
高野和明 著
「6時間後に君は死ぬ」
(講談社文庫)
6時間後の死を予言された美緒。他人の未来が見えるという青年・圭史の言葉は真実なのか。美緒は半信半疑のまま、殺人者を探し出そうとするが―刻一刻と迫る運命の瞬間。血も凍るサスペンスから心温まるファンタジーまで、稀代のストーリーテラーが卓抜したアイディアで描き出す、珠玉の連作ミステリー。
表題作の他「時の魔法使い」「恋をしてはいけない日」「ドールハウスのダンサー」「3時間後に僕は死ぬ」の4編が収録されていて、最後にエピローグとして「未来の日記帳」という話が書かれています。
この作家さんにしては、明るめ(?)の話かもしれません。題名がちょっと怖い雰囲気ですし、ミステリー色が濃いイメージですけど、どちらかというとファンタジーチックな話でした。
山葉圭史という男性が全ての話に出てきます。彼は「他人の未来が見える」という特殊能力をもっています。
未来というのは幸せなことばかりでは無いわけで、表題作で彼が見てしまったのは、美緒が6時間後に殺害される場面。そこで、見ず知らずの美緒にそのことを伝えます。
そんなことを突然言われた美緒は、当然すぐには信じることができません。細々した出来事まで当てられたことで少しずつ彼のことを信じることになり、2人で犯人を探し始めます。
この話と「3時間後に僕は死ぬ」はミステリーらしくて、容疑者を1人ずつ消していきながら、誰が犯人なのかを推理していくのがとても面白かったです。しかも、タイムリミットが決まっていて、少しずつ時間が無くなっていくので、スリルも味わえます。きっとハッピーエンドだろうと予測はできても、ハラハラドキドキしてたまりませんでした。
他の3編はファンタジーっぽかったです。とても優しい話ばかりで、特に「時の魔法使い」が私は気に入りました。こういうことが私にも起きたらどうするかな?と考えながら読み、最後まで楽しめました。
エピローグでは、素敵な文章が。
『明日は、きっといい日だよ。』
最後に元気がもらえる、良い本に出会えました。
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「6時間後に君は死ぬ」というタイトルですが死ななかったことは覚えてます(笑)
タイトルのインパクトが強くて借りたのですが、
もう1回読んでも楽しめそうですね(^^)
そうです、死なないんです(笑)
タイトルのインパクトはすごいですよね〜。その割にはファンタジーっぽい内容で、ギャップも面白かったです。