
萩原規子 著
「RDGレッドデータガール はじめてのお使い」
(角川文庫)
世界遺産に認定された熊野古道、玉倉山にある玉倉神社、そこに住む泉水子は中学三年まで、麓の中学と家の往復だけの生活を送ってきた。しかし、高校進学は、幼なじみの深行とともに東京の鳳城学園へ入学するよう周囲に決められてしまう。互いに反発する二人だったが、修学旅行先の東京で、姫神と呼ばれる謎の存在が現れ、さらに恐ろしい事件が襲いかかる。一族には大きな秘密が−。現代ファンタジーの最高傑作、ついに文庫化!−裏表紙より−
あらすじを読めばすべてわかってしまうような、とても簡単な内容で、児童文学のようでもありました。
あっという間に読めてしまいますが、結構面白く読むことができました。まあ、まだ話はこれから・・という感じですが。
神社で暮らしている泉水子(いずみこ)ですが、神社を継ぐことが決まっているわけではなく、祖父からも「好きに生きたら良い」と言われています。実際に、母親も継がずに東京で公安警察で働いています。
山の上にある神社で世間から隔離されたような状態で生活している泉水子は、長いまっすぐな黒髪を三つ編みにし、今時の中学生としては地味な存在で、友だちも少なく、世間からズレた雰囲気です。
いつも劣等感を感じていて、常に下を向いてイジイジしているような泉水子の様子は、読んでいてもどかしいくらいでした。ちょっと自分にも重ねてしまう部分があって余計に喝を入れたくなる感じでした。
そんな彼女が学校から進路について聞かれたとき、初めて自分の意志で行きたい高校を決め、他の子と同じような生活がしたいと考えるようになりました。
ある朝、彼女が一大決心して前髪を切ったとき、話は大きく動きます。
何も聞かされず育った彼女には実は大きな秘密があるようなのです。一冊目だけではその内容について詳しいことは書かれていませんが、山伏とか姫神とか、どうも不思議な存在が絡んでくるようです。
泉水子を守るために幼馴染の深行という男の子まで同居するようになり、これから彼女たちの人生は大きく変化しそうです。
ずっと下を向いていた泉水子が、深行の存在によって少しずつ前を向いて、顔を上げるようになったことは読んでいて嬉しかったですし、今後も彼女の成長が楽しみになりました。
まだまだ話は始まったばかり。続きも早く読もうと思います。
↓ ランキングに参加中 お帰りの際にポチッ×2と押して行って下さると嬉しいです。

