2017年11月14日

池井戸潤「花咲舞が黙ってない」

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 池井戸潤 著
 「花咲舞が黙ってない」
 (中公文庫)


その日、東京第一銀行に激震が走った。頭取から発表されたライバル行との合併。生き残りを懸けた交渉が進む中。臨店指導グループの跳ねっ返り・花咲舞は、ひょんなことから「組織の秘密」というパンドラの箱を開けてしまう。隠蔽工作、行内政治、妖怪重役・・このままでは我が行はダメになる! 花咲舞の正義が銀行の闇に斬り込む痛快連作短篇。−裏表紙より−


久しぶりの花咲。読んでみたらかなりドラマに引っ張られている感じになっていました。こんなキャラだったっけ??読んでいる間中ずっと、杏が頭の中にいました。

大人気の半沢まで登場します。またドラマにするつもりなのか?


半沢のいる銀行と花咲のいる銀行が合併することに。銀行が合併するときってこんな感じなんだということが色々わかってなかなか面白かったです。

お互いに自分の銀行を優位に立たせたいから裏で画策するんですね〜。当たり前と言えば当たり前のことなんですけど、合併しないと経営していけないくらいの状態ならそれどころじゃない気もします。

そんなときですから、出来るだけ自分の銀行では不祥事を起こしたくない。もし起きていたとしても秘密裏に始末したい・・。

不祥事を起こさない努力は必要ですけど、発覚しないように隠そうとする根性は腹が立ちます。

当然、花咲も許せないタイプなので、真っ向から立ち向かっていきます。そして、それに振り回される相馬。ドラマでもそうでしたけど、彼は振り回されながらも冷静に自分のやるべきことをやって、不祥事をもみ消すわけではなく何とか鎮火させようとします。

まあそういうタイプの人たちって、客からすれば頼りになると思うのですが、銀行のトップたちからすれば煙たい存在です。何かと妨害工作をしかけてくるわけです。

そんな上層部に花咲と相馬はどうやって対抗するのか!?


痛快、爽快な部分も多いのですが、すっきり出来ない部分も多かったです。大手の銀行の問題を扱っておいて全てが丸く収まると違和感しか残らないと思うので、これで良かったのでしょうが、嘘でもスキッと終わってほしかった気もします。

でもまあ今後は大逆転を見せるはずだと信じておきます。


<花咲舞シリーズ>
「不祥事」


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2016年10月20日

池井戸潤「七つの会議」

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 池井戸潤 著
 「七つの会議」
 (集英社文庫)


きっかけはパワハラだった!トップセールスマンのエリート課長を社内委員会に訴えたのは、歳上の部下だった。そして委員会が下した不可解な人事。いったい二人の間に何があったのか。今、会社で何が起きているのか。事態の収拾を命じられた原島は、親会社と取引先を巻き込んだ大掛かりな会社の秘密に迫る。ありふれた中堅メーカーを舞台に繰り広げられる迫真の物語。傑作クライム・ノベル。−裏表紙より−


あらすじを読むと、まるで原島が主役かのように書かれていますが、特に彼だけがメインというわけではありません。題名の通り、7話に分かれている連作短編になっているので、話毎に主役は代わっていきます。


全体を通して描かれているのは、あるメーカーの内部で起きている不可解な出来事について。事の発端は、エリート課長の降格人事。うだつの上がらない年上の部下からパワハラを訴えられて降格させられました。

普段からやる気のない、存在価値がないと思われていた社員が、営業部のエリート社員として期待されている課長を訴える。そんなことをしても、絶対に却下されるだろうと周りは思っていたのに、あっさりと降格が決まってしまいます。

そしてその部下はお咎めなし。降格した社員に代わって、原島が課長となります。そこで年上の部下からこっそりと秘密を打ち明けられ、顔色を変えます。

ここでも読者には何が起きているのか知らされないため、謎が深まったままになります。

次の話ではとある下請けの会社の様子が描かれます。コストダウンできないなら取引中止と言われたのに、担当が代わったとたんに掌を返したようにもう一度取引を持ち掛けられます。

ここでどうやら部品に何かあったらしい・・ということは、読者も気づけるようになっています。


その後も、会社内の色々な人物の視点で描かれる人間模様。そしてさり気なく、会社で起きている不可解な出来事の真相が明かされていきます。


その出来事についてはネタバレになるので書きませんが、現実の世界でもよく聞くようなことですね・・。

ニュースでもよく取り上げられています。

事がここまで大きくなる前に、誰か一人でも真相を明かせる人がいたら、会社はクリーンなままいられたのに。誰もかれもが自分の保身ばかり考えてしまうからこうなるわけです。


でも当事者になったらどうするかな?と思うとやっぱり明かすのは難しいのかもしれないとも思います。仕事がすべてではない、と言いながらもやはり安定した職業を捨てるのはかなりの勇気がいることです。

だからといって、消費者を蔑ろにするような事態もどうなんだ!?とも思いますし・・・。

途中から読んでいて怒りと共に苦しさも感じる話でした。


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2015年10月31日

池井戸潤「ロスジェネの逆襲」

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 池井戸潤 著
 「ロスジェネの逆襲」
 (文春文庫)


子会社・東京セントラル証券に出向した半沢直樹に、IT企業買収の案件が転がり込んだ。巨額の収益が見込まれたが、親会社・東京中央銀行が卑劣な手段で横取り。社内での立場を失った半沢は、バブル世代に反発する若い部下・森山とともに「倍返し」を狙う。一発逆転の策はあるか? 大人気シリーズ第3弾!−裏表紙より−


半沢直樹シリーズ第3弾です。ドラマがヒットしすぎて、ちょっと距離を置きたいような気持ちになっていましたが、読み始めるとさすがに面白くて一気読みでした。

前作を読んだのが4年以上前のことなのであまり覚えていませんでしたが、この巻から読み始めても大丈夫な感じでもあったので、スムーズに読めました。

前作までは「バブル」という名前が題名に付いていて、バブル世代の半沢たちが、その上の世代に対して文句を並べる、という展開でしたが、今作は「ロスジェネ世代」の人たちがバブル世代に対して文句を並べています。

私は両方の世代の間になるのかな?よくわかりませんが、バブルでもなければロスジェネでもない気がします。どちらに迷惑をかけられた覚えもありませんし。なので、2つの世代の人たちが言っている文句の意味が本当の意味で理解できていないと思います。会社内で理不尽な目にあったら、何かに理由を付けたくなる気持ちはよくわかります。自分のせいではない、世代のせいなんだと。

文句を言っているロスジェネ世代の部下・森山に対して半沢は「お前たちが虐げられた世代なら、どうすればそういう世代が二度と出てこないようになるのか、その答えを探すべきなんじゃないか」と諭します。


今回の半沢は、子会社の証券会社に出向しています。そこに持ち込まれた買収案件を親会社の銀行に横取りされたことで、怒りが爆発!親会社に盾突くような方法で立ち向かっていきます。出向しただけなのですから、いつかは銀行に戻ろうとして保身に走りがちですが、そこは半沢らしく、間違っている物は間違っている!と強気の姿勢で立ち向かいます。

前半はどういう問題があるのかの説明に費やされていきますが、後半どうやって半沢が事態をひっくり返して、すっきりと終わらせてくれるのか、楽しみで読むスピードもますます上がりました。

その半沢の姿を部下の森山が、顧客を優先し、自らの地位さえ顧みない肝のすわった仕事ぶり。知恵と努力で相手を上回り、僅かな糸口から事態を逆転に導く手腕。と評します。銀行員としてここまでの褒め言葉があるでしょうか?私の中でどんどん男前になっていきます・・。

最後まですっきり爽快、そして落ち着くべき所に全て落ち着いて、半沢にも変化があり、次も楽しみになりました。文庫化はまだまだ先でしょうが、じっくり待つことにします。


<半沢直樹シリーズ>
「オレたちバブル入行組」
「オレたち花のバブル組」


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2014年04月07日

池井戸潤「ルーズヴェルト・ゲーム」

ルーズヴェルト・ゲーム

 池井戸潤 著
 「ルーズヴェルト・ゲーム」
 (講談社文庫)


大手ライバル企業に攻勢をかけられ、業績不振にあえぐ青島製作所。リストラが始まり、歴史ある野球部の存続を疑問視する声が上がる。かつての名門チームも、今やエース不在で崩壊寸前。廃部にすればコストは浮くが――社長が、選手が、監督が、技術者が、それぞれの人生とプライドをかけて挑む「奇跡の大逆転(ルーズヴェルト・ゲーム)」とは。−裏表紙より−


ルーズヴェルト・ゲームとは、8対7の試合のことだそうです。ルーズヴェルト大統領が言い出したのだとか。

確かに野球ファンにはたまらない点数(試合)ですね。適度に点数も入って、でも簡単に逆転しにくくて、でも諦めるほど離されていない点差。手に汗握る状態です。

この物語は、社会人野球部の話でもありますが、青島製作所が今後どうやって生き残っていくか?という話がメインになっています。青島製作所の話自体も、ルーズヴェルト・ゲームのような展開になっています。野球を知っている方が楽しめると思いますが、知らなくても手に汗握る展開だということさえわかれば面白いと思います。


下町ロケット」と同じようにライバル企業が現れ、青島製作所の技術力を吸収しようとし、銀行は融資を渋り、大規模なリストラを敢行するしか道はなくなりました。

そんな中、年間3億円近くかけて維持している野球部を存続させることに反発する動きが出るのは当然な気がします。せめて優勝を狙えるほど強いチームであれば良いのですが、主要メンバーと監督をライバル企業に引き抜かれてしまったため、更に負けが続いているチーム・・。野球部が宣伝にもならないなら、なぜ存在させる必要があるのか?

新たな監督を迎え、試合に出るチームは、なかなか勝てませんが、ある出来事をきっかけにして団結力が高まり、少しずつ強いチームになっていきます。

この新たな監督がどんな采配を振るうのか?とても興味があったのですが、その部分はあまり描かれず。そこは残念でした。監督の采配によって勝利する!という場面がほしかったです。


最後はこの作家さんの得意な展開。つまり、一発逆転、爽快!な結末なわけです。思わずガッツポーズしてしまう感じです。

ただ、野球部の結末だけはちょっと意外でした。これはこれで良いのかな?とも思いますが。


さて、次はどの作品が文庫化されるでしょう?楽しみに待つことにします。


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2014年01月08日

池井戸潤「下町ロケット」

下町ロケット

 池井戸潤 著
 「下町ロケット」
 (小学館文庫)


研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。そんなある日、商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。圧倒的な形勢不利の中で取引先を失い、資金繰りに窮する佃製作所。創業以来のピンチに、国産ロケットを開発する巨大企業・帝国重工が、佃製作所が有するある部品の特許技術に食指を伸ばしてきた。特許を売れば窮地を脱することができる。だが、その技術には、佃の夢が詰まっていた―。男たちの矜持が激突する感動のエンターテインメント長編!第145回直木賞受賞作。−裏表紙より−


この作品も難しかったです。今回は、いつもの金融関係の難しさに加えて、ロケットのというかエンジン部分の構造という難しさもあって、理解できていない部分は多かったと思います。

でも、いつも通り面白かったです。今まで読んだ作品の中で上位に入るくらい気に入りました。

ページ数も多いのですが、それを感じさせないくらい展開が早くて、あっという間に読んでしまえました。


ロケット打ち上げのチームで研究者として働いていた佃航平は、打ち上げに失敗したことに対して責任を取る形で退職し、父親の町工場を継ぐことになりました。物語は、佃が工場を継いで7年が経った所から始まります。

佃製作所と取引のあった会社から契約を打ち切られ、その穴埋めをしようと画策しているとき、今度はライバルメーカーから「特許侵害」という訴えをうけてしまいます。

その訴えは明らかに言い掛かりでしたが、裁判をしているというだけで、銀行は融資を断ってきますし、契約している他会社からも契約をうちきる話が出てきてしまいます。

ますます経営が苦しくなり、裁判も負けそうな、絶体絶命の状況が続きます。

きっと、この先もずっと裁判が続いていくのだろうと思って読み進めると、意外な展開が待っていました。

裁判はあっさりと、でもスカッとする形で終了するのです。

そしてそこから新たな展開が・・。今度は、佃製作所が特許をとっていたバルブシステムに、大手企業である帝国重工が興味をもってきたのです。

帝国重工はロケット開発を行っている企業で、佃製作所のバルブシステムの特許を使いたいと言って来ます。その申し出を受けると大金が手に入り、工場の経営は安定してくるとわかっているのですが、佃は自分の夢であるロケット打ち上げ成功のために、別の方法を進めることに・・。


ここからの展開は書かないでおきますが、更に苦難も待っていて、でもそれを色んなアイディアで乗り越える様子はとても面白かったですし、苦労を読みながらラストシーンまで来ると、思わず感動の涙が出ていました。

仕事ってお金のため、生活していくためにするわけですが、それだけではやはり空しくなることもあります。佃航平のように熱い想いや夢があって、それを追える環境にいられるのはとても幸せなことです。

夢ばかり追って、お金にならなければ家族はたまりませんけどね・・。でもやはり、夢を追って熱い気持ちをもって仕事をする姿はキラキラ輝いていて素敵だと思います。


さて、次はどの作品が文庫化されるかな??楽しみです。


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2013年08月14日

池井戸潤「ようこそ、わが家へ」

ようこそ、我が家へ

 池井戸潤 著
 「ようこそ、わが家へ」
 (小学館文庫)


真面目なだけが取り柄の会社員・倉田太一は、ある夏の日、駅のホームで割り込み男を注意した。すると、その日から倉田家に対する嫌がらせが相次ぐようになる。花壇は踏み荒らされ、郵便ポストには瀕死のネコが投げ込まれた。さらに、車は傷つけられ、部屋からは盗聴器まで見つかった。執拗に続く攻撃から穏やかな日常を取り戻すべく、一家はストーカーとの対決を決意する。一方、出向先のナカノ電子部品でも、倉田は営業部長に不正の疑惑を抱いたことから窮地へと追い込まれていく。直木賞作家が“身近に潜む恐怖”を描く文庫オリジナル長編。−裏表紙より−


題名から想像していたのは、ホームドラマ的なほのぼのした雰囲気の話だったのですが、読み始めると全然違いました。あらすじを読んだらわかるのに、この作家さんの場合、全て読むつもりなのであらすじを読んでいませんでした。


主人公・倉田は、銀行員で今はナカノ電子部品という会社に出向しています。出向なんてシステムがあるなんて知りませんでした。銀行員を受け入れることで、融資を受けやすくなるという利点があるそうですが、出向させられる銀行員にとっては、銀行員でありながら、会社員でもあり、なかなか難しい立場になります。

話は、倉田が仕事から帰宅する途中、ある駅で割り込みをした男性に注意をしたところから始まります。普段なら大人しくて揉め事が嫌いな性格なのですが、このときは思わず注意してしまいました。

その出来事が、彼だけではなく家族まで巻き込んでいく事件へと発展してしまいます。始めは花壇を荒らすくらいのことだったのに、その嫌がらせはどんどんエスカレートしていきます。子どもが二人いる倉田家にとっては、早く平穏な生活を取り戻さないといけません。でもなかなか正体を明かさないストーカーに、一家は怯えを隠せません。

更には、倉田が働いている会社でも揉め事が起こり、この件でも彼は振り回されてしまいます。


ストーカーの事件は、この作家さんにしては珍しい・・と思ったのですが、会社の不正が発覚した所からは、波に乗ってきて、読むスピードが上がりました。

相変らず細かい部分、難しい部分は、理解できていないと思うのですが、それでも充分楽しめました。次々と起こる事件と、反撃した・・と思ったらやり返される展開が面白くて、あっという間に読み終えることが出来ました。


倉田家の人々も魅力的で(まあ息子は色々ありますけど)、一家の団結力が素敵でした。色々大変なことを乗り越えて更に絆が強くなっていくでしょう。

明るい未来が見える結末でしたし、最後まで面白かったです。


さて、他に読んでいない本はあったかなぁ??


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2013年06月25日

池井戸潤「民王」

民王

 池井戸潤 著
 「民王」
 (文春文庫)


「お前ら、そんな仕事して恥ずかしいと思わないのか。目をさましやがれ!」漢字の読めない政治家、酔っぱらいの大臣、揚げ足取りのマスコミ、バカ大学生が入り乱れ、巨大な陰謀をめぐる痛快劇の幕が切って落とされた。総理の父とドラ息子が見つけた真実のカケラとは!? 一気読み間違いなしの政治エンタメ!―裏表紙より―


今回は珍しく金融関係の話ではなく、政治家の話。しかも、どこかで聞いたような政治の話で、明らかにモデルがいそうな雰囲気を醸し出しています。

ちょっと取っ付きにくい気がする政治の話ですが、この作家さんらしく、真面目に、でも簡単にそして笑えるところもあり、スムーズに読み切ることができました。

とにかく設定が不思議なんです。父親が総理という大学生が、クラブで騒いでいたら突然父親と入れ替わってしまう!気づいたら国会にいて呆然とします。父親の方はクラブに。中身だけが入れ替わるので、周りは気づきません。

能力も性格も全てが入れ替わるので、総理大臣のくせに答弁の原稿がきちんと読めず「未曾有」を「ミゾユー」と読んでしまうような大失態を犯します。これって現実にもあったような気がしますね・・。

大学生のはずなのにやたらと生意気で、就職の面接官に対してエラソーな物言いをしてしまいます。

それでなくても大変な事態なのに、総理が任命したばかりの官房長官が女性関係のスキャンダルをマスコミに嗅ぎつけられ「任命責任」を問われる事態に。

マスコミに囲まれ質問を投げつけられることになった息子(外側は総理)は驚くような行動に出ます。本当なら正しいことを言っているのですが、政治の世界ではあり得ない発言をします。こんな風にハッキリ物が言える政治家って素敵だと思いますけど、やはり政治家には嫌われるのでしょうね。


ちょっと政治家の裏側が垣間見えた気がしました。

「国民のためにがんばりたい」と思って政治家になったはずなのに、自分の利益しか考えていなさそうな政治家たちがどうしてこんなに多いのか?理由が少しわかりました。


なぜ、父と息子が入れ替わるようなことが起きたのか?というのが大きな謎になっているのですが、この事件を通して、距離のあった親子関係がスムーズになり、お互いを認め合うようになります。また、息子の一見無鉄砲と思える発言が、実は父親にとっての初心でもあって、今後は良い政治家になってくれそうです。

現実の政治家たちも心を入れ替えて真剣に国のことを考えてもらいたいものです。選挙のことばかり考えないで・・。


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2012年08月17日

池井戸潤「架空通貨」

架空通貨

 池井戸潤 著
 「架空通貨」
 (講談社文庫)


女子高生・麻紀の父が経営する会社が破綻した−。かつて商社マンだった社会科教師の辛島は、その真相を確かめるべく麻紀とともに動き出した。やがて、二人がたどり着いたのは、「円」以上に力を持った闇のカネによって、人や企業、銀行までもが支配された街だった。江戸川乱歩賞受賞第一作『M1』を改題−裏表紙より−


う〜ん・・。私にはなかなか難しい作品でした。1ページ読み終わるまでに驚くほど時間がかかってしまい、この作家さんの本にしては何日もかかって読みました。

でも決して面白くないわけではないのが、さすが!ぴかぴか(新しい)という感じですけどね。


麻紀の父親が経営する黒澤金属工業が倒産に追い込まれることになり、納得のいかない麻紀が自分の先生である辛島に相談をします。倒産する原因の一つとなった、田神亜鉛という会社を訪ねようと2人で出かけた街は、ある架空通貨が強大な力をもっていました。

“田神札”と呼ばれるその通貨は、普通の紙幣と同じような使われ方をしていました。田神札の受け取りを拒否しようとする店や企業もあるのですが、結局その街でのしがらみや縁などによって断りきれず、受け取らざるを得ない状況になっていました。


この田神札の説明が難しかったんですよね・・ふらふら まあある種の証券みたいな物じゃないか?と思うんですが、社債をみんなに負担してもらうために、独自に紙幣を発行して、それでとりあえず繋ぐ・・という感じだと私は理解しました。社会のしくみに疎い私の理解なので、違うかもしれませんけどバッド(下向き矢印)

銀行もこの田神亜鉛に支配されている状態で、街全体が一つの会社に頼り切ってしまっています。これって、かなりヤバいんじゃ?と思う人も当然いるわけですが、少数しかいないためどうにもなりません。


黒澤金属はこの田神亜鉛から金を払ってもらえれば何とかなるのですが、もちろんそんな要求が通るはずもなく、どうすれば父親の会社が救えるか?と麻紀は悩みます。辛島はそんな麻紀を助ける形で(実際には彼がほぼ動くわけですが)田神亜鉛に立ち向かっていきます。


説明の部分は難しかったですが、後半は怒涛の展開で一気読みでした。

ただ、辛島が元商社マンで高校教師・・という設定がよくわからなかったんですよね。商社を辞めて家庭を崩壊させた過去をもつとわざわざ書かれているの、それが活かされていない気がしました。というかなぜその設定が必要だったんだろう??元商社マンというのは必要な設定ですが、現役の商社マンじゃなぜだめだったんだろう?・・まあ、そんな細かいことはどうでも良いですけどねあせあせ(飛び散る汗)


麻紀が田神札の出回る街でつぶやいた「お金というのは権力の象徴なのよ。その権力とは、何の価値もない紙切れに意味を持たせ人を動かす魔法のことなのよ」という言葉がとても印象に残りました。あまり真剣にお金について考えたことは無かったですが、確かにそうだな・・と改めて思いました。ただの紙切れをみんなが信用しているからこそ、お金には価値が出るわけですから。

人の欲の深さと、心の闇、そして家族愛のような物まで色々なテーマで描かれている内容の濃い話でした。


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2012年07月20日

池井戸潤「BT’63 下」

BT'64 下

 池井戸潤 著
 「BT’63 下」
 (講談社文庫)


呪われたトラックBT21号の運転手四人が次々と殺され、史郎が精魂を注いだ新事業も立ち行かない。すべては闇の住人、成沢が仕掛けたことだった。愛する鏡子まで成沢の罠に陥り、史郎は苦悩の選択をする−。一方の琢磨は、現代に残っていたBT21号を手に入れる。「物語」のすべてがつまった圧倒的大作。−裏表紙より−


このあらすじ、びっくりしました。思いっきりネタバレなんですけどあせあせ(飛び散る汗) まあ予想の付く部分ではありますが。

上巻は話がどう進んでいくのかわからず結末が気になるまま終わってしまったのですが、下巻に入るとどんどん面白くなり、読むスピードも上がりました。


琢磨がBT21号を現実で手に入れて、運転席に座った場面は、一気に琢磨が史郎の想いを感じ取り、真面目さだけが取り得だと思われていた父親の人生を理解する・・とても感動的でした。

父親はすでに5年前に亡くなっているわけですが、それでも琢磨のお陰で人生をやり直せたような、人生をきちんと振り返り「良い人生だった」と思えたような気がしましたし、もちろん琢磨は実際の人生もきちんと見直すことができました。


話は全体的に暗い雰囲気がまとわりつくような、ずっと夜の場面ばかりのような感じではありますが、最後には少し光が射した気がして、さわやかな気持ちで読み終えることができました。

人物像がつかみにくかった琢磨の母親が、実はとても優しい人だった・・というのも良かったです。彼女のサラッと言い切ったあるセリフで、ある意味、今までの話の美味しい部分を全て持っていった??と思うくらい。


最後まで読んでもやっぱり、この作家さんらしくない作品だったと思いました。でも、読んで良かった、面白かったと思います。


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2012年07月19日

池井戸潤「BT’63 上」

BT’64 上

 池井戸潤 著
 「BT’63 上」
 (講談社文庫)


父が遺した謎の鍵を手にすると、大間木琢磨の視界に広がるのは、四十年前の風景だった。若き日の父・史郎が体験した運送会社での新事業開発、秘められた恋・・・。だが、凶暴な深い闇が史郎に迫っていた。心を病み妻に去られた琢磨は自らの再生をかけ、現代に残る父の足跡を調べる−。父と息子の感動長編。−裏表紙より−


あらすじだけ読んでいたら、もしかしたら手に取らなかったかもしれないような内容がく〜(落胆した顔) でもきっと、この作家さんなら面白い味付けをしてくれるはず!と読んでみました。・・っていうか、この作家さんの作品は全部読む!と決めていたわけですが。


珍しく、ちょっとSFっぽい雰囲気のある作品でした。

読み始めはついていけないというか、意味がわからない感じがして、頭の中に「?」マークが浮かんでいる状態が続きましたたらーっ(汗) 琢磨が何の病気だったのか、なぜ妻にまで見捨てられたり、記憶が無くなったりしていたのかよくわかりませんでしたし。

でも、そういうことが徐々に気にならなくなる展開になっていったのは、さすが!でした。

まだ、上巻だけでは先が読めないですが・・。

最終的にどうなれば完結するのか、どんな結末がハッピーエンドになるのか、全ての謎はうまくまとめられるのか・・など色々気になる部分があります。

下巻も早く読んでしまうことにします。


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2011年12月24日

池井戸潤「鉄の骨」

鉄の骨

 池井戸潤 著
 「鉄の骨」
 (講談社文庫)



中堅ゼネコン・一松組の富島平太は、突然現場勤務から異動を命じられた。異動先は業務課。そこは陰で“談合課”と呼ばれる、公共事業の受注部署で、この度行われる地下鉄工事を取ることが今の任務だった。正直に入札を行おうとする平太らに「談合」の話が・・。


今回のテーマは、公共工事入札における談合。私にとってはまたまた難解なテーマですふらふら

まず、入札って?という状態の私・・。入札も談合も、言葉の意味というか、どういう物か?ということは知っていますし、理解しているつもりではありますが、詳しくは知らないですし、どんな問題があるのかもわかっていません。

読み始めは不安でしたが、こんな私でもわかるように書いてあって読みやすかったです。主人公の平太も、入札や談合については素人だったので、周りが彼に説明してくれているのを読んで私も理解していく感じでした。


現場で働いていた平太が突然の異動。驚く平太に告げられた異動先は「業務課」だったので、自分がなぜそこに異動させられるのか理解できませんでした。

異動した平太に課せられたのは、次の地下鉄工事を取って来ることでした。業務課の先輩・西田に懇切丁寧に教えられながら、必死で与えられた仕事をこなしていきます。そこで知ったのが「談合」の事実でした。「脱談合」を宣言しておきながら、実は密かに談合は続けられている・・。疑問をぶつける平太に西田は「必要悪なんだ」と自分に言い聞かせるように語ります。

どうにも納得いかないながらも、会社の一員として上司から言われる仕事を続けていると、ある大物と出会うことに。そして、平太はその大物・三橋に気に入られたことで、会社と三橋の連絡係を命じられます。

三橋の考えを聞くにつれ、だんだん惹かれていく平太ですが、実は三橋には秘密があり・・・。

平太には、銀行員の彼女がいます。彼女とは何でも話せる仲なのに、平太が業務課へ異動になってから関係がぎくしゃくするように・・。銀行員の彼女にとっては、談合を続ける彼らの行動が理解できないわけです。「違法なこと」ですから。

平太ら一松組が談合を拒否しようとしても、しがらみから逃れられず、どんどん巻き込まれていく・・。


と、最後まで気を抜けない展開が続きます。誰が味方で、本心はどうなのか・・検察まで動き出しますし、彼女の心の動きも気になり・・・一気読みせずにはいられませんでした。

とはいえ、ページ数が多いので数日かかってしまったのですが。


会社に雇われている身としては、会社の決定は絶対で、上司の命令には従わないといけない・・でも、1人の人間としての気持ちというか、誇りは失くしたくないと思いました。自分の意に沿わないことにはきちんと自分の意見を言って、断ることができる強さが欲しいですね。


今回も色々と考えさせられる、でもスカッとする話でした。


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2011年10月31日

池井戸潤「MIST」

MIST

 池井戸潤 著
 「MIST」
 (双葉文庫)



のどかな高原にある町・紫野で、ある経営者が遺体となって発見された。彼の死因は自殺に見せかけた殺人と判明し、捜査が開始された。捜査がなかなか進まない中、第二、第三の殺人事件が続けて起きてしまう。数年前に起きた東京での殺人事件との共通点が見え始め、事件は思わぬ方向へ・・。


この作家さんにしては、珍しく銀行物ではないミステリー。先に感想を言ってしまうと、私にはイマイチ合いませんでしたバッド(下向き矢印) 面白くないわけではないんですけど・・う〜ん、感想がうまく書けない感じふらふら


始めに出てきた紫野の駐在所に勤務する上松巡査が主人公で、このまま彼の視点で話が進むんだろうと思っていたら、何だか次々人が出てきて視点もその度に変わって、混乱してしまいました。事件をあらゆる視点から見る・・というようになれば良かったんですが、そういう感じでもなく、ただただ混乱する・・たらーっ(汗)

登場人物も多かったですし。読み終わって、要らないな〜と思う人が何人かいました。もう少し人数を減らしてもっとその人物の人生とか人柄とか色々書いてもらいたかったです。

人もやたらと死にましたしね。連続殺人とはいえ、あまりにも死に過ぎな気がします。そして、その割にはのどかな町が大騒ぎになっている雰囲気も無く。


以前、池井戸さんには警察小説も書いてもらいたい!と思ったことがあったので、期待しすぎたのかもしれません。もっと気楽に読めば楽しめたのかもしれないと思うと残念です。

もっと一人に絞って人物像を描きながら、職人気質みたいな警察官を中心にした話なら良いのかも。って偉そうに言ってますがあせあせ(飛び散る汗)


これはちょっと残念な結果でしたけど、次は何を読もうかな?・・楽しみです。


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2011年10月21日

池井戸潤「果つる底なき」

果つる底なき

 池井戸潤 著
 「果つる底なき」
 (講談社文庫)



「これは、貸しだからな」と伊木に残し、同僚の坂本が死んでしまった。殺人事件として捜査が始まり、坂本の妻が伊木の元恋人だったことから容疑者にされてしまう。同僚の死の謎を探るため、そして坂本の妻と娘のため、伊木は一人で見えない敵に立ち向かう。


この作品が池井戸さんのデビュー作だそうです。それを感じさせないくらいの完成度でした。・・って何だか偉そうに言ってますが。


同僚の坂本は債権回収担当でした。そんな坂本がアナフィラキシー・ショックが原因で亡くなってしまいます。更に坂本の不正まで発見され、伊木は彼のために立ちあがります。

坂本のメモなどを見ながら、彼が最後に誰と会っていたのか?どの案件を担当していたのか?を探り出します。ところがそんな伊木の動きを面白くないと思う勢力があるようで、何度も妨害にあってしまいます。

伊木が昔担当していた会社に関係があることがわかり、すでに倒産し、社長も亡くなっているこの会社のことを改めて調べ始めます。そして不審な金の動きを発見し・・・。


主人公・伊木は、池井戸作品の主人公らしく、真っすぐで真面目で“銀行”という組織にいながらも組織の中に飲み込まれない強い意志を持った銀行員です。彼の真面目すぎる不器用さに、つい応援したくなるような気持ちになりながら読み進めました。

読み終わって、銀行物でありながら意外と銀行内部のことが出なかったな・・と思いました。前半は結構出てくるのですが、後半になると銀行の話だということを忘れそうになるほど。伊木が銀行員だと名乗る度に「あ、そうだった」と思い出す感じ。内容がハードボイルドっぽくなっているので、伊木のことを探偵だと勘違いしそうになりました。

人が殺されたり、襲われたり・・でも、銀行組織の裏側も書かれていて、盛りだくさんな内容の話でした。


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2011年10月07日

池井戸潤「銀行狐」

銀行狐

 池井戸潤 著
 「銀行狐」
 (講談社文庫)



「狐」と署名された謎の手紙が帝都銀行に送られてきた。「あほどもへ てんちゅー くだす」という内容の脅迫状とも言える手紙だが、具体的な要求も何も書かれていなかった。ところがその後、銀行が放火されたり、顧客情報が漏洩されたり、更には系列会社の社員が襲われたり・・と事件が次々と起こった。総務部の指宿は調査を始めた−「銀行狐」他「金庫室の死体」「現金その場かぎり」「口座相違」「ローンカウンター」計5編収録


「銀行総務特命」の主人公・指宿が初登場した話だそうで(あとがきで知りました)、名前を見た瞬間何だかうれしくなってしまいましたるんるん


脅迫状らしき物を受けて指宿は警察と連携して調査を始めます。そして意外と早く犯人らしき人物に行きあたるのですが・・。この人物が全ての犯罪を犯すのは難しいということで、更に調査を進めます。

銀行に勤めることの難しさ、虚しさが感じられる話でした。「銀行総務特命」もそんな話でしたけど、指宿が絡むと(というか、総務部が絡むと)そういう話になるのかもしれません。


金庫室の死体」ではいきなり惨い状態で死体が発見されたので驚きました。銀行物だと思っていたのに・・という感じで。でも発見された場所は銀行内部なので、銀行員が絡んできますし、銀行の裏事情とか仕組みとかがとても詳しく書かれています。詳しすぎて私には理解できない部分もありました。


私が気に入ったのは「ローンカウンター」です。連続殺人事件が起きて警察の捜査は難航していたのですが、一人の捜査員が私用で銀行に行き、銀行員と話したことで一気にあっさりと事件が解決してしまいます。ちょっとあっさり解決しすぎという感じもしますが、銀行員じゃないと気付かない方法なので、警察だけでは解決できなかったかもしれません。短い話でしたけど、警察官の山北という人物がなかなか好印象で、もう少し長く読みたいような気がしました。


短編集とはいえ、一つ一つの話に重みと深みがあり、とても面白く読むことができました。

まだまだ読んでいない作品があります。本屋で見つけることが難しいのですが、また探してみようと思います。


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2011年09月21日

池井戸潤「仇敵」

仇敵

 池井戸潤 著
 「仇敵」
 (講談社文庫)



東都南銀行で庶務行員として働いている恋窪商太郎は、以前、大手の東京首都銀行に勤めていて、企画部次長にまでのぼりつめていた。ある人物の不正を暴こうとしたため、辞職に追い込まれたのだった。一線から退いた形となった彼は、今の職場でゆとりある人生を楽しんでいたが、元ライバルからの電話でまた不正事件に巻き込まれることになった。


連作ミステリーということで、8話にわたって恋窪の活躍が書かれています。

企画部次長というエリート行員だった恋窪が、今では庶務行員になっています。庶務行員というのは店内の案内や他の雑務をこなすのが仕事です。つまり、出世コースからは程遠い存在なわけです。

元エリートの彼が今では雑務をしているので、やる気無く働いているように思いますが、実は出世競争に疲れていた彼にとっては安らぎを感じる仕事で、毎日充実感を感じていました。

そんな彼の元に相談に来たのは、松木という若手の行員。松木は恋窪の過去を知って、自分の顧客に対する悩みを相談します。恋窪は自分の立場で出来るだけの協力をすることに。

こんな感じで話は始まります。そして、話が進むにつれて、元の職場の部下だった河野という行員に協力を求めながら、自分が元の職場を辞めるきっかけとなった不正事件にまた巻き込まれていきます。


この話では、珍しく何度も血が流れることがあり、あまり生々しくはないですが、それでも何度も顔を顰めてしまう場面がありました。

どんどん不正に絡む人物が出てきて、不正のからくりも明らかになってきて、話はこれからもっと面白くなるぞ!と思う頃に急に全てが解決してしまう感じがして、それが残念でした。

もっと恋窪の活躍が読みたかった・・というのもあるかもしれませんけど。それくらい魅力的だったんですよね。すごく冷静に考えているようで、パッと頭に血が上って敵陣に乗り込んで行く感じとか、不器用な感じが好感もてました。


池井戸さんの作品は、いつも勧善懲悪なので、落ち込んだときなんかに読むと元気になれますね。また他の作品も読むつもりです。


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2011年07月13日

池井戸潤「銀行仕置人」

銀行仕置人

 池井戸潤 著
 「銀行仕置人」
 (双葉文庫)



関東シティ銀行の黒部は五百億の巨額融資が焦げ付いたことの責任を取らされ、人事部の通称“座敷牢”へ左遷された。エリートコースから外された黒部は、自分を罠に嵌めた上層部の陰謀を暴くため、人事部長・英に助けられながら色々な支店へ行って調べ始めた。


関東シティ銀行の本店で営業第三部の次長として働く黒部。本店の次長は支店では支店長に当たるほどの地位で、エリートコースのど真ん中といえる場所に居たはずだったのですが、巨額の融資が焦げ付いた責任を1人で負わされ、左遷されてしまいます。

座敷牢と呼ばれる窓も電話もないような狭い場所に1人入れられ、そこで黒部に与えられた仕事は名簿の修正。やる気の無い毎日を送っていると、人事部長から呼び出され、黒部を罠に嵌めた一派の調査をするように命令されます。

臨店という形で色々な支店へ出向いて、人事部による面接として行員たちと話をすることに。そこで、支店に蔓延る腐った体制を崩していく黒部。悩む新人行員の良き相談相手として、支店長たちに真っ向から対決を挑んでいきます。

罠に嵌めた一派の下の方からうまく崩していき、最後には主犯といえる人物にたどり着きます。

陰謀が明らかになれば、黒部もまた復帰できるということでがんばるのですが、敵が仕掛けてくるあまりにも卑劣な方法に何度も屈しそうになります。

そんなとき黒部を勇気付けたのは、英の「銀行を腐らせるな」という一言でした。黒部は銀行を守るためがんばります。


この作家さんにしては珍しく血なまぐさい事件も発生し、話にいつも以上の緊張感がありました。主人公の黒部もかっこよかった。捨て身になった人は強いですね!

今回もとても面白かったです。


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2011年07月08日

池井戸潤「株価暴落」

株価暴落

 池井戸潤 著
 「株価暴落」
 (文春文庫)



大手スーパー・一風堂で爆破事件が起き、死傷者が出てしまった。事前に送られてきていた犯行声明から企業テロが疑われる。事件が起きたことで一風堂の株価は暴落し、経営危機に陥ったため、白水銀行に巨額の支援要請を行った。白水銀行審査部の板東は、企画部の二戸と対立し、支援を行わない方向で進めようとしたが・・。


題名に“株”という言葉が入っているため、株式市場の話なのかと勝手に思っていましたが、やはり今回も銀行の話。でも珍しく警察の動きが詳しく書かれていて、今まで(私が読んだ物)と違った展開で楽しめました。


一風堂は老舗のスーパーで、安売りを武器に店舗展開をして大きくなりました。ただ、古い体質が抜けない企業で、過去に巨額融資を行ったときは社長を辞任させて改善するという案があり、実際に社長だった風間は会長になり、本来なら経営から退いた形になったわけですが、実際はなかなか引退してくれず、会長という立場を大いに利用し、経営にもまだまだ大きな力を示していました。

そんなワンマンのような会社がいつまでも生き残れるはずもなく、あっという間に再び経営は悪化しました。そしてまた巨額の融資を頼んできた一風堂に対し、銀行審査部の板東は反対します。ところが、企画部の二戸が強行に融資を進めようとしたので、二人は対立することに・・。

二戸は銀行内部での手回しもうまく、人を取り込んで味方につけていきます。それに対して板東は自分の信念だけを頼りに進めて行きます。


爆破事件にはすぐに容疑者が上がりました。彼が逃げる様子や、それを捜査する刑事たちの動きまで詳しく書かれていて、警察小説の雰囲気もありました。この作家さんの警察小説も読んでみたいな・・と思いました。しかし、刑事の名前が・・たらーっ(汗) 野猿ですよ!「やえん」と読むのですが何度も「のざる」と読んでしまいましたふらふら


株の話は最後の方に難しい仕組みなんかが出て来ましたけど、素人の野猿刑事に説明する形で出てくるので、私にもわかりやすかったです。とはいえ、やっぱり株は難しい・・という印象はかわりませんけどあせあせ(飛び散る汗)

終わり方は余韻を残す形で私は好きでした。もっと最後まで書いて欲しいと思う方もいるだろうとは思いますが。


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2011年06月14日

池井戸潤「シャイロックの子供たち」

シャイロックの子供たち

 池井戸潤 著
 「シャイロックの子供たち」
 (文春文庫)



東京第一銀行長原支店で百万円が紛失する事件が起きた。銀行内を探した所、ある女子行員のロッカーから帯封が見つかった。彼女が盗んだと疑われるが、事件を調べ始めた上司がなぜか失踪してしまう・・。銀行組織で働く行員たちの仕事に対する気持ちや家族への思い、悩みや葛藤などが描かれる。


十話に渡って書かれている物語で、一話ごとに視点となる主人公が違います。でも、一話から同じ東京第一銀行長原支店での出来事が書かれていて、始めから話は繋がっています。


第一話「歯車じゃない」は、古川副支店長が出社する所から始まります。彼は乙採用(高卒で就職した)なので出世が難しく、でも出世欲が人一倍強いため、部下に対してキツイ当たり方をしてしまいます。自分の保身しか考えていないような嫌な上司の典型。

始めの方に母親の話とか書かれていてホロッとさせられたので、最初はおとなしいタイプの人かと思ったのですが、実は上から押さえつけるタイプでした。その激変ぶりに驚かされました。


第二話「傷心家族」は、成績が上がらないことで家族(妻と幼い娘)に苦労させている・・と思い詰める友野という行員の話で、何とか出世したい、上司から評価されたい!という強い思いだけで仕事を続けている感じで、読んでいて息苦しくなるような話でした。


第三話「みにくいアヒルの子」で現金紛失事件が起こります。北川愛理という女性行員が疑われてしまいます。上司の西木係長に助けられ、何とか疑いは晴れますが、現金は見つからないまま。

ここから、現金紛失事件を解決しようとする動きが中心に話は進みます。

第五話「人体模型」で、人事課が動き出します。この中で西木係長が実は失踪したということが明らかになり・・そして、第六話「キンセラの季節」で、融資課・竹本係長が、営業課・西木係長の代わりとなって仕事をすることで、彼のロッカーの中に不思議な物を見つけた所から一気に事件は解決か!?と思ったら、ぞっとするような考えが浮かび・・。

と、事件は思わぬ方向へ進んで行きます。紛失した百万円はどこへ消えたのか?失踪した行員はどこにいるのか?気になって一気に読んでしまいました。


この作家さんの話を読むと毎回思うのは、銀行って本当に大変な所なんだ・・ということ。そして、どうしてそこまで出世にこだわるんだろう??ということ。

出世欲が欠片もない私には理解できない部分が多くて・・。「家族のため」と思い詰める人も書かれていますが、家族はそこまで出世を望んでいるのかな?と思います。もちろん望む人もいたようですけど・・。

だからといって、出世するために必死で働いて精神を壊してしまっては意味が無いのに・・と思うと悲しい気持ちになりました。


ほとんどの話には、きちんとした結末が用意されていません。でもそれによって、より深く考えさせられるというか、その人の人生を思い返したくなる感じがして、良い余韻があって良かったです。


私がより印象に残ったのは第四話「シーソーゲーム」です。業務課課長代理・遠野の話なのですが、明るい性格の彼がどんどん壊れていく様子がぞっとしました。仕事にそこまでかけられるなんて・・何が彼をそこまで動かしたのか?もっと誰か助けてあげられなかったのか?読み終えて、茫然としてしまいました。


最終話も驚きのラストが用意されていて・・。「読者の想像に任せます」っていう終わり方。きっと読んだ人によって考えはそれぞれ違うんだろうな・・。


読み終えてから帯の言葉を読むと刺さります。
 あなたは誰のために生きていますか?
 何のために働いていますか?


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2011年05月28日

池井戸潤「銀行総務特命」

銀行総務特命

 池井戸潤 著
 「銀行総務特命」
 (講談社文庫)



帝都銀行の内部で起こる不祥事を捜査する特命を受ける指宿修平。情報漏洩や裏金、ストーカーなどなど銀行での不祥事を捜査しているうちに、周りからは逆恨みされ、引きずり降ろそうという動きも出始める。そんな動きに部下の唐木怜と共に立ち向かう。8編収録の短編集


この作家さんお得意の銀行物です。

指宿は総務部の中でも特命を受けている銀行員で、内部の様々な不祥事を調べて報告します。始めの頃は鏑木という男性行員と共に仕事をしていたのですが、後半は唐木という女性行員が部下となります。

この作品、読み終わると思わずため息が出る感じです。

銀行って本当にすごい世界だな〜と改めて感じました。上の方は自分の利益を優先し、いかにエリートコースにのるか、どうすれば出世できるか、そればかり考え、時には裏金までも・・。出世だけを考えるのであればまだかわいいもんですが、裏金や賄賂となると犯罪ですから。

で、下の方の人たちは上の人に振り回され、中間管理職の人たちは、上から攻められ下から突き上げられ、変に中途半端な肩書があるせいで責任だけは人一倍取らされる。仕事に忙殺され、でもやりがいを感じられない・・。

女性行員に至っては、お飾りでしかない。出世はもちろん無理だし、そろそろ辞めたら?的な空気が流れます。少しベテランになると「お局様」呼ばわりむかっ(怒り) ひどい話です。


銀行員って銀行を辞めても再就職が難しいとか・・。家庭を顧みずという感じでずっと仕事ばかりしているのに、他の世界では働きにくいなんてたらーっ(汗)

銀行員の嫌な所や、何ともいえない悲しい所ややりきれない思いがたくさん詰まっている作品でした。


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posted by DONA at 11:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:池井戸潤

2011年04月19日

池井戸潤「空飛ぶタイヤ 下」

空飛ぶタイヤ 下

 池井戸潤 著
 「空飛ぶタイヤ 下」
 (講談社文庫)



事故原因がホープ自動車にあると信じて調査を続ける赤松運送社長の前に、次々とホープグループからの妨害が。ますますリコール隠しがあると確信したが、決定的な証拠が無い・・。裁判をすることになった赤松運送に勝機はあるのか?経営が悪化する会社を立て直すことはできるのか?


週刊誌に事故のことを載せてもらえるはずだったのですが、それさえも妨害にあい、落ち込む赤松たち。でも、記者に頭を下げて調べたことを教えてもらい、それを元に調査し直します。

やがて決定的な出来事を見つけた赤松社長は、ホープ自動車を追い詰めるため立ち上がります。

そこに行きつくまでに何度もくじけそうになった赤松社長を家族や社員たちが絶妙のタイミングで支えてくれ、何度も立ち上がることができました。


私が特に気に入ったのは、新たな融資先となった“はるな銀行”の担当者・進藤課長。赤松社長の人柄を見込み、会社を信頼し将来を信じて力強く支えてくれる彼の存在は、暗くなりがちな話に光を灯してくれました。

感激した赤松社長が思わず「捨てる神あれば拾う神あり、だ」と言うと、彼は「単なる銀行ですよ。神じゃない」と笑いながら言うのです。

本当に苦しんでいるときに助けてくれる銀行・・これが理想ですよね。


赤松運送にとってホープ自動車の窓口となっていた沢田にも動きがありました。自分の会社を信じ、腐った部分を改善しようとしていた沢田。やり方はともかく・・ 最後まで会社を信じていた彼に、会社が下した決断はまるで彼を切り捨てるような物でした。

上巻では彼のことを憎く感じながら読んでいましたが、だんだんかわいそうに思えてきました。彼も会社の被害者と言えるかもしれません。


たくさんの人が出てくる話で、一瞬だけしか出ない人もいるのですが、それぞれの人生や考え方、行動の裏に隠された思いなどが深く書かれていて、一瞬だけなのに話に深く関係してくる・・。

下巻では何度も泣かされました。悲しみ、悔しさ、喜び・・と涙の種類は様々でしたが、最後には明るい光も見え、大満足で本を閉じることができました。


ページ数も多い話ではありますが、一気読み間違いなし!です。


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posted by DONA at 11:02| Comment(2) | TrackBack(1) | 読書:池井戸潤