2012年08月24日

楡周平「Cの福音」

Cの福音

 楡周平 著
 「Cの福音」
 (角川文庫)


父の転勤に伴い渡米し、フィラデルフィアのミリタリースクールで聡明な頭脳と強靭な肉体を造り上げた朝倉恭介。その彼を悲劇が見舞う。航空機事故で両親が他界したのだ。さらに正当防衛で暴漢二人を殺害。以来、恭介は、全身全霊を賭して「悪」の世界で生きていくことを決意する。彼が創出したのは、コンピューター・ネットワークを駆使したコカイン密輸の完璧なシステムだった。「朝倉恭介VS川瀬雅彦」シリーズ第1弾!−裏表紙より−


シリーズ物だったんだ・・と驚きつつ読み始めました。ページをめくったらいきなりアメリカの話でまた驚かされました。日本人が書く外国の話って苦手なんだよな・・と思っていたのですが、しばらくしたら何とか日本に戻ってくれたのでホッとしました。

あらすじにあるようにこれは「朝倉恭介VS川瀬雅彦」シリーズの1作目なのですが、いつまでたっても川瀬という人が出てこなくて変に焦ってしまいました。結局、出ないまま終わってしまい、解説を読んでやっと納得しました。どうやら1作ずつ交互に主役が変わるらしく、2作目は川瀬雅彦が主役になっていて、最終巻で直接対決するとか。対決ということは、片方が警察関係とか探偵とかかと思っていたのに、川瀬は報道カメラマン・・??う〜ん、どんな対決をするのか想像がつきません。


内容は思いっきりハードボイルドです。主人公の朝倉恭介はすごい悪人で、良い人の部分が皆無です。題名の「C」はコカインのことで、コカインをアメリカからどのようにして密輸して、どのようなルートで売りさばくか?という説明にページ数が割かれています。

コカインに興味が無い私には退屈に思える部分が多かったです。

ハードボイルドというのは、主人公やその周辺にいる登場人物に好感をもつことで面白さを感じるんだと思うのですが、この朝倉恭介には魅力を感じませんでしたし、周りにいる人に対しても全く何にも魅力を感じませんでした。

コカインにはまって壊れていく人たち、コカインの中毒性を知りながら売って儲ける人たち、秘密を知るために拷問して殺害する人たち・・と、エグイ描写も多くて私には合いませんでしたバッド(下向き矢印)

最後まで何も救われることなく終わりましたしね・・。勧善懲悪が好きな私には辛かったです。必ずしも「悪は滅びる!」で終わらなくても、せめて納得のいく終わり方をしてくれたら良かったんですけど、これは思いっきり「悪は勝つ!」だったので納得もできませんでした。

もしかしたら、シリーズを読み続ければスッキリと終わるのかもしれませんが、解説を見る限りはそれも無さそうですし。私はたぶん、もう続きは読まないと思います。


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タグ:楡周平
この記事へのコメント
DONAさんの感想頷きながら読みました。
楡さんてテーマはいいと思うんですけど、
読むとどうもイマイチなんですよね。
この作品は読んでませんが、DONAさんの感想を読んでやっぱりという気がしました。
Posted by チャウ子 at 2012年08月24日 22:45
>チャウ子さん、コメントありがとうございます。

「悪のヒーロー」と言われてもイマイチ納得できませんでした。私の中では「悪のヒーロー」というのは悪いことをするけど、実は人情を大事にして、悪人には冷たいけど善人には優しい的なイメージだったので、今回はそれが覆されました・・。
闇の部分が大好き!という人には合うのかもしれませんが。私は無理でした。
Posted by DONA at 2012年08月25日 16:40
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