
藤谷治 著
「船に乗れ! T合奏と協奏」
(ポプラ文庫ピュアフル)
若きチェリスト・津島サトルは、芸高受験に失敗し、不本意ながら新生学園大学付属高校音楽科に進む。そこで、フルート専攻の伊藤慧やヴァイオリン専攻の南枝里子と出会った津島は、夏休みのオーケストラ合宿、初舞台、ピアノの北島先生と南とのトリオ結成、文化祭、オーケストラ発表会と、慌しい一年を過ごし・・・。
本屋大賞にノミネートされるなど、単行本刊行時に賞賛を浴びた青春音楽小説三部作、待望の文庫化。−裏表紙より−
「音楽小説が好きなら・・」と勧めてもらった本です。
で、読んでみたわけですが、ふと「音楽は好きだけど、音楽小説は好きだったっけ?」と思ってしまったくらい、始めが読みにくかったんですよね・・。
面白いとか面白くないとかの問題ではなく、話がどんな方向へ向かっていくのかがわからず、戸惑ってしまった感じでした。主人公の“僕”こと津島サトルのイメージがつかめなかったのも入り込めなかった原因かもしれません。
サトルの視点で話が進む上に、始めは他の人物がほとんど出てこないので、サトルを客観的に見る方法が無かったんです。
新生学園大学付属高校に入学してからは、どんどん面白くなってきましたし、サトルがどんな人生を歩んでいくのか、どんな選択をして、どんな音楽に触れていくのかが気になって、読むスピードも上がりました。
サトルが哲学をかじったりするので、その説明なんかがされていると、難しくて困りましたが、それも彼を知る上で必要な部分かな?と思うと読めるようになりました。
音楽の名前も知らないことが多いのですが、ちょっとピアノを弾く身としては、楽器を演奏する楽しさや、弾けるようになったときの喜びなんかは共感できました。サトルのレベルにはほど遠い私が共感するのもおかしいですけど・・。
とりあえず、チェロが弾きたくなりましたし(弾けるわけないんですけど

この作品はVまで続きます。サトルや仲間たちの今後の人生がどうなっていくのか?続きが楽しみです。
音楽を少しでもかじったことがある人や、音楽が好きな人には楽しめる作品だと思います。
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