
ジェシカ・ベック 著
山本やよい 訳
「雪のドーナツと時計台の謎」ドーナツ事件簿3
(コージーブックス)
初雪が積もり、小さな町はあらゆるものに甘いアイシングがかかったように真っ白。スザンヌのドーナツショップにも、赤と緑で彩られたクリスマス向けドーナツが並びはじめた。ホットチョコレートが美味しいこの季節、毎年町の住民たちはウィンター・カーニバルを満喫するけれど、今年はイベントの最中に殺人事件が発生! 町の誰からも好かれていた優しい老女が殺されたと聞き、スザンヌは慌てて現場の時計台にかけつけた。ところが、そこに倒れていたのは白髪のウィッグをつけた別人。その正体は・・・・なんと、スザンヌの別れた夫の浮気相手だった! 彼の無罪を信じたいスザンヌは、またまた事件の捜査に乗り出すことになり・・・!?―裏表紙より―
このシリーズも3作目。今までよりも波に乗って来た気がしました。ただ単に私が登場人物たちのキャラクターに慣れたというだけかもしれませんが。
今回はウィンター・カーニバルが舞台・・かと思っていたら、殺人事件が発生したせいでこのイベント自体も中止になり、前作と同じように、結局どんなイベントなのかわからないまま終わってしまいました。
海外のコージーミステリってこういう日本にはないイベントの様子も楽しみの一つなのに、今回もスルーされて残念でした。
被害者の女性が元夫・マックスの浮気相手だということで、当然スザンヌも疑われます。でもしっかりしたアリバイがあったお陰で、すぐに疑いははれるのですが。
代わりにマックスが疑われ始めます。彼の疑いをはらすべく、親友・グレースと共に調査を始めます。
このグレース、読む度に魅力がアップしている気がします。何よりも彼女がやっている仕事!雪が積もるからという理由で会社が休みになり、数日間出勤停止になるんです!何て自由な仕事。しかも給料が多いそうで、うらやましい限りです。
友人想いな所や、実は寂しがりだったり、怖がりな所もあり、色んな面が見えて来ました。
今回もコージーらしく、次々と容疑者が浮かんでいて、絞り込めないうちに犯人が墓穴を掘るパターンで解決。まあ、スザンヌはその少し前に気づいたようですが、読者には何も教えてくれないうちに終わってしまいました。
でもまあ、相変わらず美味しそうなドーナツがたくさん出て来て、スザンヌとエマが作っている様子を読むだけでも楽しくなるシリーズ。次回も楽しみです。
そういえば、題名になっている「時計台の謎」って何だろう?「雪のドーナツ」の意味もわかりませんでしたが・・。
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