原田マハ 著
「星がひとつほしいとの祈り」
(実業之日本社文庫)
時代がどんなに困難でもあなたという星は輝き続ける。
売れっ子コピーライターの文香は、出張後に寄った道後温泉の宿でマッサージ師の老女と出会う。盲目のその人は上品な言葉遣いで、戦時中の令嬢だった自らの悲恋、献身的な女中との交流を語り始め・・(「星がひとつほしいとの祈り」)。表題作ほか、娘として妻として母として、20代から50代まで各世代女性の希望と祈りを見つめ続けた物語の数々。−裏表紙より−
表題作他「椿姫」「夜明けまで」「寄り道」「斉唱」「長良川」「沈下橋」の計7編収録。
「ふっと涙がこみあげる」と帯に書いてありましたが、まさしくそんな感じ。号泣するほどではないですけど、じんわりと涙が浮かんでくる話が多かったです。
恋愛関係の話なのですが、私でも楽しめたので、ドロドロしていたり甘すぎたりするような濃い話ではなく、爽やかで温かい気持ちになれる内容でした。
どれも良かったのですが、特に気に入ったのは「寄り道」「長良川」の2話です。
「寄り道」は、白神山地を巡るツアーに参加した女性たちの話なのですが、最後に私に涙を流させた女性だけではなく、それ以外の仲良し2人組が最高でした。あまりベタベタしすぎず、でも困難を乗り越えた友を大きく包み込み癒すという関係が素敵でした。こういう友人がいると幸せだろうな・・。
「長良川」は、長年連れ添った夫婦の夫が旅立ってしまい、結婚を控えた娘が傷心の母親を旅行に連れ出す話です。生前の夫が妻に掛けた言葉が素敵で、悲しい物語なのですが温かい気持ちになりました。こういう夫婦って良いな・・。
こうやって書きだしてみると、何だかうらやましがってばかりですね
印象の薄い話もありましたが、穏やかな読書時間が過ごせる作品でした。
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