2012年07月31日

有川浩「阪急電車」

阪急電車

 有川浩 著
 「阪急電車」
 (幻冬舎文庫)


隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった・・・。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車−人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。−裏表紙より−


買ったときにも書きましたが、テレビで映画版を見て、面白そうだったので読んでみました。映像を先に見ると、演じていた俳優さんが浮かぶのであまり好きではないんですけど・・。今回も思いっきりそれぞれの俳優さんが浮かびながら読みすすめることになりました。

きっと映像を見ていなかったら好きになっただろうな・・と思う登場人物もいましたバッド(下向き矢印) それが残念です。


阪急今津線という実在する線での出来事が描かれています。片道15分という短い路線。西宮北口−宝塚を結ぶこの路線には8つの駅があります。

私は神戸に住んでいますし、この路線には何度も乗っているので雰囲気もつかみやすかったです。全く知らない人はどう感じるんだろう??・・そんなこと思いながら読み進めました。


今津線の乗客にスポットを当て、それぞれの想いが話しになっています。短篇ですが、全て繋がっている連作短篇なので、前の話では主役となっていた人たちを他人から見た様子として読むことができて、なかなか面白かったです。

出てくる乗客たちは、みんな良い人ばかり。これはこの作家さんの特徴でもあるわけですが。青春していたり、人生の壁を乗り越えようとしていたり、恋が始まったり、今津線の中で色々な物語が生まれます。普通なら知らないフリをしがちな出来事でもきちんと声を掛けてフォローし、それで救われる人がいる・・本当にこんな事が起きるなら今津線の沿線に引っ越すのに!って思うくらいでした。

私が特に気に入ったのは、元婚約者を同僚にとられた女性。こんな風に自分に自信をもって突き進めたらどんなに良いだろうとうらやましく思いました。青春しているカップルも良かったのですが、青春は遠い昔ですからね〜。


この本は、通勤時間に読むのがよく合います。1時間ほどで読めてしまいますし、時々、本から目を上げて周りの人が見たくなります。まあ、こんな素敵な出会いなんてないんですけど、それでも普段見ない周りを見たくなりました。

この作家さんらしい甘々な部分もありますが、今まで読んだ中では何とか許容範囲といえる作品でした。


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posted by DONA at 22:06| Comment(6) | TrackBack(0) | 読書:有川浩
この記事へのコメント
はじめまして。

『阪急電車』読んでみたいんです。ですが、図書館で借りるには予約がいっぱい。
1度しか読まないのに買うのもな・・・。
予約数が少なくなったら読もうと思います。

映画も面白そうですね。
映画と小説とでは少し違うところがあることがありますよね。
映画を先に見るか、小説を先に読むか迷うところです。
Posted by ジュリ at 2012年08月01日 17:04
>ジュリさん、はじめまして!コメントありがとうございます。

この本は人気なんですね〜。いつか順番が回ってくると良いですね。

映画は結構うまく出来ていると思いましたよ。でも、原作とは違う部分があるので、どちらが気に入るか?は人それぞれかもしれません。

先に映画を見てしまうと、その俳優さんのイメージで読むことになるので、どうでしょう・・??私は逆の方が良かったと思いましたけど。自分の好きな俳優さんじゃなかったので余計にそう思ったのかもしれませんが。
Posted by DONA at 2012年08月01日 20:31
「阪急電車」は有川さんの作品で一番好きなんです。
先日映画をテレビで観ましたが断然、本の方がよかった^^;
中谷美紀さん好きなんですけどね。
まあ、私はドラマとが映画が苦手なんで
余計そう思うのかも知れませんが‥。
Posted by チャウ子 at 2012年08月01日 21:11
>チャウ子さん、コメントありがとうございます。

私も今の所一番好きな作品かも・・。

映画は同じ頃に見たようですね。私は映画も良かったと思いました。先に本を読んでいたらまた感じ方は違ったのかもしれませんが。

中谷美紀さんお好きでしたか。私はちょっと苦手なんです、すみません。

自分の気に入った本を映像化されると、大抵満足できないですよね。自分のイメージが壊れる気がして、私もあまり好きではありません。

「トッカン」は意外と気に入ってみていますけど。
Posted by DONA at 2012年08月02日 20:39
こんな昔の記事に今更コメントすみません。

今、読んでいるんです。3分の2くらい読みました。
映画があったんですね。知りませんでした。
私は基本的に実写化が好きではないんです。原作を超えるものはないと思っているので。(原作がよければ尚の事)

この本の感想は、なんというかあまり感情移入ができない感じです。(今のところ)
私は1人の主人公にとことん付き合うのが好きなのかもしれないなぁ・・・と思いました。

あと、こんなに他人に介入するものなの?と思っちゃいました。
おばあさんが「あんな男、やめちゃいなさいよ」と言うところとか、胃の痛くなった主婦が若い子にグチみたいなこと言うところとか。
本の中だから・・・と言ってしまえばそれまでですけど。
翔子さんは私も好きですね。翔子さんだけの1冊の本が読みたかったかも。

>この路線には何度も乗っているので雰囲気もつかみやすかったです。全く知らない人はどう感じるんだろう??

う〜ん、特に路線の印象は何も沸きませんでした。
この作家さんは(まだ2冊しか読んでませんが)、あまりそういう描写には重きを置いていない感じを受けました。

前の記事なのに、長々すみません!

イチゴクッキー、なんかありそうでなさそうな感じで「おぉ!」と思いました。
そちらは台風は大丈夫ですか?
Posted by ココア at 2013年09月15日 20:52
>ココアさん、コメントありがとうございます。
どの記事にコメント下さっても大丈夫ですよ〜。たまに、内容を忘れてしまっている本もあるのですが(苦笑)

私も映像化、苦手です。でも意外と役者がはまることもあったり、想像しにくい部分を画像で見ることが出来たりすることもあり、そういうのは良いかな?と。ちなみに、今流行りの「半沢直樹」は原作と違ったので見ていません。

この「阪急電車」は割とよく出来ていたと思いますよ。愛菜ちゃんと宮本信子さんが特に良かったです。

他人に介入するか?ですが、確かにそこは違和感ありますね。でも、関西は結構そういう人もいるので(大阪ほどではありませんが)、まあ許容範囲かな?と思いました。電車で隣りに座った人にいきなり「暑いですね」と言われること、普通にあります(笑)

台風はこちらは大丈夫です。風の音で眠れませんでしたが、被害の大きい所もあったようなので、これくらいで文句言えません。
Posted by DONA at 2013年09月16日 20:25
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