2014年02月28日

柴田よしき「小袖日記」

小袖日記

 柴田よしき 著
 「小袖日記」
 (文春文庫)


上司との不倫に破れて自暴自棄になっていたあたしは、平安時代にタイムスリップ! 女官・小袖として『源氏物語』を執筆中の香子さまの片腕として働き、平安の世を取材して歩くと、物語で描かれていた女たちや事件には意外な真相が隠されていた―。ミステリーをはじめ幅広いジャンルで活躍する著者の新境地。解説・堺三保−裏表紙より−


この作家さん、本当に色々書かれる方ですが、この作品はSFっぽい雰囲気で、でもミステリーでもあるという不思議な話。ジャンル分けが難しいです。

主人公は名前がありません。“あたし”という表記で、彼女の目線で語られる物語になっています。

上司との不倫をしてフラれてしまったあたしは「死んでやる!」という気持ちで夜の公園にいました。頭がクラッとして気づいたら平安時代に飛んでいました。

しかも、ただタイムスリップしたのではなく、どうやら“小袖”という女官と入れ替わったらしいのです。変える術もなく、平安時代で過ごすことになったあたしは、源氏物語を執筆中の香子さまに仕えることに。

というわけで、源氏物語でも有名な「夕顔」「末摘花」「」「明石」「若紫」という題名の5編が収録されています。


源氏物語って、個人的に好きではないので、きちんと読んだ覚えがありません。そんな私でも知っているような有名な女性たちの話になっているので、源氏物語を知らなくても楽しめますよ。

でもきっと、源氏物語に詳しければより面白かったのではないかと思います。

光源氏のロリコンぶりとか、この時代の男性の浮気癖とか、イライラする部分も多いのですが、女性の側の事情やこの時代ならではの事情などがわかると、確かに読みやすくなるのかもしれないと思いました。

女性側の悲しさや寂しさに苦しくなるような所もありました。きっとこの作品は女性が読まないと共感できないと思います。


ラストがちょっと駆け足過ぎて、色々気になることを残したまま終わってしまったのが残念でした。もう少しじっくりその後のことなんかを読みたかったです。

あたしと入れ替わって現代にいたであろう、小袖はどうやって生活していたのか?なんかも書いてほしかったです。


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posted by DONA at 14:53| Comment(6) | TrackBack(0) | 読書:柴田よしき
この記事へのコメント
こんにちは。

1週間かけて、ようやく昨日読み終わりました。

ジャンル分けが難しい・・・と書かれていましたが、確かにそうですね。
一人称であることや、「あたし」と言うところ、設定がなんでもありな自由なところなどはライトノベル風だな、と感じました。
(この作家さんの他の作品を読んだことがないので、この作品に限ってかもしれませんが)

末摘花って、異国人(もしくはハーフ)だったのではないか?と言う説を読んだことがあります。
(当時の美の基準では不美人だった)
それを踏まえてなのかわかりませんが、末摘花の邸の調度品が「異国風」だったなんて描写もあり興味深かったです。

確かに最後がちょっと無理やりな感じがしました。香子さまが小袖のことを怪しむ場面とかが全く書かれていなかったので、若紫の章は急な展開でした。

そのせいか、テーマがいまひとつ伝わってこなくてもったいない終わり方と言うか。
もっと「あたし」の人となりがわかったら良かったのになぁと思いました。

この作家さんは、そんなにいろんな作風のある方なんですか?
たくさん引き出しのある作家さんなんですね。
あ、この方は女性ですか?

DONAさんもたくさん読まれていらっしゃいますが、特にお奨めがあったら教えていただけるとありがたいです。







Posted by ココア at 2014年03月10日 16:57
>ココアさん、コメントありがとうございます。

ジャンル分けも難しかったですが、何でこの題材をこの設定で描いたのかな?というのもあまりよくわかりませんでした。源氏物語を別の角度から見ようとしたのか??

でもこの作家さんらしい角度からの物語だったとは思います。女性の心情を描くのがうまい方ですから。女性は女性でも特に“大人”の女性。

なので、理解できない心情もあるのですが、やはり同じ女性だけに(この作家さんは女性ですよ〜)共感できるところも多くて、気に入って読んでいます。文章も読みやすいと思いますよ。

お勧めは・・・難しいですね〜。ミステリーがお好きなら「猫探偵正太郎」シリーズが良いと思います。しっとりした大人の話なら「ばんざい屋」シリーズ、スカッとしたいなら「ワーキングガールウォーズ」も面白いですよ。

私もまだ読んでいない作品がたくさんあるので、もっと面白いものもあるかもしれませんが。
Posted by DONA at 2014年03月10日 21:05
DONAさん、こんにちは。

>何でこの題材をこの設定で描いたのかな?というのもあまりよくわかりませんでした。源氏物語を別の角度から見ようとしたのか??

確かにおっしゃる通りですよね。
現代での「あたし」が不倫をして、そこに感じた男性への理不尽な思いを、平安時代の女性のそれと重ね合わせた・・・のかも知れませんが、でもだとしたら、少し強引と言うか・・・。

小袖が何度か男性に対して心で怒る場面(いつの時代も、男は女性を物としか見ていない)は、あまり共感できませんでした。

そういう書き方って、むしろ男性が「女性に歩み寄る感じ(受け狙い)」で書きそうな気がするのです。
なので、作家さんの性別をお聞きしました。
最初は女性だろうと思って読んでいたのですが、そのあたりで「?」と思って。

「ばんざい屋」シリーズを読んでみようと思います。
読むの遅いので、いつ読み終わるかわかりませんが・・・。

それと、きな粉クッキー、とてもおいしそうですね。きな粉大好きなので、惹かれます^^
そして何よりも成型が綺麗!お上手ですね。

Posted by ココア at 2014年03月11日 15:38
>ココアさん

>そういう書き方って、むしろ男性が「女性に歩み寄る感じ(受け狙い)」で書きそうな気がするのです。

なるほど・・そういう風にも取れますね。私は、実際にこの作家さんはこう感じているんだと思いました。

「ばんざい屋」読んだら感想聞かせて下さいね。気に入ってもらえたら良いのですが。合わなかったらごめんなざい。

クッキー褒めてもらえてうれしいです!成型は下手なんですよ〜。出来上がった中でも一番マシなのを選んで写真撮ってます(苦笑)

Posted by DONA at 2014年03月12日 13:53
タイムスリップものとしてはタイムスリッパーがもう一人出てくるというパターンがほとんどですね。
この作品も最後に出てきましたがそこからもうちょっと詳細が欲しかったなって思います。
柴田よしきさんは男っぽい性格なのかな?と思います。
Posted by クロスパール at 2015年06月21日 10:11
>クロスパールさん、コメントありがとうございます。

そうかもしれませんね。男目線で物事を見ているのかもしれません。でも、女性からも共感できる部分は多いですよ。

この作品はもう一歩踏み込んでほしかったですね。この作家さんにしてはちょっと満足できない作品でした。
Posted by DONA at 2015年06月23日 14:25
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