2013年04月16日

碧野圭「書店ガール2 最強のふたり」

書店ガール2

 碧野圭 著
 「書店ガール2 最強のふたり」
 (PHP文芸文庫)


吉祥寺に出店する大手書店チェーンに転職を果たした理子と亜紀。しかし、大型書店の店長という、いままでと違う職責に理子は戸惑っていた。一方、文芸書担当として活躍する亜紀にも問題が。妊娠をきっかけに起こった夫との確執、書籍の回収騒動―。そんな忙しい日々の中、本と本屋の力を信じる二人が考え出した新たな挑戦とは? 書店を舞台とした痛快お仕事エンタテインメント第二弾。文庫書き下ろし。−裏表紙より−


前作は、理子と亜紀の女性同士の諍いがたくさん書かれていて、読みにくい部分もあったのですが、今回は転職した店の雰囲気が良くて、そんな苦労もなく楽しく仕事しています。

もちろん、新しい書店でいきなり店長なのでそれなりに責任は重くなっています。しかも大型書店。今までとは違う売り方や入ってくる本の種類も増え、店員も増えます。

それでも、亜紀だけではなく、副店長の田代にも助けられ、充実した毎日を送っている理子。

亜紀も希望していた文芸書の担当になり、生き生きと仕事をしていたとき、妊娠したことがわかります。戸惑う亜紀に、夫が更に追いつめるようなことを言い出します。

この夫、今時珍しいくらいの古い考えをしていて、「仕事=子どもを蔑ろにする」と思っているんですよね・・。まあそれだけ自分が稼いでいるから養ってやる!と言えるのは大したものかもしれませんが、仕事って稼ぐためだけにやるわけではないですからね。

これだけの生きがいを感じて仕事をしている亜紀に対して簡単に「辞めろ」というのはどうか?と怒りが沸きました。

亜紀も同じように怒りを感じるのですが、子育て中の友人や同僚などに経験談を聞いて、心が揺れます。保育園に預けたからといって子どもの成長に悪い影響があるとは思えないですけど・・。


あるとき、別の小さな書店に転職した元同僚が理子の店に訪ねてきたことをきっかけに、ある企画を思いつきます。自分の書店だけではなく、吉祥寺に店を構える大小さまざまな書店を巻き込んで「50年後にも残したい本」というテーマで、それぞれの書店の代表が選んだ本を共同で展示販売することにしたのです。

普段はライバルとして競い合う書店同士が協力するわけですから、簡単に実現するわけもなく、たくさんの問題が持ち上がります。どうやってその問題をクリアしていくのか?はぜひ読んでください。


「50年後にも残したい本」、自分なら何を選ぶかな?と考えながら読むのも楽しかったです。また、各書店が選んだ本たちも興味深かったです。ただ、ほとんど読んだこと無かったんですけどね・・。自分の普段読んでいるジャンルの狭さに改めて気づかされました。これから、色々読んで行かないとな〜。


↓ ランキングに参加中 ポチッ×2と押して下さるとうれしいです。

   人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ


関係ないですけど、書店の裏側をいろいろ知ることができるこの作品を読んでいるうちに、この本を買った本屋さんの雰囲気がどうも気に入らなかったことを思い出してしまいました。

平積みの本は散らばっていますし、一番上の段の本は埃がかぶっていて、棚にも隙間があって、ほとんどの本が斜めに並んでいる・・。う〜ん。特に忙しそうでもなかったのに、もっと本を大事に扱ってもらいたいものです。

posted by DONA at 14:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書:碧野圭
この記事へのコメント
この本の中に出てくる50年後に残したい本で
石川達三が出てきましたね。
私の子どもの頃の愛読書だったので
ちょっと嬉しくなりました。
私だったら何を選ぶかな〜?
と、私もDONAさんと同じで考えてしまいました。
Posted by チャウ子 at 2013年04月17日 09:51
>チャウ子さん、コメントありがとうございます。
石川達三さん、実は存じ上げず・・。自分の愛読書が出てくるとうれしいですね〜。
50年後という設定がホント良い設定で、選ぶのが難しいですよね。私が読んでいる本なんて、ミステリーがほとんどですから、50年後に読んだら色あせていそうです。本棚を眺めながらしばらく悩むのも楽しそう!!
Posted by DONA at 2013年04月17日 11:45
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/64968101
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック