
大倉崇裕 著
「小鳥を愛した容疑者」
(講談社文庫)
銃撃を受けて負傷した警視庁捜査一課の鬼警部補・須藤友三は、リハビリも兼ねて、容疑者のペットを保護する警視庁総務部総務課“動植物管理係”に配属された。そこでコンビを組むことになったのが、新米巡査の薄圭子。人間よりも動物を愛する薄巡査は、現場に残されたペットから、次々と名推理を披露する!
短編で4話収録されていて、それぞれ「〜を愛した容疑者」という題名がつけられています。容疑者として警察に拘留されている人が飼っているペットがつけられていて、「小鳥」「ヘビ」「カメ」「フクロウ」の4つになっています。
動植物管理係の須藤警部補と、部下の薄巡査に与えられた仕事は、容疑者となった人のペットを世話すること。実際に罪を犯していて、自分でも捕まることを想定している人なら、ペットの世話を誰かに頼むこともできますが、容疑者として連れて行かれる場合は、実は無実という場合もあり、突然のことなので、ペットを放ったまま出かけてしまうことになります。
場合によっては数日帰れないこともあり、その間誰がペットを見るのか?という問題が発生したわけです。動物愛護団体からの要請もあり、警察では専門部署を作ることにしました。
実際にあるのか?はわかりませんが、確かに突然何日も帰れないとなると、ペットがかわいそうですよね。そういう部署があれば安心かも・・。
ペットの世話をすれば終わりのはずなのに、薄巡査はペットの様子や部屋の様子から、事件まで解決してしまいます。彼女は「人間よりも動物が好き」とはっきり言い切る潔い人物。ベテランの須藤警部補も振り回されてしまいます。
でも何だか心地良さそうにしているのが面白いのですが。
全てを動物目線で考えるのが、意外と事件解決の近道になる・・というのは新鮮でした。4話とも同じような流れで話は進むのですが、飽きることなく読みきることが出来ましたし、最後まで楽しく読めました。
ペットについても詳しく書かれているので、これを読んだら実際に飼えそうなくらい。絶対に動物は飼わないですけどね・・。
シリーズ化するのかわかりませんが、ぜひ続きも読みたいものです。
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