2013年02月26日

西條奈加「はむ・はたる」

はむ・はたる

 西條奈加 著
 「はむ・はたる」
 (光文社文庫)


掏摸やかっぱらいで食いつなぐ暮らしを改めて、まっとうな商売を始めた、勝平をはじめとする十五人の孤児たち。彼らは周囲の小さな事件を解決しながら、自分たちの居場所を拓こうとする。厳しくも温かい長谷部家の人々や、口の悪い金貸しお吟らの助けも借りながら、子供たちは事件解決に奮闘する。笑いと涙が交錯する傑作に、特別書下ろし短編「登美の花婿」も収録。−裏表紙より−


「烏金」の第2弾です。今回は烏金に少し登場した勝平とその仲間たちが主役となり、話が進んで行きます。

勝平と仲間たちは、10代から3歳くらいの子どもで、それぞれ家族に捨てられ、売られた過去を持ち、売られた先から逃げた所を勝平に拾われて、共に暮らして生きています。

「烏金」のときには掏摸やかっぱらいをして食いつないでいた彼らですが、浅吉に助けられ、生きる術を教えてもらい、今では真っ当に暮らしています。

その暮らしに知恵や力を貸しているのは長谷部家の人たち。特にご隠居と呼ばれるおばあさんからはしつけや勉強まで見てもらっていますし、身元引受人として厳しく接してもらっています。

今回はその次男・柾さまも登場し、彼が勝平たちと行動することで、大きな助けとなっています。


題名の「はむ・はたる」とは、フランス語の「ファム・ファタール」という言葉のことで、存在するだけで男性を惑わせてしまう魔性の女のことだそうです。なぜこの題名が付いたのか?は、柾さまに大きく関係があるのですが、詳しい内容については書かないでおきます。

連作短編となっていて、1話ずつ語り手が変わりながら話が進みます。仲間の中でも少し年上の子どもたちの視点で進みます。メンバーは、身体の大きな玄太、お調子者の三治、計算ができるためお吟を手伝うテン(天平)、小さい子どもの面倒を見る登美、小さいけれどしっかり者で仲間のハチに想いを寄せる伊根、そして最後は仲間のリーダーである勝平。

最後の1話までは仲間たちが感じる勝平の姿が描かれているので、勝平がどれだけしっかりしているか、仲間のことをどれだけ考えているのか、仲間がどれだけ彼を信頼しているのか、がよくわかるようになっています。

まだ10代の子どもなのに、驚きのしっかり具合で、その言動には感動してしまいます。ただ、本当なら子どもらしく野山を駆け回っていて良いはずの年齢で、それだけしっかりしなければならなかった勝平がかわいそうにもなりました。

でも今の彼には、たくさんの素敵な大人や仲間がいて、きっとこれで幸せなんだろうとも思います。


まだまだ気になる勝平たちの人生。続きをぜひ読みたいと思います。続編出るかな??


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posted by DONA at 14:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:西條奈加
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