
米澤穂信 著
「春期限定いちごタルト事件」
(創元推理文庫)
小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも共存関係にもないが互恵関係にある高校一年生。きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに、二人の前には頻繁に謎が現れる。名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎を解く必要に迫られてしまう小鳩君は、果たしてあの小市民の星を摑み取ることができるのか? 新鋭が放つライトな探偵物語、文庫書下ろし。−裏表紙より−
ライトなミステリーということで、人が死なず、特別ひどい悪人も出てこなくて、どこまでもさわやかな雰囲気の流れる話です。
小鳩君と小佐内さんの二人が、高校の合格発表を見に行く所から話は始まります。そのときも目立たず騒がず、合格してもあまり大きく喜ばず・・と周りに気を使っている様子の二人。
その様子を見ていると、優しくておとなしい、素敵な子だな・・と思ってしまったのですが。
読み進めるうちに、どうやら違うぞ!?と気づき始めました。終わるころには、小佐内さんのことはあまり好きではない気がする・・とまで思うようになりました

小鳩君は、謎解きが得意で、学校で起きる様々な謎を鮮やかに解いてみせますが、その能力をどうやら隠しておきたいようです。その謎解きを披露するのを小佐内さんも望んでいない・・。
二人にはどうも過去に何か問題があったようで、そのトラウマ(?)で目立たない「小市民」を目指すことにしたみたいです。その過去の部分はほぼ明かされていません。それはシリーズを読み進めるうちに明らかになるのでしょう。
「小市民」がどんなものなのかよくわかりませんが、私も「目立たず静かに生きる」ことを目標にしているので、共感できる部分は少しありました。私には小鳩君みたいに謎解き能力も無いので、その目標は簡単にクリアできるわけですけど。目立ちたくても目立てる要素がない・・??

二人の過去に少し興味が出て来たので、続きも読もうと思います。出てくるスィーツも美味しそうですし。
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