2013年10月09日

西條奈加「無花果の実のなるころに」

無花果の実のなるころに

 西條奈加 著
 「無花果の実のなるころに」お蔦さんの神楽坂日記
 (創元推理文庫)


お蔦さんは僕のおばあちゃんだ。もと芸者でいまでも粋なお蔦さんは、面倒くさがりなのに何かと人に頼られる人気者だ。そんな祖母と僕は神楽坂で暮らしているけれど、幼なじみが蹴とばし魔として捕まったり、ご近所衆が振り込め詐欺に遭ったり、ふたり暮らしの日々はいつも騒がしい。神楽坂界隈で起こる事件をお蔦さんが痛快に解決する! あたたかな人情と情緒あふれる作品集。−裏表紙より−


この作家さんの時代物以外を初めて読みました。文章が読みやすいですし、キャラクターも良いので最後まで楽しく読めました。

罪かぶりの夜」「蝉の赤」「無花果の実のなるころに」「酸っぱい遺産」「果てしのない嘘」「シナガワ戦争」計6編が収録されています。

話の舞台は神楽坂。名前は聞いたことがありますが、どんな所なのかは知りません。この話を読んで、下町情緒溢れる素敵な町なんだろうということがわかりました。

表紙の雰囲気がよく合うイメージです。

自分が住んでみたいか?というと、微妙ですけど。すごく干渉されそうな気がして、慣れていない私には辛いかな?と。

それはともかく・・。


お蔦さんと暮らす“僕”こと望(のぞむ)は、父母と離れて暮らしている中学生。家事の苦手なお蔦さんに代わって、家事をこなしています。特に料理はかなり得意なので、出てくる料理たちが美味しそうでたまりません。

途中からは、スイーツにもはまり出したので、甘い物まで美味しそう!おなか空きまくりです。


望やその友人などが巻き込まれる様々な出来事や事件を、お蔦さんが鋭い観察力と推理力でサラッと解決させていきます。望はほとんど意見を言わないのですが、彼が何気なく言った言葉が大きなヒントになったり、お蔦さんに頼まれて調べ物をしたり、それなりに活躍を見せます。

特に最後の「シナガワ戦争」では、クールでかっこいい望が見られました。女子にモテそう・・。


あらすじから想像すると、結構軽い事件が多い感じがしますが、意外と重い話もあって、中学生の望が抱えるには辛すぎる物もありました。でもきっと彼はお蔦さんや周りにいる大人たちに助けられて、まっすぐ育つんだろうと思います。

これは次々と話が作れそうなので、ぜひ続編も読みたいです。


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posted by DONA at 14:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:西條奈加
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