2013年10月29日

大沼紀子「真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫」

真夜中のパン屋さん

 大沼紀子 著
 「真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫」
 (ポプラ文庫)


真夜中にオープンする不思議なパン屋さんに現れたのは、ワケアリ男女の二人組。居候女子高生の希実は、彼らが抱える不穏な秘密によって、不本意ながらも、またまた事件に巻き込まれていく。降り止まない雨の中、希実の過去に隠された謎が明らかに・・。人気シリーズ第4弾!!−裏表紙より−


あらすじにある“ワケアリ男女”のうち、女子の方は希実の従姉妹である沙耶でした。希実は母親以外親戚はいないのかと思っていたのですが、幼い頃、沙耶の家に預けられていたことがあったそうです。

いつもなら言いたいことを言って強気な希実ですが、沙耶の前ではどうも調子が出ないようで、かなり勝手なことを言ってくる沙耶に対して心の中でしか文句が言えずに、何でも言うことを聞いてしまっています。そんな希実の態度は、読んでいてイライラするくらい。

沙耶は、パン屋さんに居候させてもらう上に、希実の母親を探してくれと要求してきました。沙耶自身は命を狙われていて動けないから・・と、希実と一緒に逃げてきた彼氏だと名乗る男性の2人で探すように指示してきたのでした。

希実は探すつもりがないのに、逆らえない・・。沙耶の彼氏もパッとしない風貌で、何か秘密を抱えていそうな人なので、一緒に探すのも抵抗を感じつつ、結局は何となく母親探しをすることに。

話が進むにつれて、沙耶の大きな秘密、彼氏だという男性の秘密がどんどん明らかになっていって、あまりの展開に思わず「はぁ?」と言いたくなるくらいでした。


今回は暮林が夏休みだと言って、店にいない状況のまま書かれていて、癒しが少ないのも読みにくかったです。まあ彼の行動が今後の展開には重要な役割を果たしそうなのですが。

それと、今までもそうでしたが、文章の軽さからは想像が出来ない、重いテーマになっているので、あまり明るい気分で読める話ではありませんでした。


母親と子どもって、本当に難しいです。無償の愛で包んでくれる存在ではあっても、一度衝突すると傷が大きくなってしまうんですよね。近すぎて見えない・・。少し離れて客観的に見ることができればもっと楽な関係になれるのかもしれませんが。

そんなことを考えながら読み終わりました。


最後に希実は重大な決心をします。これでまた少し前に進めるのでは?と次作の展開を期待してしまいました。続きも楽しみです。



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タグ:大沼紀子
posted by DONA at 14:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書:その他
この記事へのコメント
こんばんわ。
このシリーズ、書店で見かけるたびずっと気になっているんです。
内容が重いとは意外です!
Posted by aiko at 2013年11月03日 00:13
>aikoさん、コメントありがとうございます。
表紙の絵からは想像できない重い内容なんですよ。ただ、文章がかなり軽いタッチなので、若干読みにくさがあるかも。慣れたら大丈夫ですけどね。
良かったら読んでみて下さい。
Posted by DONA at 2013年11月03日 17:32
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