法使いではなく、妖精たちが出てきます。妖精って聞くと、小さくてかわいくて羽があってふわふわ飛んでいるようなイメージだったのですが、ここに出てくる妖精ってなんだか怖い・・。

何かやってもらったら対価を払わないといけないだなんて、悪徳商法みたいです。

踊りが大好きだからずっとパーティーをしている所はイメージに近いですけど、人間を連れ去って記憶を消して、元に戻れないようにする妖精ってどうなんでしょう!?


事件が事件だけに、終始暗い雰囲気に包まれていますし、主人公・ソフィーが自立しすぎていて可愛げが無いように見えますし、何だか「魔法製作所」シリーズの方が好きだな〜と思ってしまいました。

これはこれで面白いんですけどね。今回だけでは解決できていない大きな問題もあるので、それがどうなっていくのか気になりますし、妖精の世界がどう変化していくのかも楽しみなので、しばらくは追いかけてみようかな?


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2014年04月02日

シャンナ・スウェンドソン「(株)魔法製作所 2nd season2 魔法使いにキスを」

魔法使いにキスを

 シャンナ・スウェンドソン 著
  今泉敦子 訳
 「(株)魔法製作所 2nd season2 魔法使いにキスを」
 (創元推理文庫)


免疫者(イミューン)のはずなのに、魔法を使えるようになったケイティ。魔力が戻ったボーイフレンドのオーウェンに、魔法の使い方を教わる毎日だ。そんなある日、ケイティはアシスタントの様子が変なことに気づく。エルフたちを扇動するビラが配られ、(株)MSIに勤めるエルフたちが動揺しているらしい。ひそかに調査に乗り出したケイティとオーウェンに敵の魔の手が・・。大人気シリーズ第七弾。−裏表紙より−


1年半ぶりの新刊。

前作で魔法を使うことができるようになったケイティは、戸惑うこともなく、前向きに魔法の訓練をしています。ただ、魔法を使えるようになったことは、ごく一部の人にしか知らせていないので、オーウェンとロッドによる極秘の訓練をしています。

2人から、才能があると褒められて有頂天になっているとき、大変な事実が発覚します。

更に、エルフたちに不穏な動きがあることがわかり、オーウェンとケイティはこっそりと調査を始めます。


部下のエルフ・アールから、オーウェンに送られてきた写真を頼りに、ある場所へ行ったところ、2人は目の前がまっくらになり・・・・・・

という場面から、急に展開が変わります。

ケイティとオーウェンが何だか違う人生を送っている??こちらが戸惑っている間にもどんどん話が進みます。普通の小説だったら混乱してしまったでしょうが、この物語では、何が起きてもおかしくないので、きっと何か魔法をかけられているのだろうと思いつつも、どうなってしまうのか心配になってしまいました。

こんな展開になって、2人が違う人生を歩んでいても、記憶をいじられても、自然と出会って両想いになれる、ということがわかり、2人の距離はますます縮まっていきました。

ケイティが免疫者(イミューン)だったらあり得なかった展開。これのために、ケイティに魔力を付けさせたのか?と思います。良い展開でした。


今までで一番、恋愛要素が強かったです。ラストも素敵な展開でしたし。

これぞ、王道のロマンチックファンタジーです! 困難を乗り越え、白馬に乗った王子様登場!

もうこんなファンタジーを楽しめる年齢ではないはずなんですが、これは楽しめました。


ただ、私のお気に入り、グラニーがあまり出てこなくて、活躍も少なかったのは残念でした。続きがあるなら、期待しつつ待つことにします。


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2012年09月26日

シャンナ・スウェンドソン「魔法無用のマジカルミッション」

魔法無用のマジカルミッション

 シャンナ・スウェンドソン 著
  今泉敦子 訳
 「(株)魔法製作所 2nd season 魔法無用のマジカルミッション」
 (創元推理文庫)


ケイティは退屈していた。競争相手のいない市場でのマーケティングなどサルでもできる。そんなとき、古写本の解読にいそしんでいたオーウェンが、とんでもないことに気づいた。権力への渇望を生み出し、他者を支配する力を与える危険な石<月の目>が、ティファニーに現れたというのだ。早速ふたりは追跡を開始する。日本オリジナル書き下ろし。大人気シリーズセカンドシーズン。−裏表紙より−


シリーズは終わりかと思ったら、セカンドシーズンということで、今回も日本書き下ろしでスタートしました。

前作で、オーウェンの魔力が無くなってしまったので、どうなるのか?と心配でしたが、会社にはそれなりに仕事があるようで。

オーウェンは古写本の研究に熱中しています。かまってもらえない寂しさもあって、ケイティは毎日退屈した日々を送っています。

そんなとき、オーウェンが重大な発見をします。持った者を権力者に仕立て上げてしまうという強大な力を持つ<月の目>という石が宝石店で売られていると言うのです。

この石を作ったマーリン本人でさえ壊すことも封印することもできなかったという厄介な石を、魔力を持つ者や、魔力に影響される者に渡すと大変なことになる・・ということで、魔力の効かないケイティとオーウェンが手に入れるために動くことに。

そんな強力な石ですから、欲しがる者は当然多いわけで、行く先々であらゆる妨害に合います。


・・というわけで、話のほとんどは2人が逃げ回っている場面になっています。思わず肩に力が入ってしまうような展開が続き、読んでいると疲れてしまいました。

ロッドやサムだけではなく、なぜか田舎から出てきたケイティのおばあちゃん・グラニーも2人を手助けしながら必死で石を取り戻そうとします。

以前のケイティの嫌な上司・ミミまで登場! 彼女の傍若無人ぶりが一層パワーアップして、更にややこしい展開にするために一役かいます。


セカンドシーズンもなかなか面白かったです。最後にはまた新たな展開が起こり、どうなっていくの!?と気になってしまいます。続きが待ち遠しいです。


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2011年06月13日

シャンナ・スウェンドソン「スーパーヒーローの秘密」

何だか最近、ファンタジーが続いていますねあせあせ(飛び散る汗) 久々にはまってしまったので・・。


スーパーヒーローの秘密

 シャンナ・スウェンドソン 著
   今泉敦子 訳
 「スーパーヒーローの秘密」(株)魔法製作所シリーズ5
 (創元推理文庫)



ニューヨークに戻って久しぶりに出社する地下鉄の中で、さっそく不審な魔法に出会ったケイティ。ライバル会社がまた何か悪巧みをしているらしい・・。捕らえたイドリスからもなかなか証言が得られない中、ケイティのアイディアで、カスタマーカンファレンスを行うことになったが・・。


前作でニューヨークに戻って来たケイティ。さっそく出社しようとしたとき、怪しげな魔法に遭遇します。人を操る魔法が使われていたようで、ライバル会社・スペルワークスの開発した魔法だろうと見当をつけたケイティは、急いで出社し報告します。

故郷へ帰っている間に、ニューヨークの魔法事情はかなり変化したようで、ライバル会社の勢力が強くなり、(株)魔法製作所はちょっとした危機にさらされていました。

そこで引退したはずの前社長がやって来て、現社長・マーリンに様々なアドバイスをしていくようになりました。ケイティは彼のことを怪しいと感じるのですが、オーウェンを始め社員たちは特に彼に対して悪い感情はもっていない様子。

何か魔法を使っているのでは?と疑い、調べようとするのですが、マーケティング部長という肩書をもらい出世した上に、カスタマーカンファレンス(顧客たちや興味のある人を集めて、商品の紹介と、自社の宣伝と説明等を行うイベント)の開催を任されてしまい、なかなか調べは進みません。

更には、カンファレンスの中で、イドリスにも証言させようとしたら、オーウェンの出生の秘密についてしゃべり始め、会場内は大騒ぎに・・。

両親を知らずに育ったオーウェン。でも今回彼の両親の正体が明らかになります。それは意外な人たちで、それを知ったオーウェンは自分の殻に閉じこもってしまうのです。


クライマックスにふさわしい、目が離せない展開exclamation ケイティとオーウェンは初めてケンカをしてしまいます。

そして、彼が閉じこもったのを見て、強い口調で叱咤激励するケイティ。とても強い女性になりました。

最後には驚きの結果が待っていました。

これで終わりなのか?終わりでも良いような感じではありますが、ぜひシリーズを続けて欲しい!このまま終わるのはオーウェンにとってもケイティにとってもスッキリできない気がして・・。


でも、アメリカでは人気が無いらしいんですよね・・。この5巻でさえ「日本オリジナル書き下ろし」となっているくらいですからバッド(下向き矢印) こんなに面白いのになんでだろう?すごく不思議です。

日本だけでも良いからぜひ続編を・・。



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2011年05月31日

シャンナ・スウェンドソン「コブの怪しい魔法使い」

前作を読み終わったとたん、どうしても続きが気になってシリーズ物を珍しく続けて読んでしまいました。


コブの怪しい魔法使い

 シャンナ・スウェンドソン 著
   今泉敦子 訳
 「コブの怪しい魔法使い」(株)魔法製作所シリーズ4
 (創元推理文庫)



故郷のテキサス州コブに戻って3ヶ月経ち、ケイティは魔法とは無縁の静かな生活を送っていた。ところが、魔法とは全く関係ないはずのこの町で魔法がらみと思われる盗難事件が起きた。母親が目撃した様々な不可解な出来事を含めて(株)MSIに報告したが・・。


前作の終わり、オーウェンの足手まといになるのが嫌で、彼のために身を引いたケイティ。故郷のコブへ帰りました。

退屈な田舎で、稼業を手伝いながら穏やかな日々を送っていたのですが、友人の家族が経営するモーテルの窓ガラスが突然無くなるという不可解な事件が起こり、魔法のせいではないか?と疑いをもちます。

更に、ケイティと同じ魔法に免疫を持つ母親が、町で怪しげな行動を繰り返す人の姿を目撃したことで、疑いが濃くなります。

それを元職場に報告したのですが、まず送り込まれたのはガーゴイルのサム。オーウェンが来ないことにガッカリするケイティ。でも事件が増えて行くのを見て、サムは援軍を要請します。

そしてついにオーウェンがやって来ることになりました。


どんな風に再会を喜ぶのか?期待が高まる場面でしたが、案外あっさりクールなオーウェン。ちょっと残念たらーっ(汗)

“親しい友人”というスタンスを崩さないオーウェンの様子がもどかしくて仕方ありませんでしたが、要所要所でやっぱりケイティを想っていることがわかりました。


そして、事件は思わぬ展開に・・。

ケイティの兄たち3人のうち2人に特殊な能力があることがわかり、祖母まで実は・・という驚きの事実が発覚。

これでよく今まで穏やかな生活を送れていたね〜と感心するくらい。

それだけ魔力が弱い地方なんだそうですが、それにしても・・・。

魔力が弱い場所なので、さすがのオーウェンも消耗が激しくて大変そう。毎回のようにボロボロ状態になり、イドリスとの対決では瀕死か!?という状態にまでなりました。

今回が一番ハードなバトルになっていて、読みごたえも十分でした。


ケイティのおばあちゃんがとてもかっこ良くて、お父さんも別の意味でかっこ良くて素敵で、こんな家族良いな〜と羨ましくなりました。ちょっとウザそうでもありますけどねあせあせ(飛び散る汗)


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2011年05月30日

シャンナ・スウェンドソン「おせっかいなゴッドマザー」

おせっかいなゴッドマザー

 シャンナ・スウェンドソン 著
   今泉敦子 訳
 「おせっかいなゴッドマザー」(株)魔法製作所シリーズ3
 (創元推理文庫)



やっと恋人同士になれた憧れの男性・オーウェンとの初めてのデート。待ち合わせの場所に現れたのは、フェアリーゴッドマザーだった。ケイティの恋をサポートしてくれるという申し出を丁重に断り、何とか追い払ったが、デートは邪魔が入ってうまくいかず。また、イドリスが新たな悪巧みを始めたらしく、ケイティは再び危険な任務につくことに・・。


前作で、お互いの気持ちを確かめ合った二人。やっと恋人同士になれたのに・・。

魔法界のスーパーヒーローと付き合うと、デートするのも大変ですもうやだ〜(悲しい顔)

しかも、ゴッドマザーまで現われてしまい更に大変なことになってしまいます。

ゴッドマザーというのは、どうやらシンデレラに出てくるおばあさんの魔法使いのようです。私もあやふやなんですけど。

恋に悩むカップルの元に現われて、デートの服装をコーディネートしてくれたり(魔法でサッと出してくれる)花を贈ったり、デート現場を演出したり・・。

一見、親切で素敵なサプライズ!って感じですけど、そうではないらしくあせあせ(飛び散る汗)

ケイティは普通のデートがしたいだけなのに、邪魔ばかりされてしまいます。ゴッドマザーに助けを求めたということがバレると恥ずかしいと思ったケイティは、オーウェンにそのことを話さずにごまかし、そのせいでまた大変な事態になってしまいます。

イドリスも本格的に動き始め、ケイティが身体を張って阻止することになるのですが・・。


今までのようにガーゴイルが動いたり、妖精やノームが出現する以外にも、ゴッドマザー、ドラゴンなんかも現われ、更にファンタジーらしくなってきました。

最後にちょっと泣かされる場面もあり、続きが気になる展開になりました。



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2011年04月30日

シャンナ・スウェンドソン「赤い靴の誘惑」

赤い靴の誘惑

 シャンナ・スウェンドソン 著
   今泉敦子 訳
 「赤い靴の誘惑」(株)魔法製作所シリーズ2
 (創元推理文庫)



ケイティ・チャンドラーは、ようやく自分の力を発揮できる最高の職場で働くことができるようになり、彼氏もできそうな雰囲気。幸せな毎日が続くと思われたとき、社内でスパイ事件が発生し、その調査をすることに・・。忙しくなったケイティの元へ、テキサスから両親がやってくることになった。


ニューヨークに行くことを反対していた両親がやって来るということで、「ニューヨークがどれだけ安全な街か」ということを見せたいケイティ。

でも社内にスパイがいるらしいことがわかり、調査をするケイティにも様々な危険が迫っている時期で、どうすればいいのか?頭を悩ませます。

やって来た両親に街を見せていると、どうやら母親がケイティと同じ免疫者(魔法がかからない人)みたいで「変な物が見えた」と言い出しますあせあせ(飛び散る汗)

必死でごまかすケイティ。母親の買い物につき合っているとき、素敵な赤い靴を見つけます。なぜか惹かれてしまったケイティは、高価だったその靴を買ってしまします。

その赤い靴を履くと、とてもゴージャスに見え、周りの男性も次々と声をかけてきて、人生で初めてモテモテ状態に・・。

喜んでいたとき、なぜかケイティの免疫者としての能力が無くなってきて、魔法がかかるようになってしまいます。


相変わらず忙しい日常を送る主人公。そして仕事が忙しいときに限って、私生活もバタバタするんですよね〜。思わず「わかるわかる」と言いたくなるくらい。

両親に連れ戻されないために必死になるケイティがいじらしくて、応援しながら読んでいました。

赤い靴か〜。女性ならきっと一度は憧れを抱いたことあるはず。地味な私でも一度、赤い靴を買ったことがありました。ケイティと違って、びっくりするほど似合わなかったんですけどねもうやだ〜(悲しい顔) 合わせる服もありませんでしたし。数回履いただけで奥に仕舞い込んでしまいました。

彼氏も出来て良かった〜と思っていたのにそれもまあ色々ありますし・・。

でも最後は素敵な展開が待っているので、これはこれで良いかな?と。

続きも楽しみです! ホント、大好きな作品になりました。



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2011年04月13日

シャンナ・スウェンドソン「ニューヨークの魔法使い」

「ファンタジー好きにはたまらない作品」という評判を聞いたので読んでみることに・・。初めての作家さんです。

ニューヨークの魔法使い

 シャンナ・スウェンドソン 著
   今泉敦子 訳
 「ニューヨークの魔法使い」
 (創元推理文庫)



わたしケイティ・チャンドラーは、テキサスの田舎からニューヨークに出てきて1年たっても驚きの連続。ニューヨークには宙に浮かぶ妖精や教会の屋根にはガーゴイルがいる。でもみんなは全く見もしない。そして仕事場ではわがままな上司に振り回されて疲れ果てていたとき、思いがけず転職の話が舞い込んできた。


1年たってもなかなかニューヨークに慣れないわたし。街中で毎日のように見かける妖精や不思議な格好をした人。わたしは思わずじっと見つめてしまうのに、周りの人は知らん顔。

ニューヨークでは当たり前なのか??

職場ではわがままで二重人格か?と疑うほど気分屋の上司に振り回され、毎日が憂鬱で仕方ない状態・・。恋人もいないし、ときどきホームシックにもかかってしまいます。

そんなとき転職を勧めるメールが来た。でもこの話に簡単に乗っても良いのか?悩むわたしに上司の理不尽な態度と、友人たちの後押しがあり、話を聞きにいくことにしました。

誘われた会社は(株)魔法製作所という名前で、魔法使いたちが魔法を作る会社でした。


思いっきりファンタジーな作品なのですが、ハリーポッターみたいな世界観ではなく、現代のニューヨークで日常の中で起こる話になっています。

主人公は魔法の会社に勤めるわけですが、全く魔力が無く・・。

自分が気づいてないけど実は魔力があって・・というパターンの話が多いと思うのですが、この話では主人公には全く魔力がなく、ただただ普通ということが最大の能力とされ、会社で重宝されます。

見た目も普通で、恋人もいなくて、仕事で悩んで、本当にどこにでもいるような女性が主人公で、誰でも共感できる存在なのも、話に入り込める要素だと思います。

ちょっとした恋もあって、とても気になる展開で続きも楽しみです。

ファンタジー好きな方にはおすすめの作品でするんるん


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