2013年06月10日

乃南アサ「禁猟区」

禁猟区

 乃南アサ 著
 「禁猟区」
 (新潮文庫)



ホストにいれあげている中年女・若山直子の資金源は、ホストクラブで借金がかさみ、身動きのとれなくなった少女たちだった。経営者を脅して得た顧客情報から、未成年者の親に当たり、「解決してやる」とカネを要求する。直子の職業は、警察官だった―。犯罪に手を染めた警察官を捜査する組織、警視庁警務部人事一課調査二係。女性監察官沼尻いくみの活躍を描く傑作警察小説四編。
―裏表紙より―


新シリーズです。あらすじを読むと沼尻いくみという監察官が主人公で、彼女の視点で話が進められていくのだろうと思ってしまったのですが、最後の1話以外は取り締まられる側の警察官の視点で進みます。

なので、監察官の話と言いながら、どうやって捜査してどうやって証拠をつかんでいったのか?という所が細かく描かれておらず、唐突な感じがしました。

正義の味方であり、清廉潔白であるべき警察官が、どうして犯罪を犯してしまうのか・・なるほど、こうやって人は落ちていくのね、というのはよくわかるようになっています。


警察官とはいえ、一人の人間。・・・確かにそうなんですけど、それでは済まされない職業だということを、もっと自覚してもらいたいものです。

そんな言葉を言い訳に出来る職業では無いはずですから。

現実にはこんな警察官たちがいないことを強く願ってしまいました。


毎回、沼尻たち監察が登場するのは終わりの方。でも時々書かれる、沼尻の「監察官」の仕事に対する悲しみとか虚しさのような感情が、何とも切ない感じを作り出します。

最終話では、沼尻自身の私生活も少し明らかにされます。そのお陰で彼女の人柄なんかがちょっと見えた気がしました。この辺は、今後もっと深く描かれていくのでしょう。

監察官の中にも深く描いたら面白そうな人がいますし、そこも楽しみにしながら続きを待つことにします。


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posted by DONA at 12:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:乃南アサ
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