
S・J・ボルトン 著
法村里絵 訳
「緋の収穫祭」
(創元推理文庫)
「血の収穫祭」と呼ばれる伝統的な儀式が残る英国の小さな町。ある日、教会の墓地の塀が崩れて、そばにあった幼い少女の墓が壊れてしまう。だが墓からは、そこに眠っているはずのない二人の子供の遺体までもが発見された。少し前まで土には埋められていなかったようで、頭蓋骨には酷い損傷があった。この地でかつて何があったのか? 血塗られた町の秘密を暴く戦慄のミステリ!−裏表紙より−
初めましての作家さんです。面白そうだったので、「本が好き!」で献本になっていたので申し込んでみました。
読み終わるまでかなり時間がかかってしまいました・・。ページ数が多いということもありますが、私の苦手なホラー要素が多くて読み進めにくかったのも原因になっています。
ホラーは、結末を読んでスッキリさせた方が良いのですが、先に結末を読むのは自分の流儀に反する!・・だからがんばって地道に読み進めるしかないのに、進まなかったんですよね。
「血の収穫祭」という伝統儀式がある小さな町が舞台になっています。この儀式は、簡単に言うと家畜を解体して、冬支度をすることなのですが、血が大量に流れますし、家畜たちの叫び声もこだまして、近所には住んでいられないくらいです。
その儀式が行われる場所の近くに引っ越した来た一家が、この物語の主軸を担います。中でも長男で10歳になるトムが、様々な体験をして、精神科にかからなければならないくらいの状態になってしまうのですが、彼は長男らしく弟と小さな妹を必死で守っています。
あらすじにはすぐに教会の塀が崩れて遺体が発見されたようになっていますが、この事件が起こるまで半分くらい読み進めないといけません。そこまでが特にホラー的で怖かったです。
真相がわかれば納得できるのですが、殺人事件の動機については、それまでのホラー要素以上にゾッとさせられました。狂わされてしまった犯人に同情したくなる部分もありますが、大半は「だからといって、なぜあの子を殺すんだ!」と怒りの気持ちになりました。
何とも後味の悪い結末でした・・。
夜のシーンが多いせいか、ずっと暗い画面が続く感じもあり、住んでいる人たちの行動や考え方などがかなり古い気がして、勝手に西部劇のような恰好をした人物たちを思い描いていました。
なのに、パソコンが携帯電話が登場するので違和感を感じてしまいました。
古い伝統の残る小さな町ってこんな感じなんですかね?
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