2013年09月13日

今野敏「臨界 潜入捜査」

臨界

 今野敏 著
 「臨界 潜入捜査」
 (実業之日本社文庫)


元マル暴刑事の最大の敵は原発の裏を仕切るヤクザどもだ!
元マル暴刑事・佐伯涼が環境犯罪に立ち向かう、『潜入捜査』シリーズ第5弾。三重県の原子力発電所で事故が発生し、外国人不法就労者が死亡。だが所管省庁や電力会社も、労働力を不法供給する暴力団を使って隠蔽工作に走る。佐伯が迎えうつのは、いままでにない最大の敵、国家と原発だった。さらに彼の前に、中国拳法を自在に操る無敵のヤクザが立ちはだかる・・!
−裏表紙より−


このシリーズも5作目になりました。相変わらず捜査をしない「潜入捜査」ですが、つい読んでしまう作品です。

今回は原発で働く外国人(しかも不法就労者)が死亡したことを調べに行った佐伯。ただ、ほとんどの内容は内村所長が説明してくれたことで理解できたような気がします。

まあ一応、問題となる暴力団に潜入はします。・・・が、あまりにもあっさりと佐伯のことを信用して、ぽろぽろと内部情報をしゃべってしまうヤクザたちには呆れました。

腕っぷしが強いだけの男にそこまで説明する!?

そう思っていたら、意外とあっさりと寝返る佐伯。しばらくは黙って様子を見ておくのかと思えば、反対派の住人達に暴力をふるうのを見ていきなりヤクザに背を向けました。

早っ! 確かに知りたいことは全部知った感じはしましたけど、こんなに短時間で良いなら、別に潜入しなくてもいいのでは?と思ってしまいました。潜入したせいで「裏切られた!」とヤクザは怒るわけですから。

何だかいたずらに敵を作っただけのような気がしました。


と、さんざん書いていますが、今回は原発についていろいろ考えるきっかけにもしてもらえたので、読んで良かったです。

特に内村所長の言った「核燃料による発電など。本来必要ないのです。原発を作ろうというのは純粋に政治的問題です。つまり、利権の構造でしかありません。政府が作るといったものは、国民を殺してでも、国土を破壊してでも作るものです」という言葉にハッとさせられました。

そんなこと考えたことも無かったというか、考えたくなかったのですが、確かにそうですね。

私は佐伯と同じでした。これまで特に反原発論者というわけではなかった。
必要なものならしかたがないという程度に考えていたに過ぎない。専門家が安全だというのなら安全なのだろうと思っていた。


2年前の災害で全てが神話だということがわかったわけですが、もっと早く考えないといけなかったんですよね。1994年という早い時期にこの話を書き上げていた作家さんに感動しました。



<潜入捜査シリーズ>
「潜入捜査」
「排除」
「処断」
「罪責」


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posted by DONA at 15:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:今野敏
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