
愛川晶 著
「うまや怪談 神田紅梅亭寄席物帳」
(創元推理文庫)
福の助は二つ目ながら、若手真打ちが主に出演する落語会にお呼びがかかり、予告した演目を変えられないこの会で『厩火事』をかけることに。一方、亮子が勤める学校で妙ちきりんな事件が発生。さらに落語会当日に亮子の父から違う噺を演ってくれと頼まれて・・。果たして福の助はこの事態を切り抜け、事件を解決できるのか?落語を演じて謎を解く! 本格落語ミステリ集、第三弾。
「ねずみととらとねこ」「うまや怪談」「宮戸川四丁目」の3編が収録されています。
さすがに3作目ともなると、なかなか高度になります・・。私の落語の知識では、わからない部分も多いです。でも、きちんと説明がしてありますし、謎解きの部分ではスッキリできるようになっています。
出てくる落語は、ぼんやりとあらすじは知っている物もありました。最後の落語は知りませんでしたが、どれも聞いてみたいと思う話でした。なかなか落語を聞きに行く機会はありませんが・・。
今回の福の助は、出来によっては真打になれるかもしれないという競演会に出ることになりました。ただ、嫉妬した兄弟子から嫌がらせを受けてしまいます。彼がその嫌がらせというか策略から逃れた様子は、とても頼もしく、いつ真打になってもおかしくないなと思えるものでした。
福の助の妻・亮子の家族や、同僚たちにも色々な事件が起こり、その謎解きを福の助がすることもありました。今までなら馬春師匠に謎解きしてもらっていたのに出てこなくて残念に思っていると、同じように残念に思っていたらしい馬春師匠から「出入り禁止」を言い渡されてしまいます。
何とも子どもっぽい行動をする師匠ですが、どうも憎めないんですよね。
まあ、今回はちょっと嫌いになる出来事が起きましたけど・・。
あとがきによると、次作が第一期の最終巻だとか。福の助の成長がますます楽しみですし、師匠もどうやら復帰するらしいので、その活躍が楽しみです。
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