
池井戸潤 著
「民王 シベリアの陰謀」
(角川文庫)
「新種のウイルスだそうです」第二次内閣を発足させた総理大臣・武藤泰山のもとに驚愕の報せが飛び込んだ。人を狂暴化させる謎のウイルスに、内閣最大の目玉であるマドンナこと高西麗子環境大臣が感染したというのだ。しかも感染源はシベリアとの情報が。急速な感染拡大、陰謀論者の台頭で混乱に陥った日本を救うべく、泰山はバカ息子の翔、秘書の貝原と共に見えない敵に立ち向かう!笑撃の政治エンタテインメント、待望の続編。−裏表紙より−
数年前に猛威を振るった(今も続いていますが)新型コロナウィルスを思い浮かべてしまう題材です。
初めて国内で確認された時、現実の政治家もこんな風に考えていたのか?と思うと、情けなくなります。
その中では、総理大臣はしっかり考えてくれているなと思えましたが、現実ではどうだったのか? そこはわかりませんが、この作品ではいち早く専門家を呼んで話を聞いて精査して、自分の責任の下で国民に自粛を要請していました。
ここまで考えてくれるのであれば、着いて行こうか?と思えます。
ただ、総理大臣がしっかり考えて行動していても、周りの政治家が止めに来るんですよね。派閥や後援者たちの思惑があるので、気持ちはわからなくもないですが、国民の健康の心配よりも保身ばかり考える人が政治家で良いのか?と腹が立ってきます。
現実の日本もこんな感じだったんだろうと思うと情けなくなります。よく乗り切ったものです。
しっかりした総理大臣の息子なのに、何とも考えの浅い息子・翔も一応活躍しますし、彼なりに正義感が強くて面白いです。言動がどうにも軽くて好きになれないキャラですけど、意外とこういう人が国を動かすと良いのかもしれないとも思います。
結構、何を言っても許されるかも??
秘書たちも良いキャラですし、彼らの活躍がまた読んでみたいです。続編出るかな?
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