2013年02月07日

万城目学「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」

かのこちゃんとマドレーヌ夫人

 万城目学 著
 「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」
 (角川文庫)


かのこちゃんは小学1年生の女の子。玄三郎はかのこちゃんの家の年老いた柴犬。マドレーヌ夫人は外国語を話せるアカトラの猫。ゲリラ豪雨が襲ったある日、玄三郎の犬小屋にマドレーヌ夫人が逃げこんできて・・。元気なかのこちゃんの活躍、気高いマドレーヌ夫人の冒険、この世の不思議、うれしい出会い、いつか訪れる別れ。誰もが通りすぎた日々が、キラキラした輝きとともに甦り、やがて静かな余韻が心の奥底に染みわたる。


初めましての作家さんで、以前から気になっていたのですが、なぜか読まずにいました。

不思議な雰囲気の漂う世界観で、なかなか面白かったです。ただ、この作品は他とは少し違うようなので、これが気に入ったからといって他も気に入るかはわからないのかもしれません。


かのこちゃんという小学1年生の女の子の成長物語・・なのですが、それだけではなく、かのこちゃんの家に迷い込んで来た猫のマドレーヌの物語も描かれています。

マドレーヌが「夫人」という称号付きで呼ばれるのは、かのこちゃんの飼い犬・玄三郎と夫婦だからです。犬と猫が夫婦?とその時点でも不思議な感じですよね。マドレーヌはなぜか玄三郎の言葉だけは理解でき、玄三郎もマドレーヌの言葉だけは理解できるのです。すっかり気が合った2人(あえて「人」と書きたい)はひそかに夫婦として、いつもそばで過ごすようになりました。

その事実は、飼い主であるかのこちゃんの両親は知りません。犬や猫は話せませんから。でも、かのこちゃんは何となく2人が夫婦であることを知っていて、何かと手助けをしています。

特に玄三郎が病気になったときには、マドレーヌと離さないように、そばにいさせるように両親に訴え、2人を一緒に過ごさせました。お陰で静かな最期を迎えることができたのでした。


かのこちゃんは、指吸いを止めたとたんに、知識欲が溢れ出たという、不思議な女の子。父親に難しい言葉をたくさん教えてもらい、その意味も聞いてお気に入りの言葉をたくさん持っていました。

小学生になって初めて親友と呼べる友だちができ、更に成長を見せたかのこちゃん。その親友との別れがあっても、力強く乗り越えていきます。彼女たちはきっとこれからも親友でいられるでしょう。


かのこちゃんも知的で不思議でかわいらしいのですが、私が特に気に入ったのは、かのこちゃんのお父さんです。かのこちゃんが繰り出す様々な質問にも丁寧に答えますし、「鹿と話せる」など面白い発言もして、魅力的なんです。

最後の文章も素敵でした。
あと、もう少し、マドレーヌを待とうと決めた。
かのこちゃんの純粋な想いと、マドレーヌ夫人の姿が目に浮かぶようで、きれいな余韻が残りました。


他の作品も読んでみようかな?・・でも、少し間を空けようかな?と迷い中です。



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タグ:万城目学
posted by DONA at 14:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:その他
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