2014年05月02日

緒川怜「冤罪死刑」

冤罪死刑

 緒川怜 著
 「冤罪死刑」
 (講談社文庫)


三年前に発生し、犯人逮捕で終結したはずの少女誘拐殺人事件。しかし、冤罪スクープを狙う通信社記者と、正義感に燃える女弁護士が事件を洗い直すと、意外な新事実が。死刑判決、小児性愛、ハニートラップ、偽証、老刑事の告白―。どんでん返しの連続の後、幾重にも張られた伏線が鮮やかに回収される、会心作!−裏表紙より−


初めましての作家さんです。それで慣れないせいもあるのか、誰の話なのか、いつの話なのか、時系列さえもわかりにくい場面がありました。

しばらく、話に入り込めない状態が続き、読み終わるのに時間がかかりました。


少女を誘拐して殺したと逮捕された犯人が、実は冤罪ではないか?と疑ってしまうような証拠がいくつか見つかり、記事にするべく調査を始めた記者・恩田。そんな彼に近づいてきたのは、逮捕された犯人の女弁護士。彼女があげる証拠を基に更なる調査を続け、警察による策略まで見えてきました。

山崎というこの犯人は、本当に冤罪なのか?ということを中心に語られていくのだと思っていたら、途中から同じような事件を起こした栗原という死刑囚に話が移っていきます。

この2人が起こしたとされる事件がよく似ていることと、山崎についてはあまり描かれないのに栗原のことは細かく描かれていることで、だんだんどっちがどの事件を起こしたのかわからなくなることもありました。

これはまあ、私の理解力の問題でしょうけど。

栗原の内面というか考え方なんかが細かく描かれている文章を読むのははっきり言って辛かったです。辛いというか苦しい?感じでした。顔を背けたくなるくらい。こういう人の心理状態は理解できません。


頭の中がごちゃごちゃしたまま、ラストに差し掛かるとそこからは一気読みでした。色んな疑問や謎の行動などが全てきっちりと収まる所に収まる感覚がしました。

なるほど、そういうことか!を繰り返しながら読み終えることができました。

前半は読みにくかったですが、読み終わったときには「読んで良かった、面白かった」と思えたという、何とも感想の難しい作品でした。


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タグ:緒川怜
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