
コリン・ホルト・ソーヤー 著
中村有希 訳
「年寄り工場の秘密」海の上のカムデン騒動記7
(創元推理文庫)
高級老人ホーム<海の上のカムデン>に変化が起きた。長年すんでいたトッツイが、近所にできた老人ホームに引っ越したのだ。三週間後、その彼女がアンジェラとキャレドニアに依頼する。転居先に出る幽霊の正体を見極めてほしいというのだ。同じ屋根の下にいた縁で・・・というよりは退屈しのぎが目的で、名物コンビは“潜入捜査”を敢行するが・・・!? 老人探偵団シリーズ第七弾。―裏表紙より―
前作を読んだのはなんと4年前! やっと新作が読めました。前作で「作者の消息が不明」と言われていたのですが、作者が元気で執筆活動中だと判明したそうで、ホッとしました。
今回もアンジェラとキャレドニアの2人は元気です。近所に出来た老人ホーム“黄金の日々”に幽霊の調査に出かける事になりました。
数日間、お試し入居する形で出向いていった2人。でも、そこの食事が驚くほど質素で不味くて、キャレドニアはかなり不満です。夜は我慢できずに外出してハンバーガーを買って来てしまいました。
アンジェラも食事は気に入りませんが、キャレドニアほどは食に執着があるわけではないので、嫌がらずに調査を進めていきます。そこのホームにいた男性・コニーがとても素敵で、アンジェラの肩に腕をまわしたり、手の甲に接吻したりするので、ますます気に入ったようです。
この幽霊騒動がメインになるのかと思ったのですが、これは意外とあっさり解決し、今度はカムデンで殺人事件が発生してしまいます。
“黄金の日々”からコニ―や他数名の人たちも引っ越してきているため、よく知らない人物もいて捜査は難航します。もちろん、いつものように素敵な警部補・マーティネスやスワンソン刑事もやって来て、2人は嬉々として手伝います。
楽しい捜査に加え、アンジェラはコニ―とどうやってお近づきになるか?という楽しみもあるので、いつもより更に張りきっている感じです。
犯人の目星は早い段階でつきますし、動機もわかりますので、ミステリとしては簡単というか物足りないでしょう。でも、老人たちの活躍がかわいらしくて、健気で憎めなくて、他の部分で楽しめるのでこのシリーズは大好きです。
彼女たちのように、優雅な老後を過ごしたいものだと毎回思います。まあ無理でしょうけど・・。
このシリーズはどうやら残り1作だけのようです。寂しいですが、最後の1作を楽しみに待つことにします。
<海の上のカムデンシリーズ>
「老人たちの生活と推理」
「氷の女王が死んだ」
「フクロウは夜ふかしをする」
「ピーナッツバター殺人事件」
「殺しはノンカロリー」
「メリー殺しマス」
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